出版者
公修 [写]
巻号頁・発行日
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著者
宮入 照子 松本 仲子 小林 トミ
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.136-142, 1991-05-20

シャーベットに洋酒,スパイスを使用したときの嗜好について官能検査を行い検討した。1.洋酒を加えたシャーベットで嗜好が高かった洋酒は,オレンジキュラソー,赤ワイン,チェリーブランデー,キルシュワッサー,コアントロー,ラム,グランマニエであり,嗜好が低かったものは,ペパーミント,マラスキノ,モカリキュールであった。2.洋酒入りシャーベットにスパイスを添加した場合には,メースが好まれ,シナモンが好まれない傾向がみられた。洋酒とスパイスの関係をみると,クローブは洋酒の種類によって嗜好が分かれ,洋酒がコアントローシャーベット,マラスキノシャーベットの場合は嗜好を高め,白ワインシャーベット,ラムシャーベットにおいては逆に嗜好を低める傾向がみられた。3.スパイスの添加効果については,洋酒入りシャーベットで嗜好の低かったマラスキノ,モカの各シャーベットではその評価を向上させたが,逆に洋酒のみを加えたシャーベットで嗜好が高かったオレンジキュラソー,チェリーブランデー,赤ワイン,キルシュワッサー,ラム,コアントロー,グランマニエの各シャーベットでは,この評価を低下させる傾向が認められた。
著者
Kiyoo Mori Kazunori Yamada Tetsuo Konno Dai Inoue Yoshihide Uno Michio Watanabe Miho Okuda Kotaro Oe Mitsuhiro Kawano Masakazu Yamagishi
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
Internal Medicine (ISSN:09182918)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.1231-1235, 2015 (Released:2015-05-15)
参考文献数
17
被引用文献数
4 24

We herein report the case of a 65-year-old man with pericardial involvement associated with autoimmune pancreatitis. Chest CT imaging showed pericardial thickening. The patient responded to corticosteroid therapy, and the pericardial thickening resolved. Multiple organs are involved in immunoglobulin G4 (IgG4)-related disease (IgG4-RD); however, only a few cases of IgG4-related chronic constrictive pericarditis have been reported. To our knowledge, this is the first reported case of IgG4-RD with pericardial involvement at an early stage. This case indicates that recognizing pericardial complications in autoimmune pancreatitis is important and that CT imaging may be useful for obtaining the diagnosis and providing follow-up of pericardial lesions in cases of IgG4-RD.
著者
蓮池 穣
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.83-98, 1997
被引用文献数
1

戦後の北海道民の投票行動は,国政選挙についてみても,全国の平均値から大きくずれていた。自民党と社会党への投票がほぼ拮抗し,さらにこの二政党への投票が,全投票のなかできわめて大きな割合を占めていた。特に社会党の得票率では,1958年以降全国的に大きく下降したのに対し,北海道での下降は目立つほどのものではなかった。このため北海道は,「最後の社会党王国」ともいわれた。<BR>北海道に在住する大学関係者による投票行動調査は,1953年から断続的ながら続けられてきた。これらの調査では,それぞれ大なり小なりに,なぜ北海道が「社会党王国」であり続けているのかが,問題関心として共有されてきたといえる。1970年以降,コンピュータの利用も含めての調査技術の発達に加え,本州各地域での調査も活発に行われるようになり,「北海道の特殊性」もかなり具体的に検証が可能になったといえる。<BR>この課題のためには,自民,社会両党の支持者の政治的意見,所属団体,投票政党とその変動,支持の強さ,生活満足度,拒否政党などについて,多面的かつ継続的な調査・分析が必要であった。また,調査結果の解釈では,論者によって異なるところもあろう。筆者は,この「北海道の特異性」を,北海道における政党と政党支持者のかかわりのゆるさ(ルーズなかかわり)から説明した。これは,北海道における社会関係の特性ともかかわっていよう。
著者
髙木 直
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

