著者
須田 泰明
出版者
びわこ成蹊スポーツ大学
雑誌
研究紀要 = Bulletin of Biwako Seikei Sport College (ISSN:13489399)
巻号頁・発行日
no.2, pp.67-79, 2005-03-15

Since the 1990s, sport mega-events such as the Olympic Games have attracted skyrocketing numbers of enthusiastic followers via visual media, essentialy television, to the point now where various media and sports related sectors have established their own category called ‘Media Sports’. Concurrently, the media has developed a tendency of ethnocentrism that puts an exclusive focus on Japanese representative athletes. The media has further revealed its excess transformation to entertainment thereto, by having more appearances of celebrities on its sports section’s coverage and broadcasts. Not only general mass-criticism but also criticism from the academic field against the aforementioned quality of Media Sports, the media is resultingly expanding emphasis on entertainment quality. Perceiving such context of Media Sports as a result of the information of the sports being internationalized is due to the fast-growing and revolutionary improvement of information /communication technology. This article outlines and analyzes Media Sports with reference to former studies of the relationship between Media Sports and entertainment quality, and of the one between Media Sports and the criticism against journalism. From the point of view of the author who has contributed to sports-journalism via the printed medium for 30 years, this article further explores methods to correct and attenuate the said excess transformation of the Media Sports with appropriate discretion.
著者
劉 富琳
出版者
社団法人 東洋音楽学会
雑誌
東洋音楽研究 (ISSN:00393851)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.72, pp.83-95, 2007

琉球は、一三七二年に中国と冊封朝貢関係を打ち立て、一六三四年に江戸上りが始まり、中国や日本からの文化を受けながら、さまざまな芸能を育んできた。<br>琉球組踊は、科白や音楽や舞踊などからなる琉球の伝統的歌舞劇である。組踊と日本芸能との比較についてはこれまで日本側の多くの研究者が言及し、組踊が能をはじめ日本芸能からの影響を受けたとみているが、これらの研究は中国戯曲との関連に触れていない。組踊と中国戯曲との繋がりは少数の研究者が言及しているが、琉球において中国戯曲はどのような状況にあったかについては、まだ研究が進んでいない。<br>本研究は、琉球に伝わった中国戯曲について記述した史料をめぐって、史料の面から琉球における中国戯曲の様相を明らかにしたいと思う。<br>本研究で使用する史料は主に使琉球録や江戸上り史料である。使琉球録は中国の冊封使が冊封活動の経過を書いた文書である。江戸上り史料は琉球江戸上りの経過を書いた記録である。<br>使琉球録については郭汝霖『使琉球録』(一五六一)、謝傑『琉球録撮要補遺』(一五七九)、夏子陽『使琉球録』(一六〇六)、胡靖『杜天策冊封琉球真記奇観』(一六三三) 及び袋中上人『琉球往来』(一六〇五) などの史料を調べ、一六世紀後半~一七世紀初頭、中国戯曲は琉球に伝わってきて上演されたことが分かった。<br>江戸上り史料について調べた結果、琉球の江戸上りの際に、琉球人が中国音楽 (戯曲) を演じたことが分かった。<br>以上の史料から見て、琉球における中国戯曲の受容は組踊に影響を与えただろうと考えている。
著者
植野 研
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 = Journal of Japanese Society for Artificial Intelligence (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, 2006-01-01

演奏家や体操選手などの技芸実践者は, 長い年月をかけて高度な運動スキルを獲得し, 通常は成し遂げることのできない技を実演することができる.しかしながら, 多大な労力と時間をかけて磨き上げた技芸スキルは, 一般に, 個人差や筋骨格の冗長性・流派などの違いから, 言葉で説明することが困難であり, これを正しく理解することが困難であることが知られている.本研究では, このような身体知の構築問題に対し, 身体制御のタイミングに着目し, 高度なスキルをピークタイングシナジー(PTS)としてモデル化する方法を提案する.PTSとは, 身体各部のタイミングの協調制御に関する動作一貫性制約で, 運動タスクにおいて遵守すべき身体知のことである.次に, このPTSを, 身体計測データから自動構築するアルゴリズムPRESTO (Phasic Relation Extraction for Skill Training and Optimization)を提案する.PRESTOは, 多角形近似を用いて波形の変化ピークとその時間ずれを特徴点とし, 時系列マイニングによりタイミングの法則性を導き出す.本方法により, 多変量時系列波形から身体各部の連鎖動作を点と線で捉えるPTSのモデル化が可能となる.本論文では, チェロ演奏における運弓動作をとりあげ, 計測データからPTSを構築する検証実験を行った.この検証実験により, 熟練者に共通する共通スキル, 特定の熟練者に特化した個性スキルをモデル化でき, 解釈可能な身体知を構築することを確認した.技芸スキル教育におけるスキル解析の一つの道具立てを提供することができ, 技芸スキル理解における足がかりをつけることができた点で, 本研究は大きな意義をもっていると考えられる.
著者
土田 隆 益子 研土 山田 勝彦 平塚 秀雄 島田 孝男 板垣 雪絵 藤沼 秀光 鮫島 浩二 中村 寿雄 長谷川 節 松林 恒夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.97-102, 2003-04-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
20
被引用文献数
15 18

