著者
片桐 雅隆
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.74-89, 1976-02-29 (Released:2009-11-11)
参考文献数
7

Today, some sociologists turn their attentions to the problem of “Infra-Structure”. We can find some examples of such a trend in “Positivismus Streit” and “Sociology of Sociology”.And some of them offer criticisms on Sociological Functionalism from the “Infra-Structural” point of view. They focus their minds on the view of human beings and a society which Sociological Functionalists have in mind.It is also important to consider each theories of organizations from the “Infra-Structural”. point of view. Until now, many sociologists of organizations have argued against Balance model of organizations and proposed Conflict model as the alternative to it. We must evaluate Conflict model positively in some aspects, but it is also true that it has some limits. In order to go beyond Conflict model, we think it necessary to turn our attentions to Action model of organizations from the “Infra-Structural” point of view. And here, we call such a procedure “Humanistic approach”.At the third paragraph, in order to find a frame of reference of organizations founded on such an approach, we consider Weber's theory of organizations. And there, we find his view of human beings who decide their actions according to their own value-judgements. We can learn many things from such a view of human beings, even today.It is very important for the valuation of theories to consider from the “Intra-Structural” point of view. But now, beyond such a consideration, it becomes necessary to build a frame of reference of organizations which consist of such human beings as can decide their actions by themselves.
著者
植村 宗則 坂田 一仁 富川 盛雅 Nagao Yoshihiro Ohuchida Kenoki Ieiri Satoshi Akahoshi Tomohiko Hashizume Makoto
出版者
福岡医学会
雑誌
福岡医学雑誌 = Fukuoka acta medica (ISSN:0016254X)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.213-222, 2015-07-25

Introduction: We evaluated the differences in instrument manipulation skills between expert laparoscopic surgeons and novices. Methods : Six expert surgeons who had performed more than 500 laparoscopic surgeries and one skilled instructor at Kyushu University Training Center for Minimally Invasive Surgery, and 20 medical students who had experienced no laparoscopic surgery were enrolled. A new skill assessment task was designed using zippers on an unstable, mobile platform in a box trainer. The examinees were asked to close the zippers, while trying to avoid moving the platform. The path lengths of the tips of the instruments and of the platform were measured, and the performance time was also recorded. Surgical skill score was calculated from the correlation between the path lengths of the instruments and that of the platform, in addition to the performance time. Results : The path lengths of the tips of both instruments and of the platform were significantly shorter in the experts than in the novices (all p < 0.05). The performance time was also significantly shorter for experts than novices (p < 0.05). The surgical skill score was significantly higher for experts than novices (p <0.01). Conclusion : The differences in the instrument manipulation skills between expert laparoscopic surgeons and novices could therefore be evaluated using our surgical skill scoring system.1.はじめに・内視鏡外科手術は従来の開腹手術に比べ切開創が小さく術後回復が早いため,患者に対して利点が多い.他方,術具の操作性が低く,術者にとって負担が大きい上に,高度な技術が要求される.このことから,内視鏡外科手術における手術トレーニングの必要性が認識されつつある.最も一般的なトレーニング方法としてボックストレーナーを用いたトレーニングが挙げられるが,手術手技の客観的な評価系が確立されていないため,指導者が付き添っていない場合,独善的なトレーニングになってしまうことが懸念される.今回我々はBi-Hand Coordination 技術(BHC 技術)が内視鏡外科手術を安全かつ効率的に行う上で重要であることに注目し,それ客観的評価システムを考案したので報告する.2.手法・2.1 対象・コントロール群として内視鏡外科手術経験数500 例以上の医師7 名(Expert 群)と対照群の内視鏡外科手術未経験の医学部生20 名(Novice 群)を被験者とした. 2.2 技術評価モデル・BHC 技術を評価するために,滑りやすい台座上にそれぞれ異なる方向に開閉するジッパーを設置したトレーニングモデルを用いた評価タスクを考案した.モデルと鉗子先端は磁気センサを備え,タスク中のそれぞれの軌跡を計測することが出来る. 2.3 実験方法・初めに,被験者はジッパーの操作を行わずジッパーの上を決められた順番通りになぞる(task1).次に,開いているジッパーを順次閉じていく(task2).task1,task2 とも開始から完遂までの時間および台座と鉗子の軌跡をそれぞれ計測した. 2.4 評価方法および評価関数・第1 の評価として両群間におけるtask2の鉗子先端および台座の移動距離,タスクを完遂するまでの時間を比較した.第2の評価として,task1 における鉗子先端の軌跡とtask2 における鉗子先端の軌跡の差分dI とtask2 における台座の軌跡DS の相関関係から回帰直線を算出し,Expert 群における回帰直線を基準に評価タスク結果を点数化した.評価スコアSは技術点S_I≦50,時間点としてS_T≦50合計100点満点とした.技術点S_FはExpert 群における最小dI をとる相関関数上の点R から切片までの距離l_Rと任付スコア対象の点P から相関関数と垂直に交わる点から切片までの距l_Pを用い,S_I=50l_R/l_Pと定義した.また時間点S_TはExpert 群における最速タイムT_Eと任意の完遂時間T_AよりS_T=50T_E/T_Aとした.統計解析にはt検定をそれぞれ用いた. 3.結果・Expert 群はNovice 群に比べ,鉗子先端の移動距離,台座の移動距離が有意に小さく,タスクを有意に早く完遂することができた.task1 における鉗子先端の軌跡とtask2 における鉗子先端の軌跡の差分とtask2 における台座の軌跡の相関関係を比較したところ両群間に相関が認めたが,Expert 群はより強い関係を示した評価タスク結果を点数化するためのExpert群における回帰直線は,相関係数0.40(p <0.01),切片-0.60,決定係数0.92(p < 0.01)であった.評価スコアは,Expert 群61.1 ±21.9,Novice 群40.3 ± 15.7 でありExpert 群は有意にNovice 群より高得点であった.4.むすび・評価システムは内視鏡外科手術におけるBHC 技術の客観的評価系になりうると考えられた.
著者
中山 幹夫
出版者
法政大学
雑誌
経済志林 (ISSN:00229741)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.55-108, 1995

