著者
佐藤 次高
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1981

博士論文
著者
青山 昌文
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2005

博士論文
著者
香取 秀俊
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2002

現在の時間標準であるセシウム原子のマイクロ波遷移を基準とした光周波数のコヒーレント計測技術が確立した結果,時計遷移周波数が5桁高く,より高い安定度が期待できる光領域の時間標準の実現や,それらの原子時計の時間揺らぎの評価が,現実的な意義をもつようになった。本研究は,従来の単一イオントラップ光周波数標準と中性原子光周波数標準の特長を同時に実現可能な「光格子時計」のアイディアを提案・実証することを目的とした。光格子中にトラップされた中性原子を用いる「光格子時計」手法では,単一イオントラップ光周波数標準の特徴である(1)ラム・ディッケ束縛によるドップラーシフトの除去,(2)原子間衝突の除去,を(3)光シフトを相殺した光格子にトラップした約100万個の中性原子によって実現する。これによって,イオントラップ周波数標準のもつ高い周波数確度を維持しつつ,およそ3桁の安定度向上を狙う。この提案の鍵を握る「光シフト相殺手法」の検証のため,ストロンチウム原子のフェルミ同位体^<87>Srの^1S_0-^3P_0禁制遷移(遷移周波数698nm、線幅1mHz)を用いた理論計算を行ない,1秒で10^<-18>の安定度・確度を達成可能なことを,明らかにした。「光格子時計」の実証のため,レーザー冷却を施した^<87>Srを1次元光格子に捕獲し,時計遷移励起光に対してラム・ディッケ束縛条件を満たした上で,これに対する分光実験を行った。この結果,光格子レーザー波長を813.5nmとすることで光シフトの相殺が可能となることを示し,このとき励起レーザー線幅で制限される(ドップラーフリーな)500Hzの時計遷移の観測に成功した。
著者
馬路 智仁
出版者
東京大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、近代イギリスの政治思想(19世紀前半から20世紀初頭)において半ば忘却されてきた、きわめて独特な知的系譜、すなわち殖民主義からグレーター・ブリテン構想、そしてブリティッシュ・コモンウェルス構想へ至る帝国的系譜を描き出そうとする点にある。その最大の目的は、ポスト・ブレグジット時代を睨む今日のイギリスにおける「コモンウェルスへの回帰」言説を歴史的文脈の中に位置づけ、相対化するパースペクティヴを提供することである。
著者
村松 真理子 池上 俊一 杉山 浩平 日向 太郎 芳賀 京子 松田 陽 奈良澤 由美 中川 亜希
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

南イタリア・ヴェスヴィオ山麓は紀元後1世紀の火山噴火で埋没したポンペイ等の古代都市が発見され、近代考古学・古代史研究の礎が築かれた「領域 (イタリア語 territorio)」である。本研究計画は(I)2002年以来東京大学が当地域で行うソンマ・ヴェスヴィアーナ古代ヴィラ遺跡調査を総括し、(II) 歴史学、美術史、パブリック・アーケオロジー、文献学、文化史の専門家である分担研究者が協働し、当該「領域」の「古代の記憶」に位置付ることで新たな知見を獲得し、(III)国際シンポジウム等を通して文化遺産の研究・保存活用をめぐる国際的議論において、広く統合的人文知の新たな展望と社会的役割を呈示する。
著者
齋藤 真木子 水口 雅
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

日本人の急性壊死性脳症(ANE)の病態としてサイトカインストームが推定されているが、欧米の家族性反復性急性壊死性脳症(ANE1)のように単一遺伝子疾患であるかどうか、未だに不明である。ANE1原因遺伝子RANBP2の産物であるRANBP2の結合蛋白に着目し、ANE患者24例においてCOX遺伝子群の変異・多型解析を行った。COX11遺伝子の全エクソンに変異は認められなかったが、1例にCOX10exon3のヘテロ接合一塩基置換c.260C>T(T87I)があった。また、COX15にはMAF<0.01であるrs2231682のマイナーアリルを有する症例が3例あった。COX群はミトコンドリア電子伝達系に関わっており、エネルギ-産生に必要である。また、COX遺伝子群はANEと病態の類似するLeigh脳症の原因遺伝子として報告されている。ANE患者で認められたこれらの一塩基置換がミトコンドリアエネルギー産生に影響を及す可能性が示唆された。
著者
水口 雅 高梨 潤一 齋藤 真木子 廣瀬 伸一 山内 秀雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

