著者
有木 康雄 杉山 善明 石川 則之 寺西 俊裕 櫻井 光康
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.385, pp.31-38, 1996-11-22
被引用文献数
16

ニュース映像を対象とし, 記事単位に分割した後, 文字・音声・画像情報を基に索引付けして記事を分類する研究を行っている. 1つの記事は, スタジオシーンで始まり, スタジオシーンに終ることを利用し, カット検出されたフレーム集合において, ループを検出して記事を切り出している. 5分間のNHKニュース30日分をデータベースとし, 99.2%の記事切り出し率を得た. また, ニュース映像中のテロップを認識し, 索引付けして記事を政治・経済など10の分野に大分類した. 同じデータベースに対して, 78.1%の索引付与率と62.5%の記事分類率を得た. ニュース音声に対しても, キーワードスポッティングにより, キーワードを抽出して索引付けし, 記事を10の分野に大分類した. キーワード抽出率53.5%に対して, 50.7%の記事分類率を得た. 最後に, 画像中から顔領域を部分空間法により抽出し, 認識・追跡する実験を行い, 高い認識率を得た.
著者
小林 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.405, pp.9-16, 1993-12-18
被引用文献数
1

「情報活用能力」の育成に関して,各学校では,パソコン等を導入して,応用ソフトウェアの活用など、様々な活動を始めているが,ワードプロセッサ,表計算,お絵かきソフトなどの応用ソフトウェアを授業等で利用する場合,大きく分けて,2つの利用法が考えられる.1つは,応用ソフトウェアをその目的に添って活用する場合であり,これは更に,表現媒体および文房具としての活用に分けられる.他の1つは,その応用ソフトウェアそれ自体を授業の対象とするものである。本稿では,これらの応用ソフトウェアの活用について,人の創造活動を支援すること,あるいは,構造的思考のための教材とすることを強調しながら,その方法や留意点について述べる.
著者
中村 亮一 平澤 貴宏 田中 昌也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.402, pp.19-24, 1999-10-28
被引用文献数
1

本稿では、近年のデータ系トラヒックの急増に応える、高処理能力のマルチプロセッサATM交換システムの呼処理分散方式について述べる。具体的には、マルチプロセッサ上の「入出分離型呼処理モデル」と「交換OS/上位APL分離型呼処理モデル」の2種類の分散方式について、性能や保守性など様々な面から比較・評価を行う。分散方法の優劣は、適用先のネットワークの特性に依存し、性能や品質に優れている前者は安定期のネットワークに適しており、需用(トラヒック量)の変動やソフトウェア処理量増に耐久性の高い後者は、発展期のネットワークに適している。
著者
尹 維理 山田 有喜 米田 隆弘 田川 憲男 守屋 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27
被引用文献数
1

癌の治療法は、外科療法、化学療法、放射線療法など様々であるが、最近重粒子線を用いた治療が注目されている。この方法では、正常組織を避けながら治療部位に線量を集中させることが可能であり、効率的且つ安全な治療が行える。しかし、臓器は呼吸によって大きく変位するため、癌の位置を常にモニターしながら治療を行わなければならない。そのために我々は、超音波画像を用いて実時間で癌組織を追跡するための検討を行っている。今回はその第一段階として、呼吸と臓器変位の相関を実験的に調べた。この相関が十分高ければ、計測の容易な呼吸情報を用いて癌のおよその位置を予測でき、追跡処理を高速且つ安定に実現できる。
著者
橋爪 千枝 Vinod V. V. 村瀬 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-03-06
被引用文献数
1

画像からの物体抽出は, 画像検索, 移動物体追跡などにおいて重要な基本要素技術である. 抽出には, 色, 形状, テクスチャなど様々な特徴の利用が検討されているが, 中でも色情報は, 変形, ひずみなどにある程度ロバストな特徴であり, 画像中の局所的な色特徴量の利用によって安定かつ高速な抽出が可能である. しかし色情報は, 照明光の影響により変化するという不安定要因を持つ. 拘束条件を利用して物理属性パラメータを推定し, 物体の真の色を復元する方法なども提案されているが, 物体抽出への応用は難しい. そこで我々は, 照明光の変動にロバストな物体抽出について検討した.
著者
恒川 佳隆 三浦 守
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム
巻号頁・発行日
vol.93, no.510, pp.9-16, 1994-03-15
被引用文献数
1

最近,計測・制御や通信など様々な分野で,状態空間ディジタルフィルタが用いられるようになってきた。我々はこれまでに,滞在時間を減少したうえで,高い処理速度を持つ多入力多出力状態空間ディジタルフィルタ用VLSI向きアーキテクチャを提案してきた。本稿では,より高速化とハードウェア量の減少を目的として,状態空間ディジタルフィルタの高精度性に着目して処理時間が語長のみに依存する分散演算を先のアークテクチャに適用した高性能VLSIアーキテクチャを提案する.そして,その性能評価を行う.その結果,フィルタの次数および入出力数に関係なく,非常に高速な処理が実現可能となることを明かにする.
著者
高濱 徹行 阪井 節子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.198-207, 2003-04-01
被引用文献数
1