γ-アミノ酪酸 (GABA) 高含有クロレラ (以下GABAクロレラ) の血圧降下作用およびその有効摂取量を調べるため, 成人で血圧が高めの健常者および軽症高血圧者に対して, プラセボを用いた多施設群間比較試験を実施した。被験者 (平均年齢47.8±10.0歳, 収縮期血圧145.3±5.9mmHg, 拡張期血圧87.7±6.5mmHg) を15名ずつの4群に分け, GABAクロレラ (2g, 4g, 6g/day) およびプラセボ (乳糖4g/day) をおのおの8週間摂取させたとき, GABAクロレラ摂取群すべてに, 摂取後2週目から収縮期血圧の低下が認められた。GABAクロレラ群とプラセボ群との比較では, GABAクロレラ4g/dayおよび6g/day摂取群の収縮期血圧で, 摂取開始6週後および8週後に統計学的な有意差を認めた (4g/day摂取群: 8週後p<0.05, 6g/day摂取群: 8週後p<0.01)。しかし, 拡張期血圧では低下傾向がみられたものの, GABAクロレラ群とプラセボ群との間に統計学的な有意差は認められなかった。また, GABAクロレラ摂取群では, 摂取終了後, 収縮期血圧の復帰傾向がみられたが, プラセボ群では変化を認めなかった。すべての試験対象者について, 自覚症状, 他覚所見ともに異常は認められず, 副作用もなかった。以上の結果から, GABAクロレラの摂取は血圧が高めの健常者および軽症高血圧者の血圧を, 副作用を伴わずに改善させることが示唆された。
著者
西川 信廣 前馬 晋策
出版者
京都産業大学教職課程講座センター
雑誌
京都産業大学教職研究紀要 (ISSN:18839509)
巻号頁・発行日
no.1, pp.47-61, 2006-03

1999年に制定された「地方分権一括法」により、教育行政の地方分権化も促進される事が期待されている。しかし、実態は行政的分権のレベルに留まり、財政的分権、立法的分権は遅々として進まないという現状である。教育改革が学校レベルまで浸透したものになりにくいことの理由の一つがここにある。 教育、とりわけ義務教育は本来地域と子どもの実態に応じた柔軟で創意工夫溢れるものでなければならない。そのためには、地方政府のリーダーシップに基づく地方による地方のための改革が進められる必要がある。本論は、大阪府摂津市の教育改革への取組を取り上げ、教育改革における地方教育委員会の果たしうる役割について考察する事を目的としている。摂津市は教育長のリーダーシップのもと、「せっつ・スクール広場」「学校経営研究会(管理職対象)」「教育フォーラム」「学力実態調査」等々の施策を展開し、積極的な教育改革を展開している。取組から3年を経過した現在は、それらの取組の成果に対する評価(check)の段階でもある。 摂津市と京都産業大学は平成 16年3月に包括連携協定を締結し、摂津市立小中学校の教員研修や校内研修会への本学教員の派遣や、摂津市教育委員会指導主事による本学教職課程履修者に対する講座開催等の協力関係が構築されている。本論もその連携活動の一環に位置付くものである。本論は5章構成であり、第1章、第5章は西川信康が、第2章、第3章、第4章は前馬晋策がそれぞれ分担執筆した。
著者
梅田 亨
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.206-227, 1994-08-10 (Released:2008-12-25)
参考文献数
116
著者
HORST B.
雑誌
Ger. Offen.
巻号頁・発行日
1998
被引用文献数
1
著者
笠井 博子 久保田 結
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.12, pp.1569-1577, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)
参考文献数
16
被引用文献数
1

Volatile components originating from Lavandula angustifolia Hidcote and Lavandula x intermedia Grosso plants cultivated in a medicinal plant garden of Hoshi University located in southern Tokyo were investigated using thermal desorption-GC-MS. Sampling of the flowers and herbs of the lavender was performed at different developmental stages, i.e., summer, autumn, and winter (herbs only) using solid phase micro extraction fibers. Linalool, linalyl acetate, β-caryophyllene, β-myrcene, α-ocimene, β-ocimene, and terpinen-4-ol were the predominant constituents originating from the flowers of both plants. Additional volatile compounds such as borneol, eucalyptol, and camphor were found in the Lavandula x intermedia flowers. The number of volatile compounds originating from the Lavandula angustifolia flowers in summer was greater than that in autumn. 3-Hexen-1-ol, 3-carene, and p-cymen-8-ol were volatile compounds characteristic of the herbs, and α-ocimene, allo-ocimene, and terpinen-4-ol were detected only from flowers. In comparing volatile compounds obtained from fresh herbs with those from dried herbs, camphor, β-caryophyllene, and borneol were absent in dried herbs. For people who visit the plant garden, smelling the fragrances of plants directly is believed to deliver not only pleasure but also beneficial therapeutic properties.
著者
山極 壽一
出版者
日本文教出版
雑誌
栄養教諭 : 食育読本
巻号頁・発行日
no.59, pp.6-13, 2020