著者
小林 享夫
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.85-"94-5", 1976

屋久島はその多雨と高い山があるという気候的地理的特徴によって植物相の変化にとんでいる。それに伴って植物寄生菌相もまた, 北方系, 南方系の要素が混在し, 地理誌的に興味深い。屋久島からは今まで約60属140種の樹木類寄生菌類が知られるが, 1975年7月の調査において新たに約20属30種を追加できた。これらの全貌については別報(KOBAYASHI, 1976)の予定であるが, ここにはその中から新種と考えられる8種について病徴と形態の記載を行なった。以下その種名とともに, 主に病徴から名づけられた病名を挙げて新病害として登録する。 1. Ascochyta yakushimensis, KOBAYASHI, sp. nov. ホソバタブ白斑病菌 2. Hypoderma insularis KOBAYASHI, sp. nov. ツガ葉ふるい病菌 3. Mycosphaerella cleyerae KOBAYASHI, sp. nov. サカキ円(まる)斑病菌 4. Plagiosphaera quercicola KOBAYASHI, sp. nov. 5. Plagiostigme neolitseae KOBAYASHI, sp. nov. イヌガシ黒点円星(まるほし)病菌 6. Plectosphaera actinodaphneae KOBAYASHI, sp. nov. バリバリノキ褐斑病菌 7. Trematospharia yakushimensis KOBAYASHI, sp. nov. (不完全世代 Hendersonula yakushimensis) カンザブロウノキ黒点病菌) 8. Vestergrenia daphniphylli KOBAYASHI, sp. nov. ヒメユズリハ褐紋病菌
著者
佐藤 保 齊藤 哲 江藤 幸二 加藤 省三
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.105-112, 2005-12-25

宮崎県高岡町の林木遺伝資源保存林内に設置した1.Ohaの試験地において1998年と2001年に毎木調査を行い,その個体群構造と動態の解析を行った。1998年から2001年の3年間における枯死率は,1.54%year^<-1>であり,同時期の新規加入率である1.32% year^<-1>を上回っていた。DBHサイズおよび階層別に枯死率を比較すると,亜高木層に属する小径木(DBH15cm未満)で最も高い値を示した。優占度指数の最も高いイスノキは,安定した個体群構造を示し,今後も本試験地の優占種として維持されるものと考えられた。イスノキに次ぐ優占種であるウラジロガシは,小径木個体(DBH15cm未満)が林冠ギャップを中心に生育しており,その個体群構造は過去の撹乱履歴を反映しているものと推察された。試験地から約18kmほど離れた成熟林分との比較から,欠落(マテバシイ)もしくは優占度の低下(ホソバタブやバリバリノキ)を示す種があり,種組成の面でも過去の撹乱の影響を受けていることが考えられた。生育する各樹種の最大DBHサイズや種構成などから,調査林分は過去に人為撹乱を受けた老齢二次林であると推察された。
著者
真壁 義明 柴山 秀雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.99, no.260, pp.41-48, 1999-08-27

本研究では, 非線形パラメータを含むヘルムホルツ共鳴器を考える. ヘルムホルツ共鳴器は, 音響抵抗, イナータンス, コンブライアンスを素子とする等価回路を構成することが一般である. ヘルムホルツ共鳴器が粘性材料等で構成されている場合には, 等価回路は, 時変, かつ非線形の素子を含むことが考えられる. そこで, 本研究は, 非線形パラメータを含むヘルムホルツ共鳴器から, 非線形微分方程式を導き, それをVolterra級数により級数展開することで, 共鳴器が有する非線形成分が出力に及ぼす影響を, 入力の多重積とVolterra核と呼ばれるパラメータの線形結合により記述した. その結果, 微分方程式の解は, それを級数展開して得られた出力と一致した。
著者
堀 良彰 周秉慧 櫻井 幸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.45, pp.25-30, 2008-05-15

本稿では、2008 年 1 月 21 日から 23 日まで、オーストラリアアデレード市で開催された第 1 回情報通信とマルチメディアにおけるフォレンジック応用と技術に関する国際コンファレンス (e-Forensics 2008 First lnternational Conference on Forensic Applications and Techniques in Telecommunications Informationand Multimedia) における研究発表を概説し、ディジタルフォレンジックに関する研究開発動向を概観する。This article reports the First lnternational Conference on Forensic Applications and Techniques in Telecommunications, Informationand Multimedia (e-Forensics 2008), Aderaide, Australia on January 21st to 23rd, 2008. We also look over research trends on digital forensics through research topics of e-Forensics 2008.
著者
今野 光則 嘉部 広司 林 久貴 周東 森昭 横山 和利 村松 禎久 昆布谷 三恵子 秋山 典子
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.1769-1773, 1995-12-01

