著者
加治木 政伸
出版者
筑波大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2022-08-31

暑熱下運動時には、熱放散反応である皮膚血管拡張と発汗が生じ、過度の体温上昇を防いでいる。この熱放散反応についての理解を深めることは、熱中症予防策を確立する上で重要であるが、ヒトの熱放散反応の末梢メカニズムについては、不明な点が多く残されている。本研究では、生体への刺激を感受するセンサーの1つであるTRPV3チャネルに着目し、ヒトの熱放散反応におけるTRPV3チャネルの役割を解明する。
著者
宮本 俊和 濱田 淳 向井 直樹 永井 純 鍋倉 賢治
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

[目的]円皮鍼が、陸上競技中・長距離選手の合宿中のトレーニングによって起こる疲労に対して好影響を与えることができるか円皮鍼と装丁を同じにした針先のない円皮鍼(プラセボ)を作成して無作為化二重盲検法により検討した。[対象]大学陸上競技部に所属する中長距離選手で夏合宿に参加し、実験の同意を得た選手を対象とした。第1実験は、円皮鍼群16例とプラセボ群16例に割り付けし無作為化二重盲検法により検討した。第2実験は、円皮鍼群13例と無処置群14例について検討した。なお、円皮鍼(Pyonex:セイリン製)またはプラセボ鍼は、左右の下腿と大腿部の経穴に貼付し合宿期間中は、貼付したままにした。[測定項目](1)疲労の自覚的程度(2)練習状況(3)筋硬度(4)立位体前屈(5)POMS(6)クレアチンキナーゼ値を合宿初日の夕方から8日目の朝まで毎日朝・夕の2回測定した。これらのデータを二元配置の分散分析により統計処理した。また、合宿後に(1)鍼治療効果に関する調査(2)鍼の形状に関する調査を行った。[まとめ]1.自覚的疲労感は、合宿日数が増えるにつれ増強した。円皮鍼群は、無刺激群に比べ疲労感が少なかった。円皮鍼とプラセボ鍼との差はみられなかった。2.練習状態と立位体前屈は、経時的変化の差も治療法の差も見られなかった。3.筋硬度は、測定部位により差がみられた。4.クリアチンキナーゼ値は、合宿前に比べ8日目では高値を示したが、円皮鍼、プラセボ鍼との差はみられなかった。5.合宿後に行った鍼治療効果では、円皮鍼は、プラセボ鍼より効果がみられた。6.鍼の形状に関する調査から二重盲検法が成立していることがわかった。以上のことから、皮内に留置した円皮鍼は、合宿中の自覚的疲労感を軽減させることが示唆された。
著者
桜井 武
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ストレスや不安にかかわる大脳辺縁系と覚醒系の相互関係を神経科学的に解明するために研究を行なった。ノンレム睡眠のマウスに分界条床核のGABA作動性ニューロンを光遺伝学的に刺激すると直ちに覚醒に移行した。この作用はオレキシン拮抗薬によって阻害されなかった。一方、化学遺伝学的にこれらのニューロンを興奮させると覚醒時間が延びたが、この作用はオレキシン受容体拮抗薬によって阻害された。一方、オレキシンの下流における青斑核のノルアドレナリンニューロンが扁桃体外側部を介して恐怖行動を増強し、汎化に関与することを見出した
著者
澤 亮治 和田 健太郎 藤嶋 翔太 図斎 大 府内 直樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

限定合理的な人々が相互依存しあう社会における制度設計の分析手法の確立を目指す。制度設計の一手法であるEvolutionary Implementation(進化的制度設計)は、人々が相互作用しあう状況を進化ゲームによりモデル化し、人々の行動遷移を考慮した動的な制度の設計が可能である。大規模な社会システムの設計に適していると考えられるが、一様なプレイヤーの仮定など、手法の適用を困難とする制約がある。数理解析・シミュレーション技法により適用上の課題を解決し、この手法の汎用化を目指す。
著者
佐藤 臣彦 樋口 聡 小林 日出至郎 新保 淳 杉山 英人 木庭 康樹 林 英彰 GUNTER Gebauer 周 愛光
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究プロジェクトでは、スポーツは単なる身体的事象ではなく, 他の芸術分野と同様、それ自体の独自性を持つ文化であることを理論的に明らかにするとともに、すでにギリシア時代に、自らの身体能力自体を競い合う心性が存在していたことを明らかにした。また、身体についても, 単なる自然的存在ではなく、大きな可塑性を有する文化的存在で、その育成には体育(身体教育)が決定的に重要な役割を果たしていることを明らかにした。
著者
礪波 亜希
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

