著者
小野 修
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
IPSHU研究報告シリ-ズ (ISSN:13425935)
巻号頁・発行日
no.42, pp.168-188, 2009-03

松尾雅嗣教授退職記念論文集 平和学を拓く
著者
山田 陽一 諏訪 淳一郎
出版者
京都市立芸術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、ヴァヌアツ共和国とソロモン諸島を主たる調査地として、現地におけるエスノ・ポップ(民族性を表象する大衆音楽)の形成過程の解明を試みた。その結果、ヴァヌアツ共和国では、1930 年代末期から現在に至るストリングバンド音楽の活発な展開が明らかにされ、他方ソロモン諸島では、かつて主流であったストリングバンド音楽とバンブーバンド音楽が衰退し、音楽の中心が電気・電子楽器を用いたレゲエバンドに移行した状況が明らかとなった。
著者
今井 民子
出版者
弘前大学
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.57-61, 1997-03

C.Burney(1726-1814)の生涯最大の業績は,いうまでもなく『音楽通史』の執筆であろう。しかし,彼は18世紀の啓蒙知識人にふさわしく,音楽史家としてだけではなく作曲,演奏,教育など音楽の多方面で活躍した。本稿では,彼の音楽教育者としての活動を検証する。まず,18世紀イギリスの音楽教育の現状を,宗教改革,産業革命という二大社会現象との関連から概観し,当時の音楽教育への需要の高まりを明らかにする。次に,C.バーニーが生涯続けた音楽の個人教授の実際に目を向け,最後に,彼が提案した,イギリス初の公立音楽学校設立の計画についてふれる。彼の長年にわたる音楽の個人教授と,音楽の専門教育機関設立の運動は,イギリス国民の教化とその音楽文化の振興を目ざしたものであり,音楽教育者として果した彼の功績は大いに評価しなければならない。
著者
松本 靖彦
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究補助金を用いて遂行した資料(史料)調査に基づき、研究代表者はチャールズ・ディケンズの想像力の特質を、彼が作家として成功する前に習得した速記とのアナロジーを鍵として分析した。その結果得られた発見を作品論や作家論の形で論考にまとめ、そのいくつかを学会での口頭発表や学術誌掲載の論文として発表することができた。また研究過程で得られた知見を活かした翻訳作品も発表することができた。本研究によってディケンズならびにヴィクトリア朝文化研究に独自の貢献ができたものと思われる。
著者
丸山 茂徳
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.46-55, 2002-04
被引用文献数
4

火星の表層は赤茶け,猛烈な暴風と低温にしばしば見舞われる。表面には海はおろか液体の水すらない。
著者
小郷 克敏 井本 岳秋 野見山 俊一 澤田 芳男
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.73-80, 1978-06

運動性タンパク尿の発生要因を追究するため,大学陸上競技部に所属する,19歳から21歳までの4名の選手の10マイルロードレース前後における尿中諸物質の排出変動ならびに尿中タンパクの組成を酵素(LAPおよびγ_-GTP)活性の変動としてとらえ,つぎのような結論を得た。1)運動中および回復初期では尿中Creat,尿酸,尿素窒素の排出は減少し,この時期で腎のクリアランスの低下がみられる。ゴール後60分以上経過するとこれらの物質の排出は走前レベルに回復している。2)尿pH値は走直後尿から上昇し走後30〜60分尿では全員pH7を越えpH8以下のアルカリ性を呈し,老後の90〜120分尿以後でようやく走前レベルに回復している。3)上記1)に示した各物質の排出の減少している時期でタンパクは非常に多量排出され,60〜90分尿以後では漸減するが走前レベルよりはるかに高い排出量を示している。4)尿中タンパクのA/G比は安静時では低いが,回復初期では1以上の高値を示し,回復後期では低下している。5)LAPおよびγ_-GTP活性もタンパク排出の多い時期で高活性を示し,回復時間が進むにつれ漸減している。LAPは走後120〜150分尿では,走前レベルに近くなっているが,γ_-GTPはかなり高活性のまま推移し,運動性尿タンパクに組成の違いがあらわれている。6)運動性尿タンパクには腎の透過性増大による血漿成分の漏出による部分だけではなく,腎組織由来のものも存在するようである。
著者
土井 正男 石原 貴光
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.179-221, 1993-12-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
岡本 健
巻号頁・発行日
2011-08-09

