著者
伊藤 一秀 八木 久晴 山口 一 西川 和男 林 徹夫
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.134, pp.21-29, 2008-05-05
被引用文献数
2

本研究は、気中に放出された負イオンならびに正イオンの移流・拡散性状、固体壁面に対する沈着現象、正負イオンの再結合現象等の物理化学現象に着目し、その工学的モデリングと支配パラメータの推定を行うと共に、実空間に適用可能なイオン濃度分布の予測法を開発することに主眼がある。本報(第1報)ではCFDをベースとしたイオン濃度予測モデルの概要を示すと共に、特に、イオンの不均一密度分布に起因する体積力の程度、壁面沈着モデル、再結合モデルといった各モデルの適用が負イオンの濃度分布予測結果に与える影響に関して、2次元居室モデルを対象として検討した結果を報告する。
著者
原 郭二 加藤 彰一
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
学術講演梗概集. E-1, 建築計画I, 各種建物・地域施設, 設計方法, 構法計画, 人間工学, 計画基礎 (ISSN:13414518)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.457-458, 2009-07-20

University Libraries face great environmental changes, and new learning facilities, namely "learning commons," are considered to be one of facility counter measures. This study deals with features of common space by focusing on PBL, problem based learning.
著者
粒来 香 米澤 彰純 濱名 篤 矢野 眞和 吉田 香奈
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

現在、高等教育においては大学評価が重要な意味を持ちつつあるが、本研究では家計による市場型評価に焦点をあてた。大学の教育サービスの需要者である家計は、教育内容と価値について情報を求める。わが国の大学教育費の多くは、とりわけ私立大学では親(保護者)によって負担されていることから、保護者を家計の代表者と考えることができよう。以上をふまえ、本研究では保護者を対象とした面接調査および質問紙調査を中心とし、1)大学教育に対する満足のありかたとその規定要因、2)家計による費用負担の実態、3)大学に対する期待と教育費負担に対する考え方、の3点を明らかにすることを、主要な課題として設定した。1.大学教育に対する保護者の満足度は、「満足」+「やや満足」の合計で77.3%と、全体的にみて非常に高い。2.入学時に考慮していた教育内容やサービスに対する満足度が高いだけでなく、入学時にはほとんど考慮されていなかった「同窓会組織の充実」や「卒業生の社会的活躍」などに対する満足度が大きく高まっている。入学から卒業にいたる期間に、保護者は大学の評価すべき側面を新たに発見しており、そのことが高い評価に結びついていると考えられる。3.親子間のコミュニケーションが高いほど、また大学から提供されるさまざまな情報を利用しているほど、保護者の大学評価は高くなる傾向がある。4.年収700万円未満の家庭では、教育費が家計の20%以上を占める比率が85%にのぼる。教育費の調達に特別な方策を要しなかった家庭は6%で、ほとんどの家庭で「教育目的以外の預貯金や蓄え」を取り崩している。5.重い負担にもかかわらず、多くの保護者は教育費を「子どもへのプレゼント」として認識している。
著者
岩本 あき子
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科 国際協力学専攻
巻号頁・発行日
2009-03-23

報告番号 : ;学位授与年月日 : 2009-3-23 ;学位の種別 : 修士 ;学位の種別 : 修士(国際協力学);学位記番号 : 修創域第3109号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科国際協力学専攻
著者
入江 伸
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.450-456, 2009-09-01

本格的な電子図書館設立へ向けてメタデータ,全文テキスト,全文画像を持った電子図書館モデルを開発し,10万冊の電子図書館を想定した検索実験を行った。検索エンジンは,eコマースで使われているエンジンを中心として選定し,これまでの図書館システムとは異なった新しい可能性を評価することを目的とした。これまでの図書館システムの検索は,目録データだけを対象としているため,全文検索には対応することができない。図書館のこれからのサービスへ向けて,Webテクノロジーと融合していくため,新しいサービスのためのテクノロジーを評価し,図書館システムへ活用していくことが必要である。ここでは,この実験の目的,モデル,経過,評価について報告したい。
著者
箕田 雅彦
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

