著者
渡邉 克昭 貴志 雅之 花岡 秀 辻本 庸子 中 良子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

アメリカをめぐる様々な「神話」をスパイラルに巻き込みつつ、銃は、政治的、社会的、文化的に幾重にも屈折した表象を担ってきた。銃は、近年メディアと共犯関係を結ぶことにより、「撃つ/写すシューティング」の射程は、個体間から国家間、さらには時空を超え、歴史性にまで及ぶようになった。このように重層的な象徴性を帯び、アメリカ的想像力を駆動してきた銃は、ジェンダー、エスニシティを横断し、屈折と変容を繰り返してきた合衆国そのものと怪しく重なり合う
著者
中村 博昭 角皆 宏 石川 佳弘 玉川 安騎男 渡部 隆夫 望月 新一 松本 眞 徳永 浩雄 古庄 英和 星 裕一郎 角皆 宏 石川 佳弘 玉川 安騎男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

数論と代数幾何学の交錯する豊かな理論が期待されている分野として,遠アーベル幾何学を推進し,とりわけ代数曲線とそのモジュライ空間から生じる数論的基本群の系列がなすガロア・タイヒミュラー被覆塔について国際研究交流を推進した.特に2010年の10月に京都大学数理解析研究所で第3回日本数学会季期研究所を開催し,その研究成果を論文集「Galois-Teichmueller theory and Arithmetic Geometry」として出版した.また無限遠を除いた楕円曲線の数論的基本群から生じるモノドロミー表現について研究を進め論文発表を行った.
著者
入戸野 宏 吉田 綾乃 小森 政嗣 金井 嘉宏 川本 大史
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本年度は,3年間の研究期間の2年目であり,これまでに実施した実験や調査を継続・発展させるとともに,新しいテーマに取り組んだ。主な研究成果は,以下の5つである。(1) 接近-回避の潜在連合テストパラダイムを用いて,幼児顔と接近動機づけが連合していることを明らかにした。成人顔は接近動機づけとも回避動機づけとも連合していなかった。また,正立顔の方が倒立顔よりも効果が大きかったので,物理的形状(丸み)だけでなく,顔の全体処理が影響していることが示唆された。(2) 6か月齢の幼児顔を80枚収集し,それぞれに179点の標識点を入力した。200名の男女の評定に基づいて,かわいさの高い幼児の平均顔とかわいさの低い幼児の平均顔を作成した。さらに,それらをプロトタイプとして50枚の合成顔の変形を行い,かわいさを増強した顔と減弱した顔からなるデータセットを作成した。(3) 65歳以上のシニア層を対象とした「かわいい」に関するインタビュー結果(20名)について質的な整理を行った。キャラクター文化に対する関心は非常に低かったが,「かわいい」という感情そのものは肯定的に捉えていることが分かった。(4) 「かわいい」概念のプライミングが社会価値志向性に及ぼす効果を調べた実験データをまとめた。統計的に有意な効果が得られず,パーソナリティ要因の影響が大きいことが示唆された。(5)多変量の探索手法であるベイズ最適法を用いてかわいい造形物(二次元の模様)を生成するプログラムを試作した。
著者
安田 正大 古庄 英和 山下 剛 岩成 勇
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究代表者は分担者の山下剛氏と共同でWach加群の族の構成しクリスタリン変形環に応用した. また近藤智氏と共同でDrinfeldモジュラー多様体上のゼータ元を整モデルに持ち上げ, またモノイドの表現と関係するトポスの理論を構築した. また杉山祐介氏と共同でpseudo-tameという概念を導入し, 閉体上の任意の代数曲線が射影直線への馴分岐な射を持つことを示した. また高次複シャッフル空間を導入し深さ4の場合にBroadhurst-Kreimer予想の複シャッフル版を示した. また特別な種数2の代数曲線のL関数と関連するヒルベルトモジュラー曲面の適当な商がクンマー曲面となることを見出した.
著者
菅沼 克昭 金 槿銖 根本 規生 中川 剛
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

すずウィスカは、衛星の機器故障を引き起こし深刻な問題となっているが、未だにメカニズムが未解明であった。本研究では、 過去に取り組み例の無い真空中の温度サイクル環境におけるウィスカ形成を調べ、大気中よりも真空中に於いてウィスカが細く長く成長することを明らかにした。さらに、すず表面の酸化膜の存在が影響することを突き止め、真空中ばかりで無く、大気中における温度サイクル・ウィスカ成長メカニズムを解明した。
著者
田渕 有美
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2021-08-30

