著者
安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.2, pp."SS-1"-"SS-2", 2006-09-07

2001年にスタートした「e-Japan戦略」が2004年に「u-Japan戦略:ユビキタスジャパン戦略」へと変貌し、コンテンツ創製・流通、コンテンツ・ディストリビューション・ネットワーク(CDN)について、今盛んに議論されている。さらに2006年2月には首相官邸知的財産戦略本部より、コンテンツに関し、ユーザ大国・クリエータ大国・ビジネス大国の3本柱を実現すべきとの戦略が出され、我が国のコンテンツ立国戦略は本格化している。ユビキタスIP環境がコンテンツ創製・流通に与えたインパクト、新ビジネスモデルについて考察し、IP放送の重要性を示すとともに、IP放送における著作権問題の動向について述べる。
著者
井上 創造 野原 康伸 安浦 寛人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.390-394, 2006-05-01
被引用文献数
3

本稿では,自動認識技術の中でもRFIDを用いたシステムについて,プライバシーと個人情報保護に関する問題を,技術的に明確化することを試みる.近年,RFIDを初めとした自動認識技術が注目されているが,ここで必ずといっていいほどプライバシーが問題にされる.しかし,利用者やRFIDタグベンダやRFIDにかかわる情報システム技術者にとって共通の理解がされているわけではない.本稿ではプライバシーと個人情報保護を区別した上で,匿名性とリンク不能性という性質の異なる概念を導入する.更に既存の技術をこれらの観点及び,システムやRFIDタグのコストの観点から比較する.
著者
白鳥 世明 Michael F. Rubner
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.430, pp.21-25, 1998-11-20
被引用文献数
18

電解質ポリマーの交互吸着において、吸着槽のpHをシステマティックに制御することにより、全体の膜厚をオングストロームオーダで制御可能であるばかりでなく、ポリカチオン、ポリアニオンそれぞれの膜厚の寄与分をもオングストロームオーダーで制御することが可能である。また、各電解質ポリマー成分の浸透性を調整することができ、表面の接触角を詳細に制御することが可能である。したがって、電解質ポリマーの交互吸着法は有機エレクトロニクス材料、特に有機複合材料としての超薄膜作成に非常に有望である。
著者
望月 貴裕 藤井 真人 八木 伸行 篠田 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.384, pp.77-82, 2007-12-06

本稿では,ダイジェスト映像を処理対象としていた映像のパターン化によるシーンの数値列化に基づくイベント(ホームラン,シングルヒット,四球など)識別手法を試合全体映像に適用するフレームワークを提案し,さらにイベントの間の区間に含まれる試合状況に関する情報を用いて,識別結果に修正を加える手法を提案した.試合全体映像から,投球ショット,リプレイシーン,イニングチェンジなどの出現位置に基づき,識別対象とするイベント候補シーンをセグメンテーションする.パターン化および数値列化したイベントシーンの学習によるイベント識別手法により,各イベント候補シーンのイベント識別を行う.各イベント候補シーンの識別結果とシーンの長さとの関係を利用し,イベントの生起しないシーン(非イベントシーン)を特定する.非イベントシーンおよびイベント候補シーンのセグメンテーションで除去された区間から,画像解析によるベース領域検出などの手法を用いて試合状況に関する情報を抽出し,そこから定められる制約条件に基づきイベントシーンの識別結果の修正を行う.数試合のメジャーリーグの野球映像を用いて識別実験を行い,評価を行う.
著者
黒澤 怜志 石橋 孝一 川端 孝史 久保田 仁 城倉 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.188, pp.69-72, 2009-09-03

近年の無線インフラの整備やモバイル端末の普及に伴い,固定的な通信インフラを必要とせず,無線端末間によりネットワークを構築できる無線メッシュネットワークがあり,最近は特にメッシュネットワークの大規模化が注目されている.適用例としては,工業分野向けネットワークでのデータ収集や制御などがある.メッシュネットワークにおいて,安定したデータ収集を実現するためには,経路制御技術だけでなく,通信帯域を考慮したトラヒック制御や耐障害性を考慮したシステム設計などについて検討していくことが必要となる.そこで本稿では,通信帯域を考慮したトラヒック制御や耐障害性を考慮したシステム設計などについて検討し,実フィールドにて評価を行ったので報告する.
著者
大嶺 裕幸 薮下 剛 紀平 一成 田邊 宏太 葛西 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.100, pp.61-66, 2008-06-19
被引用文献数
1

