著者
鄭 聖汝
出版者
大阪大学
雑誌
大阪大学大学院文学研究科紀要 (ISSN:13453548)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.A19-A58, 2005-03-20

The goal of this paper is to explicate the true nature of split intransitives. To achieve this goal we explored the experiential basis of the unaccusative hypothesis and arrived at the following conclusions: 1. The passive, including the impersonal passive and adversative passive, is primarily based on the activity verbs (S_a=A) and undergoes generalization accommodating change of state verbs (S_p=P) verbs as well (Cf. Shibatani 1998). 2. The causative alternation is primarily based on change of state verbs (S_p=P) and undergoes generalization accommodating the activity verbs (S_a=A)(Cf.Shibatani & Pardeshi 2002). 3. The split intransitive system in active languages is based on at least two different semantic criteria (Cf. Mithun 1991). From the results mentioned above we propose the following claims: 4. The behaviour of the intransitives is not a dichotomy as envisaged by the unaccusative hypothesis. The groupings are non-homogeneous and form a continuum rather than a dichotomy. Further, the size of each group varies from one language to another. In order to capture these facts we propose the following terms: Semantic Nominative-accusative system and Semantic Ergative-absolutive system. These terms are precisely defined and introduced drawing a systematic parallel with the casemaking systems. 5. In relation to 3 above, developing the proposal of Mithun (1991), we propose a "speaker's viewpoint" parameter related to the origination of a state of affairs. Even in the active languages, we do not find the ideal active-inactive dichotomy pattern as envisaged by the unaccusative hypothesis. We claim that the "speaker's viewpoint" parameter proposed herein varies from one language to another and therefore the so-called universal, single parameter based unaccusative hypothesis is in fact not universal.
著者
木村 文隆 伊丹 千晶 LU Hui-chen HUANG J-y
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

大麻の有効成分であるカンナビノイドは、逆行性の神経伝達物質として注目を受けたが、近年では、感覚皮質においてのスパイクタイミング依存性可塑性の長期抑圧を導く伝達物質として再度注目されている。一方、長期抑圧が誘導されると、入力線維はしばしば刈り込まれることが知られている。このことは、カンナビノイド投与単独でも入力線維の刈り込がおこる可能性を示している。我々は、視床-皮質投射において、発達期にカンナビノイド受容体依存性の長期抑圧が起こることを見出した。視床-皮質投射の変化を調べたところ、長期抑圧が起こっている時期に一致して軸索の退縮が起こることも見出した。外因性にカンナビノイドを投与することによって退縮が起こるかは現在検討中である。
著者
清水 正宏
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010 (Released:2010-08-23)

生物は,細胞単位であっても自己複製,自己修復,自己組み立てといった優れた機能を発現することが知られている.そこで申請者は,生体自体が本来有する優れた特性を誘導・発現させるバイオロボットの創成を試みた.具体的には,細胞力覚(機械刺激応答)を活用して成長する筋細胞アクチュエータを開発した.ここでは,マウス由来筋芽細胞C2C12に伸展機械刺激を印可することで,筋線維への分化が促進されることを確認し,筋細胞アクチュエータを自己組織的に設計・構築することが可能となった.
著者
中根 和昭 末松 信彦
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

癌組織・鉄(Fe-C鋼)などの鉱物組織・高分子化合物のように、組織構成が全体の性質を決めることはよく見られる。組織の状態判別は、観察者の主観に任せられているのが現実である。判定結果は観察者の技量に大きく左右されるため、客観的な数値に置き換える手段が必要とされている。今回、組織判別に対して位相幾何学的な判定手法を用いたアルゴリズムを提案した。これは「組織構成要素の肥大による位相幾何学的性質の変化」を単純化された画像から読み取る、という原理であるが、組織形成の仕組みが同じような構造物は他にも多くある。それらにこの判定法を適用したが、非常によい結果が得られた。
著者
長峯 健太郎
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-06-27 (Released:2014-11-20)

我々はこれまで宇宙論的流体シミュレーションを宇宙論的なスケール(>50Mpc)の体積で実行してきたが、それではどうしても解像度が~kpcスケールを切ることが低赤方偏移ではできなかった。そのため、最近ではズームインシミュレーションが数多く行われるようになり、これによって宇宙論的な初期条件を保ったまま、解像度を上げてある特定の領域の銀河形成を解くことができるようになってきた。本研究では、新たな超新星爆発(SN)フィードバックモデルを構築し、それを用いてズームインシミュレーションを高解像度で実行することを目的としている。H27年度には、まずこのSNフィードバックモデルの新たな構築とそのテストを行った。特に超新星そのものが爆発する以前に、大質量星からの星風や輻射によって周辺の星間ガスが吹き飛ばされて、その後のSN爆発の効率が上がるという効果を取り入れるべく、星が形成されてから約4Myrの間は熱的フィードバックを受け、その後SNフィードバックが効くというモデルを孤立銀河系でテストすると共に、宇宙論的シミュレーションコードに取り込んだ。孤立銀河系においては、新しいフィードバックモデルにおいては、従来のモデルに比べてフィードバックの効率が確かに上がり、初期の星形成率が抑制されることが判明した。これは、最近Stellar-to-halo mass ratio (SHMR)のデータとして観測されている通り、low-mass haloにおいて星形成が抑制されてabundance-matching techniqueの結果とよりよく合致するという意味で、観測データにより近い方向にシミュレーション結果が向かっていることを意味する。
著者
服部 典之 玉井 アキラ
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

