著者
原田 真美 東海 正 内田 圭一 清水 詢道
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.894-904, 2006-09-15
被引用文献数
2 3

東京湾内湾域におけるマアナゴとのヌタウナギ分布を検討するために,あなご筒漁船の漁獲操業日誌(1994〜2002年)から漁区別CPUE(漁獲量kg/筒1本)の月別分布図を作成した。マアナゴは,春季に来遊,着底した後,呼称めそあなご(全長35cm未満のマアナゴ)として内湾域の千葉県寄りの漁場で8月頃から混獲され始め,全長35cmに達したものが11月頃から銘柄あなごとして水揚げされ,内湾域全域に分布を広げる。ヌダウナギは,主に内湾域南西部の中ノ瀬周辺の水深30m以深に分布した。これらの分布や季節変化に影響する要因についても考察した。
著者
矢島 保男
出版者
早稲田商学同攻会
雑誌
早稲田商学=The Waseda commercial review (ISSN:03873404)
巻号頁・発行日
vol.167・168号, pp.267-279, 1963-11
著者
遠藤 保子 八村 広三郎 小島 一成 崔 雄
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

無文字社会であったアフリカにおける身体芸術(特にダンス)の研究は、舞踊の原点を知る上で重要である。またジャズやブルースの誕生に深くかかわっているため、現在の芸術を知る上でも必要である。そこで本研究は、アフリカの身体芸術とアフリカの今日の社会に焦点をあてて以下を行った。I研究目的:I・1.アフリカ(特にナイジェリアとケニア)における身体芸術と文化社会の現状I・2.身体芸術をモーションキャプチャによる記録・解析I・3.2の動作特性と文化・社会との関連性とその意味・構造を明らかにする。II研究方法:II・1.アフリカに関する文献研究II・2.アフリカにおける文化人類学的フィールドワークII・3.アフリカ人ダンサー(日本へ招聘)によるダンスのデジタル記録・解析である。III研究対象:III・1.ナイジェリアの代表的な舞踊:Kabulu,Bata,Maliki,Swange,Iri-Agha(ナイジェリア国立舞踊団抽出)III・2.ケニアの代表的な舞踊:Gonda,Orutu,Borana,Sukuti,SamburuSengenya,Kikuyu(ボーマス・オブ・ケニア抽出)である。IVモーションキャプチャの記録プロセス:立命館大学アート・リサーチセンターにおける光学式モーションキャプチャを利用してIV・1.カメラ設置IV・2.キャリブレーションIV・3.被験者にマーカー付着IV・4.計測IV・5.データ編集を行った。V研究結果の主な点:V・1.トルソー(肩と腰)の動かし方に特徴が見られるV・2.ダンスの熟練と非熟練者の違いは、トルソーの動かし方にみられる等。本研究は、現地のダンサーやダンス関係者にコンピュータ解析によって新しい見方を可能するなど、有益であると思われる。
著者
吉川 俊夫 山田 英介 中原 崇文
出版者
愛知工業大学
雑誌
総合技術研究所研究報告 (ISSN:13449672)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.19-23, 2003-07-20

Epoxy resin composites containing steel grinding chips as a conducting filler was subjected to heat cycling tests in order to evaluate the thermal stability of electrical resistance. The effect of the content of grinding chips, magnetization and precure temperature in the curing process was examined and this resulted in finding the thermal stability to depend mainly on the precure temperature: the higher the precure temperature, the higher was the thermal stability. There was also shown to be a minimum value hi the electrical resistance of the composites at the temperature between 50 and 1OO℃.The ratio to the minimum resistance was found to depend mainly on the precure temperature. It has therefore been clarified that the thermal coefficient of the electrical resistance in the epoxy composites can be controlled by adjusting the precure temperature in the during process.
著者
千葉 惠
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

