著者
Eikan Mishima Kazuichi Maruyama Toru Nakazawa Takaaki Abe Sadayoshi Ito
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.56, no.13, pp.1687-1690, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
15
被引用文献数
11

CYP3A4-inhibitors can potentiate the hypotensive effect of calcium-channel blockers. However, insufficient attention to such drug interactions may result in serious adverse reactions. A 71-year-old hypertensive man prescribed nifedipine was hospitalized for infectious endophthalmitis. Antimicrobial therapy with voriconazole lowered the blood pressure, and then clarithromycin further lowered it through the excessively elevated nifedipine concentration, leading to ischemic acute kidney injury. After the discontinuation of clarithromycin and voriconazole, the blood pressure and renal function were recovered. The combination of CYP3A4-inhibitors such as clarithromycin plus voriconazole can synergistically potentiate calcium-channel blockers. Co-prescription of multiple CYP3A4-inhibitors with calcium-channel blockers increases the risk of hypotension and acute kidney injury.
著者
埴原 和郎
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.11-33, 1996-03-31

奥州藤原家四代の遺体(ミイラ)については、一九五〇(昭和二五)年の調査に参加された長谷部言人、鈴木尚、古畑種基氏らによる詳細な報告があるものの、現在もなお疑問のまま残されている問題が多い。
著者
江上 周作 渡邊 勝太郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.261-270, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
6

現在,オープンデータの取り組みは世界的に広がりをみせており,実際の利用例の開拓を目的としたコンテストは注目を浴びている活動の一つである。日本国内で最初期から活動を継続しているコンテスト「Linked Open DataチャレンジJapan」は,Linked Dataに力点を置いているだけでなく,協賛者のデータを使った応募作品を作るハッカソン等イベントを共催で開催できる特典をスポンサーに用意するなど特色ある制度が存在する。本稿では,コンテストの運営者の視点に加えて,スポンサー・データ提供で協賛したデータ提供者の両方の視点から,コンテスト形式でのオープンデータ普及活動の実例を紹介する。LODチャレンジのこれまでの歩みと2016年の開催報告,JST(科学技術振興機構)との共催のイベント開催の様子とコンテストにデータを提供することのメリット,そして今後の展望と課題について述べる。
著者
橋田 浩一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.251-260, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3

サービスの価値の全体最適化を図るには,各サービス受容者のパーソナルデータを複数のサービス提供者が共有して協調する必要がある。その共有を実現するため,データの提供者と利用者以外の運用者が介在する集中方式が従来は用いられてきたが,介在者のいない分散方式の方がはるかに安全かつ安価でスケーラブルである。中でも特に安価でスケーラビリティの高い仕組みであるPLR(Personal Life Repository)について述べ,その応用および応用の可能性に触れ,さらに関連する世界の動向を概観する。
著者
小林 正啓
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.240-250, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
27

自動運転が実用化段階を迎えつつある。しかし,特に完全自動運転を実用化するに当たっては,さまざまな法制度上の課題に対応しなければならない。自動運転技術は事故を減らすだろうが,ゼロにすることは絶対にないから,事故が起きたときの法的責任の所在も論じられなければならない。本稿では,自動運転技術が直面することになる法制度上の課題を概観するとともに,対応策の方向性について,提案を行う。
著者
青木 啓二
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.229-239, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
7

現在,大型トラックによる自動運転隊列走行システムや一般道での完全自動運転を目指した技術開発が行われている。本稿では現在国内外で研究開発されている自動運転車の現状を紹介するとともに,近年目覚ましい技術進化を遂げているディープラーニング等のAI技術や3次元デジタル道路地図とセンシング技術を融合したローカルダイナミックマッピング技術等の技術開発動向について,前回の執筆から2年以上が経過したため,2017年4月現在の最新情報を取りまとめた。
著者
柴田 崇徳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.217-228, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
24
被引用文献数
2

アニマル・セラピーを参考に開発されたアザラシ型ロボット「パロ」は,米国では「神経学的セラピー用医療機器」の承認を得た初めての医療ロボットで,認知症,発達障害,精神障害,PTSD,脳機能障害,がん患者等を対象として,30か国・地域以上で約5,000体が利用されている。世界各地での治験等により,パロとの触れ合いが,人の気分を向上させ,不安,うつ,痛み,孤独感を改善することが示された。認知症者の場合には,徘徊,暴力・暴言等の問題行動を抑制・緩和する。また昼間に傾眠する人がパロと触れ合うと覚醒し,夜間によく眠れ,昼夜逆転を改善,夜間の起き出しを減らす。これらは介護者の負担を軽減し,転倒等のリスクを低減する。さらに副作用がない「非薬物療法」として,各種抗精神病薬の投薬を低減する,全く新しい医療福祉サービスである。
著者
橋迫 瑞穂
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.21, pp.25-36, 2008-07-20 (Released:2012-02-29)
参考文献数
15

