著者
松木 洋人
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.149-181, 2001-03

特集変容する社会と家族投稿論文0. はじめに1. 社会構築主義という視点2. 社会問題研究における社会構築主義3. 家族社会における社会構築主義4. 誤解と混同5. 家族言説と解釈実践の社会学へ6. おわりにRecently, a social constructionist approach is a growing concern in the field of family sociology. This trend reflects the recognition among family sociologists that they need an alternative perspective to approach "postmodern" contemporary family which differs from the traditional structural-functionalist framework. In order to examine the implications of social constructionism for family sociology, sociological studies of family based on a method of social constructionism will be illustrated here with examples mainly from works of Gubrium Holstein. Also, pointing out the popular but unsound evaluation of the constructionist family study as a "subjectivistic micro-theory", this paper emphasizes that the approach is very sociological in that it addresses the social character of interaction and discourse and the relation between family and social order.
著者
赤江 雄一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2009

説教受容に対する説教執筆者の意識の問題に関連して、平成22年6月に名古屋大学で開催された第2回西洋中世学会大会の大会シンポジウム報告を行った。同報告は、査読を経て、論文として『西洋中世研究』誌上で刊行された。また、平成22年7月にスペイン・サラマンカで開催されたInternational Medieval Sermon Studies Society Symposium において本プロジェクトについて発表を行なった。
著者
間瀬 啓允
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.95-103, 1990-12

宗教言語に対する実在論的理解と非実在論的理解のあいだの論争は,現代の宗教哲学における最も根本的な問題のうちの一つである.これまでの宗教の自己理解は,一般に実際論的であった.ところが現代では,キリスト教にも仏教にも,確たる非実在論的解釈があらわれ,その解釈が現代の科学志向の,脱-超自然主義的な一般社会に広くアッピールしている.思うに,宗教における実在論と非実在論の論争は,哲学的な議論によっては決着がつけられないであろうが,しかしその問題点の明確化は,哲学的な分析によっておこなわれうる.そこで,以下の論述は,暫らくその点に集中し,そのあとで,主題をめぐる議論の展開となるであろう.
著者
緑川 信之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1-21, 1997

It is often explained in textbooks that the synthetic expression method (synthesis ofnotation by auxiliary tables or other parts of the schedule) of the Dewey Decimal Classification(DDC) is a device for treating complex subjects. However, such an explanation is wrong andbased upon a confusion of the "synthetic expression method" for notation system with the"analytico-synthetic procedure" for subject structure. The analytico-synthetic procedure is aprocedure for applying division principles to subjects specific to classification systems withmulti-dimensional structure such as Colon Classification. While division principles are to beapplied in due order in the hierarchical structure, they can freely be applied in the multidimensional structure. Therefore, complex subjects can easily be classified and thus bettertreated in the latter structure. Also, it is true that most classification systems with the multidimensional structure have adopted the synthetic expression method for their notation systems. However, the subject structure is in principle nothing to do with the notation system ofa classification system. Any subject, which can be expressed by the synthetic expressionmethod, can also be expressed by the enumerative method. Therefore, the synthetic expressionmethod of the DDC cannot be an effective device for treating complex subjects (as comparedwith the enumerative expression method).
著者
井手 一馬
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.285-294, 1929-08
著者
武田 勝藏
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.143-144, 1922-11

書評
著者
清水 猛
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.1-15, 1999-08-25

本稿は社会空間とマクロ・マーケティング要因(広告費,小売商店数,小売労働生産性)の関係について,かつて行った社会指標分析を約20年後に再吟味しようとする継続研究である。本稿ではまず各都道府県の地域社会を主成分分析によって都市性,飽和性,零細性の3個の総合社会指標で代表させ,次に,これら3個の指標が各地域社会のマーケティング要因とどのような関係をもつかを回帰分析によって再吟味する。約20年間における3期もしくは2期の分析結果に基づいて,各都道府県の諸特性の変化を跡づけるとともに,マーケティング要因を規定する地域社会発展段階モデルの作成を試みて,マクロ・マーケティング要因の変動を推論しようとする。
著者
岡本 大輔 古川 靖洋
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.31-62, 1995-10-25