『魂論』二巻の「魂」の定義に用いられる「力能(dunamis)」そして「完成(entelecheia)」の概念を、その対となる「実働(energeia)」の概念とともに明確に理解するに至った。従来「可能態」と「現実態(energeia =entelecheia)」等と訳されてきたが、これでは精密な議論の展開を正確に理解できない。アリストテレスはロゴスとエルゴンという二つの視点から魂を把握した。ロゴスにおいて事物の一性を開示する「力能」と「完成」の対により「魂」の定義「力能において生命を持つ自然的物体の第一の完成」が提示される。エルゴンは今ここにおいて捉えられる。二巻は従来と異なる翻訳である。

2 0 0 0 OA 報告書集

出版者
司法省調査課
巻号頁・発行日
vol.5, 1930
著者
洲崎 誠一 松本 勉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.2381-2393, 2002-08-15
参考文献数
18
被引用文献数
17

インターネットのビジネス利用が進むなかで,電子署名技術の重要性が高まっている.電子署名技術は,あるエンティティの電子署名を生成できるのが署名生成鍵を知っている本人だけであるという仮定に基づいている.しかし,署名生成鍵の物理的な盗難や暗号解読技術の進展などといったさまざまな要因によってこのような仮定が成り立たなくなる恐れもある(我々はこれを暗号ブレイクと呼ぶ).そのような環境下では,不正者は他エンティティの電子署名を容易に偽造することが可能となるため,電子署名技術に期待される相手確認機能や改ざん検知機能が適正に働かなくなってしまう.このような課題に対し,従来よりいくつかの対策技術が提案されているが,それらは我々が想定する暗号ブレイクのすべてをカバーするものではない.そこで,我々は,暗号ブレイクに対処可能な「電子署名アリバイ実現機構」を提案する.本電子署名アリバイ実現機構を利用することにより,各エンティティは,自分が生成した覚えのない電子署名付きメッセージを提示された場合においても,当該電子署名付きメッセージを生成していないこと,すなわち「電子署名アリバイ」を調停者などに証明することができる.本稿では,電子署名アリバイ実現機構の基本的な考え方を示すとともに,その証拠性を高めるために我々が採用した「ヒステリシス署名」と「履歴交差」と呼ぶ2つのコンセプト,ならびにその具体的な実現例について述べる.Recently, there is a remarkable tendency oriented toward using electronic signature technology for business. In the electronic signature technology, it is assumed that only the person in question can use a private key of each entity. However, such assumption might not consist of various factors such as the theft of a private key and the progress of various technologies. In such a situation, the attacker can easily forge an electronic signature of another entity. Then, we propose ``Alibi establishment mechanism for electronic signatures''. We can distinguish valid signature and forged one with the signature log file, which is stored safely in a tamper resistant module. We also propose two technologies, ``Hysteresis signature'' and ``Signature history intercrossing'' to be strengthened the evidence of the signature log file.
著者
西園 晃 中島 一敏 山城 哲
出版者
大分医科大学
雑誌
特定領域研究(C)
巻号頁・発行日
2001

ヘリコバクター・ピロリ菌の外膜蛋白Omp29のN末端アミノ酸配列を決定し、Omp29遺伝子の分離株間での多様性と発現蛋白の抗原性について検討することを今回の目的とした。分離・精製された分子量29KDaの蛋白分画のN末端アミノ酸配列は26695株のHP78及びJ99株のJHP73遺伝子のN末端配列と同一であった。臨床分離株150例から抽出したDNAをPCRを用いて検討した結果、増幅産物は長さにより770bp、770bp以上の2群に分類され150例5例と76例であった。Omp29遺伝子の構造について短い770bp群は互いにほぼ同じ配列であったのに対し、長いサイズ群は保存された配列の間に5'末端から180bpの位置に、762bp〜1264bpと種々の長さで保存性の低い配列が挿入された構造となっていた。挿入された異なる配列の5'及び3'末端には17bpから成る同方向配列が各々確認された。また各遺伝子のORF構造は770bp群では単一ORFであるのに対し、長いサイズ群では数個のORFに分断されていた。組み換えOmp29蛋白に対するウサギ抗血清を用いたimmunoblotでは、単一のORFから成る770bp群では29kDaの位置に反応が見られたが、長いサイズ群ではORFが分断されているために反応は認めなかった。一方、Omp29発現蛋白を抗原として患者血清中の抗体保有の有無を確認したところ、全ての患者に29kDaの反応物を確認できた。Omp29遺伝子配列中には、2箇所の17bpから成る繰り返し配列が存在し、この間に挿入された塩基配列の長さの違いでゲノム全体の長さが変化するような新規の挿入・脱落機序が存在する事が予想された。このようなメカニズムによりH.pyloriゲノムの変異から、抗原性の変化、さらには宿主の免疫監視機構からの回避により持続感染に至ることが予想された。
著者
松田 秀雄 宮腰 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.560-569, 1992-04-15
被引用文献数
1

