著者
鶴田 伸一 押川 修士 鹿嶋 雅之 佐藤 公則 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.31-36, 2010-03-08
参考文献数
18

動画コンテンツのハイライトシーン抽出に関する研究は数多く見られるが,その多くはスポーツ映像やニュース映像など,構図やシナリオ等が既知のものを対象としている.本研究において,我々は映画やテレビドラマなどの動画コンテンツに対し,見せ場シーンに着目したハイライトシーン抽出手法を提案する.提案手法では動画コンテンツを音声と映像の2つの視点から捉え,それぞれから個別に特徴抽出を行う.これらの特徴抽出は,ハイライトシーン抽出の対象となる映像コンテンツに関する事前知識を全く必要とすることなく行われる.また,各々の特徴に対し重み付けを行い評価することにより,会話・動き・効果音それぞれに着目した映像メディアの検索が容易に行える.パブリックドメインのカラー実写映画およびアニメーションに対し,提案手法を適用し,特徴シーンの抽出およびそれに基づいたシーンの分割図の作成を行った.
著者
菅谷 保之 金谷 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.674, pp.35-42, 2006-03-10
参考文献数
18

本論文では2画像の特徴点対応から基礎行列を計算する最尤推定とそのKCR下界との関係を述べ,具体的な数値計算法としてFNS法,HEIV法,くりこみ法のアルゴリズムをまとめる.さらにガウス・ニュートン反復を用いる方法を追加し,シミュレーション画像を用いてこれらの反復解法の収束性を検討する.反復の初期値はランダムに,最小二乗法で,およびTaubin法で定める3通りで比較する.最後に実画像を用いた実験を示す.これらの実験によって各々の計算法の特質が明らかになり,結論としてFNS法が最も収束性に優れていることが示される.
著者
宮部 真衣 吉野 孝 重野 亜久里
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.6, pp.708-718, 2009-06-01
参考文献数
11
被引用文献数
7

医療の現場では,外国人診療時における患者との対話に大きな課題を抱えている.現在は,医療通訳者同行による対応を行っているものの,その需要は急速に増大しており,24時間対応や緊急時対応などが困難である.情報技術への期待が大きいものの,長期的な利用可能性をもつ実用的なシステムの実現・導入には至っていない.理由としては,(1)医療分野では,極めて高い翻訳精度が要求されており,機械翻訳技術による支援は難しい,(2)異なる言語を用いる利用者間の対面同期環境における対話は,その状況の特殊性からほとんど検討されておらず,更に,医療従事者も情報技術による具体的な支援のイメージをもつことができていない,が挙げられる.そこで我々は上記の問題を解決する多言語医療受付支援システムM^3(エムキューブ)の構築を行った.M^3では,医療分野で利用可能な翻訳精度を実現するために,用例対訳を用いる.本論文では,対面同期環境における多言語対話のためのインタフェースとして,役割に応じたインタフェース及びフローチャート型情報提供機能を提案する.また,システムの試用及び提案機能の実験を行い,M^3は実際の中規模病院への導入を実現した.
著者
赤池 正巳 奥泉 良一 田辺 好幸 小川 建 西尾 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27
被引用文献数
1

高周波能動回路の効率の改善において、アイドラのリアクティブ処理が重要である。アイドラリアクティブ処理の方法の一つとして、負荷を解放/短絡にすることがある。しかし、従来の大信号解析では、負荷のインビーダンスが有限な数値であるため、各調波ごとの負荷の解放/短絡の表現が難しかった。本報告では、ハーモニックバランス法を用いた解析において、各調波ごとの負荷の解放/短絡を、仮想的な電圧源を負荷と直列に挿入することで表現し、その効果の検討を行う。これは、文献[1]の方法を応用し、数値解を求めたものである。これらの解析の表現法をまとめたものを表1に示す。
著者
老木 智章 鈴村 豊太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.351, pp.27-32, 2009-12-11

我々はIBM Researchが開発しているストリーム処理系System S上で動作するウェブサーバーTonegawaを開発した。Tonegawaでは、一つのリクエストを複数の段階に分けて処理を行う。それぞれの段階を複数のマシンで行うことで、Tonegawaでは従来の方式よりも細かい粒度での分散環境におけるウェブサーバーの構築が可能である。また、Tonegawaの静的コンテンツ・動的コンテンツの配信能力の評価を行うことで、ストリーミングプログラミングを分散ウェブサーバーに適応した場合の性能特性を示した。また、System Sでマルチノードを用いるプログラムを開発する際に生じる開発効率の定性的評価、プログラムの定量的評価を行った。
著者
森山 剛 斎藤 英雄 小沢 慎治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.95, no.319, pp.9-16, 1995-10-20
被引用文献数
6