先進国の外国直接投資政策は近年、推進から規制へ、経済成長から安全保障へと急激な方向転換をしたが、この背景には投資受入側が外国に対して抱く脅威認識があった。本研究は、外国投資推進・規制制度はいかなる根拠に基づいて形成され、誰にどのように許容され、結果的にどのような影響を及ぼすのかを学術的問いとする。事例研究を研究手法として、国際関係論・国際政治経済学のコンストラクティビスト・アプローチを参照しつつ、物語的政策枠組み(Narrative Policy Framework, NPF)を活用する。事例研究の対象として、EUを含む欧州諸国の投資推進・規制制度、北極域への投資推進・規制制度を検討する。
著者
ヘーゼルハウス ヘラト
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、スローターダイクの著作「You have to change your life」を分析し、福島原発事故に対するドイツでの様々な知的反応との関係性を明らかにすることで、災害に対して特に批判的なドイツの反応を解明することである。著作の二つの主要概念である「人間技術」と「免疫学」に着目し、その意味と他言説との影響関係を明らかにした。また、彼が用いた修辞学・翻訳、越境的な哲学的・宗教的思考の分析も行った。特に注目したのは彼の理論における文学の位置づけである。加えて、事故を扱った日・独それぞれの文学テクストも分析し、その論拠を比較考察した。さらなる追加調査に発展させることができた。
著者
藤原 保明
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

young や week などの語頭の「入りわたり」は一般に子音であり、day, cow, go などの二重母音の第二要素 [i, u] は母音の「出わたり」とみなされている。しかし、これらの「出わたり」を英語の正書法、音韻上の機能、語源、および語彙借用の時期などの情報を統合して分析した結果、いずれも子音であり、「出わたり」は語中や語間での「母音連続」の回避のみならず、中英語期の「母音の割れ」、「語末のあいまい母音の消失」、中英語末期から近代英語期にかけての「大母音推移」などに深く関わっていることが明らかとなった。それゆえ、これらの成果は英語の主要な通時的音韻研究の見直しを迫ることになる。
著者
大澤 義明 城所 幸弘 栗野 盛光 小林 佑輔 櫻井 一宏 小林 隆史 和田 健太郎 高野 祐一
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

EVシフトが進めば、大幅な税収減となり新たな財源の確保が必要となる。一方で、インフラ維持管理費用が深刻な問題となる。走行距離など移動経路に応じて課税する受益者負担の考え方はわかりやすく身の丈にあったインフラ量を誘導する。道路修繕更新費用の一部が走行税で賄われる受益者負担課金を想定し、地方自治体まちづくりに与える影響を分析し、社会最適化などの理論モデルを構築する。
著者
北 将樹
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

陸棲哺乳類由来の特異な麻痺性神経毒の研究を行った。ブラリナトガリネズミの顎下腺より分子量約5 kDaの神経毒をほぼ精製した。またカモノハシの毒液から,ヘプタペプチド (HDHPNPR) など11種の新物質を単離し,その生物活性を解明した.さらに爬虫類やトガリネズミの毒と同様,カモノハシ毒にもカリクレイン様プロテアーゼが含まれることを示した.これら神経毒の作用機序解明により,新たな鎮痛剤や血圧降下剤などへの展開が期待される.
著者
青柳 悦子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

