著者
山中 章弘
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.140, no.6, pp.280-284, 2012 (Released:2012-12-10)
参考文献数
19
被引用文献数
2

脳内に多数存在する神経細胞同士の複雑なネットワークによって,行動発現が制御されている.これまで脳内の特定の神経活動のみを高い時間精度で人為的に制御する手法が存在していなかったため,神経回路機能と行動発現を繋げる研究を行うことが難しかった.光を受容し,細胞機能に影響を与える分子を特定の神経細胞に発現させ,低侵襲的で透過性の高い光を照射することによって,特定の神経活動を操作できる手法(オプトジェネティクス(光遺伝学))が近年開発された.本手法の導入には,分子生物学,生理学,電気生理学,遺伝子工学,光工学などの様々な知識と技術が必要であったが,最近では多くの企業から光遺伝学に特化した便利な装置や物品が販売されており,導入が容易になってきている.本稿では光遺伝学を用い,インビボにおいて特定の神経活動を操作する方法について概説する.

2 0 0 0 歴史

著者
東北史學會 [編]
出版者
東北教育図書
巻号頁・発行日
1949
著者
石原亨 著
出版者
加藤書房
巻号頁・発行日
1924
著者
関口 幸夫
巻号頁・発行日
2015

科学研究費助成事業 研究成果報告書:基盤研究(C)2012-2014課題番号:24591034
著者
森田 均 藤田 米春
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.327-334, 2001-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
33
被引用文献数
2 2

Digital technologies have revolutionized textual practices. How does language on computer screen work differently from language on the page? We analyze the potential of new forms of text, new forms of rhetoric, and new approaches to literary theory.
著者
鈴木 左斗志
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 = Keio law journal (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.35, pp.173-203, 2016-08

論説1 最高裁平成21年11月30日判決(刑集63巻9号1765頁)の検討その1 1.1 最高裁の判断と調査官解説の「枠組み」 1.2 本稿の目的2 最高裁平成19年7月2日決定(刑集61巻5号379頁)の検討 2.1 住居侵入等罪の保護法益その1 2.2 最高裁昭和23年5月20日判決(刑集2巻5号489頁)に対する批判の検討 2.3 退去要求の判断・実行 : 保護法益その23 東京高裁平成5年2月1日判決(判例時報1476号163頁)の検討4 最高裁平成21年11月30日判決(刑集63巻9号1765頁)の検討その25 結語
著者
東田 正信 奥 雅博 村上 仁一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.2249-2261, 2013-10-01

PB(プッシュボタン)電話機から利用者が検索条件を入力して電話番号を検索できる自動電話番号案内システムを開発した.検索キーワード入力には,情報機器に不慣れな利用者でも,簡単に操作方法を学習でき,短時間で入力できる文字情報縮退入力方式を採用した.本方式では,ひらがな5文字を一つの数字キーに縮退させて割り付けたPB電話機の数字キーを使い,検索キーワードをその「よみがな」に従って逐次数字キーを押下することで入力する.同様の文字割付に従い数字列化された情報を付加した電話帳DBを数字列化されたキーワードで検索する.本論文では,文字情報の縮退度情報を用いて利用者からの入力回数を最少化するための入力情報数最少化技術,採用した入力方式に起因する曖昧性を複数の曖昧さを含む情報の相互接続可能性を用いて解消する相乗的曖昧性解消技術などの知的対話誘導技術,及びこれらの技術を実装した自動電話番号案内システムの構築と評価について述べる.このシステムは「あんないジョーズ」という名称で公衆サービスとして提供された.1998年から2007年までのサービス期間中に,約1300万呼に対して検索処理を実行し,正しく電話番号を案内できた呼は約1000万呼であった.表示機能がないことによる入力内容のミスやキータッチのミスなどに起因して,番号が案内できなかった呼を除いて,「あんないジョーズ」が利用者に対してオペレータと同等の応対を提供できた呼の数は呼全体の約85%であった.
著者
佐藤 吉幸
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2008-2011
著者
小泉 清明 柴田 喜久雄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.91-100, 1964-06-25
被引用文献数
1 5