エキスパート・システムとは,問題領域の専門家から獲得された専門知識を利用して推論を行ない,十分に複雑な問題を専門家(エキスパート)と同程度の能力で解決することを目標とする知的プログラムである。本論文ではそのエキスパート・システムの企業評価論への適用可能性を探った。そのため筆者らは,実際にフレーム型システムを用いた企業評価用エキスパート・システムEFSA ver.2.04を構築し,その構造を示し,どのように推論し,どの程度の問題解決能力を持つかを示した。その結果,かなり高度に専門的な問題解決能力をシステムに持たせられることがわかった。
著者
高橋 正子 黒川 行治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.22-48, 1992-12-25

SEC連結基準採用会社をサンプルとし,産業効果モデルによって推定した残差リターンに基づく累積平均残差CARを計算し,決算発表された会計情報の内容とCARとの関係を分析することにより,会計情報の有用性の有無・程度を検討する。会計情報としては,(1)連結利益,(2)個別利益,(3)連結営業キャッシュ,(4)個別営業キャッシュ,(5)連結投資キャッシュ,(6)連結財務キャッシュ,(7)個別投資キャッシュ,(8)個別財務キャッシュの8種類である。なお,すべて1株当たりの数値に換算し,また対前期比を計算することにより実際値と予想値との乖離を求め,期待外の結果とする。分析は4つのパートから構成されている。(1)利益情報と営業キャッシュ情報との比較 上記(1)〜(4)の4つの情報について,対前期比がプラスの場合,その情報内容が好材料(good news)と判断し,逆にマイナスの場合,悪材料(bad news)と判断して,情報の好悪とCARとの関係を月毎の変動の形にグラフ化する。その結果,利益情報の好悪は,営業キャッシュ情報の好悪よりもCAR(株価)との関連性が強い。とくに,連結利益情報がもっとも顕著であり,逆に,個別営業キャッツュ情報の好悪は株価に関して殆ど差異をもたらしていない。(2)投資キャッシュと財務キャッシュ情報の有用性 上記(5)〜(8)の4つの情報について,対前期比が増加であるか減少であるかを当該情報の情報内容として,CARとの関係を月毎の変動の形にグラフ化する。その結果,連結または個別の投資キャッシュが増加する場合,-3月まではCARは殆ど上昇しない。また,連結または個別の財務キャッシュが減少する場合,-3月まではCARは殆ど上昇しない。連結財務キャッシュが減少する場合,+1月から+3月までのCARの上昇が顕著である。(3)数量化I類モデルによる会計情報の有用性の分析 数量化I類モデルにより,総合的に会計情報のCARへの影響を検討する。その結果,-3月で決定係数が最大となり,情報の好悪(増減)に対するCARの反応差が最も大きくなる。また,資金情報の利益情報に対する追加情報の有用性についてみると,営業キャッシュにはそれほど大きな追加情報内容がないが,投資キャッシュには連結・個別ともに追加情報内容がある。また,個別財務キャッシュには追加情報内容がないが,連結財務キャッシュには追加情報の有用性がある。(4)回帰モデルによる会計情報の有用性の分析 分析(1)〜(3)までは,会計情報の内容を名義測度でとらえ,当期の会計数値を予想(前期値)と比較し,それの好悪あるいは増減としての情報の有用性を分析したが,ここでは,会計情報の内容を比例測度でとらえ,対前期比の数値そのものあるいは対数変換するにとどめた会計情報を扱う。その結果,連結利益は決算月前および決算発表月前に有用で,CARに対して+にはたらく。営業キャッシュ情報には,連結・個別ともに有用性が低い。また,投資キャッシュ,財務キャッシュ情報は,連結・個別ともに有用であり,とくに,連結財務キャッシュ情報が決算月以後および決算短信発表月以後のCARに対して影響が最も有意で,分析(2)と同様マイナスにはたらく。最後に,日本基準の連結会計制度上,作成・開示が義務付けられていない連結キャッシュ情報は有用であることが判った。
著者
黒川 行治 高橋 正子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.41-51, 1992-08-25

