著者
関根 麻理子 牧野 利明 田中 耕一郎 嶋田 沙織 四日 順子 古屋 英治 地野 充時 田原 英一
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.182-203, 2021 (Released:2022-07-29)
参考文献数
25

医療安全委員会では,安全に漢方方剤を使用するための啓発活動を行っており,前回,日本医療機能評価機構の薬局から登録されたヒヤリ・ハット事例を分析した。今回は,同機構の医療機関から登録された医療事故とヒヤリ・ハット事例を分析した。漢方製剤が関係する事例は626件であった。医療事故には,薬剤性肝障害事例があった。 ヒヤリ・ハット事例に関しては,処方時では漢方エキス製剤の1包の内容量の勘違いによる用法用量の誤り,調剤時では製剤番号・外観の類似や漢方処方名の類似による調剤の誤り,投薬時では漢方処方名まで確認せずに,漢字表記やメーカー名だけで判断することによる投薬の誤りがあった。ヒヤリ・ハット事例は当事者本人や同職種者に限らず,他職種者や患者本人から発見される事例も多かったことから,ヒヤリ・ハット事例は同職種者間での共有に留まらず,他職種者とも共有することが,医療安全の推進につながると考えられた。
著者
中田 兼介
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

クモでは、交尾の際にオスがメスの交尾器を破壊して、その再交尾能力を奪う種類がいることが知られている。ゴミグモ属は、そのような種が最もたくさん見られると予想されているグループだが、その中でマルゴミグモ種群に属するクモでは交尾器破壊についてわかっていないことが多く、本研究では交尾行動とオスの交尾器の形を詳しく観察し、またこれまで知られている他の種とも比較することで交尾器破壊の進化について解明する。
著者
加藤 大地 馬嶋 健一郎 金山 美紀 抱井 昌夫 篠田 誠 村木 洋介
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.421-425, 2021 (Released:2021-12-01)
参考文献数
3

目的:海外からの人間ドック受診者が増加している一方,その後の精検受診結果が把握しにくく,全体の精検受診率にもマイナスの影響を及ぼす懸念がある.精検受診率向上は,人間ドックの精度管理において重要な要素である.本研究は,外国人の精検受診が未把握となっている現状を分析し,受診率向上の対策を考える際の基礎資料とするため,海外からの受診者が精検受診率にどのくらいの影響があるかについて調査した.方法:2018年度1年間に人間ドックを受診した8,504名(うち外国人受診者2.5%,210名)を対象とし,検査数や要精検者における外国人割合や精検受診率において外国人の受診未把握がどのように影響しているかを調査した.本検討における外国人の定義は,日本国籍を有しない者かつ海外に居住している者とした.結果:要精検者のうち外国人の割合が高かった上位3つの検査について,全受診者の外国人割合,要精検者の外国人割合を示すと,大腸内視鏡検査で6.3%(106/1,686),7.1%(12/170,要治療者含む),乳がん検査で2.8%(68/2,414),6.5%(3/46),PSA検査では6.1%(114/1,881),4.7%(5/107)であった.精検受診率を日本人,外国人,両方合わせた全体で示すと大腸内視鏡検査で91.8%(145/158),16.7%(2/12),86.5%(147/170),乳がん検査で93.0%(40/43),0.0%(0/3),全体87.0%(40/46),PSA検査では78.4%(80/102),0.0%(0/5),74.8%(80/107)であり,3つの検査すべてにおいて日本人と外国人で有意差を認めた(p<0.001,p=0.01,p<0.001).精検受診にカウントできない者における外国人割合は大腸内視鏡検査で43.5%(10/23),乳がん検査で50.0%(3/6),PSA検査で18.5%(5/27)に及んだ.結論:外国人の精検受診状況が追跡できていないことによる未把握分が,全体の精検受診率低下に影響することが明らかとなった.外国人の精検受診を把握するためのフォローアップ方法について対策を立てる必要がある.
著者
大西 利幸
出版者
一般社団法人 植物化学調節学会
雑誌
植物の生長調節 (ISSN:13465406)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.99-105, 2017 (Released:2018-01-12)
参考文献数
34

