著者
室田 浩之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では真皮線維芽細胞から神経栄養因子arteminがサブスタンスPによって誘導されることに着目し、その機能を検証した。Arteminはアトピー性皮膚炎病変部真皮に蓄積しており、皮膚末梢神経伸長に関与するとともに末梢神経のTRPV1発現増加に貢献することを確認した。TRPV1はヒスタミン誘導性の痒みに関与するとされるが、実際arteminの受容体(GFRα3)のノックアウトマウスではcompound48/80による掻破行動が生じなかった。Arteminはアレルギー炎症と温度知覚過敏性そう痒に関与する分子と考えられ、新しい痒み治療戦略の標的分子としても期待がよせられる。
著者
Vaage Goran
出版者
大阪大学
巻号頁・発行日
2010

14401甲第14590号
著者
八重樫 徹
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究の最終年度にあたる本年度は、エトムント・フッサールの後期備理思想における愛と便命に関する考察を手がかりに、人間的行為者に固有の自由がもつ感情的基盤に注目し、これを明らかにすることを主な目的として研究を進めた。前期フッサールによれば、われわれの自由とは、合理的な熟慮にもとついて、価値があるとみなした事態を行為によって実現することにある。この発想自体は後期においても変わらないが、自由な自己決定の外側にある事実性への着目が、後期倫理思想に固有の論点として付け加わる。われわれは合理的意志決定によらない仕方で、特定の人を愛したり、特定の活動を自分にとって重要なものとみなしてそれに身を捧げたりする。そのようにして何かを大事に思うことは、いわばわれわれの生き方の中核をなすものである。「私はそれをせずにはいられない。なぜならこれが私にとって大事なものだからだ」。このように語るときの「せずにはいられない」という義務感は、外側から押し付けられたものではなく、その人自身の生の中心から湧いてくるものである。こうした現象は行為者の自由とは対極の不自由さを構成しているように思われるかもしれないが、それはむしろ人間に固有の自由を可能にしているものである。なぜなら、合理的な熟慮に実質を与え、そのつどの意志決定を根底で支えているものこそ, 何かを大事に思うことから生じる義務感あるいは使命感にほかならないからである。後期フッサールの倫理思想に見られるこうした発想には、B・ウィリアムズやCh・コースガードといった現代の倫理学者による「人生のプロジェクト」や「実践的アイデンティティ」と呼ばれるものを重視する立場に通じるものがある。われわれの生き方の中核にある不合理性を積極的に認めることは、道徳的義務のみに着目する狭い意味での倫理学を超えて、「愛」や「ケア」といった概念を重視し、「人生の意味」や「生きがい」といった価値を明らかにしようとする、より開かれた倫理学的探究を可能にする。自由意志の現象学的解明を目的とした本研究の主な成果は、人間的自由の感情的基盤を探ることを通じて、価値の現象学的探究が愛や人生の意味に関する重要な洞察を与えるという可能性を示したことにある。
著者
内田 雅之 吉田 朋広 増田 弘毅 深澤 正彰
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

拡散型確率過程のサンプリング問題を研究した.高頻度データを用いて確率微分方程式のパラメトリック推測を行う際に,疑似最尤推定量の導出が重要であるが,その推定量を効率よく算出するために,ベイズ型推測と最尤型推測の利点を活用したハイブリッド型推測法を開発し,その数学的正当化を行った.大規模数値実験によって提案手法の有効性の実証を試み,エルゴード的拡散過程や微小拡散過程に対して,ハイブリッド型推定量の漸近挙動が安定していることを確認した.提案手法は上記のモデルだけでなく,一般のモデルに対して適応可能である.また,レヴィ駆動型確率微分方程式の統計推測および高頻度データ解析への応用について研究した.
著者
坂田 泰彦 中谷 大作 砂 真一郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