JAXA(Japan Aerospace Exploration Agency)により開発を行っているH-II Transfer Vehicle(HTV)は,国際宇宙ステーション(ISS:Intemational Space Station)への物資補給を担う無人・自動ランデブ宇宙機である.HTVはISSへ接近する際、ISSに搭載されているGPS受信機とHTVに搭載されているGPS受信機により相対航法を行うため、高精度な測位が可能である.マルチパス環境下においては、GPS受信機はマルチパスによるシュードレンジ誤差が発生する.このマルチパスによって生じるシュードレンジ誤差成分は、相対航法により除去できない成分となるため、測位誤差を生み出すおそれのあるマルチパスによる影響を前もって予測し定量的に把握しておくことが重要となる.本報告では,ISS構造物によるマルチパスを考慮した遅延波の解析並びにシュードレンジ誤差解析結果について報告する.ISS構造物をパドルやラディエータ等の駆動部も考慮して詳細なモデル作成を行い、レイトレースによりマルチパス遅延波を精度良く算出した.この結果、ISSで発生するマルチパスによるシュードレンジ誤差の方向を算出することができる.更に、ISS,GPSの軌道に連動したISS構造物によるシュードレンジ誤差の変動の予測が可能であることを示す.
著者
久保 博嗣 村上 圭司 藤野 忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.97, no.194, pp.7-12, 1997-07-25
被引用文献数
7

本報告では, 時間分散の大きな伝送路下で, 少ない状態数で良好なビット誤り率(BER)特性を実現することを目的として, sortingを回避した簡単化リスト出力ビタビ等化器を提案する. 時間分散の大きな伝送路に対して, 生き残りパスの総数を一定とした場合,リスト出力ビタビ等化器が有効であるが, sortingにより処理遅延や回路規模が増大する. 本報告では, (1)リストにおける下位のパスの選択に不確定性を許容すること, (2)選択したパスを尤度順に並べる必要をなくすことにより, 処理遅延および回路規模の抑圧が可能であることを示す. 次に, 周波数選択性フェージング下で, 従来のリスト出力ビタビ等化器と比較して, 提案手法の特性がほとんど劣化しないことを, 計算機シミュレーションにより明らかにする.
著者
葛 崎偉 吉岡 尚美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.220, pp.47-54, 1998-07-28
被引用文献数
1

本論文は、2プロセッサを用いてリストトケジューリングを行なったときのプログラムネットの挙動を調べる。対象のプログラムネットは有向閉路を持たなくSWITCH-lessであり、さらに個々のAND-nodeが高々一つの入力技しか持たないものとする。優先リストは静的と動的なリストが混在する混合型のものである。本論文では、まず実行中のプログラムネットの状態を解析し、(i)それぞれのノードの優先順位、(ii)最優先ノードの入力トークン数および(iii)最優先ノードの数に関する性質を求める。そして、これらの性質を利用して、混合型優先リストによって得られたスケジュールが最適となるための一つの重要な定理を証明する。最後に、プログラムネットの挙動を解明するためのネット構造性質を与える。
著者
島田 伸敬 白井 良明 久野 義徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.50, pp.25-32, 1994-05-19
被引用文献数
9

本論文では,手指の単眼視時系列シルエット画像から三次元形状モデルを用いて手指姿勢を解釈する手法について述べる.まず時間的な拘束から予測される手の平の姿勢をモデルを用いて生成し入力画像のシルエット形状との適合度を評価することで手の平の姿勢候補を選択する.さらに手の平の候補について各指の姿勢候補をモデルを用いて生成し,輪郭の突起特徴にもっとも適合するものを推定する.突起特徴に対応しない指の姿勢はシルエットとの重なりの形状と面積を考慮して選択する.最後に実際の手指画像に対して行った実験の結果を示す.
著者
小杉 信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.672-681, 1994-04-25
被引用文献数
51

