著者
本郷 仁志 安本 護 渡辺 博己 ジャンクリストフ テリヨン 山本 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.443, pp.7-12, 2000-11-10
被引用文献数
16

多視点カメラ画像から人物の性別、年齢、顔向きなどの情報をセンシングすることで、その人物の意図を推察し活動を支援する空間(パーセプトルーム)の構築を目的として、幅広い年齢層から男女均等に顔画像を水平24方向・垂直7方向各15度間隔の168方向から収集した300名のデータベースを開発している。本稿では、パーセプトルームのプラットフォームとなる多視点画像収集システムとそれを用いて収集した多方向顔画像データベースについて述べる.本データベースを用いて顔部品抽出した結果について報告する。
著者
澤井 里枝 塚本 昌彦 寺田 努 LOH Yin-Huei 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.939-950, 2002-10-01
被引用文献数
14

近年,衛星放送やデータ放送の普及により,放送されるコンテンツの種類や量が加速度的に増加している.大量のデータが受信される環境では,ユーザが必要とするデータを探し出すことは非常に困難であるため,自動的に必要なデータのみを抽出するフィルタリング技術に対する要求が高まっている.このような要求に対し,これまで多数のフィルタリング手法が提案されている.しかし,それらの手法を定性的に表現する数学的基盤がいまだ確立されていないため,各手法の定性的な評価や最適化,フィルタリングのための宣言的言語の設計などができなかった.そこで本論文では,フィルタリングを関数として定義し,様々なフィルタリング手法の性質を関数が満たす条件として表現することで,情報フィルタリングの数学的基盤を確立する.また,各性質を表現する制約条件の包含関係を示すことで,フィルタリングがもつ性質間の関係を明らかにする.本論文で論じる数学的基盤をもとに,実際のフィルタリングを分類し,性質に応じた処理方法を選択することで,より効率的なフィルタリングを実現できる.
著者
南谷 和範 工藤 智行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.174, pp.11-15, 2011-07-28

障害を持つ受験者に対しては冊子による試験方式のみでは公平な受験機会の保証が難しい。今回、視覚障害受験者への音声による出題に的を絞り、大問形式の長文問題を出題できる試験問題リーダー(文書ブラウザ)を開発した。試験問題を格納する文書フォーマットとしては、DAISY 2.02フォーマットを元にして、出題に不可欠な機能拡張を加えたフォーマットを用いた。DAISYフォーマットで定義される見出しを点字ディスプレイ上に点字シンボルとして提示することで、ユーザは試験問題のアウトライン、文書要素の論理的なツリー構造を理解できる。
著者
羽田 久一 広石 達也 三次 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.334, pp.69-74, 2008-11-27
参考文献数
7
被引用文献数
3

大型ディスプレイの低価格化とコンピュータの遍在に対するコストの低下に従いキオスク端末やデジタルサイネージ等といった情報提供用のコンピュータの需要が高まってきている。現在のこれらのサイネージ用ディスプレイへのインターフェースは小型のキオスク端末に関してはタッチパネルを用いるものが広く使われているがキオスク端末以外のものでは、考慮されていない事が多い。本研究では通る、立ち止まる、近づくといった公共空間でのディスプレイに対する自然な行動をトリガーとするインタラクション性を与えることを目標する。このときに利用者を認識することでその嗜好にマッチした情報を提供することを考慮にいれ、RFタグを用いた個体認識と距離計測を利用したシステムを提案する。UHF帯域のRFIDシステムを利用することで、タグからの受信電力およびタグからの受信IDを利用してこれら2つの目的を同時に満たすシステムを構築した。
著者
岡本 学 田中 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.311, pp.111-116, 2001-09-10
被引用文献数
1

ネットワーク上での電子投票では, 二重投票や票の水増し・改ざんが憂慮される.また集計局が悪意をもてば, 集計中にその結果を洩らして利用する不正なども存在し得る.それらを防ぐ手段が提案されているが, 投票者の負担が多くなりがちであったり, 集計局を複数設置する必要があったりする.ここでは, PIN番号を付記したカードをあらかじめ作成して匿名に配布し, 投票者は単に自分が投票したい候補に対応したカードを提出することで投票作業が完了する方式を提案する.投票締切まではどのカードがどの候補に対応しているか公表しないため, 一つの集計局設置で済み, また, 集計局が途中経過を知ることはできない.
著者
赤穂 昭太郎 速水 悟 長谷川 修 吉村 隆 麻生 英樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1546-1553, 1997-09-25
被引用文献数
28

画像や音声といった複数の情報源をもつマルチモーダルなシステムがそれらの情報を統合して概念を学習するための枠組みについて考察する. 画像に対する複数の属性のうちの一つを音声で教えて, 属性の種類と分類を自動的に獲得する. これを隠れ変数を含む統計的な学習法であるEM法を用いて行う. 特徴抽出レベルでは, YIQ画像に対する多重解像度相関特徴を提案し, 概念獲得のために必要な特徴を抽出するための正準相関分析を行い, 最終段でEM法を用いた多値回帰による概念獲得を行うモデルを提案し, 実際の画像と音声を用いた学習実験の結果を紹介する.
著者
中津留 義樹 平松 良介 星野 准一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.38, pp.57-62, 2011-05-06