1. 一生(卵から成虫の産卵まで)を通じての発育有効積算温度数は,ウリミバエ(Dc)は650日度,ミカンコミバエ(Dd)は610日度で,それらの値は15∼30°の範囲で一定である(第1表)。<br>2. 積算温度から東洋温帯地の高温季節に何回世代を重ねるかを推定すれば,韓国,中国本土北部,同東北部,日本の奥羽地方は1∼2回,関東と中部以南の日本は2∼3回となる(第2表)。<br>3. 前成虫を台湾の自然温度から急に8°以下の恒定低温に接触すると40∼55日以内に(第3表),日本の温暖地の冬の平均最高最低を組み合わせた変動低温に接触すると,最低が8°以下で平均示度が11°以下の時は40∼50日以内に低温死する(第4表)。台湾の自然温度から,15→5°に2∼6日なれさせるか,台湾日本間の船艙温度を経て日本の秋から始まる漸降温度を経験させて0∼9°に接触する時は,耐寒性は多少増大して,発育零点は恒温急激接触より1°,変温のそれより2∼3°低くなり,最終温度9°以上で発育し,8°以下では50∼60日で死ぬ(第5表)。<br>4. 成虫は9°以上24∼25°までは100日内外の寿命を保つが,8°以下では30日以内に死ぬ(第6表)。<br>日本温暖地の冬の昼間夜間,平均最高最低,日中の直射日光下の推定体温と夜間温度を組み合わせた変動低温に,成虫を急に接触させると,平均示度が成虫の摂食可能の9°以上の時は天然寿命が保持される。夜間が摂食不能の8°以下の時は,昼間温度に無関係に変温の平均示度に等しい恒温よりも寿命は非常に短く,とくに夜間が0°以下の時は,昼間温度如何にかかわらず,寿命は夜間温度のみによって支配される(第7表)。<br>9∼12月の各月台湾の自然温度から出発して,日本の西部地方のその頃の漸降温(恒温,昼夜間温度を組み合わせた変温)に順次接触すると,成虫は9∼11月出発の場合は,Dc 100∼160日,Dd 80∼125日の寿命を保って1∼2月に死ぬ。急接触にくらべて耐寒性は3∼5倍に増大する。12月に出発すると寿命は40∼55日で1月中まで生存し耐寒性は1.5倍に増大する。しかし漸進接触によって生存を最大2月下旬まで延長することはできない(第8表)。<br>交尾産卵限界温度は漸進接触によっても低下することはなかった。<br>5. 最大の耐寒性を示す漸降温の実験結果から,平均気温にてらして日本の代表的温暖地30ヶ所における越冬の可否を推定すると(第9表),前成虫は琉球,小笠原,伊豆諸島を除けば,いずれの地でも越冬は不可能で,12∼1月から2∼3月にいたる期間に低温死を免れない。<br>成虫も夜間の平均気温0°以下の関東および中部地方の一部,奥羽,北海道,サハリン,朝鮮,中国本土東北部では越冬できないが,夜間0°以上昼間9°以上のその他の地方では,昼間日射下の成虫体温を考慮にいれれば,越冬は必ずしも不可能ではないかもしれない。<br>6. 幼虫の飢餓寿命は,恒温0∼36°で30日以内,最長は10∼12°で,これより温度上るも下るも短縮し,9∼10°の発育零点下の低温では15日以内。摂食可能の限界は8∼10°である(第10表)。<br>成虫の飢餓寿命も,恒温-6∼36°で30日以内,最長は10∼12°,8°以下は20日以内,摂食は9°以上で可能。水だけを与えると寿命の最大は70日に延び,最長は14°,8°以下では20日以内,18°以上の寿命は完全飢餓と差がない(第11表)。<br>変温で水を与えた成虫の寿命は,変温の平均示度に等しい恒温の寿命と大差ない(第12表)。<br>7. 日本の代表的温暖地30ヶ所において,11月から4月にかけ,食物の摂取が不可能の場合の,幼虫と成虫の寿命と越冬の可否を推定すると,幼虫と成虫は,11月と4月には各地とも30日,12月と3月には15∼30日,1月と2月には琉球,小笠原,伊豆諸島(15∼30日)を除けばいずれも10∼15日の寿命で,したがって食物の摂取が完全に不可能の場合は,幼虫成虫とも日本本土では越冬はできない(第13表)。<br>成虫は水の摂取ができれば,11月と4月は琉球,小笠原,伊豆諸島(20日)を除けば,40∼70日,12月から2月にかけて南九州,南四国,紀南,3月の南九州,南四国,紀南,東海がともに30∼60日のほかは,いずれも20日以内の寿命で,したがって成虫も日本本土では越冬は困難と考えられる(第14表)。
著者
本庄 良文 本庄 良文
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学法然仏教学研究センター紀要 (ISSN:21888442)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.17-24, 2015-03-25