顔画像認識の全自動化のためには,画面内の顔の検出から認識まで一貫した処理が必要である.しかし,従来のように,形状特徴を用いた検出や認識を,柔物体の典型である顔に適用することは非常に困難である.そこで,本論文では顔画像による個人識別への適用を前提とし,濃淡情報のみを用いてCoarse-to-fine処理により画面内の顔画像を探索し,これを認識に適用する.まず人間の頭部を連続的な多重解像度モザイクを用いて画面内から見つけ出す.更にモザイクにより頭部領域内から顔の中心部を検出し,目や鼻部分のヒストグラムにより正確な位置を決定する.この探索アルゴリズムを動画から得た100人に適用した結果,髪により目が隠されているものなどを除く97%の探索・位置決めに成功した.更に,探索成功後の結果を認識に適用した結果,99%の認識率を得た.また,本手法は,画面内の任意の位置にある大きさの顔画像を探し出すことが可能であり,加えて,背景は不均一でもよいこと,カラーは不要であることなど,従来の入力画像に対する制約を大きく低減し得たものである.
著者
松元 隆博 棚田 嘉博 佐藤 公則 長澤 庸二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.374-386, 2001-03-01
被引用文献数
18

シフト直交実数有限長系列は, シフトの両端を除いてサイドローブが0になる鋭い非周期自己相関関数を有する.この系列は, 長さが短い系列から作った要素系列の畳込みにより合成される.この系列に対するマッチトフィルタは, 要素系列に対するマッチトフィルタを縦続接続して構成することにより, 乗算数がO(log_2M)となって高速処理に適する.この原理に基づき, 高速なディジタルマッチトフィルタをフィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)上に試作した.各要素系列値は乗算を簡単にするために整数で近似する.Wallaceトリーのアルゴリズムとパイプライン処理を併用して, 試作器は1万ゲートのFPGAを用い, 長さ33の系列から作った8ビット量子化の符号に対しチップ速度16Mcpsで動作する.
著者
岩田 具治 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.51, pp.13-18, 2009-05-15

トピックモデルに基づく内容に関連するタグの抽出法を提案する.ソーシャルアノテーションサービスでは,ユーザが任意のタグを付与できるため,しばしば内容に関連しないタグが含まれる.内容に関連するタグの抽出により,情報検索の性能向上や,文書分類や画像認識などの機械学習タスクの精度向上が期待できる.提案法では,内容とタグが生成される過程をモデル化し,確率的EMアルゴリズムを用いてモデルを推定することにより,関連するタグを自動的に抽出する.人工データ,および,Webページと画像を対象とするソーシャルアノテーションサービスの実データを用いて提案法の有効性を示す.
著者
小室 信喜 六田 智之 待井 一樹 白石 剛大 上田 裕巳 河西 宏之 坪井 利憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.453, pp.95-100, 2009-02-23

センサなどを利用して人や物,環境に関する情報を認識するシステムが期待されており,人や物の位置検出は必須技術の一つであるといえる.屋内における位置推定法として,UHF帯RFID(Radio Frequency IDentification)を用いる方法を検討し,シミュレーションによる評価を行う.しかしながら,アンテナの指向性,反射,減衰などの影響により,遠方のタグが読まれたり直近のタグが読まれなかったりする場合があるため,実験による検討は困難である.また,実験室だけではなく鉄骨造のマンションや木造家屋での検討を行う必要があるが,実験による検討は困難であるためシミュレーションによって検討する必要がある.そこで,本稿では,屋内におけるUHF帯パッシブ型RFIDタグの読み取りパターンを求めるシミュレーション方法を示した.特に,人体の影響を考慮したシミュレーションを行った.その結果,レイトレースシミュレーションを用いて,遠方のタグを読み取ったりする現象を再現でき,反射波,人体はタグの読み取りに大きい影響をあたえることを示した.
著者
小室 信喜 六田 智之 待井 一樹 白石 剛大 上田 裕巳 河西 宏之 坪井 利憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.455, pp.95-100, 2009-02-23