経済分析のための数学的方法として定着しているゲーム理論について,その誕生と初期の理論展開を学説史的に展望している.
著者
木村 秀次
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. II, 人文・社会科学編 (ISSN:13427415)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.145-155, 2001-02-28

中村正直訳『西国立志編』(明治四年・一八七一)には、「記号」という語が散見する。その「記号」のほとんどが、'motto' (モットー)の訳語として用いられており、現在の一般的な意味とは異なるものである。「目次」に記した手順のもとに調査したところ、この場合の「記号」は、やはり過去の諸分野の文献に見える「記号」とも意味にずれのある、特異なものであることが確認される。中村正直が何に基づいて、'motto'の訳語として「記号」という語を選んだのかについては、現在十分明らかにしえない。今後、更に調査を重ね、考察を進めるつもりであるが、本稿では、限られた文献を対象に調査した結果を中間的に報告する。なお、『西国立志編』には、同じく'motto'の訳語として、「標識」、「表識」などの訳語も用いられている。最後に、これらの語に関して若干触れる。
著者
寺島 裕貴 岡田 真人
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

大脳皮質感覚野は地図構造を持ち,その代表である一次視覚野(V1)地図と視覚刺激統計性との関係が指摘されている.一方で近年,一次聴覚野(A1)地図はV1と異なり微小スケールで乱雑なことが分かってきた.本研究ではその原因が聴覚刺激の特徴である離れた周波数間の相関にあるという仮説を提案し,V1のモデルであるtopographic ICAが聴覚的な刺激からは乱雑な地図を生成することを示す.
著者
深尾 幸市
出版者
国際ボランティア学会
雑誌
ボランティア学研究 (ISSN:13459511)
巻号頁・発行日
no.11, pp.69-84, 2011-12-28

筆者は1980年代ナイジェリアに3年間駐在し、それを契機にアフリカ生活に関心を持つようになった。また、この15年間大阪市内にある草の根NGOの一員としてアフリカの子ども支援に携わってきた。本論はコンゴ民主共和国(旧ザイール)の首都キンシャサのストリートチルドレンの生まれる要因を明らかにし、また、子どもへの支援の活動を行っているNGOの役割と課題を検討することを研究の目的としている。2007年6月に現地インタビュー調査を実施した。現地で最大のNGOプラットフォームREEJERは傘下のNGO180と連携をとりストリートチルドレンに関するアドボカシー、保護と観察、宿泊の提供、医療ケアー、職業訓練、家族捜し等に取り組んでいる。最も大きな課題は資金不足であった。インタビューした子どもたちは、男子31人、女子24人で年齢は8歳から17歳までである。家を離れた(捨てられた)要因は「悪魔つき」(悪魔がついて家族を不幸にする)(27.3%)であり、キンシャサにおけるストリートチルドレン発生の大きな特徴である。子どもたちの将来の夢は男子がサッカー選手やミュージシャン、一方女子は修道女、医師、が上位であった。今回の調査を通して感じたストリートチルドレンに関して最優先すべき課題は、子どもの救済、すなわち孤児を保護し、教育および職業訓練を施して、社会参加を可能にすることの重要性である。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1313, pp.30-33, 2005-10-24

