著者
角 幸博 井澗 裕 石本 正明
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.14, pp.331-334, 2001-12-20
被引用文献数
2

We describe the history and the present state of the Official Residence for the Commander of Karafuto-Guards, which was completed in 1908. We also deal with its suspected designer, Army Architect Yasushi Tamura (1878-1942), who is known as the designer of the Divisional Headquarters Office of the Imperial Guards. The official residence has high value in the modern architectural history not only because it is one of the oldest buildings of the Japanese colonial period in Sakhalin, but also because it was a dwelling house built for the people of highest class in Sakhalin.
著者
上 芳夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J90-B, no.11, pp.1070-1082, 2007-11-01

環境電磁工学(EMC)分野における伝送回路理論の基礎は,伝送線路と電磁波の結合を表す変形された電信方程式である.まず,二つの定式化モデルとその関係について概説している.次にこの解方程式を伝送線路からの放射問題に展開する考え方,非平行な伝送線路間の結合問題を回路網表現へ発展させる手法を提案している.更に,通常の電信方程式を拡張することによって表現される多線条線路の解析手法や高速電力線搬送通信(PLC)でのEMC問題に適用し,解析に有効なモード回路網を提案し,PLCモデムと電力線配線の取扱法を提示している.
著者
堀川 三郎
出版者
慶應義塾大学大学院社会学研究科
雑誌
慶応義塾大学大学院社会学研究科紀要 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
no.31, pp.p21-28, 1991

論文0. 問題の所在1. 本論文の課題と限定2. 環境問題の推移 : 「加害-被害」の発現パターン2.1. 環境問題の論調の変化2.2. 「加害-被害」の発現パターン2.2.1. 公害問題における「加害-被害」パターン2.2.2. 環境問題における「加害-被害」パターン2.3. 社会的ディレンマの発生2.4. 社会的ディレンマ論の展開3. 問題構造の変化と新しい社会運動の台頭3.1. 環境を争点とする住民運動3.2. 新しい社会運動の台頭3.3. 社会的ディレンマの発生と運動の転回4. 新しい社会運動台頭の背景と意味4.1. 環境問題と新しい社会運動4.2. 新しい社会運動の可能性と今後の課題
著者
河内谷清久仁 古関 聰 小野寺 民也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.44, no.15, pp.13-23, 2003-11-15
被引用文献数
1

Javaでは言語の性質上,オブジェクトに対するロック操作が頻繁に行われる.これを高速化することは,システム全体の性能向上に非常に重要である.オブジェクトがそれぞれどのスレッドにロックされているかに着目した調査を行ったところ,特定のスレッドにのみ頻繁にロックされているという「スレッド局所性」が見られることが分かった.この性質に着目し本論文では,各オブジェクトごとに特定のスレッドに「ロック予約」を与え,ロック処理を高速化する手法について述べる.予約を持っているスレッドは,従来よりも軽い処理でそのオブジェクトのロックを行える.具体的には,従来ロック処理に不可欠と考えられていたcompare_and_swapなどの不可分命令ではなく,単純なメモリアクセス命令でロックを獲得/解放できる.予約者以外のスレッドがロックを行った時点でロック予約が解除され,以後そのオブジェクトは従来の方式でロックが行われる.この予約ロック機構を,IBM Java VMとJITコンパイラに実装し,いくつかのベンチマークを走らせたところ,従来のロック手法に比べて最大で53%の性能向上が確認された.In Java execution, lock operations are performed very frequently to realize exclusive oper-ations among multiple threads. Therefore, accelerating the lock performance has been very important to execute Java-based applications faster. We investigated the lock behavior of Java programs, focusing on the relation of each object and threads acquiring the object's lock. It turned out that for many objects, the lock is acquired by only one thread specific to the object, even in multi-threaded Java programs. By utilizing the thread locality, this paper shows a novel ultra-fast locking technique for Java. The algorithm allows locks to be reserved for threads. When a thread attempts to acquire a lock, it can do without any atomic operation if the lock is reserved for the thread. Otherwise, it cancels the reservation and falls back to a conventional locking algorithm. We have implemented the lock reservation mechanism in IBM's production virtual machine and JIT compiler. The results show that it achieved performance improvements up to 53%.
著者
竹内 伸直 大久保 寛 高山 正和
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