株式投資決定を前提として,会計情報の有用性を問題とする場合,連結会計が主である米国では,発生主義にもとづく連結利益情報と現金主義にもとづく連結キャッシュ・フロー情報とが比較の対象となってきた。一方個別会計情報と連結会計情報とを併用して利用できる状況にあるわが国においては,個別利益情報,個別キャッシュ・フロー情報,連結利益情報,連結キャッシュ・フロー情報の4つが情報の有用性の比較対象となりうる。しかし,現在のところ,個別利益情報および連結利益情報の有用性が若干確認されたにとどまり,キャッシュ・フロー情報とくに連結キャッシュ・フロー情報の有用性の検証は行われていない。そこで,本研究の目的は,株式投資決定問題を前提として,上記の4つの情報の有用性を比較検討することである。なお,わが国固有の連結基準では,連結キャッシュ情報公開が要請されていず,上記4つの情報がすべて利用できるのは,SEC基準によって連結有価証券報告書を提出する会社だけなので,SEC連結基準適用会社をサンプルとする。分析方法としては,産業効果モデルによって推定した残差リターンにもとづく累積平均残差CARを計算し,決算発表された会計情報が好材料(good news)であるか,悪材料(bad news)であるかによって,決算発表前後でCARの動きが異なるか否かを検討するものである。ただし,会計情報としては上記の4種類があるので,好材料か悪材料かはそれぞれの情報毎に識別される。
著者
村田 昭治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.178-196, 1959-06-25

It cannot be said that Francois Quesnay has ever developed a commercial theory deserving of the name. The reason why I am particularly interested in his reference to commerce is based on the fact that we can understand the general view of the Physiocrates regarding function and significance of commerce in economic circulation through his treatment of commerce. Quesnay, in his famous articles, "Du Commerce" etc., emphasizes the economic significance of "commerce." However, it must be remembered that his definition on commerce is sometimes broad or narrow in its meaning. In part I of the paper, the writer will consider the unproductivity of commercial industry for the reason that it does not produce "produit net." Therefore, agriculture is the fundamental industry of the country, where liberty and security are its chief requisites. In part II and III, Quesnay's view concerning commerce and price will be examined. He made a sharp distinction between commerce as a profit-making activity of merchants (le commerce revendeur) and pure commerce (le change qui se fait entre le vendeur de preiere main et acheture-consommateur.) Such a clear distinction as to commerce is expressed in the various parts of his works. And he put much stress upon the importance of the economic function which plays an active role in establishing "le bon prix." Lastly, the writer tries to make some additional remarks on Quesnay's explanation on the free play of commerce which is synonymous with free competition, while the mercantilistes believe that the country would be prosperous only by nationalism and state-regulation. Generally speaking Quesnay's analysis on commerce has a little Worth, theoretically, and his viewpoint about it has an important influence, even today, upon the establishment and development of the economic theory of commerce.
著者
唐木 圀和
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.83-99, 2000-11-25

