著者
牧野 秀夫 森下 文仁 阿部 好夫 山宮 士郎 長谷川 勝 石井 郁夫 中静 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.3094-3100, 1997-11-25
被引用文献数
12

3次元物体の実時間音声案内を目的に, 同一形状でも種類の異なる物体の識別が可能な音声案内方法を検討した. 具体的には, 従来開発してきたテレビカメラによる図形情報案内システムを基本とし, 更に物体識別には従来の画像処理による方法に代わり, バーコードを用いることとした. しかし, 物体に通常のバーコードを貼付する方法では, 視覚障害者用教材を他の障害者教育に応用する場合問題があり, また日用品等に応用した場合はプライバシー保護の点からも適切ではない. そこで, 通常の可視光領域では検出されず赤外線にのみ優れた反射特性をもつ顔料を用いたバーコードを作成し, これを物体識別用に用いる方法を考案した. 実験では, 識別用の積み木表面に貼付した見かけ上同一色のバーコードから個々の情報が自動的に読み取られ, 更にパーソナルコンピュータに接続された音声合成装置から3秒以内に物体案内情報が出力されることを確認した. 本論文ではリ非可視型バーコードの具体的な検出方法と音声案内結果について報告する.
著者
加藤 伸雄 高見 一正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.167, pp.21-24, 2006-07-12

ユビキタス社会の成熟に伴いRFIDタグの普及が期待されているが、バーコードに比べてまだまだ単価が高く,費用対効果のバランスをとるためには一次利用以外にも二次利用のためのアプリケーションの検討が必要である.本稿では広域広告システムを想定し,人に付帯している複数のRFIDタグから抽出した嗜好情報に基づいて,表示情報を決定するアルゴリズムを提案する.アルゴリズムでは,RFIDタグを読み込んだ位置から他のディスプレイへの波及比率,システム全体の嗜好傾向,およびインターネット上の口コミ情報も利用できる仕組みとすることで,効果的に表示情報を絞り込めることを特徴としている.試作システムを作成して,提案したアルゴリズムで嗜好にあった表示情報を選択できることを確認した.
著者
湊 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.78, pp.27-32, 2007-05-31

二分決定グラフ(BDD)は,大規模論理関数を主記憶上に効率よく表現するデータ構造であり,1990年頃より,車にVLSI設計自動化の分野で盛んに研究開発されてきた.近年,このBDDが,データマイニング・知識発見の分野においても活用できることがわかってきた.特に,ゼロサプレス型BDD(ZBDD)と呼ばれるタイプのBDDは,疎な組合せ集合を効率よく扱うことができるため,現実に扱われる多くのデータベースの解析処理に適している.本稿では,ZBDDを用いた頻出アイテム集合マイニングの技法や,様々なクエリを集合演算として処理する渾繹データベースへの応用,アイテム集合に関する独立成分や対称成分を高速に抽出するアルゴリズム等,BDDを用いたデータマイニング・知識発見技術に関する最近の話題について述べる.
著者
劉 健勤 下原 勝憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.453, pp.35-38, 1999-11-20

非線形パターンに関する感知プロセスの創発メカニズムに基づいて、適応型画像セグメンテーションのモデルとアルゴリズムを提案する。最適化の基準を利用して事先の知識と環境の依頼性を滅する。私たちはGenetyllisシステムを構築し、人間とコンピューターの通信を目指している。この研究成果は心理学、生理学と人工生命の統合に核心的パターン特徴抽取への有効手段を探索する。なお、視覚パターン発現の領域中に創発的計算技術を創出すると考えています。
著者
鳴海 建太 西田 京介 山内 康一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.605, pp.1-6, 2007-03-08
被引用文献数
2

現在スパムメールが問題化しており,メールの内容を基にスパムメールか否かを分類するスパムメールフィルタが多数考案されている.その中でもNaive Bayesなどの統計的学習機械を利用したフィルタは多く実用化されており非常に高い精度を実現しているが,多数のメールの学習を行った後はこれまでの傾向とは違うメールの学習が進みにくくなってしまう.日々変わり続けるスパムメールに対処するにはこの問題を解決しなければならない.一方,学習に即応性があるフィルタとしてはNearest Neighborに代表されるインスタンスベースの学習機械を用いたフィルタがあるが,計算量や使用メモリ量が大きいため多くのメールを保持して分類に使用することができない.そこで本研究では,即時的な学習を行うインスタンスベースの学習機械と,過去の大量の知識を記憶する多数の統計的学習機械を組み合わせて分類を行うことで,スパムメールの変化に対応できるフィルタを提案する.また,計算機実験による他の学習機械のフィルタとの比較によって,提案フィルタが変化に対応して優れた分類精度を実現することを示す.
著者
松本 信幸 井田 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.3, pp.31-36, 2008-04-10
被引用文献数
5

