著者
元木 博彦
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

急性心不全で入院加療を行った患者に心臓超音波検査、血清採取をおこなった。平成28年度末までに414名の心不全患者登録を行った。患者群の年齢は中央値で81歳、平均左室駆出率は48%でHFPEF症例が50%に認められた。今後800症例の登録完了後、前向きの予後調査を予定している。現時点では後方視的に解析をおこない、高齢者心不全、HFPEF患者の特徴を明らかにした。高齢者心不全患者は①高齢女性、②高血圧と心房細動を合併、③軽度の貧血と中等度の腎機能障害合併、④左室拡張末期容積低下が特徴であった。左心房機能解析可能症例としては76症例、うちHFPEF症例が28例、HFREF症例が16例であった。
著者
廣瀬 純夫
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

1990年代以降の資金調達環境の変化が及ぼした影響について,実証分析での検証を行った.具体的な研究成果は,以下の3点である.①リレーションシップ・バンキングの特徴として,借入先変更のスイッチング・コストが存在するため,貸出先を割当先とする非効率な銀行の自己資本調達が行われていたことを明らかにした.②敵対的買収防衛策導入後の長期の株価パフォーマンスやトービンのQの変化を検証し,導入が始まった過渡期に導入した企業と,制度運用が安定した時期に導入した企業との差異を検証した.③私的整理による企業再建について,メインバンクへの影響が大きい大口貸出先であるほど,再破綻する可能性が高くなることを確認した.
著者
西田 憲司 岩永 恭雄 二宮 晏 山形 邦夫 越谷 重夫 平野 康之 藤田 尚昌
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

ホップ代数が作用する環について研究した。特に環上の加群の伴う素イデアルの不変性を研究した。Auslander公式の一般化を行った。更に、その証明の過程で得られたExt群、転置関手、シジジーからなる短完全列がある種の双対関手で記述できることを観察し、それにより加群のlinkageに関する新しい定式化を得た。この結果を可換ゴレンシュテイン局所環に応用することによって、有限生成加群が極大コーエンマコーレーになるための必要充分条件はその加群のlinkage加群が極大コーエンマコーレーかつその加群が水平linkagedになることを示した。ハッセ原理をみたすある種のp群を全て決定した。また、Hecke環の可換性を指標を通して考察し、ある群Gがp-ベキ零群で、そのシロ-p-部分群Hの位数がpの場合にHecke環が可換であるための素数pに対する条件および群Gの構造を全て決定した。体上の有限次元多元環で自己入射的なものについて、反復多元環によるガロア被覆を持つ場合の性質を研究した。一般標準的なARクイバーを持つ自己入射多元環の決定や、自明拡大多元環上の加群と反復多元環上の加群の関係を研究した。可換な3不足群を持つ主ブロックにたいし、ドノバン、ブイグ予想を肯定的に証明した。有限群のモジュラー表現の現在最も重要な問題ブルエ予想についての成果を上げた。具体的には、有限群のシロー部分群が位数9の基本可換群の場合の主ブロックに対して、ブルエ予想を完全に解決した。その後、同じ位数9の群を不足群にもつ非主ブロックに対して、考えている群が特別の重要な幾つかの離散的有限単純群の場合に、ブルエ予想が正しいことを証明した。環Rの任意の剰余環が右アルチン的にならないこととR上の組成列を持つ任意の右加群が巡回加群になることが同値を示した。そして、この同値条件が有限正則拡大、森田同値で不変なことを示した。大きいglobal dimensionを持つタイル整環を半完全環内のneat idempotentに着目して研究し,新たな視点を得た。応用として特に,Jansen-Odenthalの例を概念的に改良した。構造系により定義される全行列代数について、フロベニウス全行列代数を詳しく研究し、ゴレンシュテインタイル整還との関係を決定した。
著者
岩永 恭雄 佐々 祐之 中川 裕之 茅野 公穗 宮川 健 岩田 耕司 宮崎 樹夫 牧野 智彦 永田 潤一郎 青山 和裕 辻山 洋介 水谷 尚人 小松 孝太郎
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

本研究では,「課題探究型の説明」を,事柄の生成(構想/構成),説明の生成(構想/構成),評価・改善・発展及び三側面の相互作用による営みとして捉えた。次に,この捉えに基づいて,中学校数学の全4領域(「数と式」,「図形」,「関数」,「資料の活用」)において,その領域における説明の特性に基づいてカリキュラム開発枠組みを設定し,この枠組みに基づいて,学習指導要領に即して「内容ー活動対応表」を作成した。最後に,「内容ー活動対応表」に基づいて一連の授業を開発・実践し,カリキュラムの実現可能性を確かめ,今後の課題を特定した。
著者
境 圭一
出版者
信州大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