第1回コンテンツツーリズム研究会分科会「研究戦隊インセイジャー」. 2011年8月9日. 北海道大学.
著者
小林 隆人 稲泉 三丸
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.20-30, 2003-01-10

オオムラサキの幼虫の越冬期の死亡率とその要因を明らかにする試みの一つとして,栃木県真岡市において1999年11月下旬から2000年3月末にかけて以下の実験を行った.幼虫が越冬している林床の枯葉に,天敵の捕食活動を防止するための1mm,5mm,40mmメッシュのネットを地表に被せた区,風などの物理的要因による枯葉の移動を防ぐために枯葉に重りをつけた区,および無処理区を設けた.いずれの区においても死亡個体数は11月下旬から12月末までは少なかったが,越年後の1-2月には増加した.調査終了時のこれら5つの試験区での幼虫の生存率は64-70%で,全ての調査日において試験区間の生存率の差は有意でなかった.ペンキで標識を付けた枯葉に,越冬幼虫1個体,2個体,3個体に相当する重りをつけ,11月下旬に林床に設置し,翌年3月に再確認したところ,枯葉はすべて設置した地点から見つかった.調査期間中の真岡市における最低気温は-9.3℃,12月の最低気温は-8℃であった.越冬期前半(12月)の越冬幼虫を室温5℃から-5,-10℃まで徐々に低下させた条件,あるいは急激に低下させた条件に置いた場合の生存率はいずれも90%以上の高い値を示し,処理間で有意な差はなかった.幼虫が越冬する枯葉に対する給水頻度を実験的に変えたところ,毎日,4日に1度,7日に1度,15日に1度の間隔で給水した区での幼虫の生存率は高い値を維持したが,30日に1度の給水区,および全く給水しなかった区では,3月初めより他の区に比べ有意に低くなった.野外において幼虫の死亡率を調べた期間において1日当たり10mmを越える降水があった日は1月上旬と3月中-下旬に限られ,20日以上の間降水がない期間が3回あった.以上の結果から,越冬期に捕食者によって死亡するオオムラサキ幼虫の個体数,枯葉の移動による幼虫の消失数は少なく,低温による死亡数も越冬期前半に関しては少ないと考えられた.本種幼虫の越冬期の死亡要因の1つとして枯葉に対する給水頻度が働いている可能性が示唆された.
著者
Watanabe Tomoyuki Miyao Masaru Honda Ryumon Yamada Yuichi
出版者
springer
雑誌
Environmental Health and Preventive Medicine (ISSN:1342078X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.264-270, 2008 (Released:2009-02-23)

Objectives The aim of this study was to compare the risk for cancers of A-bomb survivors in the ongoing life span study (LSS) with unexposed groups consisting of the entire populations of Hiroshima prefecture and neighboring Okayama prefecture. Methods The subjects consisted of the Hiroshima group reported in LSS report 12 (LSS-H group) and a control group (the entire populations of Hiroshima and Okayama-HPCG and OPCG, respectively). We estimated the expected number of deaths due to all causes and to cancers of various causes among the exposed survivors of the Hiroshima bombing in the LSS report 12 who died in the follow-up interval at ages similar to those of people in Hiroshima and Okayama prefectures who were aged 0-34 years at the time of the bombing in 1945. We compared the standardized mortality ratio (SMR) of the LSS-H group to that of the HPCG and OPCG (SMR-H and SMRO, respectively). Results Even at low and very low dose categories, the SMR-H and SMR-O were significantly high for all deaths, all cancers, solid cancers, and liver cancers in male subjects, and for uterus and liver cancers in female subjects, respectively. The results show that, if the dose estimations of the dosimetry system 1986 (DS86) are correct, there are significantly increased risks of cancer among even survivors exposed to the very low dose level. Conclusions The dose assumptions of DS86 have been criticized for underestimating doses in areas distant from the hypocenter. The contribution of residual radiation, ignored in LSS, and that of neutrons, underestimated by DS86, is suggested to be fairly high.