与えられた制約のもとで目的関数を最小にするような解を求める制約付き最適化問題は,実問題に頻繁に出現する重要な最適化問題である.近年,遺伝的アルゴリズム(GA)を利用した制約付き最適化に関する研究も盛んに行われるようになってきており,既存の方法と比較しても遜(そん)色のない結果が得られるようになってきている.本研究では,α制約法をGAと組み合わせたα制約遺伝的アルゴリズム(αGA)を提案する.α制約法は,制約を満足する度合を表現する制約満足度を導入し,通常の大小関係の代わりに制約満足度を優先した大小関係であるαレベル比較を定義し,通常の比較の代わりにαレベル比較を用いて探索することにより,制約付きの問題を制約のない問題に変換する方法である.α制約法を適用したαGAでは,制約を満足しない個体は制約を満足するように,制約を満足した個体は目的関数値を最適化するように自然に進化する.本論文では,線形計画問題,非線形計画問題,非凸非線形制約など様々な種類のテスト問題について,GAによる制約付き最適化手法の中で有効性がよく知られているGENOCOP5.0などと比較することにより,αGAの有効性を示す.
著者
鷹岡 亮 新脇 尋子 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.368, pp.59-64, 2003-10-10
被引用文献数
1

近年、学習支援機能を実現する手段としてエージェントが利用され、教授機能を実現する教授エージェント(Pedagogical Agent)や擬似的な学習者を演じる仲間エージェントなど様々な学習支援環境が提案されている。このような学習支援環境では複数のエージェントが関与することも考えられ、これらエージェント間のコミュニケーションやエージェントの構成法が論じられなければならない。そこで、本研究では、教育タスクを対象としたエージェント構成法に関する基礎的研究として、複数の教授エージェントが関与する学習支援環境における協調プロトコルを開発することを目的としている。本稿では、学習支援プロセスにおける教授エージェント間の協調タスクを分析して定義する。また、そこで必要とされるパフオーマティブと協調プロトコルについて検討する。
著者
泉 裕 中井 智也 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.1463-1473, 2001-10-01
被引用文献数
1

コンピュータネットワークの急速な普及で, ネットワーク通信基盤の主流となったインターネットに, ネットワーク管理の重要性が高まっている.現在ネットワーク管理は, SNMP(Simple Network Management Protocol)による手法が一般的で, 管理者がネットワーク機器を監視するために用いられている.しかし, SNMPによるネットワーク管理は, 管理対象へのポーリング(問合せ)主導型が主流であり, 管理者へのトラップ(通知)主導型の管理に関しては, 制限された機能しか提供できない.このため, 障害発見の遅延や, ネットワークアプリケーションの管理が困難なことなど, 様々な問題点が存在し、拡大するネットワークの規模に対応できなくなっている.本研究では, ネットワーク管理者の代理として, ネットワーク機器やアプリケーションなどの管理対象の監視・制御を行うための管理者支援システムを設計し, 実装を行うことで本システムを評価する.本システムは, 管理者によって設定された, 管理対象の管理スケジュール, 及び管理対象に発生する障害の発見や対応を含む例外処理を, 自動的に制御管理するエージェントシステムとして実現している.更に, 管理対象がアプリケーションの場合, アプリケーションにSNMP等の管理機構を組み込むことは困難であった.しかし, 本システムはアプリケーションへのアクセスを中継する.すなわちアプリケーションを包み込む形態をもつために, アプリケーションへの組込みが容易である.したがってアプリケーションサーバ等が提供するサービス管理に本システムの機構を組み込むことで, サービス管理を容易に実現している.本論文では, トラップ主導型のネットワーク管理モデルの提案と, アプリケーションサーバの提供するサービス管理への適用として, ファイアウォールとWWW(World Wide Web)へのアクセス制御に用いるサービス管理システム(SMS:Service Management System)及びそのアプリケーションの管理情報となるMIB(Management Information Base)の実装評価を行う。
著者
高橋 裕信 新田 義貴 遠藤 隆 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.97, no.330, pp.41-47, 1997-10-17

