著者
吉田 明央 生田 かおり 大野 泰男 佐藤 誠 鈴木 信吾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.620, pp.1-4, 2005-01-20
被引用文献数
6

一般的に携帯電話などに搭載されている液晶ディスプレイは自己発光しないので背面に配置したLEDバックライトを光源としている。LEDはCCFLのような線状発光とは異なり点発光である為に、組み込んだLEDとLEDとの間の光量が少なくなり暗部が発生しやすくなる問題がある。これは液晶ディスプレイを点灯表示させるとLED近傍で明暗の輝度ムラとして視認されやすい。そこで、このLED間に発生する暗部を解消する方法について述べる。
著者
河瀬 諭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.190, pp.93-98, 2011-08-19

本研究の目的は,アンサンブル演奏における視覚情報の役割について,タイミング調整の側面から検討することである.そのために,ピアノデュオ演奏において,様々に視覚情報を制限した際の演奏者間のタイミングのずれを計測した.実験1では,非対面条件,頭部のみ見える条件,頭部以外見える条件,対面条件での演奏について検討した.その結果,非対面条件以外で,ずれは十分に小さく,条件間でずれの大きさに差は無かった.実験2では,頭部の動作の有無について実験を行った.その結果,頭部を固定すると,ずれの大きさは非対面条件よりも小さく,頭部の動きが自由な条件よりも大きかった.これらの結果から,タイミング調整には,演奏者の動作が寄与しているものの,視線などの頭部に含まれる手がかりも用いられていることが示唆された.
著者
グエン ミン テイ 川村 隆浩 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.2970-2978, 2013-12-01

本論文は,実世界での人々の行動を分析し,状況に応じた適切な情報提示などへ役立てることを目的に,Twitterなどソーシャルメディアから行動ネットワークを構築する研究の一環である.ソーシャルメディアからの行動抽出にあたっては,さまざまな理由から呟かれなかった行動が数多く存在し,結果として行動ネットワークがスパースになってしまうという問題が存在する.そこで,行動の性質とユーザのゴールを考慮した行動ベース協調フィルタリング手法を提案し,欠損行動の推測を試みる.また,協調フィルタリングによる頻度の原理の副作用としての低頻度だが価値のある情報が埋もれてしまう問題に対して,人が成功している人や行動にどのように影響を受けるか,を単純にモデル化し,一定の重み付けを行う方法を提案する.そして,東日本大震災発生時のtweet 337,958件を対象に評価実験を行った結果,提案手法を用いることで行動ネットワーク内の欠損行動ノードを一定程度,補完できることを確認した.
著者
小野 慶一 堀川 敏樹 小林 政尚 佐々木 整 竹谷 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.96, pp.77-84, 1996-06-15
被引用文献数
1

デルファイ(Delphi)法はアンケートの回答や意見を調整、収斂する方法の1つである。このデルファイ法は、回答者に前回の回答結果をふまえ再検討した回答を行わせるものであるが、回答者へのフィードバックは断続的に行われる。この断続性を解決しようとしたものに、リアルタイムデルファイ法があり、グループアナライザとして実現されている。しかし、このグループアナライザは回答者が同一の時間に同一の場所にいなければならないなど、限られた範囲でしか利用できない。そこで、本稿では、まずリアルタイムデルファイ法の問題点とその解決法について考察し、システムに必要な機能の検討を行う。さらに、具体例によってインターネットを用いたリアルタイムデルファイ法の実現方法について述べる。
著者
亀田 弘之 税田 竜一 久保村 千明 伊藤 憲治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.486, pp.61-65, 2007-01-19
被引用文献数
4

今日の認知リハビリテーションではテレビゲームも利用されているが、これらのゲームは、必ずしも認知リハビリテーション用ではなく、また、人間の脳機能モデルに基づくものでもない。本稿では、精神医学の知見(モデル)に基づく本格的な認知リハビリテーション用ゲーム作成プロジェクトとその方法論をについて述べる。具体的には、認知リハビリテーションの現状、本来あるべき認知リハビリテーション用ゲームの考察・検討等、さらには認知リハビリテーション用ゲームの作成例について報告する。
著者
渡辺 孝弘 李 七雨 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.6, pp.1571-1580, 1997-06-25
被引用文献数
43

本論文では, インタラクティブシステム構築に適した動画像からの実時間ジェスチャ認識手法について述べる. 本手法は, ジェスチャを行う特定部位の部分画像を低次元のジェスチャ空間内で表現することによって, 大量の動画像情報を効率的に処理するものである. まず, 画像中からジェスチャを行う特定部位がMaskable Template Model (MTM) を用いて実時間でロバストに抽出される. MTMとはさまざまに変形する物体との柔軟なマッチングが行えるように, 従来のテンプレートマッチングの手法を我々が改良したものである. 次に, その抽出された部位画像系列をジェスチャ空間に投影して入力ジェスチャ曲線として表現し, この曲線とモデルジェスチャ曲線を比較することによってジェスチャを認識する. ここでのジェスチャ空間は, モデルジェスチャの部位画像系列をKL展開することによってあらかじめ構成しておく. 我々は, 本手法を利用して実時間インタラクティブシステムー仮想指揮システムを実現した. 本システムは, ユーザが行う指揮者のジェスチャを認識して, 計算機が奏でる音楽を実時間で制御するもので, 本手法の有効性を示すものである.
著者
宇井 修 中山 実 清水 康敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.892-899, 1997-04-25
被引用文献数
32