センサなどを利用して人や物,環境に関する情報を認識するシステムが期待されており,人や物の位置検出は必須技術の一つであるといえる.屋内における位置推定法として,UHF帯RFID(Radio Frequency IDentification)を用いる方法を検討し,シミュレーションによる評価を行う.しかしながら,アンテナの指向性,反射,減衰などの影響により,遠方のタグが読まれたり直近のタグが読まれなかったりする場合があるため,実験による検討は困難である.また,実験室だけではなく鉄骨造のマンションや木造家屋での検討を行う必要があるが,実験による検討は困難であるためシミュレーションによって検討する必要がある.そこで,本稿では,屋内におけるUHF帯パッシブ型RFIDタグの読み取りパターンを求めるシミュレーション方法を示した.特に,人体の影響を考慮したシミュレーションを行った.その結果,レイトレースシミュレーションを用いて,遠方のタグを読み取ったりする現象を再現でき,反射波,人体はタグの読み取りに大きい影響をあたえることを示した.
著者
金子 拓也 石崎 俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.187, pp.17-24, 2000-07-07
被引用文献数
1

(社)日本電子工業振興協会対話理解技術専門委員会は、広い意味での対話処理の研究開発に資するため、対話データの収集と構造化を実施し、その成果であるタグ付き対話コーパスを公開するとともに、その収集および構造化の方法に関する提言を発信することを目的として活動している。今年度は昨年度までに作成したマルチモーダル対話コーパスの配布を進めるとともに、このデータに対するタグ付け作業をほぼ完了し、2000年6月にタグ付きコーパスを部分公開する予定である。本報告ではマルチモーダルデータ構造化の諸相という観点から、人間の言語行動における複数モダリティー(統語構造・共参照、対話構造、韻律、表情)の構造化技法と構造化データの性質について報告する。
著者
乾 健太郎 脇川 浩和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.228, pp.31-38, 1999-07-23

近年, 信頼性の高い品詞・構文タグつきコーパスに対する需要の増大にともなって, コーパスを共有・再利用することの重要性がますます大きくなっている. しかし, 既存のタグつきコーパスでは基礎とする品詞体系が統一されておらず, そのことが共有・再利用の障害となっている. このような背景から本稿では, 既存のコーパスの品詞・構文タグを別の品詞体系に基づく品詞・構文タブに変換するアルゴリズムについて論じる. 本稿で提案する手法では, ターゲット側品詞体系に基づく文法・辞書でコーパスを形態素・構文解析することによって半自動的にタグ付けを行う. このとき生じる曖昧性は, ソース側タグ情報を最大限に利用することによって高い精度で解消することができる.
著者
森 信介 伊東 伸泰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.189, pp.47-54, 2001-07-09

確率的言語モデルを基礎とする自然言語処理において、タグが付与された学習コーパスは重要であり、これを増量することが精度向上につながることがわかっている。しかしながら有意な精度向上のためには、学習コーパスを指数関数的以上に増加させる必要があり、このために必要なコーパスにタグを付与するコストは無視できない程度になっている。このような背景のもと、本論文ではタグなしコーパスの利用による形態素解析と仮名漢字変換の精度向上について述べる。実験では、タグなしコーパスの利用により、確率的言語モデルの予測力やそれに基づく仮名漢字変換の精度は有意に向上し、タグなしコーパスは0.87倍の量のタグつきコーパスに匹敵したが、形態素解析の精度向上は微小であった。
著者
村松 正彦 安村 禎明 新田 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.601, pp.1-7, 2002-01-17

本研究では, 判決文から判決文の論理構造を表示するツールを開発する.このツールは, 判決文のタグ付けを支援する機能と, 判決文の論理構造を表示する機能からなる.タグ付け支援機能では, タグ付けが容易な判決文の全体構造については自動的にタグ付けし, 自動でタグ付けが困難な原告・被告・裁判官の論争部分の論理構造についてはタグ付けの候補を表示する.タグ付けの候補は文章中のパラグラフや接続詞などを手掛かりに決定する.判決文の論理構造表示機能は, タグ付け支援機能によって判決文に付けられたタグ間の関係から, 判決文の論理構造を表示する.