平成17年度は、高分子材料を常圧常温下で擬似体液(SBF)中へ浸漬するというバイオミネラリゼーションに倣った手法により、キチン/アパタイト粒状ハイブリッドを創製した。市販の多孔性キチン粒状ゲルをSi(OEt)_4を用いるゾル-ゲル反応によりカルシウムシリケート化してSBFへ浸漬することでハイブリッドを得た。さらに、CH_3Si(OEt)_3含有ゾルを用いて同様に処理することで、ハイブリッド表面無機層を改質した。また、バイオミネラリゼーションに倣ったPP、PET材料とアパタイトとのハイブリッド化についても検討した。高分子基板をTi(OiPr)_4を用いるゾル-ゲル法でチタニアコートし、沸騰水中で3時間保持してチタニア層の結晶構造変換を行ったのちSBFへ浸漬することで、アパタイトとのハイブリッドを得た。既報の希塩酸加熱処理法に比してより穏和な熱水処理法が、チタニア層の結晶構造変換に有効であることを明らかにした。平成18年度は、有機/無機界面強度の増大によるハイブリッドの力学的特性の向上をねらいとして、高分子の表面修飾反応を検討した。PET基板をアルカリ前処理して3-イソシアナートプロピルトリエトシキシラン(IPTS)と反応させることで表面にIPTS残基を導入した。続いて、Ti(OiPr)_4を用いるゾル-ゲル法によるチタニアコーティングと熱水処理を行った後SBFに浸漬することで、試料表面にアパタイトを形成させることができた。さらに、粘着テープによる剥離面をXPS解析した結果、IPTS処理無しの試料に比して、基板表面をIPTS処理したハイブリッド試料では剥離強度の増大が認められた。また、ハイブリッド形成時のチタニア層とのネットワーク形成ならびに投錨効果による有機/無機界面強度の増大をねらいとして、PET基板表面へ-si(OMe)_3側鎖を有するグラフトポリマー鎖を導入する手法を開発した。
著者
廣瀬 昌博 花田 英輔 竹村 匡正 吉原 博幸 今中 雄一 岡本 和也 中林 愛恵 本田 順一 江上 廣一 津田 佳彦
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

各医療機関には膨大なインシデントレポートデータが蓄積されているが、インシデントによって発生するあらたな医療費、とくにその多くを占める転倒・転落事例とともに一般事例についても追加的医療費を算出するとともに疫学的側面を明らかにすることができた。また、機械学習法を繰り返すことで、インシデントレポートの自動分類や最適に分類される精緻化が可能であることが分かった。
著者
樺島 祥介 岡田 真人 田中 和之 田中 利幸 石井 信 井上 純一
出版者
東京工業大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

本研究では,特定領域研究「情報統計力学の深化と展開」を円滑に推進するために,本領域全体の研究方針の策定,研究項目間の調整,国際研究集会・公開シンポジウム・講習会の企画実施,研究成果の広報,研究成果に対する評価・助言を行った.主な実績としては,計4回の公開シンポジウムおよび計6回の国際会議の開催,4冊のプロシーディングスの発行が挙げられる.これらの活動の成果は計280件を超える領域内から発表された原著論文等に反映されている.