今回、これまでの我々の知見を発展させ、動脈硬化関連因子 LTA に関連してマクロフマージ泡沫化に関わるマイクロ RNA の同定を試みたが、LTA はマクロファージ泡沫化しないことが明らかとなった。そのため途中より研究計画を変更し、動脈硬化の最終段階として生じる心筋梗塞後の心臓死亡に関連するマイクロ RNA を同定した。
著者
久米 弥寿子
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究では、コミュニケーション技術教育における面接プログラム学習のモデルプログラムを構築し、効果的な面接学習プログラムを開発することを目的としている。今年度、新たに分析データを追加し、A看護系大学2年生のコミュニケーション技術の演習参加者169名に対して、事前に同意を得た139名を分析対象者としてコミュニケーション行動の出現傾向や面接の展開および技法の難易度の点から解析を行った。ロールプレイング1場面を1記録とし、計96記録について行動コーディングシステムを用い、コミュニケーション行動の出現頻度、持続時間を測定した。出現パターンは、各発話の単位時間における出現の有無(1-0サンプリング)の時系列データと隣接ペア構造によって捉えた。これらの状況分析の結果を基盤にして面接プログラム学習のモデルプログラム原案を作成した。時系列での出現パターンでは、「挨拶」「焦点をあてる」「OQ」「CQ」などがロールプレイング前半で多く、中間では「いいかえ」「情報提供」、後半には「個人的支援」「協力関係」が出現しており、場面展開に対応した出現傾向が示唆された。後半では、発話継続に困って「沈黙」になり、「関係のない笑い」「視線をそらす」が出現していて、発話を持続していくことの困難さが示された。さまざまな言語的コミュニケーション行動の出現、セッション設定時間内の演技の継続困難さなどから、改めてプログラムの目標設定については、1)「基本的傾聴技法」から「積極技法」など、段階的にコミュニケーション技術の活用を行うことができる、2)集中してロールプレイングにおける役割演技を行うことができる、3)各役割の体験によって他者の心理面への理解を深めることができる、という3点に焦点をあてるものが有効と考えられる。出現パターンの分析から、場面展開に応じたコミュニケーション行動の出現傾向が示された。また、「支持的コメント」や「助言」など傾聴技法だけではないものも含まれていた。このことから、一つ一つの技法の基礎知識に加え、実際の活用法や一つの面接場面の展開として捉えられるような視聴覚教材が有効であると考える。また、学生の準備状態に合わせて「傾聴技法」と「積極技法」を組み合わせた実際の具体例を示すことも重要であると思われる。
著者
浜渦 辰二 中村 剛 山本 大誠 福井 栄二郎 中河 豊 前野 竜太郎 高橋 照子 備酒 伸彦 竹之内 裕文 竹内 さをり
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

医療,看護,リハビリ,介護,福祉,保育,教育まで広がる「北欧ケア」を,哲学・死生学・文化人類学といったこれまでこの分野にあまり関わって来なかった研究者も参加して学際的に,しかも,実地・現場の調査により現場の人たちと研究者の人たちとの議論も踏まえて研究を行い,医療と福祉をつなぐ「ケア学」の広まり,生活中心の「在宅ケア」の広まり,「連帯/共生」の思想が根づいていること,などが浮かび上がってきた。
著者
栗原 聡 菅原 俊治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

局所的な情報に基づいて自律的に動作する多数のエージェントにて構成されるマルチエージェントシステムを構築する際に,システムをボトムアップに構成する手法と,トップダウンに構築する手法とを融合させる方法の創出を目的とし,両者を競合させて動的平衡状態とする方法を提案した.そして,次世代知的交通制御システムを題材として,渋滞状況予測手法と信号機制御手法を提案し,両手法を効果的な融合を実現させることに成功した
著者
大谷 晋也 スミス 朋子 埋橋 淑子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

病院で使用される各種文書をよりわかりやすくするにはどうすればよいか検討して作成し、実際に使用するとともに改善に努めた。作成にあたっては、文書のデザインや体裁・情報の取捨選択に始まり、伝達内容を明確化して文書の論理構造に反映すること、患者の背景知識や文化・プライバシーなどに配慮した上で、使用される文章や文・語彙などに意を用いた日本語を使用することなどに留意した。作成した文書は、ある公立病院の利用に供し、特に問診票に関しては、実際に使用した上で医療従事者にアンケート調査を行い、さらなる改善に努めた。
著者
米田 信子 永原 陽子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

東ヘレロ語コミュニティにおける現地調査で収集したデータをもとに,声調,テンス・アスペクト・ムードの体系,複文の構造を中心にヘレロ語の記述研究を行った。その成果は論文および国内外の学会や研究会で発表した。また国際共同研究については,2010 年度に Lutz Marten 氏(ロンドン大学)とヘレロ語の共同研究を開始したほか,最終年度には英国から 2 名のバントゥ諸語研究者を招聘し,これまでの成果発表と共同研究の展開を目的とした国際バントゥ諸語ワークショップを大阪で開催した。継続的な国際共同研究へ展開させる十分な土台ができたものと思われる。
著者
名和 範人 鈴木 貴 小川 知之 石毛 和弘
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

