著者
川村 邦光 荻野 美穂 杉原 達 冨山 一郎 真鍋 昌賢 落合 恵美子 荻野 美穂 落合 恵美子 才津 祐美子 重信 幸彦 杉原 達
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本の家族写真は、当初西洋の影響を受けていたが、独自の展開をしてきたことを明らかにした。家族写真が人生儀礼や年中行事において撮影され続け、民俗的慣行として確立され、民俗資料として有効であることも明らかにした。現在では、特に年賀状に家族写真が載せられて、友人・知人に向けて発信され、家族の共同性を確認する機能を果たしている。本研究は家族写真に関する初めてのまとまった本格的な研究であると考える。
著者
津田 葵 津田 葵
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

小笠原父島における新しい文化との接触、移入によるプロセス、同化のプロセスの実態とその要因の解明に向けて文献調査、聞きとり調査を中心に研究を進めた。特に、本年度は平成9年度から3年計画で始めた最終年度であるので、過去2年間にわたっての研究から明らかになった基礎的データの整理とより精密な分析、その妥当性をチェックするための実地調査に主力を注いだ。1.異なったエスニシティとの出会い異なった土地からやってきた最初の定住者達、ペリーの来航、日本人の最初の移住者の入植、開拓開始、太平洋戦争勃発、本土への強制疎開、米軍による統治、欧米系島民の帰島、返還、返還後の復興といったなかでの欧米系島民、旧島民、新島民による社会形成の様相、アイデンティティの問題、同化主義の特徴2.言語接触と言語文化共通語、母語を異にしている人々の間での伝達、米軍統治下での言語生活、返還後の言語教育、異なった世代、エスニック集団における言語使用の特徴、多言語接触によって生じる言語生活の実態の解明3.島に伝わる民謡南洋諸島から伝来されたと思われるもの、最初の日本人移住者の出身地である八丈島からのもの、小笠原独自のもの、歌詞の意味が不明でルーツも不明なもの4.衣・食・住の生活文化異文化接触による影響と父島独自の生活文化の創造とそのプロセス5.伝統的年中行事:島に伝わる年中行事、それぞれの行事の起源、社会的意味と意義
著者
岩橋 利彦
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成29年度は、咳嗽および発声時における声門閉鎖の定量的解析法の確立を目標とした。まず、高速度撮影装置と電気声門図(electroglottography:EGG)の同期記録システムを用いて、片側声帯麻痺症例の咳払いにおける声門閉鎖の有無をEGG波形より間接的に評価できるかどうかについて検討を行った。健康成人例の咳払い時の圧縮相において、高速度撮影画像では、声帯、仮声帯、披裂喉頭蓋括約部の閉鎖が認められ、EGG信号では、EGG波形の一過性上昇が認められた。特に、高速度撮影画像における咳払い時の声帯突起の接触とEGG波形の一過性上昇が一致して認められた。そこで、このEGG信号の一過性上昇に着目し、片側声帯麻痺症例においても、声帯が閉鎖する場合にEGG波形の一過性上昇が認められると考え、その検証を行った。結果として、片側声帯麻痺症例においても、EGG波形の一過性上昇は声帯の閉鎖を反映していると考えられ、高速度撮影画像を用いた視覚認識による声帯の閉鎖の評価よりもEGG信号所見の評価の方が評価者間一致率が高い結果となった。片側声帯麻痺症例では麻痺側の披裂部が声門を覆うことがあるため、約3割の症例で声門を視認できない場合がある。そのため、本研究の結果は、咳払い時のEGG波形の一過性上昇が明確に声門を観察することができない片側声帯麻痺症例の咳払い時の声帯閉鎖能力を予測する有用な指標になり得ることを示した。今回の研究結果については12th Pan-European Voice Conferencesにて発表を行った。
著者
土井 健史 井上 豪 橘 敬祐
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ヒストンH3K9を特異的にメチル化するSETDB1について、その酵素機能を制御する分子機構を解析した。(1)SETDB1のモノユビキチン化修飾がH3K9me3活性を介して、遺伝子発現を制御していることを明らかにした。また、その制御機構に関わる因子として、クロマチン制御因子であるTRIM28を同定した。(2)核内のSETDB1がプロテアソーム阻害剤と核外排出阻害剤によって増加し、それに関わる候補因子を見出した。(3)SETDB1-MCAF1のX線結晶構造解析を行うため、蛋白質の精製および結晶化を試みた。本研究で明らかとなった知見は、SETDB1を標的とした新たながんの治療薬の開発につながる。
著者
薮田 ひかる 甘利 幸子 デイビッド キルコイン
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、隕石中の始原的希ガス" Qガス"の担体とされる正体不明の炭素化合物" phase Q"を同定するための新たな戦略として、適切な化学・物理的分離法を施しQガスを濃集させた隕石中の炭素質物質を、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を用い分析した。その結果、Qガスに富む炭素成分はsp^3炭素に富む分子構造を有することが明らかとなった。
著者
中野 賢
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

