雑誌
海の研究 = Umi no Kenkyu (Oceanography in Japan) (ISSN:21863105)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, 2007-01-05 (Released:2017-03-10)
著者
堀 新 佐島 顕子 村上 隆 山田 邦明 山本 博文 矢部 健太郎 鴨川 達夫 白根 孝胤 曽根 勇二 堀 智博 堀越 祐一 光成 準治 山崎 布美
出版者
共立女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

2009~2011年度を通じて、史料調査の実施、研究会の開催、データ入力、の3点を共同研究の中心に据えて活動した。3年間に史料調査先は50ヶ所以上、研究会は15回、事務的会合は約30回、メールでの打ち合わせは無数であった。史料調査の際には周辺のフィールドワークを行った。データ入力は、豊臣秀吉発給文書・豊臣奉行人発給文書を中心に、古記録もあわせて約4000点に及んだ。研究会の成果の一部は、山本博文・堀新・曽根勇二編『消された秀吉の真実』(柏書房、2011年)として公表した。
著者
鵜澤 由美
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.141, pp.225-263, 2008-03-31 (Released:2016-03-29)

これまで、近代以前の日本には誕生日の習慣はなかったと考えられ、誕生日に関する研究もほとんどされてこなかった。しかし、日本でも天皇や将軍などの誕生日は祝われ、古くは奈良時代に誕生日の行事が行われていたのである。そこで本稿では、近世における誕生日の実態を明らかにするべく、誕生日の祝われ方、位置付けなどを考察していく。将軍の誕生日には、将軍の御前で祝が行われるとともに、殿中に祗候している者たちに餅や酒が下賜されるという行事が行われた。将軍の誕生日は、将軍と、殿中で祗候する詰衆や旗本、御家人との主従関係を意識させる儀礼の一つであったのである。この祝の構造は大名家の一部でも見られ、藩主の誕生日に家臣が集められて祝儀が行われた。公家にとっての誕生日は節句のようなものであり、当主が自らの誕生日を最も盛大に祝っていた。家族や友人と祝宴を開くのが一般的であった。産土神である御霊社への参詣も行われた。また、天皇の誕生日は、近世に入っても毎月行われ、女官が心経を読誦した。下級武士や庶民は、子供や孫の誕生日を中心に祝った。赤飯を炊き神に上げ、親類や隣人と会食をするなど、家族的な行事だった。誕生日には餅や酒が出され、また厄除けの力があるという小豆も食べられた。神仏の信仰も重視されている。日頃の無事を喜び、今後も息災であることを願ったと推測される。年を取るのはみな一斉に正月であったけれども、前近代の人々も、自分や家族などの生まれた日を特別な日として意識していた。一年に一度めぐってくる誕生日を記念し、祝うという概念があったのである。明治以降、西洋文化が輸入され、戦後に満年齢が制度化されて誕生日に加齢の要素が加わり、生活の欧米化も加速していく中で、今日のような祝い方になったと考えられる。 It has been thought that there was no custom of celebrating birthdays in Japan before the modern ages. The Japanese had aged by one all together at the New Year. Therefore, it has been thought the custom of cerebrating birthdays was imported from Western countries after Japan became modern. There is little research on the birthdays. However, the birthdays of the Emperors and the Shoguns (generals) etc. were celebrated in Japan. The festive events on the birthday were held in the Nara period old.To make the actualities in the Edo period clear, I examined how people celebrated the birthdays and the meaning of birthdays for them in this research.In the celebration of Shogun's birthday, mochi (rice cake) and sake were distributed to the followers who came to Edo castle. Celebration of Shogun's birthday was regarded as etiquette to make the master and men relation firm.The birthday was like a festival for the Court nobles. Nobles held their own birthday parties magnificently. The feast was held among the family and friends.Emperors even celebrated the same day as the birthday every month.The lower class samurai and the common people celebrated their children's and grandchildren's birthdays. They dedicated sekihan (rice steamed with red bean) to the gods and had a meal with the relatives and neighbors.On the birthday, mochi and sake were served and red beans were eaten as the charm against evil. The faith in gods and Buddha took an important role in the event of the birthday. People were pleased at peaceful days and wished they will be healthy in the future.People considered the day when themselves, the family and the friends were born a special day. There was a concept of celebrating the birthday that came round once a year. It was individual happy anniversary in the Edo period. There was a custom of doing some festive events on this day in all hierarchies.
著者
岡村 穣 佐藤 仁志
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.777-780, 1998-03-30
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