急性脳症は急性壊死性脳症(ANE)、けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)、難治頻回部分発作重積型脳炎(AERRPS)などに分類される。これらの症候群には臨床的に多様性と共通性がある。その分子的背景を解明するための包括的な遺伝子解析を行った。ひとつの症候群に特異的なvariationとしてANEではHLA型、IL6、IL10(多型)が、AESDではADORA2A、IL1B多型が、AERRPSではSCN2A多型が同定された。複数の症候群に共通するvariationとしてCPT2、IL1RN多)、SCN1Aミスセンス変異が見いだされた。ほとんどが自然免疫と神経興奮に関わる因子であった。
著者
中澤 栄輔
出版者
東京大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 戦略的創造研究推進事業 RISTEX(社会技術研究開発)
巻号頁・発行日
2021

人の意思決定を操る技術は既存の人間のあり方や行為に影響するため、産業化のレギュレーションを含めELSIの検討が要請される。脳科学技術の社会受容と人間性への影響に関する研究開発プロジェクトを見据え、脳刺激法のDo It Yourself使用、ニューロフィードバックによる情動操作、ニューロマーケティングを対象技術として、技術開発研究者・企業への半構造化インタビューを通じて、人の意思決定を操る技術の個人的(自発性、プライバシー、リスク)・公共的(公平性、アドボカシー、リテラシー、社会受容性)・産業・文化的(収益性、国際的優位性、文化的特異性)価値を巡る問題を抽出し、ボトムアップ的にELSIマッピングを作成し、今後検討するべき論点と仮説を提示する。
著者
上阪 直史
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

生殖細胞である精子形成のメカニズムに関して不明な点が多く残されている。本研究では、カルシウムが精子形成を制御する可能性を検討するために、イメージングや光遺伝学などの細胞活動操作技術を応用し、脳活動を操作したときの精巣細胞のカルシウム活動をリアルタイムで観察・操作できるin vivo実験系の開発を目指した。成果として、マウス精巣においてin vivoカルシウムイメージング法を新規に開発し、in vivoで細胞のカルシウム活動を1細胞レベルかつ多色でイメージングすることが可能となった。また精巣においてカルシウム活動を駆動しうる分子を見出し、カルシウム活動が精子形成に関与する可能性を見出した。
著者
大村 敦志
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

民事法規範の生成を手段ごとに分析した。判例・立法に生成に関しては、消費者法に関する研究をとりまとめて公表した。世論による生成に関しては、台湾の家族法に関する研究を行った。また、契約実務による生成に関しては、日本の複数の約款を素材に研究を行った。これらについては講義を行い、発表のための原稿を整えた。最後にこれらをふまえて、法規範生成論として自然法論を見直す枠組を模索し、とりわけサールの理論に触発されつつ、中間的な論文を公表するに至った。
著者
桑山 浩然 渡辺 正男 井上 洋一 渡辺 融
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

1.研究の目的:平安時代から江戸時代に至る蹴鞠技術の変遷を総合的に考察するため、(1)文献の研究および翻刻、(2)現在まで蹴鞠の技法を伝承している団体である蹴鞠保存会の会員を対象にした、技法の調査や練習法の聞き取り調査、(3)鞠の復元製作とこれを利用した実技再現、を行なう。2.研究成果の概要:(1)蹴鞠関係の文献は、宮内庁書陵部・国立公文書館内閣文庫・国立国会図書館など各所に所蔵されるが、ここでは天理大学付属天理図書館・滋賀県大津市平野神社の2箇所に所蔵されるものに重点を絞って調査した。天理図書館は、かつて蹴鞠保存会にあった文献200余点を一括収蔵する。その中から今年は27点の調査を行なった。平野神社は、江戸時代に飛鳥井家と並ぶ蹴鞠道家(家元)であった難波家の史料を一括収蔵する。江戸時代中期の難波家当主がまとめた『蹴鞠部類抄』など他所にはない文献も多く、写真によって逐次解読作業を進めている。以上の調査を踏まえて、鎌倉時代初期に成立したと考えられる『蹴鞠口伝集』と、鎌倉時代末頃にまとめられた『内外三時抄』の2点を翻刻した。(2)実技の調査は、蹴鞠保存会の練習日に合わせて2度京都まで出張したが、いずれも豪雨となり、実現しなかった。やむなく聞き取り調査のみを行なった。(3)鞠の復元は、各所に問い合わせてみたが研究費の範囲では実現不可能との返事で、断念せざるをえなかった。ただ蹴鞠保存会が行なった鞠の「突直し」(補修)は見学することができた。3.研究発表:スポ-ツ史・日本史・日本文学などの研究者に呼び掛け、東京および京都で研究会を行なった。特に京都では蹴鞠保存会会員の参加があり、鞠・装束・沓などを実見出来た。報告書は、研究報告(3編)・文献研究(2編)・文献の翻刻・参考文献・平野神社所蔵史料目録など、計388ペ-ジとなっている。
著者
井口 高志 木下 衆 海老田 大五朗 前田 拓也
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、「地域包括ケア」「地域共生社会」が目指される時代に、地域において障害や病い、または、生きづらさなどを抱える人たちがどのように支援と関わりながら日常生活を送り、それを支える人たちがどのように支援実践や居場所を形成してきた/いるのかを、領域横断的な研究者の経験的調査によって明らかにする。この作業を通じて、現在、政策目標とされている地域包括ケアや地域共生社会に向けた課題の明確化を目指す。中心となる研究領域は認知症ケアおよび障害者支援であり、これらの研究を中核として、さらに他領域の支援実践に関する研究の知見を付き合わせていく。
著者
田瀬 望
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