<目的> 家庭科では,適量で栄養バランスのよい食事を摂取するために栄養所要量や栄養素の種類と食品との関係などを指導してきている。しかし,これらの学習内容を日々の食生活に活かすには難しい生徒も多く,実践に活かすために,概量を知る上で,針谷・足立が提唱した「3・1・2弁当箱ダイエット法」(以下,「3・1・2弁当箱法」と称す。)が有効であると考えられる。 「3・1・2弁当箱法」は,5つのルールに従って,主食・主菜・副菜を弁当箱に詰めることにより,1食に必要なエネルギーや栄養素を適量かつバランスよく摂取できるとされている方法である。また,弁当箱の容量(ml)とエネルギー量(kcal)がほぼ同値となる点も1食の食事の全体量が掴みやすく,どれ位食べればよいかの理解にとても有効だと考えられる。 しかし,実際には弁当の詰め方には個人差があることが予想され,5つのルールのうちの1つである「料理が動かないようにしっかり詰める」ということが,実際にどのように受け止められどのように詰めることができるのかを明らかにし,授業に活用する際の注意点として押さえることが大切である。 そこで,本研究では,弁当の詰め方に着目し,ばらつきの程度を明らかにすることを目的とする。<方法>  調査対象者は山形市内のY大学の学生36名(男女各18名)で,調査時期は2011年9~11月。調査方法は,630mlの弁当箱を用意し,1メニューに対し男女6人ずつ計12人,3メニューについて弁当詰めを実施させる。その際の指示内容は以下の3点である。①主菜・副菜は全種類使う。②主食・主菜・副菜を投影面積比で3:1:2にする。ただし,同グループ内での詰め方は自由とする。(例えば,主菜のスペースにハンバーグ4つと卵焼き1つでも,ハンバーグ2つと卵焼き3つでもよい。)③ふたを閉めてもつぶれない程度の高さまで,料理が動かないよう隙間なくしっかり詰める。なお,各メニューの内容は次のとおりである。メニューA:主食=米飯,主菜=豚の生姜焼き,卵焼き,副菜=きんぴらごぼう,小松菜とえのきのお浸し,ミニトマト,ブロッコリーメニューB:主食=米飯,主菜=ハンバーグ,卵焼き,副菜=ポテトサラダ,ほうれん草のごま和え,ミニトマト,ブロッコリー,メニューC:主食=米飯,主菜=サンマの竜田揚げ,ウインナソーセージ,副菜=ひじき煮,カボチャの煮物,ミニトマト,ブロッコリー<結果及び考察>  3メニューの全重量の平均と標準偏差は,メニューAが338±32g,メニューBが349±38g,メニューCが315±39gであった。足立らが「しっかり詰める」確認方法として弁当の重量(g)が弁当の容量(ml)の約7割程度としていることと比較してかなり少なく50%~55%であった。エネルギー量についてはメニューAは526±75kcal,メニューBは538±66kcal,メニューCは533±84kcalであり,630kcalに及ばない者が大半であった。主食,主菜,副菜の投影面積比率が3:1:2(50%:17%:33%)になっているかどうかについては,誤差を±5%とし,その範囲内に収まった者は主食30名(85.7%),主菜26人(74.3%),副菜23名(65.7%)であった。範囲未満者は主食5人(14.3%),主菜0人,副菜7人(20%)であり,範囲超過者は主食0人,主菜9人(25.7%),副菜5人(14.3%)であった。このことから主食は少なめに,主菜は多めに入れる傾向が見られた。主菜の米飯は3メニュー通してみると,男女で有意差が見られ,男子(174±31g)のほうが女子(150±31g)に対して多く詰めていた。弁当の容量(ml)=熱量(kcal)にするためには,いくつかの指示を与える必要のあることが明らかとなった。
著者
國丸 香織 島田 侑紀子 徳留 千恵美 屋代 彰子
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.1-9, 2009