名古屋市は,戦災復興計画以来,小学校を地域の防災上の拠点とするため,約半数の113小学校が道路を隔てて公園に隣接している。その中の8校の校庭は,道路を廃して公園と一体化させた学校公園となっている。校長及び教頭への学校公園の管理に関する聞き取り調査では,授業の一環としての利用はあるが住民の利用は少なく,授業時以外の責任の曖昧さや管理の負担を感じており,できれば専用で使いたいという回答が多かった。大森北小学校(守山区)では,学校公園を利用したワークショップに,多くの児童,親,及び学区住民が参加したが,学区連絡協議会長,校長及びPTA会長の3者の参画及び呼びかけが有効であった。
著者
笠羽 康正 三澤 浩昭 土屋 史紀 笠原 禎也 井町 智彦 木村 智樹 加藤 雄人 熊本 篤志 小嶋 浩嗣 八木谷 聡 尾崎 光紀 石坂 圭吾 垰 千尋 三好 由純 阿部 琢美 Cecconi Baptiste 諸岡 倫子 Wahlund Jan-Erik JUICE-RPWI日本チーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.96-107, 2016

<p>欧州宇宙機関(ESA)木星探査機JUICEに搭載される電波・プラズマ波動観測器RPWI(Radio Plasma Wave Instruments)は,欧州チームにとり米土星探査機カッシーニ搭載のRPWS,日本チームにとり月探査機かぐや・ジオスペース探査衛星ERG・日欧水星探査機BepiColombo搭載の電波・プラズマ波動・レーダー観測器群からの発展展開となる.木星・衛星周回軌道への初投入となる低温電子・イオンおよびDC電場観測機能,電磁場三成分のプラズマ波動観測機能,電波の方向探知・偏波観測機能,および高度オンボード処理によるパッシブ表層・地下探査レーダー機能や波動-粒子相互作用検出機能の実現により,木星磁気圏の構造・ダイナミクスおよびガリレオ衛星群との相互作用,氷衛星の大気・電離圏および氷地殻・地下海へのアクセスを狙う.2016年7月に仙台で行なった「RPWIチーム会合」での最新状況を踏まえ,1970年代に遡る本チームの経緯・目標・展望を述べる.</p>
著者
田中 里美
出版者
広島国際学院大学現代社会学部
雑誌
現代社会学 (ISSN:13453289)
巻号頁・発行日
no.10, pp.75-84, 2009

本稿は、Julia Lynch『福祉国家における年齢』(原題、Age in the Welfare State)の議論を追いながら、日本の社会政策における高齢者福祉政策の位置づけを国際比較の視点から捉える試みである。近年、人々が自立した生活を営むために重要な存在であった労働市場と家族は変化し、福祉国家への期待がますます高まっている。しかし先進各国の社会政策は、一人の人間が人生の各局面で直面するリスクへの対応について見ると、それぞれ独特の「年齢指向」を持っている。リンチはこの違いを、1900年前後に選ばれた社会政策の基本路線(市民権ベースか職業ベースか)、および、それぞれの国の政治競争の様式(制度化された競争か個別主義的な競争か)から説明する。社会支出に占める高齢者向け政策の割合を見ると、日本はアメリカと並んで世界で最も高齢者を優遇するグループに分類される。これは、職業ベースで組み立てられた社会政策を、個別主義的な政治競争が補強した結果と説明される。日本の社会政策の高齢者偏重の性格は1990年代にさらに強化されている。 The paper attempts to understand the positioning of Japan's social welfare policiesfor senior citizens in the broad picture of the nation's social policies from a viewpoint ofinternational comparison, following the discussion by Julia Lynch in her book entitled Age inthe Welfare State. In recent years, the function of labor market as well as family has changed,and we further expect on the state-led welfare system. However, when we look at the socialpolicies of each industrialized country especially on the point of how welfare states cover therisks associated with different stages of the life course, the characteristics of each state's "ageorientation" become clear. According to Lynch, the difference between the policies of thestates is due to the structure of early welfare state programs as well as the type of politicalcompetition characteristic of a party system. The ratio of expenditure for senior citizens out ofthe whole expenditure for social policies shows that Japan can be categorized to be one of thetop runners along with the U.S.A. giving prioriy to the policies for senior citizens. This can beexplained that the original social policy based on the principle of occupational attainment hasbeen supplemented by the particularistic competition.
著者
原田 佳澄 木村 圭佑 岩田 研二 河村 樹里 古田 大貴 坂本 己津恵(MD) 松本 隆史(MD) 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.85, 2012 (Released:2013-01-10)