フレーム内処理の再構成型超解像方式を,エッジ部に加えてテクスチャ部や平坦部でも高画質化させる.従来のフレーム内再構成超解像方式は,輝度変化が被写体の輪郭に沿って連続する性質である自己合同性に着目し,エッジ部分において高い鮮鋭感が得られる高解像度化を行う.今回,まず,入力画像をエッジ部/テクスチャ部/平坦部に分割する.続いて,エッジ部では入力画像と自己合同性から生成した条件,テクスチャ部では入力画像から生成した条件を満たすように,フィルタ方式で拡大した画像を修正することで高解像度化する.従来のエッジ部分での鮮鋭感向上に加えて,テクスチャ部分での明瞭感の向上や,平坦部でのノイズの増幅を抑えることができ,17名の被験者による3次畳み込み内挿法との一対比較で約60[%]の採択率を得た.
著者
HANYU Takahiro KAMEYAMA Michitaka
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on electronics (ISSN:09168524)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1662-1668, 1999-09-25
被引用文献数
12

A new logic-in-memory VLSI architecture based on multiple-valued floating-gate-MOS pass-transistor logic is proposed to solve the communication bottleneck between memory and logic modules. Multiple-valued stored data are represented by the threshold voltage of a floating-gate MOS transistor, so that a single floating-gate MOS transistor is effectively employed to merge multiple-valued threshold-literal and pass-switch functions. As an application, a four-valued logicin-memory VLSI for high-speed pattern recognition is also presented. The proposed VLSI detects a stored reference word with the minimum Manhattan distance between a 16-bit input word and 16-bit stored reference words. The effective chip area, the switching delay and the power dissipation of a new four-valued full adder, which is a key component of the proposed logic-in-memory VLSI, are reduced to about 33 percent, 67 percent and 24 percent, respectively, in comparison with those of the corresponding binary CMOS implementation under a 0.5-μm flash EEPROM, technology.
著者
三島 雅史 田中 美栄子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.126, pp.19-23, 2006-06-16

人間に乱数生成を行わせると,体調や性格の違いによって特徴的な数列を生成することが知られており,これを人間乱数と呼んでいる.我々は人間乱数を利用して初期の認知症の自己診断に使えるようなプログラムの作成を試みており,そのために必要なデータの収集と解析方法の研究を行ってきた.本報告では健常者と精神障害者のデータの特徴を比較し,また健常者間の個人差を隣接二文字の生成偏差を利用してパターン認識する簡便な手法を提案する.また,異なる採取方法で取ったデータを比較し,結果が採取方法に大きく依存することを示すと共に,データをカオス時系列とみなして相関次元を求め,比較する.
著者
永田 和之 山口 修治 堤田 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18
被引用文献数
5

当所では,平成6年に公開した年賀ハガキの郵便番号を収録した手書き数字データベース「IPTP CD-ROM1」を用いて手書き数字に関する認識技術調査を実施した.本稿ではその結果について報告する.
著者
河田 佳樹 仁木 登 隈崎 達夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.1134-1145, 1996-06-25
被引用文献数
55

血管障害は, 心臓病や脳卒中に関連して死亡数の大きな疾病である. この診断や治療のためには微妙な動脈瘤や狭窄の位置, 形態, 大きさなどの定量的な血管の解剖学的情報が求められる. 本論文では, コーンビームCTで計測した高精度な3次元血管画像を用いて血管の診断や治療を支援する3次元血管像処理アルゴリズムについて述べる. コーンビームCTはX線源と2次元検出器からなる高速回転撮影装置で撮影したコーンビーム血管造影画像からショートスキャンのコーンビーム画像再構成法を用いて3次元血管再構成画像を得るものである. 3次元血管像処理アルゴリズムはこの3次元血管再構成画像から血管走行方向の抽出, 血管断面積の計測, 血管経路の選択や経路の距離計測, 病変形態の表示や容積の計測を可能にするものである. これらは3次元2値血管画像の細線化や血管芯線のグラフ表現抽出に基づいている. これらを患者の3次元血管再構成画像に適用し, 血管の診断や治療計画を支援することに有効であることを示す.
著者
曽根 博之 片山 貴裕 石橋 茂雄 臼井 博明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.435, pp.25-30, 2002-11-06
被引用文献数
6

