著者
森 主一
出版者
The Genetics Society of Japan
雑誌
遺伝学雑誌 (ISSN:0021504X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.150-156, 1949
被引用文献数
2

1. キイロショウジョウバイとクロショウジョウバイの羽化日週期の状態はかなり違う。一般に前者は後者に比べて羽化曲線がなだらかである。特に5-8時に羽化するものは, 前者では全数の20-30%であるのに, 後者では50%以上に及ぶ。<br>2. クロショウジョウバイの純野生種 (<i>red</i>) の羽化週期状態と, 突然変異品種 <i>w</i> のそれとは大きい違はないが <i>st</i> とはかなり違う。即ち11-14時に羽化するものが, <i>red</i> で12%位であるのに, <i>st</i> は20%以上に及ぶ。<i>red×st, st×w</i> の交雜実驗を行うと, この <i>st</i> に見られる性質は, その眼色に対する表現に伴つて野生型に対し劣性的に行動する。<br>3. キイロショウジョウバイでは純野生種, <i>w, st, dp, vg</i> の間には差を発見しがたい。しかし <i>se</i> との間にはかなりの差がある。即ち2-5時に羽化するものが, <i>se</i> では野生種に比べて著しく少なく, 8-11時, 11-14時に羽化するものがかなり多い。この性質は, 外部形態発現因子としての <i>se</i> が劣性であるに拘らず, 野生種に対し多分に優性的に行動するという著しい特徴である。
著者
内野 英冶 中村 真 山川 烈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.96, no.369, pp.25-32, 1996-11-21

本報告では, 関数結合型ネットワーク(FLN: Functional Link Network)を利用した非線形非ガウスフィルタについて述べる. このフィルタは, 任意の非ガウス雑音が混入するフィルタリング問題に広く適用できる. また, 対象とするシステムの特性が数式で表現できない場合にも適用できる. 本報告で述べる非線形モデリングと非線形フィルタリングの手法には, RBFネットワーク(Radial Basis Function network)を用いている. すなわち, モデリングとフィルタの設計は, RBFネットワークの係数を学習することで実現できる. 提案した非線形フィルタの有効性と正当性は, カオスシステムの状態推定問題と音声信号のモデリングおよびフィルタリング問題に適用することにより確認された. また, 線形システムに対しても, 適当な数のRBF基底を配置することにより, カルマンフィルタよりも良好な推定精度を得ることも確認した.
著者
大塚 和弘 堀越 力 鈴木 智
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.409-410, 1997-03-12
被引用文献数
1

近年の計算機技術や気象学の発達に伴い, 2,3日先までの全国規模の気象予測の精度は向上している. 一方, 集中豪雨・豪雪, 雷雨などの局所的 (数km^2~数100km^2) で激しい降水現象は, 観測的にも物理的にも未解明な点が多く, 十分な予測が困難である. しかし, 現在, 防災や各種産業の効率, 経済性の向上のため, 1時間~3時間先までの空間・時間解像度の高い降水予測が重要な課題となっている. これまで, このような予測のために, 気象レーダ画像を用いた手法が提案されているが, 実用上その予測精度には問題があった。そこで, 本稿ではエコーパターンの局所的、大局的な動きの性質の違いに着目し, エコーの速度場の分割に基づく予測手法を提案し, 実験により予測精度の向上を確認したのでその旨を報告する.
著者
竹内 伸直 成田 憲一 後藤 幸弘
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.137-146, 1994-03-31
被引用文献数
5

1991年2月21日に日本海に発生したメソスケール擾乱について,気象要素と地表面静電界との関連性を検討した.観測データのうち,気圧と風速についてウエブレット変換法を用いて解析した.この解析では,約3時間にわたる微小変動を,約0.5分から30分のスケールパラメータを持つウエブレット変換図にして示した.さらに,気圧と風速の変換図同志の相互相関を時間位相差が前後30分までの場合について計算して,擾乱下では各気象要素の変動に強い相関が存在することを示した.相関の強いスケール成分だけを用いた逆ウエブレット変換により,時系列の波形に戻し,これらと地表面静電界との関係を示した.以上の結果より,大気の対流活動が活発になると,上昇と下降流による電荷分離が生じ,このことにより地表面静電界が誘起されると共に対流に伴う微小な気圧変動が発生することを示すことが出来た.以上の手法を用いることにより,新しい短時間雷予測法を開発することが期待される.
著者
武藤 義彦 長瀬 裕和 浜本 義彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.528, pp.173-179, 1999-01-22
被引用文献数
1

Parzen識別器の設計において, 従来の研究では事前確率が等しい仮定がなされているが, 現実のパターン認識問題ではこの仮定が満たされない場合もある.この問題に対処するため, テプリッツ近似, ブートストラップサンプルを用いることを提案し, 訓練サンプル数が少ない状況下で計算機シミュレーションを通してその有効性を検討する.
著者
平田 静子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.T64-T68, 1984-08-05
被引用文献数
4 2

