著者
斉藤 祐成 野村 竜也
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-146, no.14, pp.1-5, 2012-01-12

mixi や Facebook, Twitter などの SNS 使用者の性格特性にどのような共通点や関係性が存在するかについて明らかにするために,大学生を対象とした質問紙調査を行った.第 1 回調査においては,SNS の使用と外向性との間に関連性が見出された.本稿では,さらに第 2 回調査の結果として,社会への信頼感や友人関係との関連性について報告する.
著者
矢治 夕起 Yuki YAJI
雑誌
淑徳短期大学研究紀要 = Bulletin of Junior College of Shukutoku (ISSN:02886758)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.85-96, 2014-02-25

米国による本土空襲が必至となる中、1944(昭和19年)4月、東京都は都下の公私立幼稚園に対して休園・閉鎖、もしくは戦時託児所への転換を求める通牒を出す。多くの幼稚園が休園・閉鎖に向かう中、戦時託児所に転換して保育を続ける園も僅かながら存在した。その一つ、1941(昭和16)年に開園した江戸川双葉幼稚園は、1944年7月1日付で戦時託児所へと変わる。戦時託児所は、ほぼ年中無休で長時間保育をするよう規定されていたが、江戸川双葉戦時託児所では戦時託児所への転換後も、幼稚園時代とほぼ変わらない保育が続けられていた。東京都は幼稚園から戦時託児所に転換したすべての園に対して、戦時託児所としての基準の遵守を強く求めていたのではなかった実態が明らかになった。
著者
稲本 守
出版者
東京海洋大学
雑誌
東京海洋大学研究報告 (ISSN:21890951)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.17-29, 2011-02-28

近年におけるソマリア沖海賊被害の急増に対し、国連安保理は2008 年に採択した数度の決議によって加盟国に艦船の派遣を求めるとともに、ソマリア領海内、更には領土内における海賊対処行動を行うことを認めた。我が国は2009 年3 月に海上警備行動に基づいて自衛艦を派遣し、同年6 月には海賊対処法を制定してソマリア沖を通過する船舶の護衛活動を行っている。本論の第一の目的は、ソマリア沖海賊問題対処に際しての国際的・国内的な枠組みとその限界について客観的な指摘を行うことにより、海賊対処をめぐる議論の論点を明確にすることにある。その上で本論は、ソマリア沖海賊対処をめぐる法的問題点について考察を加え、世界の海を公海と領海を二分し、船舶取締りに際して旗国主義を貫いている近代海洋法秩序の限界を指摘した。こうした議論をふまえて本論は、安保理決議を通じた緊急措置の積み重ねによらず、公海上における集団的な警察活動等を可能にする国際的枠組み作りに国際社会が取り組むべきことを論じている。
著者
高橋 秀樹
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.35-44, 1997-03-28

本稿は修訂の上『国立歴史民俗博物館資料目録[1]田中穣氏旧蔵典籍古文書目録[古文書・記録類編]』(国立歴史民俗博物館、2000年)に解題として再録されている
著者
落合 桂一 山本 直樹 濱谷 尚志 深澤 佑介
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとパーベイシブシステム(MBL) (ISSN:21888817)
巻号頁・発行日
vol.2019-MBL-91, no.5, pp.1-6, 2019-05-16

スマートフォンの利用状況から利用者の状態推定を行う研究が盛んに行われている.従来研究ではカテゴリごとのアプリ利用回数や利用時間などの基本統計量が特徴量として利用されていた.しかしながら,アプリの使用履歴からは基本統計量に限らず,アプリの利用順序やアプリ間の関係性など多様な特徴表現が生成可能であると考えられる.そこで本研究では,深層学習によるアプリ利用ログからの特徴抽出を行い,分類問題により特徴抽出の有効性を評価する.深層学習モデルとして LSTM や Graph Convolutional Networks など複数のモデルを検証する.
著者
ジグラー ポール Paul Ziegler
雑誌
国際経営・文化研究 = Cross-cultural business and cultural studies (ISSN:13431412)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.71-84, 2005-11-01

