著者
秦野 智也 笠原 康信 吉原 慎一 片岡 陽一 前田 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.380, pp.7-11, 2004-10-21
被引用文献数
2

ノード間に複数の物理的なリンクが張られた状況において,それらを仮想的な1本のリンクとして扱う技術としてリンクアグリゲーションがIEEE 802.3adで標準化されている. IEEE 802.3adではフレームの順序が変動しないようにするために,各コネクションは1つのリンクを選択して伝送することを規定している.しかし,各コネクションが使用するリンクを複数のリンクから選択する方法が詳細には規定されていない.本稿では,複数のリンクの帯域利用効率を向上させるために,コネクションが使用するリンクをトラフィック状態に応じて動的に振り分ける方式を提案する.コネクションのリンク変更による対象コネクションのスループットの減少を防ぐため,提案方式は,リンク変更回数を少なくすること,コネクション間のリンク変更回数を均等にすることを特徴とする.また提案方式の帯域利用効率およびリンク変更回数について,シミュレーションにより評価する.
著者
福田 健介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.85, pp.17-22, 2004-08-04

本研究では,ウェブ構造の空間的・時間的モデル構築のために,ドメインレベルでの,ウェブ構造の統計的解析を行った.その結果,従来より指摘されているスケールフリーネットワークの他に,機械的リンク生成によって生成された,少なくとも2つの統計性の大きく異なるタイプのネットワークが存在することがわかった.また,時間的発展モデルに関しては,スケールフリー性を満たすac.jpドメインでは,ログスケールでネットワークの直径が大きくなるが,局所的な性質であるクラスタ率は大きく変化しないことが明らかになった.We analyze statistical properties of the structure of World Wide Web (WWW) in order to construct a spatial and temporal model for domain-level WWW. We find that there are at least two types of network structure largely different from the scale-free network due to an effect of the semi-automatically generated web pages. Also, we demonstrate that the WWW structure in ac.jp domain, which is well modeled by the preferential attachment, still satisfies the small world property robust against the growth of the domain.
著者
生井 恒雄 山中 達
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.466-470, 1982-09-25

This investigation was carried out to determine the appearance of variants in virulence by pairing-inoculation of 2 different pathogenic isolates (races 047 and 303) of rice blast fungus, Pyricularia oryzae Cavara, on both agar media and rice leaves. The mycelium-joining method on media, and the methods of the punch-inoculation of mixed spore suspension and the pairing-inoculation on leaves using the above 2 parent isolates, induced to arise some variants having virulence different from that of the parent isolates. These variants were divided into 2 groups ; one contained the isolates (races 337, 317, 313, 137 and 037) that newly acquired the strong pathogenicity for 2 rice varieties, Kanto 51 and Tsuyuake, to which the parent isolates were non-pathogenic, and the other contained the isolates (race 347) that had both pathogenicity of the parent isolates. On the other hand, no variants in virulence appeared from the parent isolates. The race 337 isolate arised in both experiments on agar media and rice leaves. In addition, the variants were divided into 3 groups by the colony type and the color of culture on potato decoction agar medium. Thus, it was suggested that the variants in this experiment might be resulted from the anastomosis of the parent isolates.
著者
長尾 光悦 川村 秀憲 山本 雅人 大内 東
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.29, pp.7-12, 2004-03-15
被引用文献数
3

本稿では,観光動態情報の獲得を意図したGPSログデータマイニング法を提案する.本研究においては,近年の個人型観光へのシフトに伴い利用が急増しているレンタカーによる観光活動において,GPSにより収集されたログデータから観光動態情報として活用可能な個人行動情報の抽出を行う.現在,GPSはSAの除去が実施され,高精度での位置測位が可能である.しかしながら,GPSの単独測位においては電離層の影響,大気の揺らぎ,マルチパスの影響により誤差が生じる.更には,GPS受信機の状態による記録エラー,遮蔽物による測位不能などを避けられないのが現状である.提案手法は,これらの状況に対してロバストであり,GPSログデータから適切に個人行動情報を抽出することが可能である.また,北海道観光を行った旅行者から収集したGPSログを用い提案手法の有効性の検証を行う.In this paper, we propose a GPS log data mining method for acquisition of tourism information. Recently, the number of tourists which utilize rent-a-car has extremely increased according to shift of tourism type from group tour to personal tour. Therefore, in this research, we perform the extraction of personal behavior information which is effective for tourism information from GPS log data in rent-a-car tour. Currently, the position detection with high accuracy can be performed by using GPS because SA which leads to decrease of accuracy has been removed. However, when GPS is independently used, detection error and impossibility frequently occur under influence of electrolytic dissociation, atmosphere condition, GPS receiver condition and so on. The proposed method is robust against such situations and can extract the accurate personal behavior information from the GPS log data with error. We confirm the effectiveness of proposed method through the experiments using GPS log data collected from tourists in Hokkaido.
著者
小嶋 卓 松林 美弥子 清 千和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.62-63, 1989-03-15