本研究は、米国ケネディ政権における「平和のための宇宙(Space for Peace)」政策の展開を、従来看過されてきた科学者の役割に着目して解明するものである。先行研究では、冷戦期米国の平和目的の宇宙政策は米ソの戦略的考慮を覆い隠すレトリックや東西プロパガンダの副産物と見なされてきた。これに対して本研究は、1960年台前半のケネディ政権における宇宙政策決定過程を詳細に辿り、大統領科学諮問委員会(PSAC)が「兵器の存在しない、全人類にとって開かれた」宇宙を維持するという、今日に至る米国の「平和のための宇宙」政策の既定路線化を決定づけるうえで重要な役割を果たしたことを示す。
著者
山井 弥生 岡澤 憲芙 久塚 純一 田辺 欧 石黒 暢 吉岡 洋子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的はスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの北欧 4 カ国を研究調査対象とし、北欧諸国の中でも介護に多様性に富んでいることを明らかにすることであった。同時に、各国の文化と歴史、政治動向の視点から、その要因を比較分析することを試みた。5年間にわたり、各地でフィールド調査を行い、現地の研究者との議論をする中で、市場化の度合い、サービス供給者の特徴などに違いが見られ、その要因は政治に影響される部分が多いことが明らかとなった。介護は介護を必要とする人の生活を支えるものであり、当然のことながら地域特性や歴史文化の影響もあることが明らかとなった。
著者
中村 仁美 玉井 克人 冨松 拓治 遠藤 誠之 味村 和哉
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

現在の不妊治療の治療効率を向上するためには現在ブラックボックスである受け入れ側の子宮の着床能を前方視的に評価しその周期ごとの治療方針に反映させなければならない。これまでの我々の研究において、ヒトでは排卵期前に子宮内膜の電気生理学的パラメータを測定する事でその周期の子宮内膜の受容能が前方視的に評価できる事を明らかにした。本研究では、この物質的基盤を明らかにするために月経による子宮内膜の再生機構について、マウスモデルを用いて基礎研究を行う。将来的に、電気生理学的評価の物質的基盤を検討する事でヒト子宮の着床能を前方視的に評価する装置システムの精度の向上だけでなく、治療への応用をめざす。
著者
金澤 忠博 井﨑 基博
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

平均8歳の極・超低出生体重児220名のうち、自閉スペクトラム症(ASD)15.9%、注意欠如多動症(ADHD)が20.5%、限局性学習症(LD)が23.2%、知的障害は9.5%、境界知能は9.1%であった。重症のIVHとIUGR、CLD、ROPがIQを低下させ、重症のIVHは、ASD、ADH、LDの増悪にも関わり、IUGRもADHDやLDの発症に影響を与えていることが示された。一卵性双胎24組48名と二卵性双胎21組42名について、遺伝率と共有環境、非共有環境の寄与率を調べると、ASDや不注意に関しては遺伝率より周産期を含む共有環境の寄与率の方が大きいという特徴が確認された。
著者
沢田 啓吾 三木 康史 竹立 匡秀
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、脂肪組織由来多系統前駆細胞(ADMPC)が分泌する組織再生誘導因子(Trophic因子)の中でも、特に三次元培養を行うことで増強される因子を同定する。また、それらのTrophic因子の発現に関与するシグナル経路について検討を加え、二次元培養環境でのADMPCにおいて同シグナル経路を増強することで、歯周組織構成細胞に如何なる影響を与えるのかについて検討する。本研究の成果により、従来の二次元培養環境でのADMPCのTrophic効果を増強する方法が明らかとなることで、ADMPC移植による歯周組織再生療法の有効性向上に繋がる貴重な情報が得られるものと期待される。
著者
伊藤 謙
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

国内外での石薬のマテリアルプロファイル構築や基原解明における継続的な調査を、3か年に渡り精力的に実施した。本研究では、医療用のみならず冶金やその他の用途に用いる石薬についての研究・調査も継続的に実施し、研究成果を論文や学術講演だけでなく、展覧会という形でもアウトリーチを実施し、社会に公表・発信した。研究成果は計3編の学術論文、計12回の国内外での学術講演として発表した。その一部は、産経新聞1面(2017年5月19日夕刊)をはじめとする多数の新聞社やテレビ局により、広く報道された。加えて、計2回の展覧会(2017年、2018年)、1冊の出版物(2019年)の形でも、研究成果を発信した。
著者
門脇 むつみ
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲(1716~1800)について、禅宗との深い関わりに注目し若冲の画業と生涯のより確かな把握を目指すものである。若冲に関しては多くの研究が蓄積されているが未だ解明すべき課題は多い。禅宗との関わりはその大きな鍵と考えられる。本研究は若冲作品に認められる同時代の禅僧による賛の読解の集積を踏まえて画像を検討し個々の作品を読み解くとともに、直接交際があったとみなせる禅僧との関係やその詩文集の考察を徹底し、若冲と禅宗との関わりを考察する。また、画賛講読の研究会を通じて美術史の若手研究者の画賛読解能力の養成をはかることも目的としている。
著者
島田 昌一 近藤 誠 中村 雪子 小山 佳久
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