The internationally renowned German architect, Bruno Taut, is known in Europe a an architect of immense genius who, due to Nazi persecution of left-wing thinkers, was forced to seek exile in Japan. What is not known in Europe is that Taut wrote a significant amount of work on Japanese Culture. The focus of this paper focuses on the contradictions between Taut's reputation as a left-wing architect in Europe and his active support in Japan for a most oppressive form of culture.
著者
内田 昭宏 中本 幸一 佐藤 直樹 大鷹 正之 泉 正
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第39回, no.ソフトウェア, pp.1239-1240, 1989-10-16

CTRONは交換処理・情報処理・通信処理・ワークステーション等広い分野で共通に使用できるOSである。ソフトウェア流通性を促進するため, CTRONは基本OSと拡張OSの二階層による構成となっている。CTRONカーネルの機能は表1に示すようなサブセット単位に分割される。筆者らは,NECのオリジナル32ビットマイクロプロセッサV70/V80上に, C+Mサブセット機能を持つCTRONカーネルを実現した。本稿ではV70/V80CTRONの概要を紹介し、アーキテクチャ独立性を高め, UNIX上でも動作可能とした実現方式について述べる。
著者
角 康之 名生 圭佑 松村 耕平
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.1-9, 2014-08-20

本稿では,2次元の絵画作品をコンピュータグラフィクスによって3次元アニメーション化する試みを紹介する.対象とする絵画作品として浮世絵,具体的には歌川国芳の「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」を題材にする.この作品は,一見すると1人の男性を描いたように見えるが,よく見ると10数名の男性が寄り集まって大きな大人物を表現しているだまし絵になっている.本研究では,この作品を複数人物の登場する3次元CGアニメーションにする.そうすることで,特定の視点から描かれた浮世絵作品を異なる視点から見てみたり,作品として残された瞬間の前後の物語を想像したり,また,登場人物の1人の視点に乗り移ってみたり,という参加型の鑑賞が可能になると考えられる.本稿では,登場人物のCGモデルの作成,モーションキャプチャシステムを用いたモーションの取得,複数モデルが登場するアニメーションの時空間編集などの一連の作品制作のプロセスを説明する.そして,作成されたCG作品のバリエーションとして,作品鑑賞のための視点変化や重力シミュレーションの導入,登場人物のキャラクター変更などの例を紹介する.
著者
角康之 松村耕平 権瓶匠
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1394-1399, 2014-07-02

本研究は、博物館や学会における展示見学者同士の気づきや興味の共有を促すことを目的とする。本研究の特徴は、見学者同士の何気ない会話の中から得られる、展示に対する気づきや面白さを、展示会場に常駐するロボットが収集し、新たな見学者に提示することで、展示空間内での気づきや知識を流通させることである。見学者の気づきや見学者同士の会話の収集には、PhotoChatと呼ばれる、写真撮影とその上への書き込みによって他のユーザと気軽に「会話」できるモバイル端末システムを利用した。PhotoChatシステムは、本来、コミュニケーション促進を目的として人同士が利用することを想定しているが、今回は、展示空間に常駐するロボットが見学者の興味対象や見学者同士のコミュニケーションの様子をセンシングする手段としても利用した。具体的には、ユーザの滞在場所をセンシングし、写真や書き込みデータを展示エリアと紐づける仕組みを開発した。また、蓄積された写真データを、書き込みの量や写真間のリンク数などの特徴から自動的に分類する枠組みを開発した。見学者への情報提示を行うロボットについては、見学者の行動状況、つまり、特定の展示エリアでの滞在時間やPhotoChat写真の撮影数に応じて、過去のPhotoChat上の会話シーンを提示する仕組みを開発した。さらに、見学者への語りかけのシーン(他の展示エリアを推薦する等)に応じて、ロボットの発話や身ぶり動作を設計・実装した。展示会ワークショップにおける提案システムの動作実験を行い、ロボットの身ぶりによる空間情報提示の効果を確認した。また、ロボットの語りかけによる見学者同士の会話の発生など、興味深い現象が観察された。これらの観察から得られた知見を基に、ロボットの社会的メディアとしての価値について議論する。