18世紀英国において大きな社会問題であった「孤児問題」を、ロンドンのFoundling Hospital(孤児養育院)の流れを汲み現在も重要な慈善活動を行うCoram Foundationを調査し、18世紀イギリス文化と孤児問題の繋がりを明らかにした。また同養育院が設立された1745年前後にはフィールディングの『トム・ジョーンズ』など数多くの孤児小説が出版され、これらの小説の孤児主人公の特徴と制度としての養育院を設立させるイギリス文化が密接な関係を持つことを実証した
著者
伊東 信宏 小島 亮 新免 光比呂 奥 彩子 太田 峰夫 輪島 裕介 濱崎 友絵 上畑 史 阪井 葉子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2012-04-24)

ブルガリアの「チャルガ」は、「マネレ」(ルーマニア)、「ターボフォーク」(旧ユーゴ諸国)などのポップフォーク(民俗的大衆音楽)と並んで、1990年代以降バルカン諸国に特有の社会現象であり、同様の現象は日本の「演歌」をはじめとしてアジア各国にも見られる。本研究はそれら諸ジャンルの比較を行い、その類似と差異をあきらかにすることを目指してきた。これまでに大阪、東京などの諸都市で、8回の研究会を開催し、20の報告が行われた。2017年にはこの問題に関する国際会議を開催する予定である。そこでは上記諸ジャンルの社会的文脈を検証し、歌詞や音楽構造の分析が行われた。日本語による単行本出版が準備されている。
著者
森 裕
出版者
大阪大学
巻号頁・発行日
2006

14401甲第10815号
著者
西垣内 泰介
出版者
大阪大学
雑誌
大阪大学言語文化学 (ISSN:09181504)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.41-52, 1992
著者
北村 卓
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

明治期、大正期から昭和にいたるフランス近代詩受容の一つのパースペクティブが、上田敏、永井荷風、谷崎潤一郎、岩野泡鳴、福永武彦らを中心とする具体的な研究を通して明らかになった。またフランス文学・文化の受容に関する研究を、日仏文化交渉の観点から、詩・小説・演劇・映画などを視野に収めた上で行うことによって、立体的な傭職図を獲得できた。こうした受容研究と並行して、日本においてフランス近代詩がどのような過程を経て翻訳・発表されたのか、すなわち原典の確定、翻訳者、発表の媒体、社会的状況を明らかにしようと試みた(これは成果報告書巻末に付した年表形式のデータベースに反映されている)。それらがどのような読者層に受容され、さらには日本の作家や芸術家さらには日本の社会にどのような影響を与えたのかについては、受容研究において具体的に考察を加えている。以上の成果をもとに、100ページにわたる研究成果報告書を平成19年3月に刊行した。その報告書は、5章からなるフランス近代詩の受容研究(序章:日本におけるフランス近代詩受容のパースペクティブ、第1章:永井荷風『珊瑚集』における戦略、第2章:谷崎潤一郎とボードレール、第3章:岩野泡鳴とフランス象徴詩、第4章:福永武彦における「幼年期」と「島」の主題)および年表としてまとめた翻訳文献(ボードレールを中心とする)のデータベースとから構成されている。
著者
大石 和徳 山領 豪 森田 公一 井上 真吾 熊取 厚志
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

フィリピン、マニラ市において78例のデングウイルス二次感染症患者(DF40症例、DHF38症例)の急性期と回復期の末梢血血小板数とPAIgGおよびPAIgMを測定し、血小板数のみならず重症度との相関を検討した。急性期に血小板数は減少するのに対し、PAIgG,PAIgMは増加し、それぞれは血小板数と有意な逆相関を示した。また、PAIgMの増加はDHF進展と有意に相関することが判明した。一方、急性期患者の末梢血血小板の溶出液中には健常者と比較して高い抗デングウイルス活性を検出した。デングウイルス二次感染症において、抗デングウイルス結合活性を有する血小板に付随した免疫グロブリンはその血小板減少機序と重症度に重要な役割を果たすことが推察された。また、血漿中thrombopoetin(TPO)は急性期に増加することから、デングウイルス二次感染症において、デングウイルス感染に伴う巨核球減少が関与することが示唆された。次に、顕著な血小板減少を伴うデングウイルス感染症患者34例(DF18例、DHF16例)を対象として、高用量静注用ヒト免疫グロブリン(IVIG)を0.49/kg/日を3日間投与し、血小板減少の進行阻止あるいは回復促進効果が認められるか否かを前向き比較試験として実施した。入院直後にウイルス学的診断の確定した34症例を封筒法により無作為にA群(IVIG投与+輸液療法)17例、B群(輸液療法のみ)17例の2群に分類した。2群の性別、年齢(平均15歳)、重症度、末梢血血小板数に有意差は認められなかった。A群において、IVIG投与に伴う明らかな副反応は認められなかった。これらの結果から、急性デングウイルス感染症は、ITPとは異なり網内系細胞のFcレセプターを介した血小板クリアランスは主要な血小板減少機序でないことが示唆された。さらに、分化したTHP-1細胞を用いてin vitroの血小板貪食能測定法をフローサイトメトリーを用いて確立した。
著者
守屋 美都雄
出版者
大阪大学
雑誌
大阪大學文學部紀要 (ISSN:04721373)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.45-113, 1954-03-25