球面の埋め込みのなす空間の位相幾何学的な性質についての研究を継続した.「はめ込みを法とした埋め込みのなす空間」と呼ばれる空間fEについて,fEが位相的Stiefel多様体の多重ループ空間であることを示した.応用として以下の結果を得た.(1) fEのホモロジー群にBV代数の構造を導入した.(2) 「スピニング」という埋め込みに対する操作が異なる次元の埋め込みの空間の低次ホモトピー群に同型を誘導する事実があるが,これを位相的Stiefel多様体の言葉で書き直して別証明を与えた.
著者
樽田 誠一
出版者
信州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、多量の金属AgあるいはCu粒子が析出した透明なマイカ結晶化ガラスの作製を目的として、Ag2OあるいはCu2Oを添加して調製した母ガラスの結晶化挙動および得られた結晶化ガラスの微構造について検討した。Ag2Oを1-40mol%添加すると、金属Agナノ粒子が析出した透明なマイカ結晶化ガラスが得られた。マイカ層間で析出したAgナノ粒子も観測された。しかし、金属Agの析出量はわずかで、伝導度は測定できなかった。そこで、還元剤としてCeF3を添加した。その結果、多量の金属Agが析出したが、Ag粒子は大きく成長し、透明性が失われた。一方、Cu2Oを添加しても、金属Cuの析出は観測されなかった。
著者
保坂 毅 濱渦 亮子
出版者
信州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

研究代表者はこれまでに、リボソーム攻撃性抗生物質を活用した遺伝学的および生理学的に異なる二つのアプローチがバクテリアの潜在能力を引き出す手法として有効であることを明らかにしてきた。本研究において、その手法がバクテリアのみならずカビや酵母(真核微生物)の潜在能力活性化にも有効であることを実験的に証明した。加えて、ハイグロマイシン B 耐性変異および同抗生物質によるホルミシス効果でカビの潜在的二次代謝能が向上する現象に着目して、その仕組みについて詳しく解析したところ、リボソーム攻撃性抗生物質を用いた同じ手法でも、カビと細菌とでは異なる仕組みで潜在能力が引き出される可能性があることを見出した。
著者
片岡 正和 池田 治生
出版者
信州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

プロトプラスト融合法を応用した放線菌と枯草菌の細胞質混合法を開発・最適化した。また、放線菌ゲノムをホストゲノム、枯草菌ゲノムをゲストゲノムとして組み換える系を構築した。選択した放線菌の組み込み部位の周辺を調べたところ、プラスミドを組み込んだ場合はプラスミドが狙ったとおりに組み込まれていることがわかった。しかし、ゲノムが組み込まれているはずの選択株のゲノム上には、選択に用いた薬剤耐性遺伝子存在は認められたが、500kbから2Mbの組み込み点から離れた領域は含まれていなかった。視点を変えて、接合を利用した大腸菌-枯草菌間のゲノム工学を目指し、両者の接合による遺伝子交換技術を開発した。
著者
小松 孝徳
出版者
信州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では,「単一モダリティでシンプルに構成され,コミュニケーションにおける主たるプロトコルに干渉することなくエージェントの内部状態を直感的にかつ正確にユーザに伝達できる表現」を ASE と定義した.その必要十分条件は「シンプル」「補完的」という設計的要件および「直感的」「正確」という機能的要件の二種類に分けられる.そこで,ユーザに情報を発信するロボットに「シンプル」「補完的」という二つの設計的要件を満たした人工音を実装し,その人工音に関する事前知識を持たないユーザによりその意図が「直感的」「正確」に解釈されていたのか,つまり機能的要件が満たされていたのかを実験的に検証した.具体的には,実装した人工音がエージェントの内部状態をユーザに直感的かつ正確に伝達できることを検証し,この人工音が ASE の必要十分条件を満たす一つの実例であることを示した.
著者
滝澤 壽
出版者
信州大学
雑誌
信州大学教養部紀要 (ISSN:13409972)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.53-64, 1995-02