近年, Gammma Knifeをはじめ、LinacでもNarrow Beamを用いてStereotactic Radiosurgeryが行われている.国立がんセンター中央病院において小さな孤立性の転移性脳腫瘍を対象としてLinac6MV X線により定位多軌道照射Stereotactic Multiple Arc Radiotherapy:(SMART)を1991年7月より施行している.SMARTはその主対象の性格上, 分割照射が必要であり, 患者固定とその再現性が最も重要視される.このSMARTに対応できる固定法として, 枕およびマウスピースと1体となったシェル固定具(SMART-SET)を作成し, マジックテープで寝台に固定した.この方法は位置固定精度が高い実用的な固定法である.シェル材料としてメッシュ状のものは不適で「サーモシェル」を使用している.SMARTの治療システムの紹介と共に, シェル固定具の作成手順を解説し, 位置の再現性および治療装置・関連装置の精度等について考察を加える.
著者
橋本 遼 新熊 亮一 小西 琢 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.122, pp.77-82, 2009-07-02
被引用文献数
2

情報通信技術の発達により,情報発信のコストは小さくなった一方で,受信者には多くの不要な情報も届くようになり,発信者側が情報をそれを必要とする人に到達させ,かつ,活用されるようにすることは非常に難しくなった.従来,情報受信者側の嗜好情報を取得し,それにあわせて情報を発信する方法が提案されてきたが,この方法は情報フィルタリングのために多大なコストを要する.そこで本稿では,知人や友人をHop-by-Hopに経由する口コミでの情報伝播に着目する.このように伝播された情報の魅力や信憑性は,一方的に届けられた情報と比べ高いと考えられる.また,情報は伝播させる人の嗜好に基づいてフィルタリングされるため,その情報を必要とする人のみに伝播させられる可能性がある.しかし,Hop-by-Hopの情報伝播には,情報を積極的に伝えない・受け取らない参加者が存在する,ある情報を必要とする参加者が必ずしも単一の(切れ目の無い)ネットワークを構成しているとは限らないといった問題がある.そこで,インセンティブ報酬付与による情報伝播の促進を提案する.モバイル端末を用いたFace-to-Face(F2F)での実証実験を行い,報酬付与による情報伝播制御の可能性を検証する.
著者
小林 敬 延原 肇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム
巻号頁・発行日
vol.108, no.461, pp.67-68, 2009-02-26

ソーシャルブックマークに見られるユーザ間の情報伝播を3次元空間において視覚化するために、個々のページに対する情報群を適切に加工する手法を提案する。この手法では、3次元空間の各軸に、ユーザID・被ブックマーク件数・タイムスタンプを対応させる。各情報の取得にはlivedoor Readerとはてなブックマークから提供されているAPI・RSSを用いる。3次元視覚化実験では、異なるカテゴリから被ブックマーク数が同程度のページを選択し、それらの視覚化を通して、数字だけでは観測しにくい注目情報の伝搬の把握に有用であることを示す。
著者
鈴木 晋 茨木 俊秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.48-58, 2001-01-15

演繹データベースの新しい問題クラスである直積問題クラスを定義する.直積問題クラスは右線形問題や同世代問題を包む,datalog問題クラスの部分クラスである.このクラスを効率的に解くために直積法を提案する.従来の方法が中間データとして基礎アトムを生成するのに対し,直積法は基礎アトムの集合を直積を利用して簡潔に表す式を生成する.これにより,直積法は生成する中間データの数を減らして,問題を効率的に解こうとする.直積問題クラス全体に適用できる従来の方法の中ではマジック集合法が最も効率的であると思われる.そこで,直積法とマジック集合法の効率を比較するために,直積問題の例として同世代問題の再帰ルールを複数にした問題および非線形にした問題を使って,計算機実験を行った.実験の結果,ファクトをランダムに生成した場合,どちらの問題に対しても問題がファクトを密に含むとき,直積法がマジック集合法より効率的であることが分かった.We define a new problem class of deductive databases, called the Cartesian product problem class (abbreviated to the CP class).The CP class is a subclass of the datalog problem class, and includes the right-linear problem, the same generation problem and others.To solve the CP class efficiently, we propose the Cartesian product method (abbreviated to the CP method).Although all the existing methods generate ground atoms as intermediate data, the CP method generates Cartesian products, each of which compactly expresses a set of ground atoms.Thus the CP method tries to reduce the number of generated intermediate data and, consequently, to solve problems efficiently.Among the existing methods applicable to the whole CP class, the magic set method seems most efficient.For performance comparisons of these two methods, we conducted experiments with two types of modified same generation problems, where one had two recursive rules and the other a non-linear recursive rule.The experimental results show that the CP method is more efficient than the magic set method when problems densely contain the facts generated at random.
著者
Morita Kosuke Morimoto Kouji Kaji Daiya AKIYAMA Takahiro GOTO Sin-ichi HABA Hiromitsu IDEGUCHI Eiji KANUNGO Rituparna KATORI Kenji KOURA Hiroyuki KUDO Hisaaki OHNISHI Tetsuya OZAWA Akira SUDA Toshimi SUEKI Keisuke XU HuShan YAMAGUCHI Takayuki YONEDA Akira YOSHIDA Atsushi ZHAO YuLiang
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
Journal of the Physical Society of Japan (ISSN:00319015)
巻号頁・発行日
vol.73, no.10, pp.2593-2596, 2004-10-15
被引用文献数
6 461