本研究の目的は、身分制・社団的編成・宗教に立脚する近世フランス王国の秩序が動揺し革命を経て近代へと移行する過程において、秘密社交組織フリーメイソン団が果たした役割をジェンダーの観点から解明することにある。そのために、近年フランスの内外で公開・発見された新史料群やエゴドキュメントを渉猟することで、18世紀フランスにおけるフリーメイソン団による女性受け入れの背景と様態、女性の受容と排除をめぐる男性メイソンの言説、女性メイソンの社会構成や団体における役割と活動を検討する。それにより男女の秘密結社史という新しい視座から、旧体制から近代への移行期の社会編成やソシアビリテのあり方を理解するすることを目指す。
著者
平山 久雄
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

上田正『切韻諸本反切総覧』に復元推定されている原本『切韻』の反切を,吟味を加えつつカ-ド化し,反切上字の韻母・反切下字の声母の全体的分布に関する詳しい統計表を作成した。これは随唐音韻史の基礎である『切韻』の音韻体系に関する考察を進める際の基本資料として永く役立つものである。現代諸方言の調査資料についても鋭意収集し,音韻の地理的分布について知見を増すことができた。これらの資料を用いて,従来から議論の多い随唐音韻史上の諸問題について考察し,自分として一応納得のゆく結論に達した。「舌上音」の音価については現在有力なretroflex説を否定しpalatal説を支持する結論を得た。「重紐」については声母によって音価のニュアンスが異なること,喉音韻尾については円唇性の弱化と口蓋性の強化とが随唐音韻史の経過において相互に関連すること,などを立証しえた。声調に関しては,方言資料・文献資料および押韻資料の分析を通じて,上古音より随唐を経て現代官話諸方言に至る声調調値価変化の大筋を初めて描くことができた。その結果,上古音時期には音韻論的な意味での声調はまだ存在せず,主母音・韻尾における喉頭緊張の有無が声調の区別に転化したとの結論を得た。これは中国語とチベット語との親近性に一つの追証をもたらすものである。以上のような中国語音韻史に関する新知見を織り込みながら,研究代表者の旧稿「中古漢語の音韻」(大修館『中国文化叢書』所収)を大幅に改訂補充した「中古音講義」なる原稿をほぼ完成した。更に多少の改訂を加えて出版を考える予定である。
著者
伊藤 武 浅羽 祐樹 川村 晃一 菊池 啓一 久保 慶一 中井 遼 成廣 孝 西川 賢
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

米欧アジアにおけるプライマリーの実証的分析を行う本研究は、地域・手法を重層的に横 断した研究体制に基づいて、4カ年 計画で議員サー ベイを含むデータ収集、量的・質的な比較分析を行い、引き出した仮説をサーベイ実験で検証する。データベー ス・成果は国内外の 研究者に 公開して、プライマリー関連研究の進展に貢献する企図である。進捗管理と予測できない事態へ の対応も含めて、メンバー間での研究会を実 施する。計画2年目に当たる2019年度は、初年度に整理した海外調査のデータとそれを基にした分析をまとめて、英語または邦語で論文を執筆した。代表者及び分担者は、国内外の学術誌における査読論文(Party Politics等)、国内外の学会発表等(Council for European Studies, Midwest Political Science Association , International Political Science Associationなど)を通じて、積極的に成果を発信した。また2019年度は在外研究の研究資金処理の関係で分担者を外れざるを得なかった菊池氏についても、研究上の連携を維持し、関連論文の執筆及び次年度のサーベイに向けた研究を実施した。データ収集・調査については、各自の担当地域について、関連資金も利用しながら調査を行った。研究打ち合わせは、国内学会の開催に合わせて随時実施していたが、年度末に予定してた成果取りまとめと論文集作成のための研究会、その前のいくつかの海外調査については、新型コロナウィルスの感染拡大に伴う移動制限によって断念せざるを得なかった。
著者
丹羽 俊彦
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1999

授与名簿のタイトル関連情報: 鉄道技術の伝来から東京市街縦貫線完成に至る間にその発展に貢献した内外鉄道土木技術者達