著者
青木 正敏 千村 隆宏 石井 健一 開發 一郎 倉内 隆 虫明 功臣 仲江川 敏之 大手 信人 ポルサン パンヤ セマー スティーブ 杉田 倫明 田中 克典 塚本 修 安成 哲三
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.39-60, 1998-01-05
参考文献数
23
被引用文献数
6 7

アジアモンスーンエネルギー水循環観測研究計画(GAME)の予備的な観測が,地表面フラックスと土壌水分を測定するためのプロトタイプ自動気象ステーションの性能の評価といくつかのフラックス測定法の相互比較を目的に1996年の夏,タイ国スコタイ付近において行われた.使用された3つの観測システムで得られたデータに渦相関法,バンドパスコバリアンス法,ボーエン比法,プロファイル法,そしてバルク法を適用することで地表面フラックスが得られた.乱流統計量やフラックスの相互比較の結果,統計量そのものは正確に得られているものの,潜熱フラックス評価のためのバンドパスコバリアンス法のアルゴリズムには改良の余地があることが示された.また,熱収支的な方法を利用する場合,水田の水体の貯熱量変化の正確な評価が重要であることがわかった.全体としてステーションは短期間の高温度高湿度下の運用に満足のいくものであったが,長期運用のためにはこの地域特有の強い雨に対する備えが必要であることがわかった.
著者
坪井 正毅 南原 勇 松本 敏夫 村上 文康
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.3, pp.294-298, 1988

脂肪族第一級および第二級アルコール存在下,フェニルヒドラジンの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液中での酸化反応を行なったところ,ベンゼン[1],フェニルアジド[2],ヨードベンゼン[3],アニリン[4],ビフェニル[5],アゾベンゼン[6],アルコールに由来するフェニルヒドラゾン[8]および少量ではあるがフェノール,ジフェニルアミンの生成が認められた。<BR>これ以外に,メタノールならびにエタノールを用いた場合には1-フェニル-1,2,4-トリアゾール誘導体[9],(CH<SUB>3</SUB>)<SUB>2</SUB>CH(CH<SUB>2</SUB>)<SUB>n</SUB>OH(n=1~3)型のアルコールを用いた場合には薪規化合物である第三級炭素上でのフェニルアゾ置換アルコール[10]が得られた。<BR>[9]の生成経路を明らかにするため,エタノールのかわりにアセトアルデヒド=フェニルヒドラゾン[8b]を用いてアルコールの場合と同様の実験を行なったところ,3,5-ジメチル-1-フェニル-1,2,4-トリアゾール[9b]の生成が確認された。さらに[8b]をメタノール中で過酸化ベンゾイルと反応させたところ,アニリン[4]と[9b]が生成していることが認められた.したがって,[9]は用いたアルコールから生成したフェニルヒドラゾン[8]の環化二量化とそれにつづく水素原子およびアニリンの脱離により生成したものと推定した。<BR>アルコールのα-水素が特異的に引き抜かれることはよく知られているが,本反応条件下で[10]のようにα-位以外の水素引き抜きによるフェニルアゾ置換アルコールが確認されたのは非常に興味深い。
著者
鈴木 三郎
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學會雑誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.52-63, 1927

Raw meat is the essential substance for the preparation of culture media. The cooked meat extracts in the form of broth contains nitrogenous substances insufficient for the multiplication of the cultivated bacteria. The deficiency is supplimented with an additional pepton.<br>The routine method of the preparation of media is first to obtain the extracts by cooking meat and the broth thus obtained contains only 9% soluble protein, while the remaining 91% insoluble part of the nitrogenous compounds is cast away as rubbish. I tried to find a method by which this cast away rubbish might be of any use for the manufacture of media, economically to facilitate the experimental works in the laboratory. I employed papain, a decomosing ferment of vegetable proteins in my experimental work and the results are dealt with in this communication, which can be summalized as follows:<br>1. 450 gr. of the raw meat was boiled by direct heat with an addition of 0.5 gr. of the powder of papain and obtained 30-55% soluble protein of the total protein contents of the material.<br>2. Various species of bacteria multipli in the medium prepared after my method. Moreover, the colonies in it had almost the equal sizes and the total amount of the bacteria was also almost equal to what was obtained by the use of the Teruuchipepton-broth.<br>3. The production of tetanus toxin in my broth was. almost equal to what was obtained by the use of either the Teruuchipepton-broth or the Hida-pepton-broth.
著者
出口 良知 坂井 文 越澤 明
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.701-704, 2009
被引用文献数
4 3