本研究では、人が声を聞いた時に知覚する感情の概念と、平静時から変化した音響パラメータとを定量的に対応付ける分析合成系を提案する。まずいくつかの言葉で感情音声を発し、それを聞いた際に受ける印象を主観評価した結果を因子分析して因子を得る。この時同時に感情音声の音響パラメータを主成分分析してその主成分を得る。こうして得られた因子と主成分の重回帰分析を行うことにより得られる重回帰係数行列を対応情報とする。分析系では、対応情報に基づいて得られた音響パラメータから感情情報を獲得する。合成系では、対応情報に基づいて、感情情報から音響パラメータの平静時からの変化分を得る。本稿では、構築するシステムの概要を述べると共に抽出された因子の妥当性を検証する。
著者
坂口 菊恵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.598, pp.1-6, 2003-01-17

行動の同調はコミュニケーションの円滑化に重要な役割を果たしているが,なかでもその時間的側面に注目した"movement synchrony(動きの同調化)"はヒトの生体としての身体的な反応性と深く関わると考えられ,興味深い.本研究では初対面の男女40組の,行動観察室内での10分間の相互作用のうち,最初1分と最後1分のmovement synchronyを分析した.女性のなかで,痴漢や"ナンパ"に遭うといった繁殖上のリスクを多く経験した者は最後の1分で同調化を抑制すること,および最初の1分で男性がよく動き多くのsynchronyを形成すると,女性に好意を持たれる傾向があることが示された.
著者
山本 太郎 千葉 直子 植田 広樹 高橋 克巳 平田 真一 小笠原 盛浩 関谷 直也 中村 功 橋元 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.124, pp.41-47, 2011-07-05

我々はインターネットの利用における安心について研究を行っている.初期グループインタビューの結果により,我々は「安心」そのものではなく,より認識し易い「不安」にまずは着目することとし,不安発生モデル仮説を立てた上で,東京都における訪問留置方式による質問紙調査,10ヵ国における国際電話比較調査,在日外国人グループインタビューを実施してきた.また,具体的なネットサービスに関するWebアンケート調査についても実施・分析中である.本論文では,これまでの取り組みのまとめとして,それらの概要について紹介する.
著者
橋本 修 平地 康剛 佐薙 稔 西野 有 下田 秀昭 天野 義久 川上 英一郎 花澤 理宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.548, pp.49-60, 2001-01-11

2000年の欧州マイクロ波会議の概要を報告する。本会議は30回目となり10月3日から5日までフランスのパリで開催された。今回もEuropean Microwave Week(10月2日から6日)、European Microwave Conferenceを核としGAASとEuropean Wirelessとの合計3つの会議を合体させて開催する方式で行われた。本論文は招待および一般論文の合計は328件であった。本報告では欧州マイクロ波会議での発表を(1)会議の概要、(2)アクティブ関係、(3)アンテナ関連、(4)CAD・解析、(5)ミリ波・光・センシング、(6)パッシブ関係、(7)通信・システム、(8)散乱・放射・環境電磁・人体影響に分けて紹介する。
著者
足立 大 山中 健太朗 春原 政浩 降旗 建治 柳沢 武三郎 湯浅 昌謙
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.398, pp.81-86, 2002-10-18
参考文献数
4

本報では,日本の伝統建築物の一つである寺院(長野県信州新町 興禅寺)の音響特性と鳴らしものについて音響工学的観点から解析・検討した.寺院の残響特性を解析するとともに,施食会という儀式を録音・分析することによって,儀式に使われる鳴らしものについて周波数分析した.その結果から,本堂の残響時間は人の存在によって0.8秒前後(無)から0.7秒前後(有)へ変化すること,代表的な鐘の各共振周波数比が1:2.7:5であること等を明らかにした.そのような鳴らしものの中で,木魚は前報で検討し,等価回路に基づく合成木魚音が有効であることを明らかにした.この合成木魚音をバーチャル木魚音と呼び,引き続き,ばちによる力関数との畳み込みによる合成方式を提案し,バーチャル木魚と本物の木魚との合奏効果を検討した.その結果から,バーチャル木魚は本物の木魚と同様に使用できることが分かり,一人で何役もこなすことができる点でその有効性が検証されたと言える.
著者
前川 泰之 初田 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.117, pp.147-152, 2009-07-01
参考文献数
7