【目的】 回復期リハ病棟で歩行を含む日常生活活動が改善し退院に至るも、退院後の不活動により再入院という例が存在する。しかし、回復期リハ病棟退院後の活動量を定量的に測定した研究報告は少なく、具体的な予防策がない。そこで、活動量の計測方法として使用される歩数計に注目した。本研究の目的は回復期リハ病棟退院前後における歩数の変化を明らかにし、入院時、退院後の運動指導に役立てるものである。今回は活動量計を用いて入院時から退院後3か月間の活動量の変化について経過を追った一症例を報告する。【方法】 症例は70歳代女性で当院回復期リハ病棟の入院患者である。左被殻出血を発症、右片麻痺を呈し、発症30日後当院回復期リハ病棟に転院し、発症115日後自宅退院となり、週2回の頻度で当院通所リハ短時間利用を開始した。評価より、当院入院時SIAS-m3-4-4-4-3、退院時SIAS-m5-4-5-5-4であった。移動手段は、入院時病棟内歩行器歩行自立、入院2週間後院内歩行器歩行、病棟内T字杖歩行自立、入院1か月後院内T字杖歩行自立、退院後屋内は独歩自立、屋外はT字杖歩行自立となった。また、退院後の目標歩数を退院直前の平均歩数5,000歩とした。計測は、パナソニック社製アクティマーカーを非麻痺側腰部に装着して行った。計測期間は、入院時、入院1か月後、入院2か月後(退院直前)、退院1か月後、退院2か月後、退院3か月後に各4日間、入院時は9時~17時、退院後は9時~就寝まで計測を行った。今回は各期間4日間の平均歩数のみとし、データ解析は、アクティマーカー解析ソフトを用いて行った。 本研究は当院倫理委員会の承認を得て行い、対象者には口頭にて十分な説明を実施し、書面にて同意を得た。【結果】 9時~17時までの平均歩数は、入院時2,609±521歩、入院1か月後5,168±317歩、入院2か月月後(退院直前)4,636±1,034歩、退院1か月後3,135±435歩、退院2か月後2,684±853歩、退院3か月後3,360±1,076歩であった。退院後の17時~就寝までの平均歩数は、退院1か月後595.5±8歩、退院2か月後1,475±16歩、退院3か月後2,392±27歩であった。【考察】 先行研究では、回復期リハ病棟入院中の平均歩数は、2,483歩(9時~17時)と報告している。今回、入院中の平均歩数は先行研究を上回っていた。また、退院1か月後の歩数が減少した理由は、冬季であったため屋外での活動が減少し、屋内中心の活動になったと推察された。そのため、気候や天候に合わせて対応可能な指導が必要になる。また入院時より定期的に歩数計測を行うことで、運動に対する動機付けができモチベーション維持につながったと推察された。退院後、17時以降に歩数の増加がみられた理由は、入院生活は非日常的な生活であり、退院後の活動時間と相違があったと推察された。そのため、退院後の1日の生活リズムに合わせて、運動指導を行っていくことが必要である。【まとめ】 活動量を意識させる上で、入院中より歩数計を使用し、目標歩数の設定、及び病棟と共通の活動量指標としての活用が重要である。今後は、対象者を増やし、退院後の活動量を維持するために必要な退院時の活動量、また退院後の介護保険サービスの種類、頻度を明らかにし、リハビリ介入の頻度調整に繋げていく。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1387, pp.96-99, 2007-04-16

