著者
石河 孝洋
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2021-04-01

高圧力下におけるランタン(La)-水素(H)系で550ケルビン(277℃)の室温超伝導が観測されたという論文が2020年6月にプレプリントサーバ上で報告された。水素供給源のアンモニアボラン(NH3BH3)がLa-Hと化合して超室温超伝導が引き起こされた可能性があるが、組成・結晶構造などの詳細は全く明らかになっていない。組成や構造は形成エネルギー凸包を構築することで決定できる。本研究では、進化的アルゴリズムを使って凸包の構築を高速に行える独自の手法をLa-B-N-H系に適用させて安定水素化物を探索し、550ケルビンの超伝導に対応する水素化物の特定と更なる新奇室温超伝導水素化物の発見を目指す。
著者
石本 宙
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2022-08-31

保型形式や保型表現は整数論において価値のある情報を多く含んでいる研究対象である。しかし、重さ半整数の保型形式やメタプレクティック群の保型表現は、重さ整数の保型形式や古典的な代数群の保型表現よりも研究の歴史が浅く、知られていないことが多い。本研究は、重さ半整数の保型形式の理論とメタプレクティック群の保型表現論のさらなる発展への貢献を目的として、重さ整数の保型形式や古典的な代数群の保型表現との関係やその応用について調べる。
著者
向井 健
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2014

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 井上 将行, 東京大学教授 大和田 智彦, 東京大学教授 金井 求, 東京大学准教授 松永 茂樹, 東京大学講師 占部 大介
著者
寺杣 友秀 花村 昌樹 松本 圭司 志甫 淳 木村 健一郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

混合TateモチーフのHodge実現関手の構成のために、semi-algebraic setを使ってある鎖複体を構成し一般化されたコーシー公式を証明した。また混合楕円モチーフについて、深さフィルトレーションをあたえるモチーフのフィルトレーションを定義した。高次チャウ群からコホモロジーへのサイクル写像の像の次元が大きい曲面の構成をした。2変数超幾何方程式系が可約になる特別なパラメーターに関する Schwarz 写像を研究した。このタイプの周期逆写像をテータ関数を用いて記述した。種数2の代数曲線族についてのAbel-Jacobi 写像の像特徴づけた。
著者
垣内 力
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、昆虫の腸管に常在する細菌種の同定と遺伝子組み換え後の再定着能の検討を行った。クワガタムシの菌嚢とフタホシコオロギの腸管から、複数種の細菌を分離同定した。コオロギから分離した常在細菌について、プラスミド形質転換後の再定着が可能であった。また本研究は、昆虫の体サイズを増加させる生理活性物質の探索を行った。ロイヤルゼリーの経口投与により、カイコガとフタホシコオロギの体サイズの増加が認められた。以上の結果は、昆虫の腸管に常在する細菌の機能改変と再定着が可能であること、ならびに、昆虫の体サイズを増加させる物質がロイヤルゼリー中に存在していることを示唆している。
著者
樋渡 展洋
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究の目的は、通説的な選挙制度改革が日本の政党変容を規定したという政治制度的理解に代わって、新たに政治経済的解釈を提示し、それを実証することにある。その要諦は、現在の状況を、政策競合政治への変容過程での一党優位支配と規定し、その原因を経済停滞下、有権者の信託を得た経済政策課題の解決の必要性に対する自民、民主両党の脱皮度の違いに求めている。政権党の経済改革の必要性は、各党内において成長指向路線と地域利益配分指向との対立を激化させ、そのことが激震的な選挙変動を媒介に、自民党と民主党では非対称的な適応性に帰結した、というものである。
著者
佐和 隆光
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1971

博士論文
著者
土居 健郎
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1960

博士論文
著者
小林 直樹 佐藤 亮介 五十嵐 淳 塚田 武志 吉仲 亮 海野 広志 関山 太朗 佐藤 一誠
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2020-08-31

プログラム検証とは、プログラムが正しく振る舞うかどうかを実行前に網羅的に検証する技術であり、ソフトウェアの信頼性向上のために欠かせないものである。本研究課題では、近年の機械学習技術の台頭とそれに伴うコンピュータによって制御されたシステムの社会への普及を踏まえ、(1)代表者らがこれまで研究を進めてきた高階モデル検査などの自動プログラム検証技術や理論をさらに発展させるとともに、(2)プログラム検証技術のさらなる飛躍のために機械学習技術を活用し、さらに(3)機械学習技術の台頭に伴うソフトウェアの質と量の変化に対応するための、新たなプログラム検証技術の確立を目指す。
著者
小川 潤
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

ローマ帝国は一般的に、支配下にある都市の自治を尊重し、それら諸都市に統治の一端を担わせることで広大な領域の支配を可能にしたと考えられています。それゆえ、ローマ史研究ではこれまで、都市に注目した研究は多く為されてきました。しかし碑文などを読むと、都市より小規模な田園地帯の共同体も独自の行政機構を有し、広範な自治能力を有していたことがわかります。本研究はこのような共同体に注目し、都市よりもさらにミクロな視点からローマ統治の在り方を考える試みであり、ローマによる属州支配の一端を明らかにするものです。
著者
飯塚 舜
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2019-04-25