「地域資源を活かしたまちづくり」の必要性が指摘されている近年、都市河川が地域資源として見直され、河川の整備から活用までを中心としたまちづくりの事例が見られる。かつての深刻な水質汚染の問題を契機に、住民参加によって浄化活動がすすめられ、都市河川の整備に続き、都市河川は良好な都市環境や都市景観の創造の上でも重要な地域資源であるとの再認識から、まちづくりが進められる例が報告されている。本研究は、行政と住民による事業計画策定から管理運営における協働関係に着目し、都市河川の整備を契機として進んだまちづくりの展開を明らかにすることによって、都市河川を活かしたまちづくりを進める上での協働のあり方について考察することを目的とする。
著者
大蔵省 編
出版者
財政経済学会
巻号頁・発行日
vol.巻8 経済之部 第5, 1925
著者
大蔵省 編
出版者
財政経済学会
巻号頁・発行日
vol.巻2 財政之部 第2 経済の部 第1, 1925
著者
信岡 朝子
出版者
東洋大学文学部日本文学文化学科
雑誌
文学論藻 = BUNGAKURONSO (ISSN:05217849)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.104(37)-80(61), 2020-03

一部非公開としている個所があります
著者
趙 相俊 大谷 吉生 江見 準
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.776-784, 1995-07-10
参考文献数
9

セパレータ型HEPAフィルタは, 四角形断面を持つろ材とセパレータによって構成される単位流路の集合体である.従って, この単位流路の圧力損失を求めることによりフィルタユニット全体の圧力損失特性を評価できる.<BR>本研究では, 2次元モデルフィルタを用いてろ材 (多孔質体) を含む流れ場の相似則について検討し, 圧力損失を決定するパラメータを導出した.さらに, 無次元圧力損失を導出された無次元パラメータの関数としてまとめ, 一般化された圧力損失推定線図を示した.また, 2次元モデルフィルタの数値解析結果を, 2次元及び3次元モデルフィルタの圧力損失の実測値と比較し, 実際のフィルタユニットの圧力損失特性を評価するとともに, フィルタユニットの重要な設計因子であるセパレータ高さの最適値を推定する式を導出した.
著者
大西 亮吉 アルトゥンタシュ オヌル 吉岡 顕
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.184-195, 2016-01-15

非通信車両の混在環境における協調的な隊列走行の実現に向けて,隊列内の通信成否の確認を車間時間内に行うこと,そして通信成否の確認結果に基づき,隊列を適切に編成することの2つの課題の解決方法について述べる.前者の課題に対しては,隊列内の車両間のACKをまとめ送りする車群通信を提案する.一般的な車間時間1秒の場合の隊列の上限台数は単純にACKを送る方法で11台であったが,車群通信によって物理的な限界台数である60台まで拡張できることを示した.また短縮IDを利用することにより,24台まで1回のブロードキャストで隊列内のすべての車両間の通信成否を確認することができ,従来手法に対して効率的であることを示した.後者の課題に対しては,単純な行動指針を与えて,車群通信によって協調するマルチエージェント型のシステムを提案し,通信状況の変化,特に通信障害の発生や非通信車両の割込みに対して適切に隊列を編成できることを示した.Toward the realization of cooperative vehicle platooning in a mixed environment of non-communication vehicle, we focus on two issues: communication failure detection within a vehicle headway time and vehicle platoon organization adaptive to that detection. As a solution for the first issue, we propose a group communication to bundle multiple ACKs among vehicles in the platoon. During the typical headway time of one second, the platoon may only contain 11 vehicles in the naïve ACK fashion. Using the group communication, we show that it can be expanded up to 60 vehicles that is the physical limit number. Moreover up to 24 vehicles, by utilizing the short ID, it is possible to check the communication failure among all vehicles in the platoon in one broadcast time. For the second issue, we propose a multi-agent system to be coordinated based on simple action guidelines, using the group communication. We show that it is possible to adaptively organize vehicle platoon to the communication situation changes, especially of communication failure and of non-communication vehicle interruption.