〓小平亡き後も中国は,1978年12月以来の路線を継続して,「中国の特色を持つ社会主義建設」を目指している。〓路線においては,1987年11月,中国は社会主義の初級段階にあり,中国が直面している最大の矛盾は,「増大する物質的・文化的需要と立ち遅れた社会的生産とのあいだの矛盾」であって,階級矛盾は副次的なものであるとの論断がなされた。これによって,私営企業を含む多様な所有制の存在が可能となった。社会主義市場経済を確立するにあたって,その基盤となるものが,公有制を主体とする現代企業制度の確立である。改革の当面の中心課題は,国有企業の改革にある。国が国有企業の株式を100%所有していなくても,持ち株会社を通じて実効支配が出来れば,公有制の原則が維持されていると中国はみなすに至っている。さらに,所有と経営の分離を謳っているにもかかわらず,企業管理組織において,董事会,監事会ともに党委員会の影響力が強く及ぶ仕組みになっている。持株会社の党の指導には,制度上の歯止めが無い。指導が適切かどうかを判定するものは,企業業績を競争的株式市場が,株価においてどのように判定するかにかかってくるであろう。国家株の放出,企業情報の公開を通じて競争的株式市場を育成し,「市場志向的ガバナンス・システム」を確立することが,中国現代企業制度の整備にあたって強く望まれる。
著者
松本 信廣
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.133-154, 1944-07

古代に於ける武器は考古學的に研究してゆくことの必要であるのみならず、また言語學的にも研究せられねばならぬ。則ち武器の構造なり系統なりはたゞに具象的方面より究められ得ると共に一面その名稱の語源的研究により示唆を與へられる所大なるものありと信ずる。此處に試みんとする研究は もとより我國古代攻戰具全般に汎つてをる譯でなく、其中のごく若干に就て管見を述べんとするに過ぎない。しかも此意見は従來の學界の通見に對し異をたてる點あるかも知れぬが、私見に對し大方の高教を切に期待するものであり、誤てる點、不備の點は之を改めるに吝なるものではない。
著者
西原 博之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
組織行動研究
巻号頁・発行日
vol.28, pp.97-109, 1998-03-30
被引用文献数
1

慶應義塾大学産業研究所行動科学研究モノグラフ ; No. 42. 日本企業の国際取引における交渉の研究 : アジア、アメリカ企業との技術取引、企業買収(2)1.はじめに1978年に中国共産党が対外開放政策を打ち出して20年が経とうとしている。対外開放以降,外国企業の中国への投資動向には目を見張るものがある1)。一方,90年後半は, 海外からの対中投資の増加率は減少する傾向が見られ, 近年は日系企業の中国からの撤退ブーム到来の兆しともいわれている。
著者
清水 龍瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.251-295, 1993-02-25