イオン化蒸着法を用いると蒸着時に重合活性種を作ることができ,アクリレート化合物などを基板上での連鎖反応により重合させることができる。蒸着重合中に色素を共蒸着することにより,色素分子の構造や溶解性に左右されることなく,色素ドープ高分子膜が得られるものと考えられる。そこで,発光性色素を蒸着中に,重合性アクリレートをイオン化蒸着法により共蒸着して,色素混入量を制御した蒸着重合膜を作製した。この膜は,色素単独の蒸着膜と比較し,熱的安定性が向上するとともに,ホール輸送層に積層したEL素子で発光を観察した。
著者
高橋 幸太郎 西谷 隆夫 小松 広昭 加藤 博憲 小元 規重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.479, pp.25-30, 2007-01-18

20011年アナログ停波に向け、難視聴地区解消のために地上デジタル放送のマルチビーム衛星による再放送を検討した。このためには地上デジタル1チャンネル当たり23Mbpsの情報を10Mbpsにまで圧縮する方式が必要になり、H.264方式の採用と番組共用方式で対応する.但し、番組共用方式だけでは10Mbpsに対応できず、符号器側の量子化パラメータの簡単な制御が必要になることが明確になった。
著者
河合 秀泰 藤井 俊治郎 石田 憲弘 町田 博宣 尾浦 憲治郎 本多 信一 片山 光浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.200, pp.1-4, 2006-07-27

スクリーン印刷法で作製したカーボンナノチューブ(CNT)エミッターのエージング効果について調べた.DC電界下,20mA/cm^2の定電流で3時間,フィールドエミッションを持続させた結果,相対的に長いCNTが短くなり,新たに起毛したCNTが観察された.蛍光板による発光実験では,エージング後,局所的な電界集中がおこる箇所が減少し,エミッションの均一性が著しく改善した.これは,エージングによりCNTの長さが均一に揃い,エミッションサイトが増加したことに起因すると考えられる.さらに,電流密度の経時変化の測定から,エージングを施したエミッターでは,電流密度がより安定しており,寿命特性が向上していることがわかった.
著者
池田 聖 岡部 孝弘 佐藤 智和 阪野 貴彦 向川 康博 山崎 俊太郎 佐藤 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.538, pp.415-424, 2008-03-03

2007年10月16日〜19日にブラジルリオデジャネイロで開催されたコンピュータビジョンに関する国際会議ICCV2007の概要を報告する.
著者
池田 聖 岡部 孝弘 佐藤 智和 阪野 貴彦 向川 康博 山崎 俊太郎 佐藤 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.539, pp.415-424, 2008-03-03

2007年10月16日〜19日にブラジル リオデジャネイロで開催されたコンピュータビジョンに関する国際会議ICCV2007の概要を報告する.
著者
堂坂 浩二 島津 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション
巻号頁・発行日
vol.95, no.321, pp.1-8, 1995-10-20
被引用文献数
3

本稿では,実時間対話における漸次的発話を生成するためのプランに基づくモデルを提案する.このモデルは,与えられた問題を解決しながら,その問題の解を対話相手に自然言語で提案するために,時間制限の下に漸次的に発話を行う.このモデルは(1)問題の解が部分的に決まった段階で発話を開始する,(2)実時間対話に特有の談話構造を利用して,小さな発話単位で発話を行う,(3)言語運用制約を使って,発話の自然性を損なうことなく,発話を漸次的に行うという利点をもつ.また,発話シミュレーション実験により,モデルの有効性を検証した.
著者
山本 強 土居 意弘 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.440, pp.139-145, 2001-11-14

JGNが提供する超高速ネットワーク環境は配信されるコンテンツの高品質化、大容量化だけでなく、これまで実現できなかった新しいサービスを可能にすることができる。本報告では新映像フォーマットとしてネットワーク上でリアルタイム中継可能な映像フォーマットを紹介する。従来から全周映像は特殊な光学系を用いて実現されていたが、収録系が大型になること、前処理が必要な場合が多いことなどから蓄積コンテンツを対象として開発されていた。本研究ではネットワーク上でのリアルタイム中継を目的として収録系からシステムを検討し、小型かつ実時間中継可能な方式が実現できたので報告する。
著者
濱田 美奈子 玉田 春昭 中道 上 武村 泰宏 大平 雅雄 バーカー マイケル
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.298, pp.29-34, 2005-09-10

プログラミング実習において, 教授者は限られた実習期間内で教育効果を上げるために学習者の自発性を高める必要がある.そのため, 教授者は学習者の自発性の高さを実習期間中に把握し, その後の実習に効果的に反映させることが求められる.著者らは自発性の一因として感情に着目し, 実習時に学習者が抱く感情の強さから自発性を測定することができるか調査した.その結果, 4つの感情の強さを測定することで, 学習者の自発性の有無の可能性を示すことができた.