著者
松永 麻里 アサノ デービッド K 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

近年、情報の意味や内容に立ち入り、人間にとって必要な情報のみを送信しようとする知的通信が研究されている。知的通信において人間にとって重要な情報を重点的に誤りから保護することを知的誤り制御という。知的誤り制御において情報の重要な部分を重点的に誤りから保護するには、重要度に応じて誤り保護能力を変化させる方法が必要である。本稿では重要度によって誤り訂正能力の異なる畳込み符号を用いて符号化し、符号ごとに異なる信号点配置を当てはめることによって、重要度の情報なしに送信できる不均一誤り特性を持つ符号化変調法について述べる。
著者
松永 麻里 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-08-13

近年、情報の意味や内容に立ち入り、人間にとって必要な情報のみを送信しようとする知的通信が研究されている。知的通信において人間にとって重要な情報を重点的に誤りから保護することを知的誤り制御という。知的誤り制御において情報の重要な部分を重点的に誤りから保護するには、重要度に応じて誤り保護能力を変化させる方法が必要である。 これまでに重要度によって誤り訂正能力の異なる畳込み符号を用いることで重要度に応じた誤り保護を実現する不均一誤り保護符号を考案した。この方法では、復号側で符号化と異なる復号器で復号してしまう復号器選択誤りが起きることがある。本稿ではこの誤り率の上界式を導き、またこの誤りを減らす方法についても述べる。そして、計算機シミュレーションによりその性能を評価する。
著者
桑子 純一 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08
被引用文献数
6

ネットワーク上でデータの送受信を行う場合, 遅延の揺らぎ等により送信側で規定されていた各メディアでの時間相互関係が受信側で崩れてしまい, 結果としてサービス品質(QoS)が劣化してしまう。そこで崩れた時間関係を修復する動作である, 「メディア同期」が必要となる。従来ネットワークで扱われるメディアは画像・音声が中心であったため, これまでのメディア同期の研究においては, メディアとして画像・音声を前提とした研究が行われてきた。しかし将来におけるマルチメディアサービスの多様化を考慮した場合, メディアとして単なる画像・音声という区分では積極的な制御等は困難であり, サービスの内容にまで立ち入った検討が必要となる。本研究では, カテゴリー分類された各サービスに対して遅延が与える影響を定量化し, メディア同期に必要となる品質を, 遅延の絶対値という点から, 画像・音声という分類を超えサービス内容まで立ち入り明らかにする。
著者
臼井 澄夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.9, pp.768-774, 2009-09-01
被引用文献数
1

GPSはカーナビや携帯電話をはじめとして世界中で広い分野にわたって使用されるようになっている.GPSは,衛星測位システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の一つであり,世界ではそのほかにロシアのGLONASS,欧州のGalileoなどのGNSSが運用ないしは計画されている.GNSSは空間情報社会と呼ばれる地理情報・位置情報を活用した社会においては必須のインフラである.一般に利用されるGPS端末による測位は10〜20m程度の誤差を含むが,誤差を低減する各種の測位補強技術が用いられるようになり,高精度の測位を必要とする様々な分野で使用されている.本稿では,衛星を用いた高精度測位技術の現状,世界のGNSSの動向,及び応用分野などについて概観する.
著者
安川 博 板井 陽俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.95, pp.67-72, 2006-06-08
被引用文献数
4

近年,安全な社会を構築する一つの要素としてセキュアシステムが注目されている.指紋や画像を用いた個人認証システムは高度なセキュアシステムを実現するが,処理能力やコスト面等の課題が多く存在する.音による識別はセキュリティシステムに関して,電子タグや指紋認証のようなIDとしての完全性は求めるべくもないが,その不完全さ故のソフトセキュアシステムとしてのニーズも一方では高まるのではないかと期待される.本稿では,映像以外の情報として音(環境音)に注目し,サーベイランスシステムへの活用の可能性を探る.はじめに歩行足音を用いた個人識別の研究動向と環境音の音源分離・識別の研究例を紹介し,技術的課題と今後の展望について述べる.
著者
坂井 邦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.722-727, 2006-08-01