Les Bourgeois de Molinchart et Madame Bovary, ces deux romans mériteraient d'être attentivement compares, puisqu'ils traitent tous les deux des problématiques de l'amour et du mariage, et qu'ils arrivent a toucher a un theme similaire : adultere. D'ailleurs, Flaubert était en train de composer son roman quand celui de Champfleury a paru. Jusqu'á ce moment, il en avait presque été á la fin de la deuxiéme partie, il n'est pas question qu'il ait été influencé d' une façon directe par Champfleury, qui a néanmoins mis Flaubert en alarme a un certain degré. Pour élucider ces problémes posés autour de deux romans d'adultére, notre étude comparative de compose de trois chapitres comme ce qui suit. Chapitre I Champfleury et Les Bourgeois de Molinchart Chapitre II Réaction de Flaubert a l'apparition du roman de Champfleury Chapitre III Analyse comparative des deux romans Certes, le resultat de cette comparaison s'est avéré tout favorable á Flaubert, mais aussi nous avons bien constaté que Champfleury, trop souvent mal estimé, n'en eta it pas moins important en tant que réaliste.
著者
大谷 毅 高寺 政行 森川 英明 乾 滋 徃住 彰文 柳田 佳子 宮武 恵子 矢野 海児 濱田 州博 池田 和子 鈴木 美和子 鈴木 明 正田 康博 上條 正義 松村 嘉之 菅原 正博 藤本 隆宏 肖 文陵 高橋 正人 韓 載香 金 キョンオク 李 宏偉 佐野 希美子 NAKANISHI-DERAT Emi 雑賀 静
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

日本のファッション衣料の国際プレゼンスが低い原因は、国境を超えた着用者への製品の提案力の欠如にあった。日本のmodelismeは良好だがstylisme(ことに一次設計)は脆弱だ。スタイルの代替案想起・期待・選択作業は、設計者に対し、グローバルな着用者の行動空間に関する知見を求める。これはまた事業者の決定の価値前提の問題に関係する。大規模なファッション事業者の官僚組織が生み出す「逆機能」とも密接に係る。単にブランドの問題だけではなく、事業規模・裁量・ルーチン・経営資源配分に関わることが判明した。製品展示を半年以上前倒しするテキスタイル設計過程は、衣服デザイナーの決定前提の一部を説明していた。
著者
小野 貴史
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

音楽は音価、音高、音強、音色のパーラメーターのみならず、水平/垂直な音の蓄積(広義には和声と定義づけられる)や、より大きな枠組みによって構成される楽曲形式など様々なファクターによって時間軸上に構築され展開されるものである。本研究では複雑な楽曲構造を構造方程式モデリング(共分散構造分析)を援用することによって数理的整合性を算出し、これまで分析が困難とされてきた楽曲に内包される様々なファクターの因果関係に対してパス解析図を用いて可視化させる方法論を導き出すことに成功した。
著者
池田 敏彦 飯尾 昭一郎
出版者
信州大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究では,河川への設置が容易で身近な小規模水力での発電を可能にする環境負荷低減型水車として,サボニウス水車と滝用水車を提案し,各々の特性評価と性能向上を目指した.農業用水路での利用を想定したサボニウス水車については,ランナ設置条件と出力特性との関係解明および,遮へい板と称する一枚の平板で出力特性を改善する方法の検討をおこなった.落差工での使用を想定した滝用水車については,Banki水車をもとに滝用水車専用ロータを設計・製作し,ロータ内部への流れを積極的に利用して出力を得る開放型貫流式ロータを提案し,その出力特性を調べた.また,滝の流量変化によるロータへの流入位置変化による性能低下を防止する方法についても検討した.得られた結果は以下のとおりである.サボニウス水車については,(1)出力特性には流路底面あるいは自由表面とランナとの距離が大きく影響し,付着流による揚力発生,巻込み流による戻りブレード凹面の圧力回復,進みブレード凹面への衝突流が出力特性を支配している.(2)遮へい板の最適設置条件を見出し,出力係数を約1.8倍の47%に増加させることができた.滝用水車については,(3)貫流タイプにしたことで,従来の衝動タイプに生じていた低速回転時のランナ内部での水のよどみが解消され,幅広い回転数領域で安定した出力を得ることができる.(4)衝動タイプと比較して,滝の流量変化に対する出力の変化が抑制される.(5)ランナ単体での出力係数は,衝動タイプの20%増加である74%が得られる.(6)平板による水流制御方法では,衝突時のエネルギー損失および水流の変動が大きく,貫流タイプでも28%の出力係数の低下となる.
著者
福岡 久邦
出版者
信州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

メニエール病は回転性めまいと難聴・耳鳴・耳閉感の症状が同時に重なる症状を繰り返す内耳疾患であり、 内リンパ水腫が原因であることが示唆されているが、その発症メカニズムに関しては良く分かっていないのが現状である。 本研究では、 低音障害感音難聴を呈するメニエール病の原因となる遺伝子多型を同定するために、信州大学が中心となって行っている「難治性内耳疾患の遺伝子バンク構築研究」と連携し、すでにインフォームドコンセントを取得のうえ、採血にて得られたメニエール病患者約200例のDNAサンプルを使用して遺伝子相関解析を行った。その結果、1次解析では19SNPsのうち5SNPsで有意差が認められた。1次解析で有意差の認められたSNPsに関して症例を追加して2次解析を行ったところ、メニエール病患者群とコントロール群との間に有意差は認められなかった。
著者
坂口 雅彦
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