本稿では,エンタテインメントで用いられるコントローラを軟体物質で構成された柔軟性を持つものにすることで,より多くの感覚を使え,より多くのモーションを許容する体感型コントローラを実現できると考える.従来研究として曲げセンサを使用した軟体コントローラにより,その有用性が確認されている.しかし,従来の曲げセンサによる方式では耐久性に問題があった.そこで,本稿では曲げセンサに替わる大気圧センサを使用したボール型軟体コントローラを提案する.展示を通して提案した新方式の耐久性と操作性の検証を行う.
著者
今枝 卓也 高汐 一紀 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.39-44, 2008-07-10
被引用文献数
2

近年,ユビキタス研究の発展により,様々なセンサが環境内に埋め込まれるようになってきた.しかし,環境内に埋め込まれたセンサ情報の取得はデータベースに関する知識の無いユーザには敷居が高く,センサ利用の妨げになっている.また,センサが多量になると,得られる情報が煩雑になりすぎ目的の情報にたどり着けないという問題が発生する.本研究ではこれらの問題を解決するために,Augmented Reality(AR)技術を用いてセンサ情報を可視化し,センサ情報フィルタ機構と容易に理解可能なインターフェースを備えた"uMegane"システムを開発した.
著者
安藤 彰男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学
巻号頁・発行日
vol.102, no.419, pp.37-38, 2002-10-23

本稿では、音声認識を利用した2つのリアルタイム字幕制作システムを紹介する。1つは、ニュース番組を対象とした字幕制作システムである。このシステムでは、番組中のアナウンサーの声をリアルタイムで認識し、認識結果中の認識誤りを即座に人手で修正して、字幕原稿を制作する。もう1つは、バラエティ番組やスポーツ中継を対象とした字幕制作システムである。こちらでは、番組中の音声を直接認識するのではなく、リスピークと呼ばれる方式をベースとしている。NHKでは、ニュース用字幕制作システムを利用して、2000年3月27日から、毎日ニュース番組の字幕放送を実施している。また、リスピークに基づくシステムを用いて、2001年12月31日の紅白歌合戦、2002年2月のソルトレークシティオリンピックなどの字幕放送を実施した。
著者
益満 健 越後 富夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1848-1855, 2001-08-01
被引用文献数
24

本研究では,ユーザの視聴行動をから好みを学習し,その人の好みを反映した要約映像作成手法を提案する.過去に見た映像と類似した映像の重要度は高く,早送りなどによりスキップした映像に類似した映像の重要度は低くなるように各フレームの重要度を推定し,この重要度をもとに要約映像を生成する.重要度の推定では,画像から得られる特徴量をそのまま使うのではなく,固有空間により得られる特徴ベクトルを用いることにより,様々な特徴量を効果的に扱う.更に,ユーザの嗜好を反映するために,ユーザの2種類の行動(視聴したか,早送りによりスキップしたか)から投票に基づく学習を用いたため,ユーザに意識させることなく学習が行える.本提案手法をサッカー映像に適用し,好みを反映した要約映像を生成し,本手法の有効性を確認した.
著者
柴原 花奈 荒木 雅弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.260, pp.31-36, 2009-10-22

視覚を失った人が点字の学習をするためには,他者の補助を必要とする.単独では,点字表現と共にその点字と対応する音韻との関係を知ることができないからである.このことが,点字を学習することへの心理的ハードルとなる場合がある.そこで,文字コード-点字変換器である点字ディスプレイ・音声認識器・音声合成器を組み合わせる事によって点字とその読みの対応を学習するシステムの構築を試みた.本研究では,このようなシステムをマルチモーダルインタラクションシステムの一例としてとらえ,情報処理学会情報規格調査会の提案するMMI標準アーキテクチャ上で実装した.
著者
杉村 直紀 原田 和郎 石原 好之 戸高 敏之 難波 嘉彦 吉田 和久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.25, pp.7-12, 2002-04-12
被引用文献数
2

将来、電磁波低減型照明器具の開発を解析シミュレーションにより行えるようにするため、本報告ではそのモデル化技術について述べている。さらに、その技術を使った電磁波低減型照明器具の検討の一例を紹介し、実測にてその妥当性を検証した。最終的には0.05〜0.50MHzの周波数範囲で約3dB以内で高精度な解析モデル化技術が開発された。
著者
砂山 渡 井山 晃洋 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.1089-1097, 2004-12-01
被引用文献数
4