本報告ではテキストを時系列データと考える大規模なテキストデータベースを対象として, 単語を空間に配置し, 空間の距離を利用した文章の検索方式を提案する. まず, 形態素解析によって分節した単語をノードとして, 単語bigramの作るネットワークを構築する. 次にこのネットワークのノードを有限次元の空間中に, ノード群のクラスタリングを伴なう配置問題を考える. この配置問題は, 時系列方向での近傍共起性から, ノード間の距離を定義し, 有限の小さい次元の空間で効率よく分類 (クラスタリング) するために, 最適化関数を導入した非線形化した手法で解かれている. 本手法を新聞データベースのリアルタイム検索に適用した実験結果について述べる.
著者
関本 信博 西村 拓一 高橋 裕信 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.747-757, 2001-05-01
被引用文献数
8

動画像や音声などの大規模な時系列データベースの中から、逐次入力される時系列クエリーと類似した時系列区間を検出する方式、「Rutic法」を提案する。従来、逐次入力される時系列クエリーを扱う方式としてRIFCDPやIPMがあったが、これらは比較的計算量が多く、検索対象のデータベースが大きくなった場合のリアルタイム検索に不向きであった。本方式は逐次入力される時系列クエリーに対してフレーム入力ごとに検索出力を可能とする。また、本方式は計算量が少ないため、リアルタイムでのスポッティング検索を実現する。本論文では、Rutic法のアルゴリズムを示し、動画像検索に用いた実験を行い他方式と比較することでその有効性を検証する。
著者
横川 勇仁 舩曳 信生 東野 輝夫 森 悦秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.434, pp.37-44, 2001-11-09
被引用文献数
1

近年, 顔面における顔部品に関する研究が医学や心理学など様々な分野で行なわれており, 唇の輪郭・位置についての研究もその一つとして挙げられる.実際, 口腔外科領域においての, 口唇裂症・口蓋裂症患者の治療における, 形成手術の術式検討や術後の患部経過のトレースにおいて, 精密な唇輪郭の抽出およびその顔面内での位置の特定が要求されている.本論文では, 従来より提案してきた, Deformable Templateを用いた唇輪郭抽出法の改良, および内眼角点座標系による顔面内における唇輪郭モデルの位置表現の紹介を行った上で.今回新たに, 抽出精度の向上, およびアプリケーション使用者の負担の軽減を目的とした, 色相・明度閾値自動調整アルゴリズムを提案する.これらの提案より, 唇の形状・位置が精密かつ自動的に抽出できることを示す.
著者
北 研二 林 敏浩 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.60, pp.67-74, 1993-05-22
被引用文献数
1

従来のAI手法に基づいた言語学習システムでは、システムの扱える領域が狭い範囲に限られており、システムの持っている知識も人手に頼って作られてきたために統一性に欠けるなど様々な問題点を抱えていた。本稿では、従来型のシステムの持つこれらの問題点を打開することのできる、新しい言語学習のパラダイムーコーパスに基づいた言語学習(corpus-based language learning)-を提案する。「コーパスに基づいた言語学習」は様々なテーマを包含するきわめて肥沃なパラダイムであるが、本稿では特にコーパスからの知識獲得に焦点を絞る。我々は、「効率的な言語表現」と呼ばれる概念を導入し、これらの表現をコーパスから自動抽出する方法について述べる。「効率的な言語表現」は、人間の言語活動において広い範囲をカバーすることのできる表現であり、言語学習システムが初心者にまず教えなければならない重要な表現であるといえる。
著者
石谷 和久 四七 秀貴 中村 亮一 稲守 久由
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1999, no.2, 1999-03-08
被引用文献数
1

多様なマルチメディア通信の需要の増大に対応するために、マルチプロセッサ構成の分散型通信ノードシステムが提案されている。分散型通信ノードシステムでは、プロセッサ間通信方式として分散オブジェクト指向を採用することで、柔軟なソフトウェア配置と容易なプロセッサ追加を実現している。一般に、通信ノードシステムでは、処理の効率化を達成するためにRealtime OSを備えて、呼処理、保守運用処理など様々な要求品質(処理遅延、損失率など)の異なる処理をその優先順位に従って処理している。一方、分散オブジェクト指向では、サーバ側(ターゲット側)の実行環境とクライアント側の実行環境とは、独立に決定されている。本稿では、分散型通信ノードシステムにおいて、Realtime OSの特性を活かして多様な要求品質の異なる処理を、分散環境で実現するプロセッサ間通信方式を提案する。
著者
篠崎 亮人 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.96, no.598, pp.31-36, 1997-03-18
被引用文献数
1

情報社会の進展に伴い,セキュリティ向上の観点から個人の自動照合技術の重要性が高まっている.これまでに行われている個人照合の研究としては,顔や声など様々な特徴を用いた研究があるが,筆跡により個人の同定を行う筆者照合もその一つである.本論文では,枠内に一文字ずつ日本語で書かれた氏名を用いて,その筆者をオフライン照合する新たな手法について述べる.本手法では,個人性を表わす特徴量として,文字の概形を反映するPeripheral Histogramと文字の線成分の傾き及び長さを反映するSinogramを定義し,これを用いて筆者の照合を行う.本手法の有効性を検証するために被験者50人に対して照合実験を行ったところ,平均誤り率約4%という結果が得られた.
著者
渡部 康弘 吉武 敏幸 駒崎 弘 荒木 久勝 森岡 清訓 姜 黎 劉 佩林 李 信行 中山 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.82, pp.43-48, 2002-05-16
被引用文献数
1