2004年8月、日本のリーマン・ブラザーズ証券に入社して1週間。ヘイデン・マヤヤス氏は、受話器を握りながら思わずガッツポーズをした。 電話の相手は社内のダイバーシティー担当者。「力を貸してくれるのなら、性的マイノリティーの社内ネットワークを立ち上げましょう」。こんな言葉が聞こえてきた。
著者
奥田 俊博
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09162151)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.99-113, 2008

中学校の国語科では、<文節>の指導を行っており、主要な教科書にも<文節>が取り上げられている。中学校学習指導要領には<文節>の指導について明記していないが、<文節>の指導は、中学校学習指導要領が指導内容として掲げる「単語の類別」や「文の成分」の指導と関わる指導として位置付けられている。本稿では、上記の状況を踏まえ、各教科書の<文節>に関する記述を、<文節>の説明、<文の成分>、<連文節>、<文節>と<文節>との関係、<単語><自立語><付属語>との関係に分け、それぞれの指導上の留意点を整理し、現行の教科書の説明のみでは十分に説明し難い例が生ずること、ならびに教科書の説明を詳細にしていくと指導すべき内容が複雑になり効果的な学習に支障を来すおそれがあることを述べ、中学校学習指導要領の目標および実用面における応用を踏まえた指導内容の策定が重要であることを述べる。
著者
岡田 篤正
出版者
日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.4, pp.71-90, 1987-08-20 (Released:2012-11-13)
参考文献数
84
著者
新妻 弘崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.38-38, 2014-06-10

本研究ではScheme言語(R4RS)の部分集合からC++言語へ変換する手法Scm2Cpp11の提案と実装を行う.Scm2Cpp11の生成するC++プログラムには編集が容易である点と,高速なプログラムであるという2つの特徴がある.Scm2Cpp11では型推論やalpha変換といった高度な操作を行わない.単純なプログラムコードの文字列置換のみでSchemeからC++への変換を行う.たとえば(car x)はcar(x)に変換される.単純な変換であるため,生成されたC++のプログラムは変換前のSchemeプログラムとの対応が容易に分かるようになっている.生成されたC++プログラムは編集が容易なため,OpenMPを使った並列化等も容易に行うことができる.またScm2Cpp11の生成するC++プログラムは他の良く知られた多くのScheme処理系より高速であるという特徴がある.高速となる理由は,単純な変換とするために,オブジェクトがデータ本体以外の型情報や環境情報などの付加情報を省かれて変換されるからである.たとえばSchemeの整数変数はC++のint型変数に変換される.int型変数に変換されるため,他の環境情報などを変換後のオブジェクトに格納しない.もう1つの理由は,Scm2Cpp11の変換はC++のtemplateやマクロの機能を使って,C++のコンパイル時の前処理として可能な限りの処理を行おうとする点である.このために,コンパイル時に前処理された後の実行プログラムが高速となる.We propose and implement a translation method Scm2Cpp11 that translates from the subset of the Scheme language (R4RS) into C++ Language. Scm2Cpp11 has two advantages. The first advantage is that Scm2Cpp11 generates an editable C++ code. The second advantage is that Scm2Cpp11 generates a quite fast C++ program. Actually Scm2Cpp11 is just string replacement operator for programming code. Scm2Cpp11 does not include other operations like type inference alpha-conversion and so on. For example, Scm2Cpp11 translates (car x) into car(x). Thus finding correspondence between original Scheme code and translated C++ code is quite easy. Adding well-known C++ library's function, for example OpenMP parallelization feature, to the editable translated C++ is also quite easy. A C++ program Scm2Cpp11 generates is faster than many other well-known Scheme implementations. Scm2Cpp11 translates a Scheme object into a C++ object which holds only data body. The translated C++ object does not have any additional environment information. For example, Scm2Cpp11 translates a Scheme integer variable into a C++ integer variable. The additional information are processed as a preprocess when C++ code compiled. The preprocess is described using C++ template and macro techniques. That is the reason why Scm2Cpp11 can generate efficient C++ programs.