検索エンジンにおいて検索結果として表示される情報は,目的の情報を素早く獲得する上で重要なものである.特に,検索結果の各Webページの要約文は,各Webページの内容を知る上で重要であるとともに,ユーザが入力した検索語が各Webページ内でどのように使われているか,すなわち検索語と各Webページとのかかわりを知るために有効である.しかし,従来の検索エンジンにおける検索結果の要約文は,Webページの冒頭部分のテキストが抜き出されて検索語が含まれていなかったり,検索語を含んでいても文の途中で切れていて文として不完全で,文脈やWebページの内容を把握できないという問題点がある.そのため文を単位とした要約の出力が望まれるが,HTMLテキストにおいては,句点を含まない,文以外の記述が数多く含まれているため,そのまま文を単位とした重要文抽出システムによって要約文を提供することは困難である.そこで本論文では,各Webページのソースを文に相当する意味の切れ目において分割するHTMLテキスト分割システムを提案する.また,本システムにより生成されるテキストが,Webページの要約生成に有効に働くことを実験により検証した.
著者
中西 洋喜 加藤 治久 渡辺 敏暢 石上 玄也 西牧 洋一 丸木 武志 吉田 和哉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.655, pp.45-51, 2002-02-15

流星は,彗星を起源とする塵が大気圏に突入して発光する現象であり,この塵には生命の起源となった有機物が含まれている可能性が示唆されている.本論文では,しし座流星群をはじめとする様々な流星群を,大気圏外から観測を行い,イメージおよび分光データを取得する小型衛星,LEOLEO(Leonid-Meteor Observer in Low Earth Orbit)-IIを提案する.本衛星には,I.I.CCDカメラ及び分光器が搭載される.これにより地上からでは大気の影響で観測が極めて困難であった,流星の紫外線領域での分光観測が可能となり,これまで得ることができなかった貴重なデータを得ることが期待できる.
著者
楢橋 祥一 岡崎 浩司 福田 敦史 河合 邦浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.188, pp.7-11, 2006-07-20

移動端末を介して提供されるモバイルサービスは将来,あらゆる機器やモノが電波を介してネットワークに接続され実空間と仮想空間が連携するモバイルユビキタス化に対応することが期待されている.モバイルユビキタス化された世界では,機器やモノを取り巻く環境に応じてさまざまな周波数帯の適用が考えられることから複数の無線システムが混在・共存することが想定される.移動端末において複数の周波数帯に対応できるReconfigurable RF回路を構成することは,将来のモバイルサービス提供における技術的要のひとつである.RF-MEMS (RF Micro-Electro-Mechanical-Systems)デバイスはReconfigurable RF回路を構成するキーデバイスのひとつとして着目されており,RF-MEMSデバイスを応用した各種無線回路が提案されている.本稿では,RF-MEMSスイッチを用いた帯域切替型整合回路(Band-Switchable Matching Network; BS-MN)を用いた4バンド高効率電力増幅器(Power Amplifier; PA),くし歯型線路とスイッチを用いた可変共振器およびフィルタ,ならびにRF-MEMSスイッチの動向について述べる.
著者
佐々木 智樹 松原 崇充 野崎 康 木戸出 正繼
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.94, no.10, pp.1622-1630, 2011-10-01

本研究では,近年活発に研究が行われている"ロボットによる卓球タスク"において,打球の予測問題に焦点を当て,多様なスピン(回転速度と方向)を伴う打球について高精度な打球予測を実現することを目的とする.卓球の球は非常に軽く,スピンによる影響を受けやすいため,高精度な打球の予測のためには,スピンの状態を知る必要があると考えられる.しかしながら,卓球の球は通常無地の球形をしており,状態の変化を表す画像特徴が検出されないため,カメラなどによるスピンの計測は困難である.そこで,本研究では,プレイヤーのスイング動作に着目し,スイング動作に含まれるスピン関連情報を抽出し,打球予測に利用するアプローチを提案する.具体的には,各プレイヤーについて,モーションキャプチャによって計測されるスイング動作と,ステレオビジョンによって計測される打球の位置を多数取得し,これらのデータを用いて,スイング動作からスピン関連情報への特徴変換を求める.そして,多様なスピンを伴う打球について,カメラから得られる球の位置と,スイング動作の特徴変換により求まるスピン関連情報を用いることで,高精度な予測を実現する.
著者
LIMA Amaro ZEN Heiga NANKAKU Yoshihiko MIYAJIMA Chiyomi TOKUDA Keiichi KITAMURA Tadashi
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.87, no.12, pp.2802-2811, 2004-12-01
被引用文献数
6

This paper describes an approach to feature extraction in speech recognition systems using kernel principal component analysis (KPCA). This approach represents speech features as the projection of the mel-cepstral coefficients mapped into a feature space via a non-linear mapping onto the principal components. The non-linear mapping is implicitly performed using the kernel-trick, which is a useful way of not mapping the input space into a feature space explicitly, making this mapping computationally feasible. It is shown that the application of dynamic (Δ) and acceleration (ΔΔ) coefficients, before and/or after the KPCA feature extraction procedure, is essential in order to obtain higher classification performance. Better results were obtained by using this approach when compared to the standard technique.