著者
永崎 研宣
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.1-10, 2016

<p>本稿は、大学図書館におけるデジタル人文学の状況について、筆者の知る範囲での現状をお知らせするものである。とりわけ、紙媒体からデジタル媒体へと情報の伝達手段が大きく変化するなかで、情報伝達に大きく依存してきた人文学の変容と、そこにおける大学図書館の役割について、主に米国・英国の事例を参照しつつ、日本の状況とそこへの期待について述べている。</p>

2 0 0 0 OA 稿本金沢市史

著者
金沢市 編
出版者
石川県金沢市
巻号頁・発行日
vol.風俗編 第2, 1933
著者
野坂 千秋 星川 恵里 久保田 浩二 小川 宣子 渡邊 乾二
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.2-9, 2001-02-20
参考文献数
10
被引用文献数
1

専門店シェフちょうせいひん[VP]と一般市販品[VM]のビシソワーズの食感の差異を,物性面を主体とする品質評価から把握し,ジャガイモの裏ごし条件の特に裏ごし時の温度と裏ごし器のメッシュサイズに着目し,ビシソワーズ物性との関連を明らかにした。更に,好ましいビシソワーズの調整操作の条件を定めることを目的に検討を行った。1.市販品の物性評価 VPは,VMに比べ,見かけの粘度が低く,そこに含まれるジャガイモ細胞の粒子径が大きく,ジャガイモ細胞の粒子積分率が高いスープ物性を示した。ジャガイモ細胞の組織観察の結果,デンプン粒が細胞内に存在し,一方,VMでは細胞外へ溶出して糊化した状態にあった。このように,VPはVMに比べて調理工程において細胞が受ける損傷が少ない為に,粘りが弱く,いもの流感のあるスープとなっていることが分かった。2.ジャガイモ裏ごし調理条件が及ぼすビシソワーズ物性の影響 裏ごし時の調製条件として,裏ごし器のメッシュサイズをジャガイモの細胞経を考慮した250μmとし,かつ90℃で行なうことにより,細胞の損傷が少なく,粒子体積分率が高く,かつ見かけのの粘度の低い,品質の良いビシソワーズが調製できた。これらの条件は,シェフの経験的調理条件と一致した。一方,ミキサーによる調製では,破砕による糊化デンプンの細胞外への流出と破砕された細胞の存在から,好ましい調製法には至らなかった。3.裏ごしミキサー調製法の品質効果 裏ごし製法品(条件 : 裏ごし温度90℃,裏ごし器メッシュサイズ250μm)と,ミキサー製法品(条件 : 90℃,9,000rpm×30sec.)のビシソワーズを官能評価した結果,前者は後者に比べて弱りが弱く,いもの粒間を有し,のどごしがよく,食感全体が好ましいという条件で有意に好まれた。以上のことより,ビシソワーズの調理操作条件として,裏ごし製法の適用と,その際の処理条件として温度90℃,裏ごし器メッシュサイズ250μmが好ましいことを明らかにした。
著者
田並 尚恵
出版者
家族問題研究学会
雑誌
家族研究年報 (ISSN:02897415)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.15-28, 2013-07-10 (Released:2017-02-14)
参考文献数
15

日本では1995年に発生した阪神・淡路大震災以降、多くの自然災害が発生している。 だが、これらの自然災害のうち、被災者が全国的に避難したケースはそれほど多くはなく、阪神・淡路大震災と三宅島噴火災害(2000年)、そして東日本大震災(2011年)の3例だけである。災害研究では、個人の生活再建には「医(心身の健康)、職(仕事)、習(子どもの教育)、住(住まい)」の支援が重要であるとされる。東日本大震災の広域避難者の多くは原子力災害による避難者であると指摘されており、地域によっては将来的に戻る時期が見通せない地域もあるため、避難先での支援と継続的な支援がより必要となると考える。
著者
佐々木 則夫 山川 龍雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1605, pp.102-105, 2011-08-29

問 社名からは地域色が強い印象を受けますが国内最大手で、インドやタイの自動車塗料のシェアはトップ。どう海外を攻めているのでしょうか。 答 初めは自動車メーカーが進出した後を追って、ついていっただけです。でも、自動車向けや工業用だけやと浮き沈みが激しい。そこで、一般家庭でも使われる塗料を世界中で売らなあかんと。
著者
TAKASHI ABE YOSHIMI TAKIGUCHI MASAHIRO TAMURA JUNKO SHIMURA KEN-ICHI YAMAZAKI
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.225-237, 1995-04-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
20
被引用文献数
13 19