通信衛星による講義形態が異なる二つの遠隔通信講座を, 同一の評価項目で評価し, 講義形態が学習者の評価に与える影響を分析検討した. 二つの講義形態とは, アナログ・フル映像方式による全国配信と1.5Mbit/sのディジタル準動画像方式による双方向通信である. 総合的な評価の結果では両者とも良い結果を得たが, 両者を比較すると, アナログ・フル映像方式による全国配信の方が高い評価が得られた. また, 評価項目を因子分析した結果, 「画質」「臨場感」「質疑応答」「時間配分」「内容」「音声」の6因子が抽出された. 「画質」についてはアナログ・フル映像による全国配信の方が, 「質疑応答」や「音声」ではディジタル準動画方式による双方向通信の方が有意に高い結果であった. また, 総合的評価を各因子で説明する重回帰分析を行った結果, 「画質」や「臨場感」が強く影響を与えており, その結果が総合評価に影響を与えたことが明らかになった.
著者
間瀬 憲一 中野 敬介 仙石 正和 篠田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.127-134, 2001-02-01
被引用文献数
98

アドホックネットワークは基地局や有線網に依存せず, 移動端末を構成要素とする自律分散形のネットワークである.21世紀の情報通信基盤に不可欠な要素として, 発展が期待される.アドホックネットワークに特徴的な無線マルチホップ通信を実現するため, パケット無線方式と無線回線接続方式の利用が考えられる.無線マルチホップを用いて, 情報通信・情報流通を効率的に行うため, ルーチング, マルチキャスト, ブロードキャストに関する技術課題がある.会合等での効率的な情報交換, 地域情報の案内, 安全・快適なコミュニティ実現等, 様々な応用が期待される.
著者
孫 寧 安倍 正人 根元 義章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.922-930, 1995-06-25
被引用文献数
62

本論文では,高精度な手書き文字認識システムDASH(Directional element feature And Subspacemethod based Handwritten character recognition system)を提案する.DASHの特徴として,(1)外側加重や線素化アルゴリズムの改良を加えた改良型方向線素特徴量(2)部分空間法における部分空間の構築方法が挙げられる.DASHの認識精度を検証するため,ETL9Bの全セットを用いてオープン実験を行った.その結果,全セット平均として,97.76% の認識率が得られ,提案するシステムが手書き文字認識において極めて有効であることが判明した.
著者
蓮池 和夫 バンディオパダイ ソンプラカシュ 植田 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.2007-2014, 2002-12-01
被引用文献数
44

アドホックネットワークは,無線マルチホップ機能を利用して,基地局や交換機等のインフラストラクチャに依存しないいわゆるインフラフリーのネットワークであり,将来のモバイル通信の一形態として大きな期待をもたれている.ここでは,アドホックネットワークの技術的課題,特にMAC(メディアアクセス制御)プロトコル,ルーチングプロトコルの現状・課題などについて述べる.更に,近年ホットな話題となっている指向性アンテナ・適応アンテナを用いたアドホックネットワークの様々な研究動向について紹介する.
著者
小塚 晃透 辻内 亨 三留 秀人 福田 敏男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.1654-1659, 1997-10-25
参考文献数
18
被引用文献数
13

超音波の放射圧によるカを利用して, 微粒子を非接触でマニピュレートする手法について, 実験的に検討を行った. 四面形振動子とその焦点位置に設置した反射板間で水中に定在波音場を生成し, 懸濁したアルミナ粒子を投入したところ, 振動子中心軸上に粒子を捕そくすることが可能となった. 更に, 周波数を変化させることで中心軸上を1次元的に移動し, そのときの周波数増分を選択することにより, 整列した粒子群を分離できた.捕そくした粒子は, サブミクロンの分解能で数ミリメートルの距離を移動させることが可能である.
著者
金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.781-786, 1993-05-25

慣用暗号系FEAL-4は,既知平文攻撃に対し安全性が不十分であることを示す.本論文の解読法は,差分攻撃法をもとに2段階の線形連立方程式を用いる.ランダムな平文暗号文ペア24組に対し解読確率90%以上,計算時間はpc98で14秒である.
著者
佐藤 毅 安井 一民 中川 [トシ]夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1466-1472, 1997-09-25