地震発生に関連すると予想される大気電気変動信号は非常に微弱であるため,大型静電アンテナを製作してこの微弱な変動信号を観測することを計画し,大型静電アンテナ建設など具体的な観測システムの整備を行った。静電アンテナの近傍には,観測信号を記録するデータ処理システムを収納するための観測小屋を設置し,空調機の導入により無人で長期間の観測を可能としている。観測点として(1)秋田県本荘市の秋田県立大学本荘キャンパス,(2)秋田県協和町の秋田県立大学セミナーハウス,(3)秋田県仙南村の農村広場の3カ所を選定し,大型静電アンテナ他の観測設備の設置を完了した。平成12年8月から大型静電アンテナの豪雪地での耐気候テスト,観測システム全体の調整および試験的なデータ収集を継続し,本研究の2年目となる平成13年度から本格的な観測を継続して行ってきた。観測期間中の平成13年12月2日の22時2分ころ,岩手県内陸南部の地下深く発生した地震は,秋田県内全域で震度3以上の揺れとなり,本研究で準備した3箇所の観測点で,地震波に伴う各種の変動信号を観測することに成功した。主な結果は,以下の通りである。(1)3観測点で地震波伝搬時に地電位差変動,大気電気変動信号が観測できる。(2)観測点により変動信号の振幅が大きく異なる。(3)地電位差変動信号の発生と大気電気変動信号の発生には密接な関係が認められる。(4)観測点の地層状態が変動信号の発生に大きな影響を与えていると推測できる。本研究で得られた観測結果およびこれまでに得られた研究結果をもとにして,地震波伝搬時の地電位差変動の発生モデルをより明確にすることが出来た。すなわち,地下水面の位置と埋設電極の配置の違いにより,発生する地電位差変動信号の大きさが異なる。したがって,地下水面からの地下水の流動による電位の発生が地電位差変動の原因とすることが出来る。
著者
西堀 すき江 並木 和子
出版者
東海学園大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

焙焼したココア,コーヒー,ピーナッツ,ポップコーン,ローストビーフ,チキン等を加熱すると,それらの食品中の糖とアミノ酸が反応し、褐変と同時に芳ばしい香気が発生する.この中にはきわめて多種多様の揮発性物質が存在するが,これらはNH3・H2S・CH3SCH3・CH3SHのような常温でガス状のもの,ストレッカー分解により生成するアルデヒド類,N・Sを含むヘテロ環化合物に大別することができる.ピラジンはN・Sを含むヘテロ環化合物の一種で,焙焼によって生成するフレーバーの主なものはピラジン誘導体である.焙焼した食品からは70種以上のピラジンが同定されている.これはストレッカー分解の結果生成したエナミノール,またはアミノケトン誘導体の縮合により生成するもので,アルキル置換基C1〜C3が普通であるが,アセチル基,シクロペンタン環,フラン環を有するものも存在する.12年度はピラジン標品の生理活性と構造相関に関して検討した.今年度は実際の食品であるコーヒーと胡麻について検討した.胡麻は水蒸気蒸留の変法でLickens-Nickerson型の改良でSimultaneous distillation extraction(SDE)法と称される連続水蒸気蒸留法により抽出した.抽出溶媒により,血小板凝集阻害率が異なり,エーテル抽出の方が抗血栓効果が高くなった.コーヒーの焙煎における抗血栓効果は焙煎度の高いイタリアンローストがノーマルローストより高いことが分かった.また,抽出液を酸性,中性,塩基性の3種類に分類し検討すると,塩基性区分の抽出液が最も高い抗血栓効果を示すことが分かった.ピラジンは塩基性の物質であるため,コーヒーの揮発性抽出物の中でピラジンが抗血栓効果に関与することが示唆された.ガスクロマトグラフィーによるピラジンの生成量に関するピークの検出で,イタリアンローストがノーマルローストより多くのピークが認められたことは,コーヒーの抗血栓効果におよぼすピラジンの寄与が考えられた.