For endurance exercise in swimming mice, 1.8% VAAM (Vespaamino acid mixtiure) which has the same amino acid components as hornet (Vespamandarinia) larval saliva, 1.8% casein amino acid mixture (CAAM), 10% glucose, or amino acid mixtures in which the amino acids were varied while maintaining the same molar ratio as VAAM were administered orally to mice. Mice recieving 1.8% VAAM showed significantly longer maximum swimming times than mice receiving other nutrients. Among these nutrients, mixtures of proline, glycine, and essential amino acid mixture (EAAM) from the VAAM component, showed maximum times near those with VAAM. In swimming exercise in mice earring of 0.3g tail weight, mice administered 1.8% VAAM showed lower blood lactate concentrations and higher blood glucose concentrations than mice recieving other nutrients. Mice recieving 1.8% VAAM also had lower lactate concentrations in muscle as well as blood. This suggests that VAAM suppresses lactate production and glucose catabolism during exercise. The effects of hornet larval saliva were stronger than those of VAAM. VAAM therefore showed the major effect of the saliva. The results suggest that VAAM improves physiological condition during endurance exercise. A positive correlation was observed between the blood concentrations of lactate and glucose in exercising mice administered various nutrients (r=0.779) . This suggests metabolic equilibration between glucose and lactate during exercise. A positive correlation (r=0.507) was also found between the maximum swimming time and blood glucose concentration. Maximum swimming times were highest at low (Ca. 2.5 mMol) and high (Ca. 4.0 mMol) blood lactate concentrations in high blood glucose concentrations. These facts support that glucose homeostasis is important in prolonged exercise.
著者
佐野 真由子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.29-64, 2009-03

本稿は、安永七(一七七八)年から安政六(一八五九)年までを生きた幕臣筒井政憲に光を当て、幕末期の対外政策論争におけるその役割を考察するとともに、とくに後半において、そこに至る筒井の経験の蓄積を検討の対象とする。 今日、筒井の名が知られるのは、嘉永六(一八五三)年から翌年にわたり日露和親条約交渉にかかわったこと、弘化年間(一八四九年代半ば)に老中阿部正弘の対外顧問的な立場に登用されたこと、また、それ以前に江戸町奉行として高い評判を得たという事績程度であろう。本稿では、安政三(一八五六)年に下田に着任した初代米国総領事ハリスの江戸出府要求が、翌年にかけて幕府の一大議案となった経緯、その中で、幕府の最終的な出府許諾に重大な影響を与えたと考えられる筒井の議論に着目する。そこで示された筒井の論理は、日米関係の開始を、徳川幕府がその歴史を通じて維持してきた日朝関係の延長線上に整理する、すぐれて特異なものであった。 これは筒井が満七十八歳から七十九歳を迎える時期のことであり、長い職業生活の集大成と位置づけることができる。この地点からその人生をたどり直すとき、見えてくるのは、若き日からのさまざまな経験が、筒井という一人の人間の中に豊かに蓄積され、上記のハリス出府問題への態度に結実していく様である。具体的には、昌平坂学問所の優秀な卒業生として、文化八(一八一九)年の朝鮮通信使迎接のため対馬に赴く林大学頭の留守を預かった青年期から、日蘭貿易を拡大し、オランダ商館員らとの交流を深めた長崎奉行時代、そして、新たに「外国」として登場した欧米への対応と、幕末まで継続した朝鮮通信使来聘御用との双方にまたがる、幕府の対外政策形成に深く携わった最終的なキャリアまでを順に取り上げ、ハリス来日の時期に戻ることになる。 筒井の歩みは、「近世日朝関係史」「幕末の対欧米外交史」といった後世の研究上の区分を架橋し、徳川政権下において自然に存在したはずの、国際関係の連続性を体現するものと言うことができよう。
著者
岡村 正 野村 裕知
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1175, pp.94-97, 2003-01-20

答 昨年は1カ月早くやりました。早めにみんなで意思統一をしておこうと考えたからです。2002年は3つの重大テーマがありました。まず、世界競争の中で戦えるコスト構造の確立です。固定費では、いわゆる早期退職勧奨制度で国内人員の12%削減、グループ人員の10%削減を目指しました。 2つ目は、将来に向けどういう成長のエンジンを用意するのか。
著者
中務 孝 江幡 修一郎
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.243-247, 2012-04-05

