著者
草場 ヒフミ 野間口 千香穂 藤井 加那子 永瀬 つや子
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究の目的は入院と治療に伴う思春期患児の睡眠状況の調査を行い、睡眠に関する問題、睡眠の特性、睡眠に影響を与えている要因を検討することである。1.入院生活を送っている思春期患児の睡眠に関する実態一般小児の病棟に入院中で、急性症状がなく、入院3日以上の小学4年生から高校生を対象として、自己記入式による質問紙調査を行った。質問内容は、(1)睡眠-覚醒機能のアセスメントに関する睡眠の特徴と睡眠の影響、(2)睡眠を妨げる要因、(3)睡眠をとるための対処、(4)児童用状態不安尺度(STAIC-S)である。入院中のデータは連続2日間の夜間睡眠データとした。3病院(4病棟)に入院中の10歳から18歳の男女から得られた24名の分析の結果は次のようであった。1)睡眠の特徴:病院では50%の患児が21時台に就床し、30分以内に入眠していた。就床時間と入眠に要した時間は病院と家庭とに関連が見られ、病院での就床時間が早かった。夜間覚醒は47%に認められ、回数は1回から3回であった。2)熟眠感の低い児が約17%に認められ、夜間覚醒との関連が認められた。夜間の覚醒している患児の方が状態不安得点は高かった。4)夜間覚醒の理由には身体症状、環境の変化があったが、「なんとなく」が最も多かった。5)睡眠導入への入院児の対処:音楽を聴く・本を読む、部屋を暗くするなどの入眠促進行動が多かった。2.活動・睡眠リズム記録(アクティグラフィ)を用いての睡眠調査アクティグラフに睡眠日誌を併用し、入院中の11歳〜15歳の5名の連続2日間の夜間睡眠パターンを分析した(2名は持続静脈注射中)。総夜間睡眠時間は319分から519分、睡眠効率は74.8%から96.5%の範囲であった。主観的熟眠感の高い時は、そうでない時に比べ、全睡眠時間は長く、睡眠効率は高く、入眠潜時は短く、覚醒回数は少なかった。3名はアクティグラフィが認識した5分以上の覚醒回数より自己報告の回数が少なかった。
著者
斉藤克英 三田村 史子 奥山 盛弥 長澤 田美子 千種 康民
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.25, pp.1-6, 1998-03-17

ヘアスタイルの種類は多種多様であり,また流行による変化も大きい.自分にはどのようなヘアスタイルが似合うのか,また他の人のヘアスタイルが気に入っているが自分に似合うかどうか心配である.そこで本研究では,複数のヘアスタイルの中から好みのものを選び,デジタルカメラを用いて撮影した自分の顔写真に選択したヘアスタイルをフィッティングさせることにより,その場で合成結果を表示し,手軽にヘアスタイルの疑似体験が可能となるシステムを構築した,また,合成した画像に対して,髪の毛については,脱色と色染めの効果,肌の色については,日焼け,ファンデーションによる効果,を付加することができる.本システムはJavaで作成しているため,一ヶ所のWEBサーバと,インターネットへの接続環境と顔画像の撮影環境があるクライアントがあればよく,構築の簡単化と低価格化が容易である.There is a wide variety in hair styles and there, are also many changes as fashion. A person is worried about cutting hair. She/he wants to know both if the desired hair-cut will go well with herself/himself and which hair style will be suitable for her/him. Our research has developed a system that easily allows virtual experience with desired hairstyle to whom can use internet and WEB browser. It is possible to add two functions to the composed image with a desired hair style. When a person select a hair style from many options, the selected hair is fitted onto the picture of her/him face that was taken with a digital camera, and then she/he can appreciate the composed picture. Talking about hair, it is possible to add two kind of effects to the picture: color removing and color painting. Talking about skin, two kinds of effects could be simulated: sunburn and make-up. It is easy and inexpensive to build our system. Due to software is written in Java language, our system only needs a web server and clients with connection to Internet and with the environment to take pictures.
著者
吉田 暁史
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.A113-A134, 2006

ネットワーク環境における主題検索研究に関しては、あまり顕著な進展はない。その中で、FASTという主題検索システムが登場した。LC件名標目表の豊富な語彙をほぼそのまま借用し、統語論的結合については簡略化したシステムである。LC件名標目表は、意味論的側面、統語論的側面の両方で、大きな問題を抱えている。本論ではLC件名標目表において、名辞の形、意味論的関係性、統語論的結号の各側面について検討する。次にFASTがどのような目的で、どのような経緯で出現したかを論じる。さらに上記それぞれの側面で、LC件名標目表をどのように継承し、LC件名標目表とどのように異なるかを調べる。最後にネットワーク情報資源の検索にとってあるべき姿を論じる。結論としては、(1)もはや事前結合索引にこだわるべきではなく、事後結合索引の方向に向かうべきである、(2)件名典拠ファイルは、語彙管理の部分と統語論的結合部分とに分離し、FASTはそのうちの語彙管理部分をLC件名標目表と共有すべきである、と指摘する。
出版者
新潮社
雑誌
週刊新潮 (ISSN:04887484)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.52-55, 2008-03-20
著者
山下 柚実
出版者
潮出版社
雑誌
巻号頁・発行日
no.464, pp.352-361, 1997-10
著者
宮本 万里
出版者
国立民族学博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