『人間本性論』におけるヒュームの理論哲学を、虚構主義を打ち出す先駆的な議論として再解釈する。対象とするのは観念説経験論と呼ばれる方法論と、とりわけユニークな議論と評価される因果論である。本研究は2つの部分から成る。一つは、伝統的に懐疑論として理解されてきた因果論を虚構の積極的な側面を論じたものと解釈し、虚構を可能にする枠組みを与える方法論と併せて歴史的に再構成することである。もう一つは、ヒュームの言う虚構が、対象を文字通りではない何かとして扱うという構造を持つ点で現代の「解釈的虚構主義」に通じる点に着目し、彼の因果論及び方法論を現代においてなお魅力的な議論として合理的に再構成することである。
著者
野田 浩司 齋藤 隆之 高橋 光成 中森 健之 稲田 知大
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

大口径の大気チェレンコフ望遠鏡を用いた観測により、高エネルギーガンマ線で見える宇宙の極限現象、特に突発天体と暗黒物質の理解を進める。本研究では、現在稼働中のMAGIC望遠鏡に加え、次世代計画チェレンコフ望遠鏡アレイ(CTA)の大口径望遠鏡1号基を用い、また同望遠鏡2~4号基の設置・調整を行う。現行の望遠鏡によって明らかになった様々な宇宙現象の理解を更に深め、CTAによる研究へと継続・発展させていく。 MAGIC・CTAともにスペイン・ラパルマ島で進行中の国際共同実験であるため、観測地現地や欧州各国にある関連研究所に直接赴いて研究を進め、今後同分野でリーダーシップを発揮していく。
著者
廣瀬 通孝
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

物体と触れる指の姿勢に補正を加えた映像を提示することで,視触覚間相互作用を誘発し,実際に触っている物とは異なる触力覚を提示できる.一方で,強い擬似触力覚提示を狙って深部感覚と視覚のズレを大きくすると身体所有感の喪失がおき,擬似触力覚提示効果の喪失が起こる.この解決のために本研究では,指先などの物体と身体が接触する身体パーツの姿勢だけでなく,全身の身体姿勢の見えに適切な補正を加えることで,複雑な触力覚提示装置を用いることなく自由空間で任意の身体部位へ擬似触力覚提示が可能な新規手法を提案した.この手法を実際に構築し,基礎評価と応用評価を通じて,その性能や適用限界を明らかにした.
著者
塚田 穂高
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2013

審査委員会委員 : (主査)東京大学教授 島薗 進, 創価大学教授 中野 毅, 関西学院大学教授 對馬 路人, 東京学芸大学教授 藤井 健志, 仏教大学准教授 大谷 栄一
著者
上野 博史
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では分子機械の改造・創成を実現する新規進化分子工学的スクリーニング技術の開発を行う。そのため1DNA隔離、タンパク質発現・精製、機能評価、DNA回収という進化分子工学的スクリーニングプロセスの全てをマイクロチャンバーデバイス内で実現する技術を開発する。これまでの研究から精製以外のプロセスのデバイス実装は完了している。そこで本研究では微小ドロップレット内でのタンパク質精製プロセスを組み込んだスクリーニング技術を確立する。さらに確立したスクリーニング技術を分子機械であるF1-ATPaseのスクリーニングへと拡張させ、分子機械の改造や新規機能の創成への適応を目指す。
著者
大河内 一男
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1951

博士論文
著者
高木 健 巻 俊宏
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

水中浮遊式海流発電装置は、流速変動により生じる動揺運動を回避して安全性を確保する制御が実施されているが、将来はこの安全性確保と変動流中での出力増加・品質向上による経済性向上を両立させなければならない。本研究では制御システムが安全性を担保しつつ経済性向上が可能かを明らかにすることと、どのような評価関数による最適制御が単位発電出力当たりのコスト削減に適しているのかを明らかにすることを目的として実施する。この目的を達成するため、制御シミュレーションコードを確立するとともに、このシミュレーション結果と海流の長期予測結果を利用してライフタイムの経済性を考慮したLCOEを算出する方法論を構築する。
著者
芦部 信喜
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1962

博士論文
著者
則竹 香菜子
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

現在、世界で最も乱用されている違法薬物である大麻の主要活性成分Δ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)には、認知機能障害や心筋梗塞などの心血管疾患の発症リスクがあることが報告されているが、それらのメカニズムは明らかとなっていない。本研究では、大麻草由来のTHCを用いて、THC毒性の分子機構を明らかにすることを目的とする。合わせて、申請者がこれまで研究対象としてきたアルコールは、大麻と併用して摂取されることが多いことから、THCの毒性との相互作用についても検討を行う。