"SPICON" (Spiritual Convention) is one of the most famous events in recent spiritual boom in Japan. In "SPICON" many people including both sponsors and customers enjoy approaching the sacredness through buying things and taking part in sessions which are related to spirituality. Although approaching the sacredness is often accompanied with danger, they seem to devote themselves to "dedication" and yet keep themselves from any trouble and violence. How can they do so? In this paper I intend to verify, by taking "SPICON" as an example, that a new type of safety device for approaching the sacredness is appearing in Japanese society.
著者
保武 雄真 三毛門 佳彦 衛藤 英一 多賀 聡 矢野 公一
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.919-922, 2016-07-31 (Released:2016-12-28)
参考文献数
10

症例は59歳,男性。作業着の清掃に用いるエアコンプレッサーを作業着の上から肛門部に押し当てられた状態で空気を噴射され受傷した。腹部膨満感と腹痛が持続するため当院救急外来を受診。胸腹部単純X線および腹部CT検査にて腹腔内に大量の遊離ガス像を認め,下部消化管穿孔が疑われた。初診時は腹部症状軽度であったため,準緊急的に手術を施行した。腹膜翻転部より約5cm口側の直腸前壁に約3cmの裂創を認め,周囲に便汁の漏出を認めた。Hartmann手術を施行し,損傷範囲の大腸部分切除および人工肛門造設を行った。術後経過は良好で術後14日目に退院となった。圧搾空気による腸管穿孔はS状結腸穿孔の報告が最も多いが多発穿孔や遠隔部位穿孔も報告されている。本症例では直腸に穿孔を認めたが,便や憩室など腸管の状態,圧損傷の好発部位を念頭に下部消化管全域における慎重な穿孔部位検索が重要であると考えられた。
著者
日和 恭世
出版者
別府大学会
雑誌
別府大学紀要 (ISSN:02864983)
巻号頁・発行日
no.57, pp.57-66, 2016-02

ソーシャルワークの国際定義において「ソーシャルワークは専門職である」と謳われているものの,わが国のソーシャルワーカーは自分自身の職業を専門職であると捉えることにあまり自信をもっていないという現状がある.そこで,本稿では,専門職の概念に関する先行研究をレビューすることによって,改めて「専門職とは何か」を問い直し,専門職としてのソーシャルワークの捉え方について若干の考察を試みた.
著者
高田 佳輔
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.89-105, 2016 (Released:2016-11-22)
参考文献数
24
被引用文献数
1

これまでMassively Multiplayer Online Role-Playing Game(MMORPG)に関する先行研究において,仮想世界内での活動は,問題解決および対人関係能力を高めるという結果が量的な検討によって示唆されているが,MMORPGにはさまざまな集団および難易度の活動があり,それらの区別が十分に行われていない。その一因としては,仮想世界内の活動について,質的な検討が未だ十分に行われていないことが挙げられる。したがって,本稿は,我が国で流行するMMORPGの1つであるFinal Fantasy XIVを対象に,成員が流動的な集団における高難度クエストに焦点を当て,活動の内実およびプレイヤーに求められる能力について参与観察およびインタビュー調査による質的検討を行った。 その結果,第1に,高難度クエストは,仕掛けられた罠に対処するための問題解決能力と,非言語的情報の多くが遮断された環境下での,対人関係能力が必要とされる環境であることが示された。第2に,高難度クエストにおけるプレイヤーの思考や行動を抽出し,コーディングを行うことで,高難度クエストでは「問題の明確化」,「根拠・事実の確認」,「原因の分析および解決策の案出」,および,「実行と評価」といったサブカテゴリーによって構成される合理的問題解決能力と,「同調行動」,および,「調和行動」によって構成されるチームワーク能力が重要であることが示された。さらに,以上の能力は,現実世界の集団作業で重要な2つのリーダーシップの機能として提示される「目標達成」と「集団維持」を包含し,それぞれがリーダーシップを介在せずに機能していることが示された。