現在、自由化と市民社会の構築がめざましい勢いで進展しているマグレブ地域(アルジェリア、チュニジア、モロッコ)で新たに展開されつつある、フランス語を中心とする表現活動に注目し、21世紀における社会変革と文化創出の関係を照らし出す。とりわけ、アルジェリアで近年活発化した、比較的若い世代による日本式マンガを用いた創作活動に注目し、グローバル性とローカル性を併せ持ちつつ社会的共生意識を涵養する新たな大衆的表現活動として、その特質と意義を分析する。さらに、文学など他の表現ジャンルとの関係も含めた総合的な研究と、現地の文化活動の発展への寄与をめざす。
著者
大熊 燦雨 松尾 牧則 村井 友樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は、東アジアに跨る武文化の固有性と相似性の解明に向け、文禄・慶長の役(萬暦朝鮮之役、壬辰倭乱:1592~1598年)を通して披露された日本・中国・韓国武術が、近世東アジアの武文化に与えた影響を実証的に検討することを目的としている。そのために、2019年度には、以下のような研究活動を行いに、主に日中韓武文化の交流の痕跡を物語る資料を網羅的に検討・収集した。1.先行研究の検討及び関連資料収集:400年前に起きたアジア最大の戦争であった文禄・慶長の役に関しては、その歴史や波及力の故に多方面で数多くの研究が行われてきた。そのため、前年度に引き続き多岐にわたり先行研究を含めた文禄・慶長の役に関する膨大な2次史料を検討し、本課題と関連する日本側の史資料の収集に努めた。また、それを基に、文禄・慶長の役にまつわる武に関する1次史料の範囲を絞り、その収集に努めた。2.史資料の分析:収集した日本側の関連史資料の整理・解読を進めながら、先行研究で言及された既存史料との比較検討を行い、当該戦争に対する全体像の把握に努めながら日韓武文化交流の痕跡を浮き彫りにした。3.台湾側の情報収集及び史料調査:台湾の台東大学・高雄大学等を訪問し、研究者と意見交換しながら情報収集に努め、また、台湾における武術研究の現在把握と中国武術に関する史料・情報を収集した。4.情報収集及び成果発表:東北アジア体育・スポーツ史学会、体育史学会、日本体育学会、国際体育・スポーツ史学会、筑波大学体育史研究会などの国内・国際学会に参加し研究協力者との情報交換を行い、また、Northeast Asian Society for History of Physical Education and Sport学会の定例Conferenceにて研究成果の一部を発表し、学会会員との意見交換など更なる情報収集に努めた。
著者
山本 真 飯島 典子 三浦 哲也
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

日中戦争前期(1937-1941)、中国からの短波ラジオ、教科書、抗日宣伝雑誌、映画、歌曲などを通じて、サラワク華僑に対して、民族意識や祖国の抗戦が宣伝された。これに応え、華僑は救国義捐金運動を展開した。太平洋戦争時期(1941-45)には、サラワクは激戦地とはならず、華僑を含む現地住民への大規模な虐殺は概ね発生しなかった。しかし、日本の軍政は「ビンタ」や犯罪容疑者に対する酷刑などにより威圧的様相を強く呈した。また、資源の収奪、既存の流通網の寸断、統制経済は、民生を混乱に陥れた。中国から注入された抗日戦争のイメージと太平洋戦争での経験が複合することにより、華人の対日歴史記憶が形成された。
著者
屈 国鋒
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2007

筑波大学博士 (体育科学) 学位論文・平成19年7月25日授与 (甲第4494号)
著者
小泉 公乃 吉田 右子 池内 淳 松林 麻実子 和気 尚美 河本 毬馨
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

21世紀社会における中心的課題は,産業構造の変化や不安定化する国際政治によって生じた社会分断を克服することであり,地域コミュニティの中心にある図書館は社会分断克服空間への変化を求められている。本研究では,①包括的文献レビュー,②北欧北米と日本における図書館の政策分析,③北欧北米と日本の先進的な図書館を対象とした詳細な事例分析,④先進的な図書館の立地する地域を対象としたエスノグラフィ,⑤新しく創造された社会分断克服空間を対象とした図書館評価法の開発という5つの研究を通して,伝統的な図書館から21世紀の次世代図書館への<革新メカニズム>を解明したうえで,<新しい図書館評価法>を開発する。
著者
崔 鐘吉
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2005

筑波大学博士 (学術) 学位論文・平成17年3月25日授与 (甲第3577号)
著者
徳丸 亞木
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
2001

筑波大学博士 (文学) 学位論文・平成13年1月31日授与 (乙第1683号)