現代ブータンは環境保護国として知られてきたが、近年の急速な民主化の動きは、君主制下での一元的で厳格な森林管理を環境保全成功の秘訣としてきたシステムを大きく変えつつある。本研究では、選挙や分権化をとおした民主化プロセスの中で、自然や生物の保護に対する村落社会の人々の価値体系がいかにゆらぎ、どのように再編されつつあるのか、その過程を現地での聞き取りと資料調査により明らかにした。特に、村落住民だけではなく森林局や畜産局、群議会、仏教僧、ボン教の呪術師を含めた複数のアクターによる日常的で多元的な交渉過程が、村落の価値体系と自然観を恒常的に書き換える様を動態的に描出し、環境研究に新たな一石を投じた。
著者
西原 利夫 郡 利矩 山形 榮次郎 高橋 秀雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集 (ISSN:00290270)
巻号頁・発行日
vol.17, no.57, pp.118-121, 1951-01

粉体の力学的性質についての研究はクーロン, ランキンの古典土圧論より発達して来, また一方金属の塑性理論を用いても若干の試があるが, 一貫する法則を発見し, 普通的な粉体力学を建設するには至っていない.これは粉体の性質が弾性体のごとく単純ではなく, また, 試験方法も困難なためである.凝集力の小なる粉体はそれ自体では成形しないから, 必ずある容器中に入れて材料試験を行わねばならない.また, 粉体は一度応力を生ぜしめると一般にその等方性, 等質性を失なう.さらに, 応力はこれを生ぜしめた荷重の荷重時間により変化する.そのほか, 種々複雑な因子がはいって来るので, 粉体の性質を究め, 一般的法則を樹立することは極めて困難と言わねばならない.われわれの研究はその第1歩であって, 容器中に一様に詰めた粉体が次第にその内部応心を増大する場合の応力とひずみの関係を求めるためにまず, 主応力と主ひずみとの関係を応力中に引張応力をふくまないで主応力と主ひずみの方向が一致する場合について求めた.実験に用いた粉体は電解銅粉およびアルミニウムの搗碎粉であり, いずれも不定形の微粉で実験前には全体として等質等方と考えてさしつかえないものである.この両者を円筒状容器中に詰め, 圧縮試験および, せん断試験を行った所本文中に示すがごとき結果を得た.これにランキンの土圧論における共約応力の関係を導入し, 主応力と主ひずみの関係式を導いたのである.
著者
齋藤 君枝 青木 萩子 藤原 直士 後藤 雅博 渡辺 洋子 岩佐 有華
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

応急仮設住宅生活経験のある高齢被災者の身体機能とストレスを定量的に中長期間評価し,応急仮設住宅入居からコミュニティにおける再建後5年までの生活現象を民族看護学的手法により検討した.再建に伴い女性の身体変化が見られ,被災後の経過と季節の影響を受けると考えられた.再建後ストレスの長期的な変化は認められなかった.被災高齢者の生活適応には,地域の文化や行動様式の維持が重要であり,応急仮設住宅生活から長期的な体力保持と健康管理,自立支援,文化ケアが求められる.
著者
市瀬 龍太郎 Kappara Venkata Narasimha Pavan Vyas O.P.
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本論文では、Linked Dataを用いた知識発見手法について報告する。
著者
千種 民江
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.31-36, 1993-03-20

本研究は我が国の学校音楽教育のルーツと変遷に関する継続研究の一過程である。我が国の学校音楽教育は明治初期に発足した音楽取調掛に端を発するが,当時そこへはペスタロッチ主義の音楽教育法がアメリカを経由して取り入れられたと言われている。スイスで始められたこの音楽教育法のオリジナルな内容については,先の研究において既にその概要を明らかにした。今回はそのアメリカ導入と変化について,ネーゲリー,プファイファーの「ペスタロッチ主義の原理による歌唱教授法」とL.メーソンの「ペスタロッチ主義の音楽教師」との比較を中心とした研究を行った。両者間には種々の類似点,相違点が見られるが,特に次の2点から後者はより改良された形のペスタロッチ主義音楽教育法と云ってよい。(1)リズムとメロディーの結合により生徒は音楽本来の美と楽しさを獲得しうる。(2)メーソンは彼独自の方法で子供の発達及び心理学的側面をより深く追求した。