名和と石毛が運営メンバーに名を連ねる『語ろう「数理解析」』(http://www.gifu-u.ac.jp/~tisiwata/seminar/ma_seminar.html)を通して,様々な分野の研究者との議論の場を設ける事ができた。この活動などを通して、研究分担者各員は、各々の研究分野で成果をあげ、様々な研究集会など、複数の講演機会や海外への渡航機会も得て、情報交換がより密になされるようになった。名和は、擬共型不変な非線形シュレディンガー方程式の爆発解に対して、その爆発速度と漸近挙動との間の関係性について、ひとつの結果を得る事ができた。これにより、次のステップとして、本格的にネルソン過程と呼ばれる解の背後にある確率過程と爆発速度との関係の追求に移る事ができる。また、微分型非線形シュレディンガー方程式の爆発解に対しても、漸近形に対しては、部分的に同様の結果を得た。さらに、これまでに開発した技術が、超伝導の理論に現れるような、非線形シュレディンガー方程式系の解析にも有効である事を見抜き、古典場ではあるが、クーパー対の生成とも言うべき性質を解が持ち得る事を示した。石毛は、拡散係数が大きな半線形熱方程式の爆発解の爆発集合や漸近形に関する結果や、球の外部領域における線形熱方程式の解の最大点挙動および解の微分の無限遠方での減衰評価を得た。鈴木は、自己双対ゲージ模型におけるある種の自己組織化現象や,走化性方程式系の爆発問題に関して興味深い結果を得た。小川は、自発的パターン形成のモデルである、スイフト=ホッヘンバーグ方程式や,ある電気化学系のモデル方程式などの解に現れる時空パターンについて,力学系や分岐理論を用いた解析を行った。これらの解析の一部は、すでにシュレディンガー方程式の解の解析と精神を同じくしている部分もあり、今後のさらなる共振的な発展が期待される。
著者
宮本 陽一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、日本語の比較構文に生起する「より節」が目的語の数量を比較対象にする場合に、「かき混ぜ規則(scrambling)」、「数量詞上昇(Quantifier Raising)」等によって、生成された位置とは異なった位置に移動できることを明らかにした。これは、付加詞からの移動が常に排除されるわけではないことを意味している。この結果から、付加詞(特に二次述語)であっても主節と(素性照合によって)関係を結べる場合には抜き出しが許されることを明らかにした。
著者
西村 ユミ 前田 泰樹 前田 泰樹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、看護場面として急性期医療の現場に注目し、そこでの実践がいかに成り立っているのかを記述することを目的とした。研究期間内においては、おもに、患者の苦痛の理解という実践に注目した。看護師たちは、観察や評価に先立って、患者の痛みの経験を理解しはじめていた。この理解は、患者の痛みに応じようとする行為的な感覚や、具体的な行為とともに成り立っていた。そして、この行為を交換することによって、看護場面における協働が達成されていた。
著者
細谷 裕 波場 直之 尾田 欣也
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ヒッグス粒子の正体、余剰次元の存在の可能性、クォーク・レプトンの起源をLHC実験で探れる物理として探求した。ヒッグス粒子を余剰次元のゲージボゾンとするゲージ・ヒッグス統合理論を構成した。質量126 GeVのヒッグス粒子の存在から、余剰次元での励起粒子、ヒッグス粒子の相互作用の間に普遍的な関係(ユニバーサリティ)があることを発見した。今後のLHC実験で検証されれば、余剰次元の存在が確立される。
著者
赤澤 堅造 奥野 竜平 金 寛 彼末 一之
出版者
大阪大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

近年,筋萎縮性側索硬化症,運動ニューロン病など,進行性で,かつ死に至る神経・筋系疾患が多く見られ,その診断,治療のため運動ニューン個数・サイズ分布の計測手法の開発が非常に強く望まれている.本研究では,等尺性随意収縮時の筋電信号を用いて,運動ニューロンの個数およびサイズ分布を推定する新しい理論を提唱し,筋電信号発生のモデルの構築とモデル解析により,推定法の妥当性と推定誤差を明らかにし,臨床診断への適用可能性を示すことを目的とした.本研究では,運動ニューロンの個数およびサイズを推定を以下の通り遂行した.(1)筋電信号発生モデルの構築サイズの異なる多数の運動ニユーロンからなる筋電信号発生のモデルを構築する。運動ニューロンのパルス発射パタンを与えて、筋電信号(時系列信号)をモデルにより作成した。(2)運動単位発火周波数の計測独立成分分析を用いた運動単位活動波形のデコンポジションプログラムの開発を行った.等尺性収縮時の多チャンネル筋電位信号を対象とし,運動単位の同定と運動単位発火周波数を算出した.その結果,収縮レベルの増加に伴い,運動単位発火周波数が増加することを示した.
著者
島田 三惠子 鮫島 道和 保 智巳 新田 紀枝 大橋 一友 白井 文恵
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