1. Introduction. 2. Critique of the text in the Shuo-fu (説郛), edited by T'ao T'ing (陶梃) oi the Ming Dynasty (明代). 3. Critique of the text in tire Pao-yen-t'ang Pi-chi (寶顔堂秘笈)> edited by Ch'en Chi-ju (陳繼需) of the Ming Dynasty (明代). 4. Re-presentation of the original form of the Ching-ch'u Sui-shih-chi (〓楚歳時記). 5. Conclusion. The ChingcWu Sui-shih-chi (〓楚歳時記), originally complied by Tsung Lin (宗懍) in the Liang Dynasty (梁代) was a description of annual functions held around the middle basin of the Yang-tse-kiang (揚子江) at that time, and therefore ontains many traditions and records of the manners and customs of old China. Afterwards, during the Sui Dynasty (隋代), Tu Kung-shan (杜公贍) recomplied the said work, adding more descriptions, as well as his own notes, until its enriched contents looked like a sort of encyclopedia dealing with ceremonies throughout the year. However, it is a great regret for all persons concerned that this valuable piece of work by Tsung Lin was seldom looked at in the 10th century and is thought to have wholly disappeared from the world by the beginning of the 13th century. Meanwhile, Tu Kung-shan's revised annotation is widely believed to have been lost in the 13th century also, but I believe there still remain some points to be discussed in this connection. As a matter of fact, a rather good text of the Ching-ctiu Sui-shih-chi did exist in A.D. 1370, with the styles and forms proper to the original work retained to some extent. Regarding the texts of this work in our possession today, they can be divided,into two strains, and we can trace their respective sources: one is contained in a series named Pao-yen-fang Pi-chi (寶顔堂秘笈), complied by Ch'en Chi-ju (陳繼儒) of the Ming Dynasty (明代) and the other in a series named Shuo-fu (説郛)> complied by T'ao T'ing (陶〓) and completed under the same dynasty. These texts, according to prevailing opinion, are nothing but a combination of fragments of the Ching-ch'u Sui-shih-chi during the quoted in similar books of encyclopedic style written in the Tang and Sung Dynasties (唐宋時代). Yet, I have a somewhat different opinion, and should say that texts of the Pao yen-fang Pi-chi derived from th3 abovementioned text existed in A.D. 1370. Also, based upon the same text the Shuo ftc was composed, I believe. Here, it must be added that it is thought that the' Shuo-fu was supplemented by those fragments quoted in the T'ang and Sung encyclopedias. In this treatise, I have tried to re-present the original form of this text as exactly as possible, and two ways were taken to reach this end. Throughout the first part, corrections and supplements are made to the texts of the Pao-yen-V ang Pi-chi, referring to the original of the Pao yen-fang Pi-chi, and to changes, interpolations, omissions, etc., which were made while these texts were being copied one after another for generations. Next, in the second part, 54 articles of the above fragments have been shown. In fact, necessary materials, both Chinese and Japanese, were very useful, in discovering and collecting them. In so doing, I was happy to be able to detect meny omissions in the text of the Pao yen-fang Pi-chi. On the other hand, some descriptions were found mistakenly introduced in the materials as those of the Ching-ctiu-sui Shih-chi and therefore I closely examined each article as to wh3ther it was genuine or not. In the meantime, despite all my efforts, it was quite difficult to distinguish Tsung Lin's passages from Tu Kung-shan's notes, for which I am very sorry. However, if this little essay of mine can be of any help and service to the future progress of the study of Chinese folk-lore, I shall certainly be very happy.
著者
高橋 英之
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011 (Released:2011-08-05)

対人応答性(他者に対する社会的態度の構築能力)が弱い自閉症などの発達障害者の療育手法として,単純で振る舞いを予測しやすいロボットとの交流を通じて対人応答性を引き出す試みがある.しかし対人応答性を定量的に評価する指標がこれまで殆ど無かったため,ロボットによる療育効果の客観的評価が難しかった.申請者は対人ゲームをプレイ中の独自の行動指標(エントロピー)と脳計測(fMRI)から,対人応答性を定量的に評価する客観的指標を開発した.