嗅覚障害の1つに嗅覚過敏がある。自分にとって有害、危険、つらい状況に遭遇すると、周囲のにおいとそのネガティブな体験が関連づけられて記憶、条件づけされる。そして、その状況からいち早く回避するため、そのにおいに対する感受性が高くなり嗅覚過敏になると同時に、そのにおいに対して強い嫌悪感をいだくようになる。本研究では嗅覚過敏を研究するため、確実な嗅覚過敏モデルの作成方法の確立とその治療薬の開発を試みた。微量のにおい物質をマウスに飲水させることによりマウスは口腔内で揮発する微量のにおい分子を感知する。その後にマウスの腹腔にLiCl溶液を注射することにより、マウスの嗅覚過敏・嫌悪学習モデルを確立した。
著者
松本 邦夫
出版者
大阪大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

がん細胞の増殖能や侵潤・転移能はがん細胞をとりまく宿主細胞との相互作用を介して大きく影響されることががん細胞-宿主相互作用として知られてきた。本年度は宿主間質に由来するHGFならびにがん細胞に由来するHGF誘導因子ががん細胞-宿主相互作用のメデイエーターとして、がん細胞の悪性化に関与することを明らかにした。胆のうがんは一般に高転移性で致死率の高い悪性のがんである。ヒト胆のうがん細胞は宿主組織内では高い侵潤能を有するものの、コラーゲンゲル上に培養しても自らゲル内に侵潤することはない。ところが、正常線維芽細胞とコラーゲンゲルをはさんでco-cultureすると胆のうがん細胞はゲル内に侵潤し、液性因子を介した間質細胞との相互作用が胆のうがん細胞の侵潤能を誘導している。しかも、このco-culture系でのがん細胞の侵潤はHGFに対する抗体により完全にブロックされ、間質由来の侵潤因子の実態はHGFであることを明らかにした。さらに胆のうがん細胞のゲル内侵潤はHGF以外での代表的な増殖因子では誘導されず、HGFは強力な侵潤誘導因子であるといえる。一方、興味深いことにがん細胞は間質線維芽細胞に対しHGFの産生を高める因子を産生、このHGF誘導因子(インジュリン)の実体はIL-1βであることを明らかにした。また同様に線維芽細胞が産生する口腔粘膜上皮がん細胞に対する侵潤誘導因子の実体もHGFであることを明らかにした。その他、ヒト肺小細胞がんやオリゴデンドログリオーマの中にはvariant HGFを産生し、しかもこれらの細胞においては、HGFがオートクリン的にがん細胞の運動性や侵潤能を高めていることを明らかにした。一方、HGFによるmotilityの亢進にはp125^<FAK>(focal adhesion kinase)を一過的なリン酸化が関与することを明らかにした。p125^<FAK>はβ1インテグリン結合することが知られており、HGF刺激後、初期のfocal adhesionの形成、細胞骨格の再構成にはp125^<FAK>のリン酸化が関与しており、HGFによる細胞のmotility亢進において細胞-マトリックスとの相互作用はp125^<FAK>を介して調節されていると思われる。これらの観点から、HGFによる侵潤をブロックするアンタゴニストの開発は今後がん治療という点で極めて重要になることが予測される。
著者
志水 宏吉 棚田 洋平 知念 渉 西田 芳正 林嵜 和彦 二羽 泰子 山本 晃輔 榎井 縁 内田 龍史 石川 朝子 高田 一宏 園山 大祐 堀家 由妃代
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究の目的は、「マイノリティ集団に対する排除と包摂」という視点から、現代日本の学校教育システムが有する制度的・組織的特性とそこから生じる諸課題を把握し、その改革・改善の方途を探ることにある。そのために、「被差別部落の人々」「外国人」「障害者」「貧困層」という4つのマイノリティ集団を設定し、彼らに対する教育の場における排除を、1)彼らの教育機会の現状、2)それに対する当事者の経験や評価の2側面から把握する。