The convincing candidate event of the isotope of the 113th element, ^<278>113, and its daughter nuclei, ^<274>111 and ^<270>Mt, were observed, for the first time, in the ^<209>Bi + ^<70>Zn reaction at a beam energy of 349.0MeV with a total dose of 1.7 × 10^<19>. Alpha decay energies and decay times of the candidates, ^<278>113, ^<274>111, and ^<270>Mt, were (11.68 ± 0.04MeV, 0.344ms), (11.15 ± 0.07MeV, 9.26ms), and (10.03 ± 0.07 MeV, 7.16ms), respectively. The production cross section of the isotope was deduced to be55^<+150>_<45> fb(10^<-39>cm^2).
著者
佐藤 彰洋 畑 雅恭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論
巻号頁・発行日
vol.94, no.295, pp.7-14, 1994-10-20

素数の平方剰余はLegendre系列と呼ばれ,良好な疑似乱数系列であることが知られている.また,数列Qと呼ばれる系列を利用した幾何学的な構成法も知られている.今回,この幾何学的な構成法に着目しLergendre系列の構造的な特徴を考慮し,与えられたLegendre系列の部分系列から系列発生に関する候補点を探索し,候補点から使用した素数pと部分系列の取り出し位置を求める手法を新しく考察した.この手法は筆者らが先に提案した方法よりさらに高速化できることが示された.この方法によれば計算時間がほぼpの1.1乗に比較し,一般の大さき素数の場合にも適用できる.また本手法が適用できるための素数,系列長,位置の関数について明らかにした.
著者
藤澤隆史 NormanD Cook 長田典子 片寄晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.39, pp.9-14, 2006-05-03

和音/和声(chord/harmony)は,メロディ(melody),リズム(rhythm)とともに音楽を形作る重要な要素である.音楽の物理的な音響的特徴とその心理的な印象や感性との関連性について定量的に評価するために,本研究では和音性についての評価モデルを構築した.和音性は,(1)協和度(心地よい-わるい,澄んだ-濁った),(2)緊張度(緊張した-落ちついた),さらに長調か短調かといった性質を決定する(3)モダリティ(明るい-暗い,うれしい-悲しい)から構成される.本研究において提案されたモデルと,これまで経験的に知られている様々な和音タイプおよび得られた実験データとの整合性を確認し,妥当性の検討を行なった.A psychophysical model designed to explain the phenomena of resolved/unresolved harmonies and the major/minor modalities in traditional Western diatonic music is presented. The model uses solely the acoustical features of the pitch combinations for calculation of the total"dissonance","tension"and"modality"of chords. Dissonance is defined as a 2-tone effect, similar to the model of Plomp&Levelt. Tension is defined as a3-tone effect due to the relative size of intervals,following the"intervllic equivalence" by Leonard Meyer. The total sonolity of any number of tonal combinations can be computed on the basis of these two concepts.
著者
及川 敬敏 葛西 祐介 石山 敦士 中居 賢司 福島 明宗 伊藤 学 葛西 直子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SCE, 超伝導エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.139, pp.23-26, 2006-06-29

母親が緊張したり,リラックスしたりしている状態が胎児にどのような影響を及ぼすかについて興味がもたれている.そこで本研究では胎児心磁図(fMCG: fetal MagnetoCardioGram)の計測により,母親の心拍変動と胎児の心拍変動の関係を調べた.暗算およびクラシック環境下における母親の心電図と胎児のfMCGを同時計測し,母親と胎児の心拍変動とそのスペクトルを求め,心拍数,CV値(Coefficient of Variation),LF(Low Frequency),HF(High Frequency),LF/HFを算出した.それぞれの値から母親と胎児の心拍変動の関係について検討した.その結果,母親が緊張している場合には,胎児も緊張していることが多いことが分かった.