高齢者では咀嚼機能の低下により摂取する食品が制限されることから低栄養のリスクが高まることが知られており、咀嚼困難者のために調理法の工夫等による軟菜食やソフト食などが考案されている。そこで、本研究では、高齢者には食べにくいとされるが良質なたんぱく質源である肉類(鶏肉・豚肉)を用いて、咀嚼筋活動の側面から食べやすさを明らかにすることを目的とした。被検者はう蝕及び口腔内疾患のない健常な女子学生3名とし、ホルダー筋電計を用いて左右の側頭筋及び咬筋の筋放電量を測定し、咀嚼時間、咀嚼回数、全筋放電量、咀嚼当たりの筋放電量から食品の食べやすさを評価した。豚肉料理はポークソテー、生姜焼き、ごましゃぶなどの調理法においても鶏肉料理の親子丼より噛み応えがあった。しかし、噛み応えのある豚肉でも薄切り肉の使用やすりおろし生姜による前処理によって鶏肉と同様に軟らかく食べやすくなることがわかった。一方、鶏挽肉を使用した親子丼などの噛み応えのないものは咀嚼筋活動は少ないものの、飲み込むまでの時間が長くなることから、噛み応えのないものが食べやすい食品であるとは必ずしも言えないことがわかった。
著者
正富 宏之
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.69-71, 1999-01-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
11

マナヅル Grus vipio は,アムール川流域の中国とロシアで繁殖し,長江流域や朝鮮半島のほか,九州の出水でナベヅル G.monacha などと共に越冬する.江戸時代までマナヅルは日本各地で見られたが,昨今は出水を除き散発的に現れるに過ぎない.日本でこれまで本種の営巣確認例はなかったが,1985年に北海道中央部の長沼町舞鶴地区の水田あぜ道で産卵したとの情報を,1997年11月になって入手した.その後1998年6月までに現地調査を数回行い,繁殖は成功しなかったものの1番いが2卵を産み,1羽(性別不明)が6月28日に死亡(おそらく農薬の影響)したのを確認した.巣は極めて粗雑で,イネ科草本(Poa spp.)の叢上にわずかな枯れ草を置いた程度とのことであった.今回の営巣地域はかつて広大な湿地で,タンチョウ G.japonesis も繁殖していたが,今は干拓され営巣適地はない.現在道東で繁殖しているタンチョウも,人の活動領域近くで貧弱な巣作りと産卵を行うことがある.本例も,マナヅル本来の繁殖環境と異なるところでのやや異常な営巣ながら,日本における本種の営巣初確認例である.
著者
福山 泰子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学博物館報告 (ISSN:13468286)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.29-48, 2002

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。

2 0 0 0 OA 腹壁血腫の3例

著者
山本 誠己 尾野 光市 浅江 正純 稲生 誠樹 西野 伸夫 戸田 慶五郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.2257-2260, 1987-09-01
被引用文献数
1

咳嗽や体位変換時の急激な腹筋の収縮によって筋断裂や血管損傷をきたし,腹壁に血腫を形成することがある.このような病態は古くHippocratesの時代より知られているがまれな疾患であり,その存在を知らないと腹腔内疾患と誤診されることもある.一般には腹直筋領域に多いため,腹直筋血腫,hematoma of the rectus abdominis muscle,腹直筋症候群,rectus muscle syndromeなどと呼ばれているが,内外腹斜筋領域にも同様の血腫形成をみることがあり,広く腹壁血腫と称する方がよいとするものもある.著者らは典型的な腹直筋血腫の2例と,右内腹斜筋損傷による右季肋部腹壁血腫の1例を経験し,その診断に腹部超音波検査,腹部computed tomography(以後CT検査と略す)が有用であったので報告する.
著者
黒田 敏夫
出版者
梅光学院大学子ども学部
雑誌
子ども未来学研究 (ISSN:18817424)
巻号頁・発行日
no.6, pp.5-12, 2011