本稿では,パターン認識技術とその応用に関するれい明期の状況を,筆者自身の経験や体験を織り込みながら,現在の状況と関連付けて紹介している.前半では,産・学・官の連携を起点として情報化の追い風に乗って成長した一時期,更にはその後の事業的な見地からの見直しなど,当時の研究開発環境の移り変りを振り返って述べている.後半では,本稿が単なる昔話に終わることのないよう,これまでの努力が現在どのような形で実を結んでいるか,またパターン認識の更なる発展にとって今後は何が必要かなどを筆者の見解も含めて述べている.
著者
藤野 庄三 本吉 彦 若山 永哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.36, pp.63-66, 2007-05-10
被引用文献数
1

筆者らは、複数の端末をPersonal Area Network(PAN)として接続し、これをモバイル網が収容するサービスを提案しており、これまでにPAN中のUSIMを持たない端末に対し認証を行う方式や、端末間でセッションハンドオーバを行う方式を開発してきた。本報告では、ユーザが利用中のコンテンツに対し最適の再生端末を選択するため、周辺端末の表示、音声再生、アプリ実行等の能力情報を携帯端末が収集し、実現可否を判定するシステムの設計、評価結果についてまとめる。
著者
徳田 恵一 益子 貴史 宮崎 昇 小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.1579-1589, 2000-07-25
被引用文献数
65

HMM(hidden Markov model)による時系列の統計的モデル化手法は, 特に音声認識における音声スペクトル列の統計的モデル化手法として広く成功を収めている.HMMは, 離散的なシンボル列を扱う離散分布HMMと、連続値をもったベクトル列を扱う連続分布HMMとに大別されるが, 実際の観測系列には, 離散的なシンボルと連続値が時間的に混在したものがあり, 従来のHMMでこのような観測系列をそのまま取り扱うことはできない.音声のピッチパターンは, このような系列の例である.この問題を解決するため, 本論文では, 可変次元の多空間上における確率分布に基づいたHMMを新たに定義し, 拡張されたHMMのモデルパラメータの再推定アルゴリズムを与えている.拡張されたHMMは, 離散分布HMM, 混合連続分布HMMを特別な場合として含み, 更に離散シンボルと連続値が時間的に混合した観測系列をモデル化することができる.
著者
井関 健太 矢口 勇一 大田 和寛 千葉 将人 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.105-110, 2008-12-11

2次元連続DPアルゴリズムと因子分解法に基づく画像からの3次元形状を効率的に復元するシステムを実現した.2次元連続DPでは画像間の全ピクセルに対する非線形対応のマッチングが可能である.そのため,因子分解法において使用される計測行列を,画像集合の1枚と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応から生成する事で,特別な計測機器やカメラパラメータを必要とせず,少数枚数の画像のみから3次元モデルを生成する事が可能である.一方,2DCDPによる計算コストがO(N^4)となり,計算速度とメモリサイズに関する問題がある.本報告ではこれらの問題に対処するために,2DCDP計算の並列化に基づく計算機環境を構築した.また,野外の大きな建築物である城郭を対象にし,効率的に形状復元を行うシステム実装した.大規模画像への3次元形状復元には,部分3次元形状のモザイキングにより実現する.今回構築したシステムが良好に動作する事を実験により示した.
著者
佐藤 尚登 宮崎 保光 山下 享子 竹中 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.175-182, 1995-03-25
被引用文献数
3

巨大な海洋構造物である南備讃瀬戸大橋付近において,LF帯無線測位システムの電磁波じょう乱が観測された.既に,約100kHzのデッカ電波による磁界強度の測定結果から,じょう乱源は橋梁を支える2本の主塔であり,両主塔をそれぞれ静電容量が0.2μF程度の微小垂直ダイポールアンテナとみなすことができた.本論文では,船位誤差がどの程度起きているのかを解析するために,100kHzのロランC単一送信局からの電波の位相測定を行い,トランシットによる高精度の船位と比較して位相誤差を求めた.その結果,橋のごく近傍を除けば位相誤差の測定値はおおむね計算結果と一致していた.従って,橋の両側約200mから1,500mの広い範囲において,位相じょう乱は時間の単位で±0.2μs〜±0.4μs程度もあり,距離に換算すれば約±60m〜±120mの大きな船位誤差が発生することがわかった.
著者
高玉 圭樹 中須賀 真一 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.514-522, 1998-05-25
被引用文献数
13