日本企業についてのサーベイでは,どの社長も現在の不況を嘆いていない。むしろ将来の景気回復を見据えて,この時期,長期的に自社の強み強化の戦略を積極的に考えている。エレクトロニクスのデジタル技術が今後競争の中心になる。生産現場のノウハウの統合が重要であるが,外部からの中途採用者ではこの統合・融合がうまくいかない(富士ゼロックス)。日本の情報技術は量産できるデバイス・新素材の部分はすすんでいるが,通信技術は米国と同じか,やや下で,コンピュータ開発・ソフト開発技術は米国よりずっと遅れている(学術情報センター)。土地買収の秘訣は"相手の立場にたってものを考える"こと。お年寄りには方面委員的なお世話を,お店にはコンサルタント的な相談を,地主さんには上りの入る部屋を提供。反対する人にはムリな説得はしない(森ビル)。自社の強みは,新しいセンサーの開発,現場ノウハウの統合,それによるアプリケーション技術,システム技術の開発。これが他社にまねられない競争優位戦略の中核(オムロン)。収益5割減,コスト5割増でも営業利益黒字。公開業務,M&A,証券化ビジネスなど将来性のある商品開発へ優秀な人材を再配置する。その教育のための特殊な"学校制度"に力を入れる(日興證券)。人事評価は,相対的な全体評価が原則。従業員1人ひとりを全体的にみて順位をつける。分析的項目の評価値の合計は全体評価値と一致しない(日本通運)。中国の「社会主義市場経済」はタテマエとして,国営企業の所有権は国,経営権は管理者グループヘといっている。しかし実態は,経営者の任命権は既に国にはなく,また基本賃金一定の原則はボーナスの自由化で崩れ,急速に資本主義企業の経営に近づいている。法律が未だ整備されていないので裁判所で認めたものだけ,たとえば土地使用料だけが担保になりうる。貸出金利は中国人民銀行がきめるが貸出資金量には当行に裁量権がある(中国銀行)。他市で当社の販売妨害があると天津市政府は現地へ行って抗議してくれる。しかし当社が優秀な中間管理者を募集すると株主の天津市政府はいい顔しない。市政府が出資している他の合弁会社が弱くなるから(コカコーラ合弁会社)。国営から民営化ではない。依然として国家が所有権をもっていて,経営権だけが会社全体に渡されている。しかし実態はもう少しすすみ,所有は国,省,市政府などの集団になり,経営者も会社で決めた者を国が任命する(南開大学)。下請部品メーカーの労働賃金は安いが部品価格は日本の1.5倍になる。品質管理,生産管理が悪くて不良品比率が高いから(ヤマハ合弁会社)。創業5年で売上が100倍になり高収益をあげている。国内でいくら売れても人民元しか入らない。外貨が入らず設備投資が難しい。外資企業がふえて競争激化(SKF合弁会社)。開発区,保税区を次々につくり各種優遇措置を講じているが,インフラは未だ十分に整備されていない。いまのところは進出企業の当社投資額は天津市内の旧工場跡地のほうが有利(天津市政府)。売上の中で最も大きな比率を占める商品は男子服。利益の多いのはファッション製品。生地は日本製品より品質が悪く価格も高い。ボーナスは基本年給の5倍出している(華聯商厦)。約90社から成る企業集団であり年間売上高は40億元。管理より発展が重要。管理を強めると創造性を発揮しなくなる。基本戦略は,商を中心にして金融を発展させ,そのあとで製造を握る(天津立達(集団)公司)。支社長に3ヶ月の運転資金を渡し実績をあげなければクビ。本社の部長は自分の好きな人を部下として採用しうる人事権をもつ。米国人は物を信用すれば買うが,日本人は人を信用しなければ物を買わない(東方文化藝術)。
著者
小野 修三 米山 光儀 梅垣 理郎 坂井 達朗 永岡 正己 小笠原 慶彰 松田 隆行 安形 静男
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は一つには石井十次の岡山孤児院大阪分院(大阪事務所)の活動記録たる日誌を、石井記念愛染園(大阪市浪速区日本橋東)に出張して写真撮影し、その複写物によって原文の翻刻を行ない、成果を大学紀要に発表することで、明治末から大正初めの大阪の地における社会事業に関する第一次資料を公的に利用可能なものとすることであった。この点では、この弓年間の研究期間で2年度に亘り当該日誌の翻刻を研究代表者および研究分担者の所属する大学の紀要にて発表することが出来た。本研究のもう一つの目的は、上記資料を実際に利用して、明治末から大正初めの大阪の地における社会事業展開の実際の過程を解明することであったが、この点についても2篇の論考をまとめることが出来た。そこではまず第一に、事業展開における事業主とその手足として働くスタッフとの間の信頼関係が、ある場合(石井十次と光延義民)には毀損し、ある場合(石井十次と冨田象吉)には、事業主の没後も事業主の遺志を継承して精励していたことが判明した。また、事業展開の場を、大阪から朝鮮半島に求めることが当時広く模索されていたが、ある団体(岡山孤児院、時の事業主は大原孫三郎)は調査の結果進出を断念し、ある団体(加島敏郎の大阪汎愛扶植会)は同じく調査の結果、朝鮮総督府、東洋拓殖株式会社の支援のもと、進出を決断したが、この明治末から大正、昭和初期の過程を今回まとめることが出来た。ただ、昭和20年の植民地統治終了時に至る過程については未解明であり、今後の研究課題としたい。
著者
三浦 雄二
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.83-101, 1999-02-25

