著者
光本 孝次 松村 信雄 五十嵐 正
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告 第1部 (ISSN:0470925X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.606-610, 1973-01

良い資質の乳牛のイメージを得るために,一般レベルの乳牛群,ブリーダーの乳牛群と輸入乳牛群の体型7部位と乳房形質12部位を測定した。測定時期は約乾乳期と約最高泌乳期の2時期である。1)体高,体長および尻長において,輸入牛とブリーダーのそれには非常に類似した平均値が得られた。輸入牛の腰角幅と〓幅の平均値はブリーダーのそれより大きいようである。一般レベルの乳牛は相対的に小柄である。2)輸入牛の乳房は泌乳による乳房の縦の変化が少なく,横の変化が非常に大きい。3)前後乳頭間隔では輸入牛の膨張係数が低い。
著者
室野 重之 吉崎 智一
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.S39-S43, 2010

上咽頭癌組織中に EB ウイルス DNA や EB ウイルスに由来する蛋白、RNA が検出され、EB ウイルスと上咽頭癌の密接な関連が示唆されるとともに、上咽頭癌組織中の EB ウイルスは単クローン性であることが示され、上咽頭癌は EB ウイルスにより発癌することが確定的となった。この密接な関連は上咽頭癌の診断に応用され、EB ウイルス抗体価および EBERs に対する in situ hybridization が普及している。血清中の EB ウイルス DNA の定量は、一般レベルまでには普及していないが、治療後の病勢も反映することから利用価値は高いと思われる。一方、EB ウイルスに着目した上咽頭癌治療は、臨床への応用は散見される程度であるが、EB ウイルスの感染状態の複製サイクルへの誘導や抗ウイルス薬の利用などが期待される。
著者
平塚 沙織
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.60, 2006

【はじめに】前十字靭帯損傷はスポーツ時の受傷が多く、再建術後のスポーツ復帰時期については、術後期間や筋力測定結果が参考になる。今回、術後4ヶ月時の筋力測定データを中心に健側・患側の筋力差を比較検討したので報告する。<BR>【方法】2004年7月から2005年6月に当院で手術を行い、その後術後約4ヶ月で筋力測定した患者40名(男25名、女15名)を対象とした。術式は、半腱様筋腱と薄筋腱を用いたquad-STG法。平均年齢は31.1±10.3歳(13歳から52歳)。受傷機転は、スポーツ外傷37名、その他3名。測定機器は、BIODEX SYSTEM3Cを使用し、術後約4ヶ月時の膝伸展・屈曲筋力を測定した。角測定は60,180deg/secに設定し求心性収縮運動とした。測定結果の最大トルク値における欠損に注目した。また某社が公開している60deg/secでの膝伸展,屈曲筋力の年代別平均値を、一般レベルで特にトルク/体重値に着目し比較した。<BR>【結果】角速度60deg/secにおける膝伸展筋力の欠損は平均37.0±14.9、膝屈曲筋力の欠損は平均27.9±17.0。角速度180deg/secにおける膝伸展筋力の欠損は平均29.8±11.3、膝屈曲筋力の欠損は平均18.4±15.9であり、術後4ヶ月ではスポーツ復帰の目安としている膝伸展筋力最大トルクでの欠損(20%以下)は、殆ど認められなかった。しかし膝屈曲筋力では欠損20%以下の例は多く見受けられた。また某社の平均値との比較では、健側が平均値を上回る例が膝伸展筋力で34例,欠損平均は36.7±15.8。膝屈曲筋力で24例,欠損平均は28.2±19.6。健側患側ともに平均値を上回る例は膝伸展筋力で5例,欠損平均は20.9±7.1。膝屈曲筋力で11例,欠損平均は12.9±13.4。さらに健側患側ともに平均値を下回る例は膝伸展筋力で6例,欠損平均は38.7±8.8。膝屈曲筋力で16例,欠損平均は27.3±12.8だった。平均値比較では数的に膝伸展筋力が膝屈曲筋力よりも強く見えるが、欠損平均を見ると膝屈曲筋力の方が欠損20%以下に近い。また健側患側ともに平均値を下回った例では、上回った例に比べて欠損平均は高い。<BR>【考察】早期にスポーツ復帰するためには、術後早期に左右平均的な筋力がほしい。今回の結果から、膝伸展筋力よりも膝屈曲筋力の方が早期に回復する。また両側の筋力が平均値よりも低い場合健患差は大きくなっていた。これは両側の筋力が弱い程回復が遅くなると考えられた。もしそうであるなら術後ならず、手術以前からの筋力増強が必要であると考えられた。
著者
本間 航平 丸山 典宏 升森 敦士 池上 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin125, 2020 (Released:2020-06-19)

動物は自身の位置や環境の空間的特性を理解するために、複数の感覚入力に基づき認知地図と呼ばれる環境のモデルを生成する。この認知地図の生成には海馬の空間細胞や格子細胞が重要な役割を果たしていると考えられているが、詳細なメカニズムは明らかとなっていない。これまでの研究では、運動情報と視覚情報の統合予測による学習によって階層型リカレントニューラルネットワークの高レベルの階層に認知地図に相当する表現が形成されることが報告されている。また、視覚情報のみを用いたVAE-GANでの予測学習では、生成された認知地図上での行動時に時間的な加減速が見られ、主観時間の圧縮との関係が議論されている。これらの先行研究モデルを修正し、視覚情報と運動情報を取り入れたモデルから、認知地図と主観時間生成に関して議論を行う。
著者
山口 喬
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.104-113, 1989-01-10 (Released:2009-02-09)