動物飼育・動物解剖体験が,中学生の生命に対する意識変化を生ずるか調査した。ウシガエル解剖体験調査において,「命」をキーワードとしたFUMIEテストでは,解剖体験群でIAS値が授業後減少,嫌悪方向へ変化したが,統制群では変化はなかった。キイロショウジョウバエ飼育体験調査において,授業前調査でほとんどの生徒が「ハエは迷惑な生物」と回答した。授業後,飼育体験群では「ハエは人類の役に立つ」と回答が変化したが,統制群では,回答変化はなかった。「ハエ」をキーワードとしたFUMIEテストでも,飼育体験群でIAS値が授業後増加し,好む方向への変化を示したが,統制群では,変化はなかった。
著者
太田 正穂
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

一塩基多型(SNP)は法医DNA鑑定で利用価値が高い。本研究は識別能の高い3対立遺伝子性(Tri-allelic) SNPsを25種類選出し、ダイレクトシーケンスにより各アリルの遺伝子頻度を求めた。多型情報はPDが0.99999999999997、PEは0.99885を示し、高度な鑑定能力を示した。SNaPShot法によるmultiplex を用いた検出では、判定の条件設定、エレクトロフェログラムの判読の煩雑さから、法医実務での実用性が得られなかった。また次世代シーケンサーを用いた混合試料のTri SNPs解析は、定性・定量性において精度の高い結果を示し、混合試料解析における有効性を示唆した。
著者
清水 元彦 小林 弥生子 中山 邦章 塩沢 丹里 藤井 信吾 清水 元彦
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本年度も、前年に引き続き、正常子宮平滑筋、子宮筋腫、子宮筋肉腫の各組織においてER,PRの異常、また腫瘍抑制遺伝子p53の蛋白質、RNAレベルにおいて定量的、定性的に調べ、各組織においてこれらの因子の異常の有無と程度を検討した。最初に免疫染色法で明らかになったER,PRの発現低下はER,PRの転写レベルで起こっているかどうかをmRNAレベルで調べた。手術摘出材料を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋切片の連続した包埋切片上の組織よりdigestion bufferで可溶化し、マイクロウエーヴ処理法でRNAを抽出し、RT-PCR法にて増幅しER,PRのmRNAを解析した結果、免疫染色法で明らかになったER,PRの発現低下は転写レベルでも低下していることが明らかになった。次にER,PRの転写レベルでの発現低下はER,PRプロモーター部位のGCの塩基配列のDNAメチレーションによるかどうかを調べた。手術摘出材料を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋切片の連続した包埋切片上の組織よりdigestion bufferで可溶化し、マイクロウエーヴ処理法でDNAを抽出し、GCの塩基配列上のDNAメチレーションを認識できる制限酵素、HpaII及びHhaIで切断し、ER,PRプロモーター部位のプライマーにてDNAを増幅することによって、ER,PRプロモーター部位のGCの塩基配列にDNAメチレーションがあるどうかを調べる系を確立することができた。現在この系を使ってER,PRの発現低下とER,PRの遺伝子のプロモーター部位のDNAメチレーションの有無の相関性を調べているところである。
著者
作山 佳奈子
出版者
信州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究目的本研究では、腎癌分子標的薬服用患者を対象に、血中濃度及び遺伝子多型が薬効・副作用発現に与える影響を評価することを目的とした。まずSunitinib服用患者の血中濃度測定から研究を開始した。研究方法Sunitinib血中濃度測定血清中のSunitinibおよびN-desethylsunitinibはアルカリ条件下、t-butylmethyl etherで抽出し、減圧乾固後、移動相に溶解し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分離定量した。HPLCの分析はODSカラムを用い移動相として0.05Mリン酸緩衝液(pH 3.0) : アセトニトリル : PIC試薬B7 (Waters)=695:300:5の混合液を使用した。UV-VIS検出器の検出波長は0~12minが431nm、12~20minが250nmに設定した。研究成果Sunitinib服用患者1名(50mg/日内服)のSunitinib及び活性代謝物であるN-desethylsunitinibの測定を行った。その結果、内服8日目のSunitinib、N-desethylsunitinibのトラフ値はそれぞれ84.2ng/mL、20.1ng/mL、その後11日目まで内服継続されたが発熱が認められ中止、内服中止後1日目では41.4ng/mL、21.7ng/mL、中止後8日後では4.8ng/mL、5.4ng/mLであった。今後はSunitinib服用患者の血液を収集し、血中濃度及び患者の遺伝子多型が薬効・副作用発現に及ぼす影響を評価する予定である。