妊娠中から産褥期の母親の生活リズムおよび生活習慣と、乳児の睡眠覚醒リズム等のcircadian rhythmの良否および生活習慣との関連の有無を明らかにする事を目的として行った。対象:大阪府内の研究協力病院の母親学級(参加者の合計328名に説明)と妊婦外来でリクルートし、研究参加に意思表示した妊婦75名のうち、同意書が得られたのは平成19年11月迄に出産予定の妊婦60名であった。縦断的に追跡調査できたのは産後1ヶ月の母子53名、産後4ヶ月の母子41名であった。方法:妊娠末期、産褥1ヶ月・4ヶ月の計3時点で、(1)生活習慣と生活リズムの質問紙調査、(2)睡眠表1週間記録と平行して(3)アクティグラフで睡眠覚醒リズムと活動量を4日間測定と(4)唾液を1日4回3日間家庭で採取した。同時にこの妊婦から生まれた乳児の生後1ヶ月と4ヶ月の2時点で、母親と同時に(2)乳児の睡眠表記録1週間と(3)アクティグラフ(4)唾液採取し、メラトニンを測定した。結果:妊娠出産に伴って睡眠覚醒リズムは変化し睡眠の質が悪化するが、妊娠末期から産後4ヶ月では、睡眠が分断されても最長睡眠時間は夜間にあり、睡眠覚醒のリズム周期は24時間であることが明らかにされた。妊娠末期から産後4ヶ月の期間は最長睡眠の入眠時刻が早いほど最長睡眠時間は長くなり、早寝は産後の睡眠状態の改善に役立つことが明らかにされた。また、妊娠末期に妊婦が早く寝ることによりその新生児が夜間多く眠ることが明らかにされ、ヒトにおいても母体の生活リズムを基本として胎児期に発達し始めることが明らかにされた。新生児の睡眠などの生活リズムはその後の乳幼児の基本的な生活習慣の形成あるいは生活習慣病の発症との関連が示唆されている。従って、妊娠期から規則的な生活習慣を持つこと母子の生活習慣病の発症の予防に資する重要な意義がある。今回の対象には、妊娠合併症を持つ異常妊婦は数名しか同意が得られず、妊娠中の生活リズムや生活習慣が妊娠・分娩・産褥経過に及ぼす影響については十分検討できなかったため、事例を積み重ねて今後の継続課題とする。
著者
石黒 浩 中村 泰 池田 徹志
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本年度は体全体を表現メディアとした人間に親和的なアンドロイドシステムの開発を目指して, 親和的動作の生成メカニズムの実装と効果の検証, さらに状況の応じたアンドロイドの振る舞い変化による人間との親和的な関係構築について検証した. 動作の生成メカニズムとして, アンドロイドの動作の印象に大きな影響を与える体全体の振動を軽減する枠組みを提案した. 神経減衰振動子と呼ばれるパターン生成器を用いた制御法とその学習アルゴリズムからなる枠組みで, この手法により振動現象を軽減することができた. この手法は関節間の連動性を調整する枠組みとしても利用可能であり, 学習の目的により動作の印象を変えることが可能であることから, 体全体の自然な動作を生成する枠組みとして期待できる. また, リアルな環境における振る舞いの違いがコミュニケーションへ与える影響の検証を目的として, アンドロイドを病院の診察場面に陪席させる実験を行った. 患者の笑顔や頷きに同期してアンドロイドに笑顔や頷きを表出させた場合に患者の医師に対する印象や診察への満足度が向上するなど, アンドロイドの振る舞いを変化させることにより, 患者の診察への印象が変化することを示した. この研究は, 人間との親和的な関係を構築できる情報メディアとしてのアンドロイドを開発するだけではなく, 人間のロボットの関わるシステムの構成要素を明らかにするものである. すなわち, 三者間のコミュニケーションにおける親和的な関係構築への影響を調査したものであり, アンドロイドが今後, どのような社会的な役割を担い, 親和的なコミュニケーションの実現に寄与するかを検証するための重要な一歩となっている.
著者
工藤 眞由美 山東 功
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ボリビア沖縄系移民社会(沖縄第1移住地)では、琉球語(沖縄中南部方言)、本土日本語、スペイン語とのダイナミックな言語接触が起こっている。談話録音については、世代ごと(1世成人移民、1世子供移民、2世、3世)に、文字化を行い、報告書『ボリビア沖縄系移民社会における談話録音資料』としてまとめた。沖縄県那覇市を中心とするウチナーヤマトゥグチ的な表現形式(~シヨッタ形式、~ワケサ等)も使用されていることが明らかになった。言語生活調査については、ブラジル沖縄系移民社会(サンパウロ市)と比較した結果、ブラジル(サンパウロ)では、ポルトガル語へのモノリンガル化が急速に進んでおり、ボリビアでは日本語が維持されるバイリンガルな状況にあることが多面的な調査項目から明らかになった。