本論文では, 個々のエージェントが各々の判断基準(局所評価関数)を変更しながら行動する組織学習指向型分類子システム, および, そのシステムのための新たなマルチエージェント強化学習法を提案し, これらをCADの分野におけるプリント基板配置問題に適用した結果を報告する.以前からプリント基板配置問題では, 設計期間や生産コストを下げるために大域的に最適化を行う方法が数多く提案されているが, これらの方法は与えられた部品を専門家よりも効果的に配置できず, 最終的に残った本質的な部分を専門家にゆだねなければならない場合が多い.そこで, 本システムは大域的な視点で部品配置を決定する方法ではなく, エージェント(部品)間の局所的なインタラクションにより, エージェント自らが自分の部品位置を決定する方法を取り入れる.本システムを実規模のプリント基板に応用した結果, 次の知見が得られた.1)我々のシステムは専門家と同等の実行可能解を見出した.2)従来の強化学習よりも我々のシステムの方が, 試行回数と総配線長の観点において, ともに優れている.
著者
森 大樹 内海 章 大谷 淳 谷内田 正彦 中津 良平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.102-110, 2001-01-01
被引用文献数
27

非同期多視点画像を用いて人物追跡を行う手法を提案する.提案手法では, 多視点で非同期に得られる観測情報をカルマンフィルタにより統合し人物追跡を効率的に行う.試作システムは, 非同期に動作して各視点の画像を処理する複数の観測ノードと人物の追跡を行う追跡ノード, 発見を行う発見ノードからなる.各観測ノードは追跡ノードから送られる予測観測値に基づいて画像特徴と追跡モデルの対応付けを行う.モデルに対応づけられた画像特徴は追跡ノードに送られ, 追跡モデルの更新が行われる.対応づけられない画像特徴は発見ノードに送られ, 新規人物の発見に用いられる.本手法により, 同期型システムに見られる視点数の増加による処理効率の低下, 観測間の冗長性の増大といった問題の発生を抑制しながら, 大規模な追跡システムの構築が可能になる.実画像を用いた実験により, 本手法の有効性を示す.
著者
齋藤 正勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.557, pp.31-40, 2004-01-09

ITの進歩により従来の金融機関の店舗戦略は大きな変革期を迎えようとしている.UFJグループのネット証券であるkabu.comが、実際に新技術基盤を活かしたリテールチャネルのあり方について、グループ戦略と併せ紹介し、今後のシステム資源の有効活用に際してのポイントを解説する.
著者
當間 愛晃 遠藤 聡志 岡崎 威生 石原 洋 宮城 渉 大城 翔 植木 宏 高野 敦伸 稲荷 幹夫 比嘉 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.652, pp.19-24, 2006-03-06
被引用文献数
1

電子マネーユーザに対し購買履歴に基づいたマーケティングを行うための基礎データとなる特徴抽出を行い,ユーザをクラスタリングする方法について検討を行う.特に,ユーザプロファイルおよび購買履歴情報に対し自己組織化マップや協調フィルタリング等を適用したクラスタリング抽出のために検討した事項や,抽出結果について報告を行う.
著者
竹村 安弘 多田羅 勝義 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.2152-2162, 2005-10-01
被引用文献数
6

筋ジストロフィー患者らの人工呼吸中の神経筋疾患患者における人工呼吸回路不全の早期発見を目的として, 呼吸運動モニタ装置を用いた異常検出方法を提案し, その有効性を検証した. 使用した呼吸運動モニタ装置は非接触の三次元視覚センサを応用したもので, 長期間のモニタリングが必要な患者の使用に適している. 異常状態のデータ取得は被検者に大きな負担をかけるため, 正常状態と異常状態の識別領域を形成するための十分なデータが取得できないことから, 判定時点直前の一定期間の状態の生起確率をそれ以前の確率分布から推測し, それが設定された誤報率を下回ったときに異常と判定する方法を考案し, 更に過去の状態に関係なく呼吸停止を判定する機能を組み合わせて検出漏れを防ぐ仕組みとした. 被検者7名による延べ12回の終夜呼吸運動波形測定データにおいて, 本方法による検出テストを行ったところ, 患者の呼吸状態に合わせて60秒から600秒で異常検出を行うとともに, 誤報は3回に抑えられた. これらの結果から, 本方法は人工呼吸回路不全の発見に有効であることが確認された.
著者
松山 久義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性
巻号頁・発行日
vol.95, no.290, pp.31-36, 1995-10-13