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1912年10月31日, 1912-10-31

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1923年04月17日, 1923-04-17

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1925年02月07日, 1925-02-07
著者
若松 正志 加茂 正典
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は、江戸時代に「神祇管領長上」として全国の神社・神職を支配した吉田神社において、その実務を担当し、また大嘗祭・新嘗祭など朝廷祭祀にも直接関与した、鈴鹿家について、現在ご当主のもとに伝来している資料(以下、鈴鹿家文書とする。文書以外に、絵図・モノもある)の整理・目録化を行い、内容を分析・検討することにより、鈴鹿家文書の史料的位置、吉田神社・鈴鹿家が果たした役割を明らかにすることを目的とした。研究代表者の若松は、数名の研究協力者と、鈴鹿家文書のうち、鈴鹿家の「江戸下り」(毎年2〜3月頃江戸に行き将軍に拝謁)関係史料約2000点と、幕末〜明治期の資料約450点について、整理と調査を行った。中性紙封筒への袋詰めは完了したが、目録化は約1000点にとどまり、残りの作業は今後の課題となった。また、鈴鹿家文書の伝来などについて各地に出張調査を行い、およその状況を把握することができた。研究分担者の加茂は、研究協力者の岡田芳幸と共に、鈴鹿家の宮廷祭祀関係資料について、月1回のペースで所蔵者宅を訪れ、一点毎の資料調書作成とデジタルカメラによる撮影、中性紙封筒への整理・保管という基礎作業を行い、全554点の資料調査を終了させ、「鈴鹿家所蔵大嘗祭・新嘗祭資料目録(第一次)」(平成17年8月。A4判126頁)をまとめた。これにより、かつて鳥越憲三郎・有坂隆道・島田竜雄編『大嘗祭史料 鈴鹿家文書』(柏書房、平成2年)において紹介された96点を大きく超える数の学界初見資料の伝襲が確認され、鈴鹿家宮廷祭祀関係資料(大嘗祭・新嘗祭・神嘗祭など)の全貌が初めて明らかになったのである。また、資料調査にもとづく論考も数編発表した。なお、上記の目録作成後、所蔵者の鈴鹿長雄氏から、加茂の本務校である皇學館大学神道博物館へ同家所蔵資料の寄託申し入れをいただき、平成17年12月、鈴鹿家文書が皇學館大学に寄託された。
著者
五十嵐 良雄
出版者
科学評論社
雑誌
精神科 (ISSN:13474790)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.436-440, 2011-04
著者
荒木 寿友
出版者
同志社女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、学校コミュニティの形成を図る一つの方法としてL.コールバーグ(Lawrence Kohlberg: 1927-87)のジャスト・コミュニティアプローチ(Just Community Approach)を用いることによって、様々な学校教育階梯におけるコミュニティ形成のためのカリキュラムをデザインすることにあった。ここでいうカリキュラム・デザインとは、教育課程編成を意味するだけではなく、隠れたカリキュラム、及びコミュニティの空間等のデザインも含まれる包括的な用語である。総括にあたる本年度は、とりわけこどもの「学び」が現実の生活の中で実感できるためのカリキュラムデザインについて研究を行った。本年度は、昨年度に引き続き、ワークショップを行った(2007年7月1日実施)。本ワークショップでは、大学近隣のこども(3歳から12歳まで)35名を大学へ招き、ダンボールを媒介として、こどもの遊びを中心とした活動を行った。具体的には、ダンボールでフロアに巨大迷路を造り、それぞれポイントとなる場所に子どもたち自身に「秘密基地」をつくってもらうという活動である。本ワークショップを通じて、人と人、人とモノの関わり合いの中から、こどもにとっての「学び」を捉えることができた。つまり、「学び」とは決して自分自身がモノと向き合うだけで成立するものではなく、そこには他者との関わりが必要であるし、またそれによって過去の自分がイメージしていたことをより具体的に表現することなのである。