論理式を分離加法形式で表現すると 一般の加法形式に比べ項の数が増えるが 式に含まれる最小項の数が算出できるので トートロジィや論理式同士の包含関係の判定が容易となり また 文理値表濃度対関数の諸性質を調べるのに好都合であるほかにも 項の分離性を使ったPLAの検査容易化設計法への応用なども考えられ 重要な表現形式である本論文では分離加法形式を求める一手法(MA法と略)を提案し はじめに他の木形アルゴリズムであるCHANの方法(DT法)および笹尾の方法(SAS法)と比較している最小項で生成した二値入カニ値関数(12変数)の場合 DT法によって求めた分離加法形式の項数を基準にして SAS法で求めた結果では18%も増加し MA法では12%も項数の少ない分離加法形式が得られるMA法ではこのように精度が良い反面 SAS法 DT法に比べ数倍計算時間がかかるしかし これは関数の項数が多いからであって 数百個以下に限定するなら 多変数で MA法のほうがDT法より早くなるこの点に注目すると DT法 SAS法とMA法とを組み合わせて 計算速度をあまり落とさずに 精度を高める手法が考えられる次にこれらのDT-MA法 SAS-MA法の検討結果が与えられるさらに 四値入力二値関数のいくつかの計算例で 特に DT-MA法が多変数のとき 精度 計算時間両面からみて 優れていることを示す相当多変数の関数の真理値表濃度も計算できることが併せて示してある
著者
井山 俊郎
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.237-257, 1981-09

この論文では、一方の工程が複数個の指数作業時間を持つステーションから成る2工程生産ラインを解析する。最初に、このラインを隠れマルコフモデルとして解析し、生産率、平均仕掛品数等を解析する手順が示される。また、双対モデルに対する解析手順も示され、双対モデル間の種々の関係が議論される。この結果、一方の生産ラインの特性はその双対モデルから完全に求められることが明らかとなる。次に、ステーション数の生産率に及ぼす影響を調べるため仮想Buffer容量なる尺度が導入される。この結果、仮想BUffer容量はステーション数の影響を端的に表わすこと、さらにこの仮想Buffer容動機型の漸近線を持ちしかもこの漸近線は仮想Buffer容量を精度よく近似していることが示される。最後に、この仮想Buffer容量の漸近線を求める簡単な手順が示される。
著者
浅川 和幸
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.27-50, 2013-12-25

現在,道徳教育の教科化を進めるための議論が行われている。この議論の注目すべき点は,「新たな枠組み」で教科化を進めるというところにある。道徳教育の教科化は,生徒指導や進路指導も含めた広い領域で進められていることの一部にあたり,戦後教育の大幅な転換を目的としたものである。本稿は,現在の道徳教育の教科化を進める立場の研究者とは違った問題意識を出発点に,「新たな枠組み」を構想することを目的とした。道徳教育論の書籍の分析と,筆者自身の教職課程の講義「道徳教育論」における実践の分析から「新たな枠組み」提案を越えるための試論を行った。これらの考察から,中等教育の教科の枠組みの組み換えも視野に入れた提案が必要であると考えた。 The government in power took necessary measures to encourage moral education as an officialsubject. However, to be an official subject, the framework of moral education in terms of studentguidance and vocational counseling need to be revised?a significant transition in education afterthe war. This study proposes a new framework. I analyze moral education theory and classroompractices: moral education needs theoretical consideration of a design to completely reformsecondary education.
著者
内山 絢子
出版者
立花書房
雑誌
警察学論集 (ISSN:02876345)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.76-98, 2000-03