金属を極低温まで冷やすと電気抵抗が無くなる超伝導現象は,電子対が凝縮することで引き起こされる量子現象として有名である.重い原子核中の陽子・中性子も,対凝縮によって超流動性を示すことが知られている.超流動核に光子を吸収させたり他の原子核を衝突させると,原子核の形状や対ギャップに様々な変化が誘起されると考えられるが,このような核反応を核子自由度から記述する数値計算は,計算量が膨大で実用性に乏しいと考えられていた.最近開発された「正準基底時間依存平均場理論」は,この計算量を大幅に削減することに成功し,重い原子核の複雑な反応メカニズムの解明に向けた重要な一歩になると期待される.
著者
朝蔭 孝宏
出版者
JAPAN SOCIETY FOR HEAD AND NECK SURGERY
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.23-26, 2014

これまでの専門医試験を振り返り,その問題点を挙げる。一つ目の問題点は,A問題がん治療総論とB問題頭頸部総論で重複してしまう領域が多く存在することである。B問題の頭頸部総論については,そのカテゴリーの存続を含めた大幅な見直しが必要と考えた。もう一つの問題点は,領域ごとの作成問題数の偏り,書式フォーマットの不統一,そして解説の不備である。これらの問題は試験問題作成依頼の時点で見本を呈示することにより解消可能と考えた。また,一昨年から面接の時間が7分から20分へと延長されたが,どのような試問がふさわしいのか,また面接者間で評価法を統一するにはどうすればよいのか,などはこれからの課題と考えた。
著者
栗山 正光
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.461-466, 2004-09-01
被引用文献数
2

OAIS参照モデルは,デジタル情報の長期保存システム構築に関する有力な指針であり,国際標準規格ともなっている。本稿では,保存のためのメタデータに焦点を絞り,0AIS参照モデルに示された情報パッケージの概念と,それに基づいて行われているメタデータの枠組み規定の実際について論じる。OAIS参照モデルは,デジタル情報の保存活動を行っている諸機関で広く認知されているものの,それぞれが規定する実際の保存メタデータの枠組みは,0AISの情報パッケージの構成とはかなり異なった形でなされているのが実状である。個々のニーズと相互運用性・再利用性とのバランスが今後の課題となる。
著者
Teruhiko Imamura Koichiro Kinugawa Masaru Hatano Takeo Fujino Toshiro Inaba Hisataka Maki Osamu Kinoshita Kan Nawata Shunei Kyo Minoru Ono Issei Komuro
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.2259-2267, 2014-08-25 (Released:2014-08-25)
参考文献数
28
被引用文献数
17 48

Background:Depressed hemodynamics stimulates arginine vasopressin (AVP) release, but the relationship between plasma AVP levels (P-AVP) and cardiac parameters, especially in patients with stage D heart failure (HF) receiving guideline-directed medical therapy, has not examined.Methods and Results:Data including P-AVP were obtained from 162 in-hospital patients with stage D HF and from 80 patients receiving ventricular assist device (VAD, n=46) or heart transplantation (HTx, n=34) at 3 months after surgery. In the HF group, considerably high P-AVP (5.9±6.1 pg/ml) negatively correlated with serum sodium concentration (S-Na, 135.3±5.8 mEq/L, r=–0.548 [P<0.01]) and cardiac index (CI, 2.2±0.5 L·min–1·m–2, r=–0.458 [P<0.01]). After VAD/HTx treatment, improvement in the CI (2.7±0.5 L·min–1·m–2[P<0.01] vs. HF) was accompanied by normalization of serum sodium concentration (S-Na; 138.2±2.0 mEq/L [P<0.01] vs. HF) and suppressed release of AVP (1.7±3.4 pg/ml [P<0.01] vs. HF). P-AVP positively correlated with only S-Na (r=0.454 [P<0.01]), whereas no correlation was observed with CI after VAD/HTx treatment. P-AVP ≥5.3 pg/ml well predicted poor 2-year survival in HF group (60% [P<0.01] vs. 90%).Conclusions:Low cardiac output stimulates AVP release via a non-osmotic process that results in hyponatremia and poor prognosis in patients with stage D HF. After sufficient recovery of cardiac output by cardiac replacement therapy, AVP release is suppressed and is mainly regulated by serum osmolality. (Circ J 2014; 78: 2259–2267)