主メモリの管理機能はシステム全体の効率に大きな影響を与える. 特に, 主メモリ上に複数個のジョブをおき, 同時に処理を行う多重プログラミングでは管理方策が重要である. メモリ利用効率上大きな障害となるのが, メモリ上に多数の細かい小さな空き領域が発生するフラグメンテーション問題であり, この問題の根本的な解決はいまだ提案されておらず, さまざまな解決方策が研究されている. 本論文では, メモリ利用効率の改善方策としてよく知られているコンパクションとスワッピングの二つの機能を組み合わせたメモリ管理モデルを確率モデルとして定式化し, 信頼性理論を応用して, メモリ空間・時間空間などの浪費を最小とする最適方策について議論する.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣 杉之下 文康 山中 徳唯 小木曽 圭一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.482, pp.61-66, 2009-03-06
参考文献数
10

筆者らは、ミリ波帯を用いたスタジオ用のハイビジョンワイヤレスカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を進めている。このカメラには、高い回線信頼性を有した、高画質・低遅延でのハイビジョン映像の無線伝送が要求されている。今回、1フレーム以下の低遅延でハイビジョン映像を伝送することが可能な42GHz帯を用いたミリ波モバイルカメラを試作した。そして、2008年12月31日にNHKホールで開催された「第59回NHK紅白歌合戦」の番組撮影において、初めて使用したので報告する。
著者
田中 一広 栗原 茂久 岡村 吉彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.151-157, 2005-01-01
被引用文献数
3

2002年12月14日にH-IIAロケット4号機によって打ち上げられた環境観測技術衛星みどりII(ADEOS-II)に搭載されているグローバル・イメージャ(GLI)は,走査幅1600kmを36チャネルの可視域がら中間熱赤外域の波長で観測する光学センサである.2003年10月25日にADEOS-IIは太陽電池パドルからの発生電力の低下により運用を終了したが,それまでの間,GLIは予定していたグローバル観測を連続して実施した.本論文では,GLIの軌道上の特性評価結果について述べる.
著者
萩原 克幸 戸田 尚宏 臼井 支朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.9, pp.2058-2065, 1993-09-25
被引用文献数
35

階層型ニューラルネットワークの学習法としてバックプロパゲーションを用いる場合,ネットワーク構造が適切でないと,学習した入出力関係が獲得すべき入出力関係からずれてしまう.こうしたことから,情報量規準AIC(Akaike's Information Criterion)による構造決定が試みられているが,その有効性に関してAICの導出に立ち入った考察はなされていない.一方,最近,同じ出力を与える階層型ネットワークの結合重みは必ずしも一意性をもたないことが指摘されている.本論文では,3層階層型ネットワークを用いた非線形回帰モデルに対して,結合重みの非一意性のために,AICが導出できないことを示す.また,数値実験に基づき,3層階層型ネットワークを用いた非線形回帰モデルの複雑さに関して考察した.更に,AICを直接適用した場合,線形回帰モデルと比較して多めのパラメータ数(中間ユニット数)が選択される傾向にあることを数値的に確かめた.本論文の考察結果は,一般に,漸近展開による方法で構成された規準に対して,結合重みの非一意性が無視できないことを示したものである.ネットワークの構造決定規準を構成するためには,その統計的性質に関する考察がまだ不十分であるように思われる.
著者
広田 修 加藤 研太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.290, pp.1-6, 2005-09-09

西岡・長谷川・石塚・今福・今井氏らは最初の批判論文[2]において、測定の工夫とある関係式を用いれば「Y-00が従来のストリーム暗号と等価である」と証明ができると主張されたが、我々は当該論文は基本的な測定エラーを無視しており、その帰結は誤りであることを指摘した。それを受けて、前回の当研究会において[5], 今福・今井・西岡・長谷川・石塚(経済産業省産業技術研究所、東京大学、三菱電機)氏らは西岡らの結論の辻褄を合わせることを目的に、今回は盗聴者が得た測定エラーを含むデータ列に対して類似の関係式を使うと西岡の結論が再度得られるという再批判を無理な論理で展開している。本稿では、彼らの論理展開から彼らの結論を演繹することが出来ないことを丁寧に解説し、彼らの解析は"無意味"であることを示す。
著者
佐藤 高弘 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.534, pp.13-18, 2002-12-13
参考文献数
6
被引用文献数
34

「怒り」,「悲しみ」,「喜び」,「リラックス」などの4種類程度の感情に対応した10ch.程度の脳波信号を基準とし,フラクタル次元解析を用いた信号処理と認識処理によって各感性を定量的に評価する手法として,感性フラクタル次元解析法を提案する.頭部に配置したn個の電極間の電位差に対するフラクタル次元解析により得られる_nC_2個の変数の組を感情の特徴量として用い,これに線形写像などによる簡単な認識処理を適用することにより,各感情の強度を定量的に評価する.提案手法では,武者ら[l]による従来手法に比べ,認識に用いる感性の特徴量の数を同条件下で1/3に,同認識率下では1/9程度にまで抑えることが可能である.また,認識手法として線形写像を用いて行った評価実験では,学習時に用いていない脳波データに対する認識率の比較において,従来手法に比べて平均約30%の認識率向上がみられた.