1995〜1998年と2003〜2008年の間に、大阪電気通信大学(寝屋川市)において連続的に測定されたKu帯およびKa帯各種衛星電波の受信レベルデータを用いて、降雨減衰量のサテライトダイバーシティ効果に対して時間遅延ダイバーシティを併用した場合の時間率改善について検討を行った。方位角が互いに30°から60°程度異なる6種類の衛星伝搬路間において、累積時間率が0.1〜0.01%程度の減衰量に対する時間率改善効果は、サテライトダイバーシティ単独では数十%に止まるが、両衛星間で時間遅延ダイバーシティをさらに行うと60分程度の遅延時間で一桁を超える改善が得られることがKu帯とKa帯で同様に示された。この改善効果は伝搬路が西側の衛星の信号を遅らせる方がより効果が上がり、台風や夕立よりも寒冷前線や停滞前線による降雨でより顕著であることが分かった。Ku帯ではこの60分の遅延時間により減衰量約4dB以上で一桁を超える時間率改善が望めるが、Ka帯では減衰量約8dB以上で有効となり、それ以下の減衰量ではさらに長い遅延時間が必要であることが示された。
著者
田中 健二 近藤 喜美夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.581-588, 1999-04-25
被引用文献数
12

文部省が平成7年度第2次補正予算により構築を開始した大学間衛星ネットワーク(スペース・コラボレーション・システム:SCS)は, 全国の国立大学, 国立高等専門学校, 大学共同利用機関のうち36機関の延べ50箇所に設置したVSAT局(Very Small Aperture Terminal:超小型地球局)と本ネットワークの制御や監視を行うためにメディア教育開発センターに設置したHUB局(統括局:併せてVSAT局としての機能も有する)から構成される双方向性を有する全国規模の高等教育衛星ネットワークとして平成8年10月2日よりその運用を開始した. 本ネットワークでは, 任意のVSAT局が任意の局とグループを構成し, 1.5Mbit/sのディジタル回線を2回線用いたテレビ会議システムを構成することで, 授業・ゼミ・研究会・研修会など様々な教育・研究交流活動を共同・協調して行うことができる. 本論文では, SCSの方式選定の考え方とシステム構成について報告する.
著者
森下 諒一 松本 哲也 竹内 義則 工藤 博章 大西 昇 石崎 隆志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.467, pp.15-20, 2010-03-05
参考文献数
5
被引用文献数
2

本研究は,屋外で鳴らされる緊急自動車(救急車,消防車,パトカー)のサイレン音を検出し,その情報をドライバーに提示することによる安全運転支援,緊急自動車の円滑な走行支援を目的としている.また,従来研究での課題である,高雑音環境下での検出性能の向上を目指す.サイレン音の検出方法は,サイレン音のスペクトルが倍音構造をとるという特徴を用いた基本周波数推定処理,過去数フレームで推定した基本周波数からどのサイレン音が鳴っているか判定するサイレン音識別処理の2つからなる.ホワイトノイズと実際に録音した交通雑音を付加したサイレン音を用いた評価実験から,SN比0dBの雑音環境において,サイレン音の基本周波数を正しく推定し,サイレン音の識別が正しく行われることを示した.
著者
松原 仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.419, pp.43-46, 2012-01-19
参考文献数
6

人工知能は人間のような知能を持った人工物を実現すること,あるいはコンピュータを道具として知能に関する知見を得ることを目標としている.人工知能における最初のグランドチャレンジはチェスであった.1950年頃から研究が始まって1997年にコンピュータチェスのディープブルーが世界チャンピオンのカスパロフに勝利した.チェスは探索や並列化など人工知能の数多くの技術的な発展に貢献した.チェスの次に来るゲームのグランドチャレンジは将棋と囲碁である.コンピュータ将棋は2010年に女流プロ棋士に勝利し,トッププロ棋士に勝つのももうすぐである.囲碁はチェスや将棋とルールが異なる特殊なルールなのでコンピュータはずっと弱かったが最近モンテカルロ法を使うことでアマ高段者のレベルに達している.ロボカップはチェスに代わる人工知能のグランドチャレンジとしてサッカーを選んだ.2050年までにワールドカップ優勝チームに勝つ人間型ロボットチームを開発することを目指している.アメリカで長い間楽しまれているクイズ番組に2011年にワトソンというコンピュータが出場して人間のチャンピオンに勝利した.日本では東大入試に合格する人工頭脳のプロジェクトも2011年に始まった(目標は2021年の合格である).ここでは人工知能におけるグランドチャレンジを概観してその意義について論じたい。
著者
若松 勝寿 櫻野 仁志 堀井 憲爾
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.93, no.70, pp.17-23, 1993-05-28

静岡県の沼津(高専)と石川県の津幡(石川高専)および獅子吼高原で観測した23例の雷鳴から次の観測結果を明らかにしている。(1)雷鳴の圧縮波形の特徴から雷鳴を3種類に分類できる。(2)複数の雷放電で生じたように繰り返して轟き継続時間が30秒以上の長い雷鳴が冬季雷で多く観測される。(3)雷鳴の平均卓越周波数は平均140Hzで、伝搬距離と共に低下する。(4)卓越周波数が低下するのは、伝搬中に音が重畳して形成された高い周波数成分は吸収減衰し、同相付近で重畳した振幅の大きな低い成分が残ることによる。
著者
中山 彰 細田 真道 小林 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.256, pp.83-88, 2005-09-01
被引用文献数
3