男は飲みかけのカップ酒を飲み干すと、運転席の後ろに敷いてある布団に潜り込んだ。静寂に包まれた千葉港。しばらくすると、10トントラックから灯が消えた。 2005年10月7日。時計の針は午前0時を回っている。出発から30時間強、ひたすらトラックを走らせた男に与えられたつかの間の休息だった。 その男、「忠さん」は長崎と東京を結ぶ長距離トラックのドライバーである。
著者
小玉 恭子
出版者
北海道教育大学
雑誌
情緒障害教育研究紀要 (ISSN:0287914X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.33-36, 1986-03-15

交流教育の必要性が叫ばれている現在,交流保育も近年注目されつつある。このような社会的状況のなか本研究では,旭川聾学校幼稚部と旭川天使幼稚園との8年間にわたる交流保育の実践について,幼稚園側の視点から捉え,交流保育の成立過程および進展の様子をたどり,交流保育において保育機関の担うべき役割を明確にしていくことを目的として,両校の職員などの面接調査および交流保育実践の参加観察を行った。この交流保育は,自然なかたちでスタートして8年間経過しているが,黎明期・発展期・充実期を経て,その都度,実践的反省をくりかえしながら真の交流保育を目指している。この過程の分析から結果として得られたことは,両校の子ども達の間で友だちとしての意識がめばえてきたことや,子ども達だけの交流にとどまらず親にも交流の輪が広がってきたことである。これに加えて,子ども達の真の交流を願うなら,教師同士が忌憚なく意見を交わすことができる土壌をつくることが,交流保育の根底となるべきであるということが明らかとなった。保育機関では,このような交流のなかから,子ども達相互の正しい理解と仲間意識をもたせることが可能である。しかし,交流の本当の成果というのは,それを義務教育の場,さらには広く地域社会へもつなげてゆけるような子ども達の育ちをみとどけた時に確証されるものと考える。
著者
田中 実
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.91-101, 1986-02-10

『舞姫』の主人公は独白し、手記を書いたが、鴎外によって『舞姫』というテクストが成立した時、主人公は多層的意識構造に絡みとられている。母・法の精神・天方伯など彼が認識の光を当てず対象化しなかったことは鴎外終生の近代化批判のかたちに尾を引く問題でもある。それは太田が自己回復のための認識の光を当てるという手記のモチーフから逸脱し、<歌>を歌ってしまったことにも関わろう。そうした『舞姫』の弱点を等閑に付すことはできぬとともに、『舞姫』にはエリスという他者の言葉、あるいは成熟が表出し、それは異国人同志の男女の自我の深刻なすれ違いによる悲劇を齎した要因にもなり、太田は日本の近代化にアンビバレンツを起こさせていった。
著者
Kazunori HASE Nobutoshi YAMAZAKI
出版者
社団法人 日本機械学会
雑誌
JSME International Journal Series C Mechanical Systems, Machine Elements and Manufacturing (ISSN:13447653)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.1040-1050, 2002 (Released:2004-06-25)
参考文献数
33
被引用文献数
19 52

A model having a three-dimensional entire-body structure and consisting of both the neuronal system and the musculo-skeletal system was proposed to precisely simulate human walking motion. The dynamics of the human body was represented by a 14-rigid-link system and 60 muscular models. The neuronal system was represented by three sub-systems: the rhythm generator system consisting of 32 neural oscillators, the sensory feedback system, and the peripheral system expressed by static optimization. Unknown neuronal parameters were adjusted by a numerical search method using the evaluative criterion for locomotion that was defined by a hybrid between the locomotive energy efficiency and the smoothness of the muscular tensions. The model could successfully generate continuous and three-dimensional walking patterns and stabilized walking against mechanical perturbation. The walking pattern was more stable than that of the model based on dynamic optimization, and more precise than that of the previous model based on a similar neuronal system.
著者
小田急電鉄株式会社編
出版者
小田急電鉄
巻号頁・発行日
1980
著者
原田 耕一郎
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.111-118, 1975-04-30 (Released:2008-12-25)
参考文献数
55
著者
ヒギンズ ジャネット
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.83-98, 2001-03-31

本論の目的は,視覚イメージを分析するための方法論を紹介し,次に,2000年7月に沖縄で開催された先進国八ヶ国(G8)会議についてのイギリスの主要五大新聞を事例研究としてとりあげる。視覚分析は,記号学,言語学,組織一構造文法を方法論の土台としている。この論文では,クレス(Kress)とバン・リーウェン(van Leeuwen)(1996)のアプローチを用いる。イギリスの新聞に掲載された「沖縄の基地反対」の記事をとりあげ,この記事が表象しているものを紹介し,テキスト(本文)と写真との関係を分析する。Daily Telegraphの記事では,写真のイメージが強く,「平和」よりも「暴かのイメージが強くみられた。
著者
小野 金次郎[作詞]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1957-12