Plants have the ability to synthesize and emit a diversity of volatile organic compounds (VOCs) that may act as aroma and flavor molecules in response to insect herbivores, mechanical wounding, and attraction of pollinators. Plants also have the capacity to accumulate the VOCs into plant itself. Several plant species morphologically develop specialized glandular trichomes to store VOCs which are released in response to tissue damage for chemical defense such as inhibiting microbial growth or deterring herbivores. Glycosylation is another machinery for safely storing VOCs into normal cells. Tea plant (Camellia sinensis) stores VOCs with glycosylation in tea leaves, mainly conjugated to β-primeverosides, the most abundant form of aroma diglycosides in C. sinensis. Here, we introduced two UDP-glycosyltransferases (UGTs) from C. sinensis, UGT85K11 (CsGT1) and UGT94P1 (CsGT2), converting VOCs into β-primeverosides by sequential glucosylation and xylosylation, respectively. This information can be used to preserve tea aroma better during the manufacturing process and to investigate the mechanism of plant chemical defenses.
著者
竺沙 敏彦
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.57-62, 2018-03-25 (Released:2018-07-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

次期学習指導要領では,「主体的・対話的で深い学び」を重視した授業実践が求められているが,そのために用いる「問題」は必ずしも豊富にあるわけではない.本稿においては,現実の問題を用いて問題解決をするために,一枚の紙を用いて可能な限り容積の大きな容器を作るという新たな教材開発を行った.その際、A4用紙を用いて作成できる直方体型容器の最大容積を求めることができた.本稿では、その活用事例について報告するとともに,教材開発及び実践を通して主体的・対話的で深い学びに繋がる得られた示唆を報告する.
著者
中井 浩二
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.16, no.12, pp.605-613, 1974-12-30 (Released:2009-04-21)
参考文献数
24
著者
一柳 智紀
出版者
日本質的心理学会
雑誌
質的心理学研究 (ISSN:24357065)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.193-216, 2016 (Released:2020-07-10)

本研究の目的は,思考の外化を促す道具としてのワークシートの配布方法の相違が,小グループでの問題解決過程に及ぼす影響を明らかにすることである。大学生4人からなるグループを対象に実験を実施し,一方をグループで1つワークシートを配布する単一配布群,もう一方を学習者各自にワークシートを配布する各自配布群とし,両者の問題解決過程を質的に検討した。結果,単一配布群ではワークシート上の外的表象について全員で共同注視や指差しを行うことで,内容を確認,共有しながら理解を形成していた。ここから単一配布群においては,ワークシートが話し合いを通したグループとしての理解形成を媒介していることが示された。ただし,全員がワークシートに自身の考えを外化するわけではなく,外化にかかわる役割分担が生じていた。一方,各自配布群では全員が各自のワークシートに自身の考えを外化していた。また,他者のワークシートを指差したり自身のワークシートをグループの中央に寄せたりすることで,他者から援助を受けたり理解を共有したりしていた。さらには,他者のワークシートから考えを持ち帰り,自分のワークシートにその理解を書き加えることで,課題に対する自身の理解を精緻にしていた。ここから各自配布群においては,ワークシートが各学習者の理解形成を媒介していることが示された。
著者
野村 亨 佐藤 〓
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.147-154, 1986-02-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
30

重イオン反応, ことに数十MeV/u以上の重イオン核破砕反応は, 地上で中性子過剰核をつくる有力な手段として期待されている. 重イオン反応の特徴を中性子過剰核の生成という観点で概観し, 幾つかの研究例を紹介する.
著者
楢崎健
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要文学部
巻号頁・発行日
no.76, 2001

1 0 0 0 OA 岩手県報

出版者
岩手県
巻号頁・発行日
no.(11085), 2011-07-29

1 0 0 0 OA 岩手県報

出版者
岩手県
巻号頁・発行日
no.(11910), 2019-08-06