分子通信とは、化学信号や化学反応を利用したバイオナノマシンのための通信方式であり、近年、情報通信分野において、新しい通信技術として注目を集めている。本研究では、様々な分子通信方式の設計や性能評価、および、応用設計や概念実証を行い、分子通信を通信の技術として確立することを目標としている。また、IEEEのワーキンググループと協力をして、分子通信方式の国際標準を策定することも目指している。この目標にむけて、初年度となる平成29年度には、以下の研究を実施した。・分子通信の医療応用の検討:細胞等で実装するバイオナノマシンが分子通信を介して協調的に動作し、標的となる腫瘍細胞の検出や治療を行う協調型ドラッグデリバリ方式について検討した。このような協調型ドラッグデリバリ方式の数理モデルを構築し、数値シミュレーションによって、提案方式の性能を調査した。また、概念実証のための実験系の設計、顕微鏡観察のための実験環境の構築、生細胞を利用した予備的な実験を行った。・分子通信方式の設計と評価:分子信号の時間変化(波形)を利用して情報を伝播する、新しい分子通信方式を提案した。従来の通信方式のように搬送波の振幅や周波数を利用して情報を伝播するが、化学反応の結果に生じる複雑な形状の信号波形を利用することで、一つの波形に複数の振幅や周波数を載せて情報を伝播できる通信方式を考えた。また、分子信号が伝播する方向を制御するためのチャネルスイッチの設計や計算機シミュレーションによる性能評価も行った。
著者
細田 耕 荻原 直道 今西 宣晶 名倉 武雄 清水 正宏 池本 周平 菅本 一臣 成岡 健一 MACEDO ROSENDO Andre Luis 伊藤 幸太
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題では,脳やせき髄からの投射がない場合の,歩行状態における人間の足部の機械的特性を計測するために,歩行状態を再現するための歩行シミュレータを作成し,これに屍体の足部を取り付け,二方向エックス線透視撮影装置の中で歩行させることによって,足部内部の骨の動きを観察するためのプラットフォームを開発した.これに関連して,歩行状態を再現するための歩行シミュレータの制御や,透過画像から各骨の三次元運動を精密に再構成するための画像処理技術などを開発した.足部に存在する機械的特性のうち,中足骨関節に着目し,同等の機能の足部をもつ二足歩行ロボットを開発,実験によって中足骨関節の歩行安定性への寄与を調べた.
著者
高松 漂太
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

昨年度、炎症誘導物質をモニター可能なレポーター細胞を用いて、種々の自己免疫疾患患者由来血清中に含まれる炎症誘導活性を測定し、SLE血清においてtype I IFN (IFN-I)活性ならびにIFN-I誘導活性が高いことを見出した。また、様々な核酸受容体欠損レポーター細胞を作成し、SLE血清によるIFN-I誘導がSTING依存的に惹起されることを見出した。本年度は、STINGを介してIFN-Iを誘導する因子について検討を行い、SLE血清中にはdsDNAが多く含まれており、それらはDNase Iに対する分解から保護されていたから、血清中の細胞外膜小胞に着目し、血清を、210,000gにて単離されるexosome分画、exosomeよりもやや大きい16,000gにて単離されるapoptosis-derived membrane vesicle (AdMVs)分画とそれ以外の分画に分け、IFN-I誘導活性を有する分画について検討したところ、SLE血清ではAdMVs分画にIFN-I誘導活性が多く含まれていることを見出した。SLEでは何らかの原因によるapoptosisの亢進、それにより生じたapoptosis関連物質の分解障害が病態に関与することが知られており、我々の結果も加味すると、SLE血清中には、apoptosis由来物質特にDNA断片が、AdMVsに内包されて存在し、それらが食作用により細胞質内に取り込まれ、dsDNA受容体のcGASで2’3’-cGAMPに変換されてSTINGを活性化し、その結果IFN-I産生が亢進する、という一連のカスケードがSLEの病態に重要であることが明らかとなった。この成果をリウマチ性疾患関連雑誌の最高峰であるAnnals of Rheumatic Disease誌に投稿し、現在under revision中である。
著者
永井 敦
出版者
大阪大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1999

平成11年度に引き続き、離散化したソリトン方程式の数列の加速法への応用、および独立変数・従属変数ともに離散化(超離散化)したソリトン方程式の研究を中心に行った。得られた研究実績は以下の通りである。数列の加速法への応用離散ソリトン方程式と数列の加速法との関連を詳細に調べた。特に離散時間戸田分子方程式を出発点にして、数列の収束が加速されるメカニズムのソリトン理論における意味を明確にした。この視点を応用して、離散ソリトン方程式を用いた数列の加速法の構成に対する1つの指針を与えた。本研究の成果は、昨年裳華房から出版された「可積分系の応用数理」(中村佳正編著)の第6章「離散可積分系と数列の加速法」にまとめられている。逆超離散化による箱玉系の保存量の構成代表的な超離散ソリトン系である箱玉系の拡張版(番号付、箱の容量可変)の保存量を求めた。具体的には拡張型戸田分子方程式とLotka-Volterra方程式の保存量に対して、超離散化と逆の手順(逆超離散化)を行うことにより求めた。番号付箱の容量1の箱玉系および番号無箱の容量可変の箱玉系に対しては保存量を計算することに成功した。
著者
安部 有紀子 杉本 和弘 望月 由起 蝶 慎一
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、日本の学寮プログラムの教育的展開の実態と特徴を明らかにし、質保証を基盤にした教育的な学寮プログラムを開発することを目的とする。本研究では各国の学寮改革の進展状況や、日本の学寮の教育的プログラムの実像へアプローチするとともに、質保証を基盤とした学寮プログラムの開発を試みる。