計算機内部の浮動小数点数の表現はパソコンやワークステーションを中心にIEEE規格が定着し、この規格のFPUが普及期に入っている。次々に発表されるマシンはIEEE規格を採用しており、ここしばらくはIEEE規格の時代が続きそうである。IEEE規格の浮動小数点数は、指数部が若干長くなったものの、長さが一定であることには変わりなく、いくつかの問題ではオーバーフローやアンダーフローが起こりうる。このことを解消するため松井、伊理の方式や浜田の方式が提案されている。これらの指数部と仮数部の境界可変型の浮動小数点数はソフトウェアで実現すると実用的な速度にならず、ハードウェアの実現が必要不可欠である。これらの方式が普及するかどうかは、次世代の規格に取り上げられるかどうかにかかっていると言えよう。そこで、現行のハードウェアを前提として、ソフトウェアでオーバフローやアンダーフローのない実用的な計算環境を実現するにはどうしたら良いかについて考察し、以下に述べるような効率の良い実現をみた。この報告では前回より次の点が新しい。(1)プログラムの改良による高速化がなされたこと。(2)入出力や定数設定や比較など非数への完全対応が取られていること。(3)IEEE規格でないマシン上でも動作するように非数の演算表を持たせたこと。(4)新しい浮動小数点数を含む式が書けるようにデータ抽象化機能のあるC++への対応部分を作成し、速度の点を考慮して初等関数等の中はC版で、一般のプログラムはC++版で書くことにした。
著者
川瀬 一馬
出版者
日本書誌学会
雑誌
書誌学 (ISSN:02885905)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-11, 1969-11
著者
川瀬 一馬
出版者
日本書誌学会
雑誌
書誌学 (ISSN:02885905)
巻号頁・発行日
no.29, pp.p33-38, 1982-04
著者
琴坂 信哉 柴田 智広 川人 光男
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.204-208, 2000

近年の脳神経系研究の進歩により,様々な脳神経系の持つ機能や役割が明らかになりつつある.しかしながら,単に一つの神経や器官の働きの解明を積み重ねるだけでは,その機能の全貌が把握できるわけではないことも理解されてきている.脳神経系の持つ学習や言語能力といった高次脳機能の仕組みを理解するためには,計算論的な立場からの研究を欠くことができない.著者らのプロジェクトでは,この考え方に基づき,モデルに基づく神経生理学的側面からの研究,非侵襲脳活動計測に基づく学習メカニズムの研究などと共に,ヒューマノイドロボットの開発,および運動学習や運動生成に関する研究への応用を行っている.本プロジェクトで開発したヒューマノイドロボットの紹介と,最新の研究トピックスに関して紹介する.
著者
松田 毅一
出版者
京都外国語大学
雑誌
研究論叢 (ISSN:03899152)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.211-230, 1991-09-30
著者
篠原 武夫
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.567-574, 1975-12-01

(1)近年わが国の国産材供給危機の情勢により, 東南アジア森林開発に対する関心の高まりは, まことに著しくなってきている。東南アジア森林開発の問題はわが国の林業問題と密接不可分の関係にある。今日の東南アジアの森林は植民地時代の影響を強く受けているので歴史的認識に基づいた東南アジア森林開発の理論的研究は急務である。本論の中心的課題も, 戦前のイギリス帝国主義によって東南アジアの森林がいかに開発されたか, つまり帝国主義の資本の論理が東南アジア植民地の森林にいかに展開して行ったか, という過程を明らかにすることにある。(2)分析方法は植民地森林開発の理論に基づき, 「イギリス帝国主義経済と東南アジア植民地森林開発」の視点に立って接近して行くことにした。一般に帝国主義が植民地開発(資本輸出)を試みる究極の目的は, 超過利潤取得以外の何物でもないが, その目的を達成するために, 独占資本にとって最も要求される課題は植民地原料資源の独占的支配である。この課題を実現するために領土的支配を確立した植民地においては独占資本は国家権力と一体となって原料資源の独占的開発を進めていく。これに対して領土的支配の確立までに至っていない半植民地においては資本侵略によって原料資源の独占的開発を行なうのである。このことは植民地で森林開発が行なわれる場合にも同じように現われる。すなわち(1)領土的支配の確立した植民地の森林開発はなんらかの国家的規模における強権を背景として独占資本の手で開発され, そのために開発対象林は基本的には国有林であり, 資本活動が国家的林野所有を舞台として展開する。すなわち独占資本は森林の所有主体である国家権力と結合して森林資源の独占的開発を可能にするのである。(2)しかし, 同じ植民地で森林の国家的所有が成立しても森林開発が農業開発に重点が置かれて行なわれることがある。そこでの開発資本には農業開発資本のみが存する。この場合の森林資源の意義は農業開発資本の独占的利潤追求と不可分離の関係にある。(3)領土的支配の確立していない半植民地の森林開発では森林の所有主体が民族国家に属しているため, そこでの一資本による森林資源の独占的開発はもっぱら巨大資本力によって生産過程における民族資本および他の帝国主義国資本を圧倒して実現される。以上に述べた植民地森林開発理論の(1)に該当する植民地はビルマ, (2)はマレー, (3)はタイである。