誘導結合プラズマ発光分析法による標準岩石試料(地質調査所JG-1,TB-1,JA-1,JB-2)及び標準たい積物試料(NBS SRM 1645, 1646)中の13元素の同時定量法を検討した.高周波電力1.6kW,プラズマ内測光位置をコイル上16mmとし,ネブライザーはガラス同軸型噴霧器を用いた.検出限界は鉄0.004,マンガン 0.002,リン0.090,銅0.002,ニッケル0.007,クロム0.004,モリブデン0.004,チタン0.001,バナジウム0.003,アルミュウム0.005,コバルト0.001,マグネシウム0.009,亜鉛0.004 ppmであった.分析精度は標準岩石及び標準たい積物試料中の鉄,マンガン,チタン,アルミニウム,マグネシウムについては±1%以下,リン,銅,ニッケル,クロム,モリブデン,バナジウム,コバルト,亜鉛のほとんどについては±5%以下の分析精度で定量できたが,一部JG-1の銅,ニッケル,モリブデンについては存在量が微量であるために分析精度は悪くなった.正確さは共存する主要成分の分光干渉,溶液の粘性の影響を受け,JB-1,JA-1,JB-2では補正を行ってもモリブデンの定量は困難であった.
著者
東 実千代 新谷 恵 八木 成江 守屋 好文 疋田 洋子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.552, pp.29-35, 2002
被引用文献数
4 2

The purpose of this study is to accumulate long term field-measurement data of the concentration of formaldehyde(HCHO) and volatile organic compounds(VOCs) found in indoor air, and to investigate the behavior of these concentrations. In addition, we studied the lifestyle and any symptoms of the occupants. The duration of the field measurements was 1996-1999(HCHO) and 1996-1998(VOCs). The results showed that a higher concentration of HCHO was detected during the heat of the summer. decreasing as temperatures decreased. While each summer showed a fluctuation in these levels, over a four year period, there was an overall decline in the concentration. A high concentration of total volatile oreranic compounds (TVOC) was detected in newly constructed houses. All of the TVOC concentrations exceeded the interim target level and the VOCs components were influenced by the habits and lifestyles of the occupants. We did not find any association between the concentration of HCHO or the VOCs in the indoor air and the symptoms experienced by the occupants.
著者
山村 辰二 森下 真行 辻村紀代子 福永 真佐美 岩本 義史
出版者
広島大学歯学会
雑誌
広島大学歯学雑誌 (ISSN:00467472)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.415-418, 1993-12-01

本論文の要旨は平成4年5月の第35回春季歯周病学会,平成4年6月の第25回広島大学歯学会総会において発表した。また本研究は,一部文部省科学研究費(一般研究C No.03807137)によった。
著者
稲田 隆司
出版者
熊本大学
雑誌
熊本法学 (ISSN:04528204)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.1-21, 1997-09-20

本稿では、身柄拘束実務の適正化のための一方策であるイギリスのレイ・ビジター制度に着目し、これについて若干の検討を加えることを目的とする。
著者
半田 正夫
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.254-259, 1995-06-01
被引用文献数
3

マルチメディアと著作権の関連を検討するにあたっては,(1)マルチメディア・ソフトを製作する際に素材として利用する既存の著作物の権利処理の問題と,(2)製作されたマルチメディア・ソフトを利用する際における著作権法との関わりの問題との2つに分けることが必要である。前者については,膨大な素材情報を的確に把握し権利処理を容易にするため,権利の集中処理権構の設立が急務であるし,後者については,ソフトの特質である編集・加工との関連で同一性保持権との抵触をどうするかの解決が必要であると同時に,来るべきマルチメディア時代に対応するため,アナログ方式の機器を前提として作られている現行の著作権法の大幅な手直しが必要となろう。
著者
伊藤 繁 津久井 寛
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第I部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.423-435, 1992-07-31
被引用文献数
1

畑作物共済は1979年から本格実施されたが,当初の引受率は共済組合,農協,役場などの組織的対応や制度運用上の問題点によって規定されていた。また地域によっては,作付け構成や畑作部門の経営にしめる比重が異なるが,これらの要因も共済加入率に影響を及ぼしていたとみられる。さらに1980,81,83年の冷害をきっかけとして加入率は上昇したが,近年では,当初の組織的対応による過剰保険を調整するような動きも出てきている。この動きは長期的にも短期的にもリスク水準に対する反応で,次第に畑作物共済の収益と費用との関係を意識した保険需要行動がとられるようになったとみられる。また,小麦を含めた作物共済の所得補償は被害の大きい地域では広範な農家に及んでいた。ここではこれを支払共済金の分布に注目して,とくに対象期間中最大の被害年でありまた1960年代の大凶作年に匹敵する1983年について,地域レベルの支払共済金の平均値では捉えられない側面を明らかにした。