われわれは, 豊かで充実した生活の基盤として, 積極的にコミュニケーションを仲介し, ユーザが話しやすい環境を作るメディアを志向している.そのようなメディア設計のためには, 円滑で心地よいコミュニケーションを阻害するさまざま要因を探る必要があると考えている.そういった要因を探るための第一歩として, 話が盛り上がる場であると考えられる「飲み会」「パーティ」の収録実験を行い, またその被験者の「性格テスト」「日本語能力テスト」を実施した.本稿では, その収録実験の概要, および予備的実験結果として, 各種テスト結果と各参加者の発話量の関連について報告する.
著者
一藤 裕 今野 将 曽根 秀昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.75, pp.31-34, 2008-05-23
参考文献数
7
被引用文献数
3

インターネット上で学校または地域ごとに集まりコミュニケーションをとる学校裏サイトのような電子掲示板では,しばしば匿名性を悪用し,陰湿ないじめにつながることが多々あり社会問題となっている.これは,電子掲示板に書き込んだ発言が他者にどう影響を与えるかを知らないことが原因の一つとして考えられる.したがって,個々の発言が他者にどう影響を与えるかの指標を確立し,その影響度を発言者へ示すことができれば,問題発言の減少につながると考えられる.そこで,本稿では,電子掲示板の発言の特徴である文字と記号のみで構成されていることと,発言の長さがことなっていることに着目する.発言が短いときは,発言中の単語がその発言を象徴し,発言が長いときは,発言中の単語の組み合わせが重要であると考え,既出発言を学習させ,新たな発言が出現したとき,他者にどう影響を与えるかをベイズ理論を応用して影響度を算出する手法を提案する.単語と単語のペアの学習データをそれぞれ準備し,この手法の有効性を示す.
著者
岡田 俊之 渡邊 曜子 中島 義和 佐藤 嘉伸 小山 毅 菅野 伸彦 米延 策雄 吉川 秀樹 越智 隆弘 田村 進一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.597, pp.13-18, 2004-01-16
参考文献数
5
被引用文献数
4

高齢化社会の進展に伴い,大腿骨骨折の症例は年々増加している.骨折の整復手術における医師の労力やX線被曝を低減することを目的として,我々は骨折整復支援ロボットの開発を行ってきた.このような支援システムでは,どのようにして正確な骨折の整復を行うかが重要な課題のひとつとなっている.そこで我々は,人体の形状の左右対称性に着目し,反対側のCT画像を用いたボリュームレジストレーションによる骨折整復計画を行い,その精度を検証した.骨折整復計画は近位,遠位骨片と反対側の鏡像との剛体レジストレーションを行い,それらの相対位置を求めることで行う.実験の結果,整復計画の推定誤差は偏り誤差が2.25mm,4.41度,ばらつき誤差が0.11mm,0.51度であった.
著者
浅田 雅洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.59, pp.5-8, 2003-05-09
参考文献数
10

電子ビームと光の相互作用を用いる一方向性増幅器について、進行波管から光領域の増幅器まで広い範囲を包括し、さらに散乱やエネルギー広がりを含めた、一般的な理論を示した。この理論を用いて、真空中の電子ビームによる光領域の一方向性増幅について、散乱やエネルギー広がりによる利得の低下を具体的に解析した。さらに、この理論を固体中の電子ビームに適用することにより、テラヘルツ帯の利得係数を解析し、二次元電子ガスと低速波回路を用いた増幅素子の構成を議論した。ホットキヤリアの散乱特性が十分明らかではないが、これに対してやや厳しい見積もりを行っても、二次元電子ガスを用いて100K程度の低温において進行波型のテラヘルツ増幅は可能と見積もられた。
著者
佐々木 亮 三宅 章吾 佐藤 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.734, pp.85-90, 2004-03-12

本研究では報酬系からのワーキングメモリ一機構に対する制御に着目し,ワーキングメモリーモデルの数理モデル化を行った.ワーキングメモリーを構成する機構として,情報の選択機構,保持機構,消去機構,操作機構を考え,これらの機構に対する制御を,報酬予測が可能なTemporal Difference (TD)モデルを用いて定式化した.ワーキングメモリー課題である遅延反応課題とGo-Nogo課題に対する数値実験を行った.その結果,ワーキングメモリー機能を実現するためには,報酬の他に様々な情報の予測が重要である事が示された.