山登りやドライブをするときに地図が必要であるように,材料とつきあうときには,そのための案内図がいる.これが平衡状態図である.この講座は,利用する立場から平衡状態図を理解することを目的としている.次にあげる項目について4回にわたって説明する. (1) 状態図とは何か, (2) 状態図からどんな情報がわかるか, (3) 状態図をどう読むか, (4) 状態図を決める要因は何か, (5) 状態図は何に使えるか, (6) 状態図をどのようにして作るか,どこから探し出すか,どのようにして推定するか.
著者
渡邊 光 今泉 政吉
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, pp.951-966, 1927

以下二三の感想とでも云ふ可きものを記して此小篇を終ることにする。<br>一、火山分布圖を一見しても明な通り、在來稱せられて居た所謂火山脈又は火山帶中のあるものにはその存在の意義の極めて不明瞭のものがある。それは相當距離の距つた所の火山を結んで作つた火山脈又は帶なるものは、各人の主觀に依り、癖に依つて如何様にも引き得るものであるからである。故に地理的位置の接近して居て、しかも類似の性質を具有する火山を纒めた方が寧ろ要當と思はれる。<br>二、我國に於ける火山は、シュナイダー氏の分類に從へば多くコニーデ状であつて、トロイデは寄生的のものか又は小規模のものに過ぎない。標式的のアスピーテはなく、本分布圖中にアスピーテの記號を以て表しカものは比較的偏平な火山と云ふ程度のものである。ホマーテ、マール、ベロニーテは稀に見ることが出來るのみである。三、火山が地壘上に生ずる傾向があるか、又は陷没地に生ずる傾向があるかに就いては、未だ我國の地形調査が全般に亙つて行はれて居ないので不明瞭な點も多いが、陷没地内に噴出したものが大多數を占めて居るしとば事實である。<br>四、辻村助教授は日本の海岸地形の調査に於て、多くの火山地方はその海岸地帶が沈降の形式を具.へて居ることを認めちれた。例へば北海道は殆ど全島を通じて降起海岸であるが、蝦夷富士火山群附近に於ては室蘭、小樽附近の溺れ谷があり、其他知床半島、増毛附近も亦沈降性であると云ふ。又同様の之とは八甲田山麓の青森灣、伊豆半島、九州の火山地方等に就ても云ふことが出來るのである。期くの如ぐ、海岸附近の火山地方は一般に沈降區域と一致するのであるから、内陸に存在する火山地方も亦直接の證據こそ得られないが、沈降區域に屬するのではなからうかとの想像を抱かせるのである。<br>五、西南日本外帶及び東北日本の阿武隈、北上の地帶に全然火山を缺き、その内側にのみ多く之を認め得ることは決して偶然の結果とは思はれない。<br>六、地形的斷層網と火山噴出との間には明な對比關係は認められないが、斷層網の極度に發達せりと稱せらるる西南日本内帶には火山は少く、これらとて多くは小規模のトロイデであるのに對して、これの適度に發達して居る北海道、東北日本西部、九州地方には多くの火山が密集して噴出して居るのを見るのである。又斷層網發達の極めて惡い西南日本外帶、阿武隈、北上の地帶に火山を全く缺くことも何等かの意味がある様に思はれる。<br>七、我國に於て地形的に火山體と認められるものゝ多くが、第三紀最新層と稱せられる地層上に然も不整合的にのつて居るのを見るのであるが、第三紀層に被はれて居る様なものは絶えて之を見ないのである。荒船火山體の如き、地形上火山體として認められない迄に侵蝕、破壊の進んだものが尚第三紀最新層上にのる受とは既に佐川理學士の認められた所である。即ち換言すれば、我國に於ては地形的に火山體として認めらるゝものは、その火山體建設の最後の活動を修了したのは第三紀以後であると云ふことが出來る様である。而して第三紀時代の地形は、火山地形のみに就て云へば、既に侵蝕しつくきれて殘つて居ないのではなからうかとの疑を抱かせるのである。
著者
式 正英
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.757-760, 1984
著者
渡辺 光
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.145-152, 1960
被引用文献数
1

As premises for main topics of inquiries, a brief review is made of the status of the wartime geography in Japan which should seem to have a direct bearing on the later development of this field. There, the oversea expeditions, war-time researches, and &ldquo;Geopolitik&rdquo; at their time, and their later influences are pointed out.<BR>Status of Geography since 1945 is elucidated according to the following headings.<BR>1) Various kinds of national land surveys in connection with the various land planning projects.<BR>2) Promotion of international intercourse.<BR>3) Establishment of departments of geography in universities and colleges throughout the country.<BR>4) Dispatch of oversea scientific investigation parties.<BR>5) Propulsion of joint studies by workers of various fields of geography, and participation of geographers in various interdisciplinal studies.<BR>6) Problems waiting for future solution.
著者
渡邊 光
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-15_1, 1929
被引用文献数
1