測定変数間の線形な関係式とx^2検定を利用して測定器の故障を診断するシステムの設計仕様として,診断対象とすべき測定器の集合,誤報の確率の上限値,検出すべき故障の大きさの下限値と測定器の精度(標準偏差)との比,欠報の確率の上限値が与えられたとき,これらの仕様を満足し,かつ,設置費用最小の測定器の配置を決定する問題を組合せ論的最適化問題として定式化する。また,診断対象システムの自由度に対応する限界検出力の概念を導入することにより,この問題を効率よく解く方法を提案する。
著者
後藤 真孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.12-22, 2001-01-01
被引用文献数
40

本論文では, 複数の楽器音が混在したモノラルの音楽音響信号に対して, メロディーとベースの音高(基本周波数)を推定する手法を提案する.従来の音高推定手法や音源分離手法は, たかだか三つの音の混合音しか扱うことができず, 市販のCDによるジャズやポピュラー音楽の音響信号には有効に機能しなかった.本手法は, 混合音下で安定に抽出できない基本周波数成分には依存せず, 意図的に制限した周波数帯域(メロディーは中高域, ベースは低域)にある高調波成分が支持する最も優勢な音高を求める.その際, 音源数を仮定せずにあらゆる音高の高調波構造が混在しているとみなして混合音をモデル化し, EM(Expectation-Maximization)アルゴリズムにより各高調波構造が相対的にどれくらい優勢かを推定する.更に, マルチエージェントモデルを導入し, 各エージェントが音高の時間的な軌跡を追跡することで, 最も優勢で安定な音高の軌跡を得ることができる.本手法に基づくシステムを実装して実験した結果, 市販のCDからサンプリングした実世界の音響信号に対し, メロディーとベースの音高をリアルタイムに推定できることを確認した.
著者
加藤 喜久 大鐘 武雄 小川 恭孝 伊藤 精彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.1-9, 1998-01-25
被引用文献数
19

低アンテナ高基地局, すなわち各アンテナ素子に生じるフェージングがそれぞれ無相関となる場合について, アダプティブアレーによる干渉除去特性を検討した。本論文では特にアンテナ本数, 干渉波数が多い場合について着目し, SINR特性, BER特性の評価を行った。SINR特性の検討により, 平均SNRが大きい場合には, ダイバーシチ利得がほとんど得られないのに対して, 平均SNRが小さい場合には, ダイバーシチ利得が大きくなることが明らかになった。BER特性においては, アンテナ本数が7本程度までは, ほぼアンテナ本数増加による利得のみとなった。しかし, 10本以上になると若干ながら余剰自由度によりダイバーシチ利得が得られることがわかった。フェージング変動(上り回線, 下り回線)による影響の検討では, 上り回線において, RLS法, SMI補間法では規格化ドップラー周波数が1×10<-4>以下では劣化が少なくほぼ追従できているという結果が得られた。下り回線においては, SMI1次外挿法, RLS1次外挿法, 双方とも規格化ドップラー周波数が1×10<-4>以下ではフロア誤りが1×10<-2>以下となり, ある程度適用可能であることがわかった。
著者
山口 真美 加藤 隆 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.279-287, 1996-02-25
被引用文献数
54

本研究は, 顔の2次元的なパーツの配置情報が年令と性という次元に関してどの程度明確な指標となり, ヒ卜の感性的な評価を支持するものなのかを探索的に調べた分析を報告する. 分析の結果から, (1) 本研究で使用した顔の物理的情報から, 年令の分類がうまくなされること, (2) 性による顔の分類が顔の "部分的な特徴" によってなされるのに対し, 年令による顔の分類は顔の "全体的な特徴" によってなされる傾向が見られること, (3) 特に男性の顔に関しては男らしさといった感性的評価が年令の次元でなされること, 等が示唆された. これらの結果をもとに, 生物的な刺激に対する感性情報を "年令" と "性" の次元からとらえることについて議論を進めた.