22年前に小学校のPTA会長を2年間務めたときの記録である。PTAは保護者と教員が構成員の教育関係団体である。しかし、実際は保護者が中心になって、子どもたちの教育や教育環境の充実のために活動している。このPTAが小学校の前に計画された十階建てマンション建設の反対を決議して、反対運動を展開した。この計画が駆け込み申請であることがわかり、業者と行政の姿勢を問う運動となった。法的に問題のある事柄に対し、PTAはどこまで働きかけることができるのか、学校や教師集団はどこまで働きかけることができるのか、その困難さと矛盾を経験した。教育環境を守るための戦いの可能性と限界を政治と業者、行政・学校のシステムと人、PTAの組織と会員、地域の組織と住民の姿を通して考える。
著者
池上 直己 千田 敏之
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア21 (ISSN:13463799)
巻号頁・発行日
no.160, pp.44-47, 2003-02

昨年暮れに厚生労働省が公表した医療保険制度改革案では、保険者の財政基盤の安定化と、保険者機能の強化を目的に、県単位で再編・統合を進めるという方針が打ち出された。これは慶應大学医学部の池上直己氏がかねてから提唱してきた案でもある。 池上氏に厚労省案の読み解き方と問題点、診療報酬体系の見直しの方向性について聞いた。
著者
大和田 猛 加賀谷 真紀
出版者
青森県立保健大学
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.109-121, 2008-12

福祉系4年制大学の学生が特別養護老人ホーム等の配属実習先において、遭遇した実習現場職員の利用者との関わり場面の自由記述から、レジデンシャルワーカーとしての専門職資質、特に利用者の権利擁護や虐待予防の問題を中心に若干の課題を検討した。その結果、社会福祉施設という対人援助の実践現場においても、良質なサービスの提供、利用者の尊厳の保持、利用者の意向の尊重、権利擁護、虐待防止などの基本的に職員に求められる行動規範について問題のある職員が存在することが示唆された。特に、施設の利用者は心理的虐待やネグレクトを受けやすく、自己尊重と尊厳を維持する権利、適切な介護を受ける権利、質の高いサービスを受ける権利、人格が尊重される権利などについて、権利侵害が多いことが類推される。したがって、レジデンシャルワーカーを養成する教育組織における人権教育の必要性が求められ、施設においても倫理綱領の作成と職員の行動規範の確立、人権意識啓発のための研修、職場内のスーパービジョン体制の整備などを通して、真の意味で利用者の快適なソフト面での生活環境を整備することが集眉の課題である。
著者
安藤 直見 八木 幸二 茶谷 正洋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.497, pp.155-162, 1997-07-30 (Released:2017-02-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

The objective of this study is to develop a new comprehension on the composition of the street space in Japan. To clarify the diversity of streets image spread around the railway station, this study took "Shinjuku" district as one of the typical city central. To describe and quantify the image of streetscape, a method named "component element graphics" was adopted. By analyzing various types of streetscape, typology of streets' image were classified and the exsistence of distinctive space in city central was pointed out.
著者
小林 江里香 深谷 太郎 杉原 陽子 秋山 弘子 Jersey LIANG
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.133-145, 2014-03-17 (Released:2017-02-28)

This research examines how the linkages between different types of social networks and subjective wellbeing(SWB)vary across gender and age through structural equation modeling. Data came from a nationwide survey for older adults conducted in 1999 (N=3,482). SWB was measured by life satisfaction and depressive symptoms. A three-factors model for social networks showed a good fit, consisting of child contact, informal contact with friends and neighbors, and social participation related to groups/volunteer activities. The effects of four types of networks (i.e., spouse and the three factors) on SWB were compared among the 4 gender×age groups. Gender differences were more prominent among the young-old (63-74 years old) than the old-old (75 and over), namely, the effects of being married and social participation on life satisfaction were greater for males than females, whereas informal contact was more important for female life satisfaction and depression. Among the old-old, the association between child contact and SWB was stronger than among the young-old. Further research is needed to ascertain whether the age differences result from aging and/or cohort variations.