<豊かさ>は資本主義的高度産業社会の構造的仕組みが産み出したもので,それ自体社会のものである。社会の<豊かさ>はその華やかさによって人々の目を奪うが,その背後では社会そのものがこの構造的仕組みに方向付けられながら,強大な全体的構造を作り上げていることを意味する。<豊かさ>を維持するためにはこの構造的仕組みが強化されなければならず,そのためには諸個人が犠牲にされることも省みられない。それは<豊かさ>が漲っていたときもそうであったし,今日のように<豊かさ>に翳りが見え始めている場合もそぅである。<豊かさ>はその背後で人間と社会の関わりが大きく構造の側に傾いたままであることを気づかせない。資本主義的高度産業社会はこれからも<豊かさ>の擁護をめぐって展開していかざるを得ず,それは構造的問題性を強化こそすれ緩和させることはないであろう。我々は資本主義的高度産業社会の構造的在り方を問題視していかなければならない。人々は強大化していく社会構造の中で,生活そのものをその中に組み込まれていく。彼らにとっての社会ともいうべき社会生活そのものが<豊かさ>に包まれているからで,それによって彼らの目は彼らの存在が形式的のみならず実質的にも構造に対して卑小化している現実に届きにくくなっている。<豊かさ>の故に人々は,あたかもその存在を社会によって丸飲みにされてしまったかのようである。それは包摂とでも表現すべき状況であり,現代日本の資本主義的高度産業社会としての構造的問題性を集約的に表現している。人々の間には構造に対する依存の体質が拡がり,その限界が現れてきているにもかかわらず,個人的には依存の姿勢を一層強めようとする気配を見せている。今日,資本主義的高度産業社会における人々,とりわけ日本の労働者の間に,社会の構造的在り方に積極的に働きかけ,構造的問題性の緩和に努力しようとする姿勢は全く見られない。見られるのは自分だけは<豊かさ>の享受から振り落とされまいとする極めて利己的な態度でしかない。<豊かさ>は人間と社会の関わりにとって批判的に究明されねばならない問題なのである。
著者
奥村 昭博
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.133-152, 1973-04-30

組織は,生存しつづけるためには,常にその環境に適応してゆかねばならない。その適応の過程で組織は,環境の不確実性を処理する機構となる。よって,組織の環境への適応行動の理解には,まず組織と環境との相互関係を検討する必要がある。本稿は,前に紹介,説明したハーバード大学のローレンス・ローシュによって開発された「組織の"条件"理論(Contingency theory of organizations)」に基づいて,日本の企業でその実証研究を試みたもののまとめである。この調査の対象となったのは,小規模の繊維の販売会社であった。われわれは,この企業の重役3名(各地域の支店長)と商品別の課長10名に対してインタビューおよび質問用紙を試みた。
著者
上田 修一 吉野 貴庸 石田 栄美 倉田 敬子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-15, 1999

WWW OPAC has become one of standard services at university libraries in Japan. A largenumber of studies have been carried out for the evaluation of OPACs. What seem to be lacking,however, are those from the actual users' point of view. ln this research, we examine major 15WWW OPAC systems from such search terms as supposed likely to be used by novice users.Three cases are analyzed, each searching a specific book or author from terms extracted fromit and their variants. The first case is to search a Japanese book translated from English from9 terms (ex. full Japanese title, one keyword from title, 'kanjj' of Japanese translator, Englishspell of author, and so on). The second case is to search a book with long title from 5 terms (fulltitle including subtitle, main title only, and the variants). The third case is to search all booksby an author, whose 'yomi' is the same with more than 9 persons. The major results are as follows: (1) Only three systems are successful in searching from all the terms in the first case. (2) Some systems are very ineffective, can be searched only from few terms. (3) The same outcomes cannot be got even from the same search terms. These problems seem to occur under such situations as: (1) A standard architecture and indexing system of OPAC database have not yet been established.(2) Standard OPAC searching procedure has not been developed. (3) Current OPAC is a mixture of traditional cataloguing rules and online retrieval system. It is necessary to develop an original architecture and standard searching procedure forOPAC based on a new user model.