MPEG-4エンコード・デコード同時動作を行う携帯機器向けの低消費電力MPEG-4 CODECコアを開発した。本CODECコアでは、追跡型動き検出アルゴリズム、パイプラインサイクル数最適化、クロック供給自律制御などの技術を用い、QCIF 15fps CODEC動作時9mW、CIF30fpsエンコード動作時38mWという低消費電力動作を実現している。また、MPEG-4で特徴的なエラーコンシールメント処理機能を実装し、ノイズのある通信路でのエラー耐性強化にも対応した。本CODECコアを使用することにより、携帯TV電話、デジタルカメラ、PDAなど様々な携帯機器で、動画像送受信システムを構築することが可能である。
著者
井嶋 博 大住 晃 Djurovic Igor 佐藤 秀明 大倉 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.11, pp.1158-1169, 2003-11-01
被引用文献数
2

不規則雑音に埋もれた信号の検定・推定問題は,音声,通信,計測など工学の分野だけでなく医療,自然信号など様々な分野で応用されている.本論文では不規則雑音に埋もれて受信される信号の遅れ時間と伸縮パラメータを同時に推定する新しい手法を提案する.信号の伸縮が受信された信号の周波数に反映されるということに着目して,時間-周波数解析の有力な手法の一つである擬似ウィグナー分布を用い,その時間-周波数領域における確率場に対して尤(ゆう)度関数を求め,それを最大にするアルゴリズムを導出することによってこれらの未知パラメータを推定する.更に,その有効性を数値シミュレーションによって示す.
著者
三神 京子 中村 明日香 繁富 利恵 小川 貴英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.200, pp.173-180, 2004-07-14
被引用文献数
1

映画館への入場券など,様々な権利を電子化した電子チケットサービスが普及してきている.様々な情報が電子化されることで,情報の取り扱いが容易になる一方,その容易さから利用者のプライバシが脅かされる可能性がある.電子チケットサービスでも,利用者の個人情報,購入・使用履歴などの情報が電子的に管理され,サービス提供者は利用者に応じたサービスを提供しやすくなったが,このような情報が悪用されれば,利用者のプライバシ侵害につながる.そこで本論文では,チケットの入手や譲渡において,利用者の匿名性を保証しつつも適切に運用できる電子チケットシステムを提案する.本システムは,オフライン型電子現金スキームの応用の一つであるRefreshable Tokensスキームの機能を拡張し,匿名でのチケットの購入・使用,さらに利用者間でのチケット譲渡を可能にする.
著者
磯野 勝宣 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.528, pp.53-60, 1999-01-22
被引用文献数
1

任意方向・任意表情の顔画像を生成する技術は, テレビ会議システムなど, 様々なアプリケーションに応用できる.本論文では, 2枚の画像とサンプル画像から得られる表情変化に関する一般的な知識を用いて, 任意表情の3次元構造の復元を行う.入力として, 表情Aの2枚の画像が与えられ, それらより表情Aの3次元構造が復元され、その3次元構造を2枚の入力画像に投影する2つのカメラ射影行列が得られる.一方, 表情Aから表情Bへの表情変化は, 表情Aと表情Bの対応する特徴点の座標の差分として捉えることができる.差分を表情サンプルデータベースを用いて, 抽出する.表情差分ベクトルと顔の類似性, 顔の対称性, 画像間の幾何学的拘束条件を用いて, 2枚の入力画像に対応する, 表情B画像を生成する.2つのカメラ射影行列と2枚の表情B画像が得られれば, 表情B3次元構造を復元することができる.復元実験の結果, 自然な表情B3次元構造を得ることができた.
著者
藤沢 竹弘 米澤 義道 伊東 一典 橋本 昌巳 金子 昌浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.397, pp.17-22, 2000-10-20
被引用文献数
1

空中超音波を可聴信号によって振幅変調した音波はパラメトリックアレー効果で指向性のある可聴音場を形成するが、この超音波を放物面でビーム状にすると、可聴音場も鋭いビーム状とすることができる。我々はビーム状可聴音が聴覚による歩行誘導など様々な応用の可能性を考えている。例えば歩行誘導はビーム中から外れないようにビームに沿って聴取位置を移動させていくことによって実現するが、この場合ビーム音場中での音源定位がどのように行われるかが重要となる。今回、可聴音ビームの形成とその定位特性と多少のビームトラッキング特性について調べたので報告する。