法然の直弟子である隆寛の撰述にかかる『知恩講私記』は、法然滅後、月命日ごとに専修念仏の徒が、東山大谷の法然廟所において報恩のために修した法会の講式である。その中で作者は、法然の遺徳を、(1)諸宗通達徳、(2)本願興行徳、(3)専修正行徳、(4)決定往生徳、(5)滅後利物徳の五項目に亘って讃歎しているため、おのずからそれが現存最古の法然伝ともなっている。現代語訳が発表されていない現状に鑑み、試訳を行って、将来の総合的な研究のための資料としたいと思う。けだし、本文校訂と内容理解とは相互補完的な関係にあり、一方を欠いて他方のある道理がないからである。
著者
泉本 勝利
出版者
岡山大學農學部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.85-95, 2010-02

食肉生産はコストと労力がかかり、比較的高価な食品素材である。食肉は栄養的価値のみならず嗜好的にも優れ、人気の高い食品素材である。明治時代以降、肉食禁止令が廃止され、政府も奨励した結果、消費量が増加した。近年、飽食、グルメ時代といわれる一方、自給率低下など日本の危うい食事情について危惧されている。食品の選択は栄養価などよりも、まず嗜好性、美味しさが最優先されていることからも、食品は量的確保のみならず品質の良いことが要求される。品質劣化で廃棄されれば負の生産になってしまう。食品は嗜好性、栄養分、安全性、経済性などが総合的に判断されて消費者に選択される。「これらのうち嗜好性が最も受諾性に影響する。」といわれるが、日本に限らず世界史は食糧難の歴史であり、つい最近まで供給側が経済的に有利であった。この状況では量が優先され、消費者は粗悪品でも甘受せざるを得なく、品質の向上について意識的に取り組まなくても済んでいた。近年、少なくとも先進国では食料の生産性、保存技術の飛躍的進展によって、量の確保は十分に行えるようになった。すると、需給関係は逆転し、経済的に消費側が有利になっており、際限なく品質への要求が高くなっている。本稿は食品とくに食肉の品質について述べる。本稿では食肉の品質について焦点をあて、まず、評価と管理について説明する。続いて、色調品質の特性解析と管理の自動化、テクスチャー品質のヒューマンインターフェース、安全性に関わる事項のヘムタンパク質による細胞DNA損傷の抑制、機能的品質に関わる亜硝酸を使わない発色およびACE(アンジオテンシン�T-変換酵素)阻害活性について述べる。
著者
波田野 結花 吉田 弘道 岡田 謙介
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.151-161, 2015
被引用文献数
5

これまでの心理学データ分析では, 概して統計的仮説検定の結果は報告されるが, 効果量の報告や議論は軽視されがちであった。しかし近年の統計改革の中で, 効果量を活用することの重要性が再認識されている。そこで本研究では, 過去4年間に 『教育心理学研究』誌に掲載された論文中で報告された仮説検定について, 論文中の情報から対応する効果量の値を算出し, 検定における<i>p</i>値と効果量との間の関係を網羅的に調べた。分析対象は, 独立な2群の<i>t</i>検定, 対応のある2群の<i>t</i>検定, 1要因および2要因の被験者間分散分析における<i>F</i>検定であった。分析の結果, いずれの場合においても報告された<i>p</i>値と効果量の相関係数は-0.6~-0.4であり, 両者の間には大まかな対応関係が見られた。一方で, 検定結果が有意であるにもかかわらず小さな効果量しか得られていない研究も決して少なくないことが確認された。こうした研究は概ね標本サイズが大きいため, 仮説検定の枠組みの中では検定力分析の必要性が考えられる。また仮説検定の枠組みに留まらず, メタ分析によって関心下の変数ごとに効果量の知見を蓄積することや, ベイズ統計学に基づく新たな方法論などが今後の方向性として考えられる。