2 0 0 0 OA 貨政考要

出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.上編 正貨事歴 金銀貨幣及ヒ銅貨ノ部, 1887
著者
服部 文彦
出版者
大同工業大学
雑誌
大同工業大学紀要 (ISSN:02855372)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.5-23, 2001

This brief paper is an original and preparatory step to understand the whole works of Machiavelli especially bringing into relief his word of the <arte>and its plural <arti> in a different way that never done. The chief works to be analyzed here are Il Principe, Discorsi and Dell' arte della guerra, i.e. major political prose works of Machiavelli. In this paper you will see the list of sentences which include the keyword above with several examples of Japanese translation and my consideration to the specific meaning of this word will be also showed, the <arte> and <arti> do not signify mainly a technique but a profession, profession that is moreover accompanied by a unique moral sense of Machiavelli.
著者
土井 晃一 佐川 浩彦 田中 英彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.610-611, 1989-10-16

自然言詔理解を計算機上で行うためには、単語のニュアンスの問題を含んだ言外の意味の解析、状況理解、文脈理解、話者の認識の仕方の解析などが必要となる。我々は隠喩理解という範囲内でこれらを取り扱う。隠喩理解によって単語の新しい意味や新単語の意味の解析が可能になる。隠喩理解では連想網の実現が普通の文の理解よりも重要である。本論文では、隠喩理解における連想網の実現をニューラルネットワークで行う方法を提案する。我々は文を命題に分解して、命題単位でニューラルネットワークの各ノードに入力する。これによりネットワークの簡略化、収束の早さ、検索範囲の狭小化ができる。我々の隠喩理解モデルは相互作用説に基づいている。相互作用説によると、隠喩ではたとえる語とたとえられる語とがお互いに影響しあい、意味を変化させる。例えば「人間は狼である」という文では、「人間」も「狼」もその互いの意味が変化し、「残酷である」あるいは「孤独である」といった意味を帯びるようになる。ニューラルネットワークを使うことにより、このような単語の意味の変化を扱うことができる。さらに意味の変化を学習させることもできる。心理学の混合理論によると、(1)多義個所に至ると、聞きては複数の解釈を算出する。(2)その中から、文脈を利用して最適の解釈を選ぼうとする.(3)文が終わるまでに多義性が解消しなかった時にも、一つを選びそれに固執する。(4)選んだ解釈が後続の文脈に合わない時には、前の節の表層構造を想起し直して、新しい解釈を算出しようとする。となる。我々は混合理論に基づいた隠喩理解モデルを提案する。すなわち(1)の各々の解釈を別のニューロンに割り当て、ニューロンの活性値の大小により、優先順位をつけ、またさらに前の文章によって特定のニューロンのバイアス値を上げることにより、混合理論を実現する。
著者
長嶋 淳
出版者
北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

目標とする名人を超えるコンピュータ将棋ソフトの作成のため,前年度より引き続き,コンピュータ将棋の弱点である序盤を主な対象として改良を行った.前年度にこれまでの研究成果をまとめた論文を雑誌投稿し,7月にNew Mathematics and Natural Computation Journalに掲載された.今年度はこれまでの序盤の研究に加え,序盤を抜けた辺りに見られる仕掛けの問題にも取り組んだ.1つのアプローチとして,局面情報から仕掛けのタイミングを認識し,必要な時にのみ探索コストを集中させて問題への対処とする研究を行った.また,同時に別アプローチとして,人間の対局記録である棋譜から仕掛けなどの数手一組の手順を抽出し,探索に利用する研究のサポートにあたった.本年度も多くのコンピュータ将棋の大会があり,開発を行っているコンピュータ将棋TACOSが多くの成果を残した.1.第16回世界コンピュータ将棋選手権 4位2.11th Computer Olympiad将棋部門 3位3.第2回コンピュータ将棋世界最強決定戦2007 2位1では決勝シードと予選を勝ち抜いた8チームによる総当たり戦において4勝3敗となり,初めて勝ち越しに成功し,過去最高の順位となった.2では1で優勝及び準優勝のプログラムと戦い,3プログラムが全て1勝1敗で並ぶ結果となった.3においても,優勝した激指以外は全て1勝2敗で並ぶ結果であった.これらの結果から,Tacosとトップのコンピュータプログラムと差がほとんど無くなってきた事が確認できた.また,インターネット上の対局サーバでも実力の向上が見られ,強さはアマチュア6段相当に向上したことが確認できた.