著者
兵藤 裕己
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学国語国文学会誌 (ISSN:02864436)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.1-7, 2011
著者
森永 康子 Frieze Irene H. Li Manyu 青野 篤子 周 玉慧 葛西 真記子
出版者
神戸女学院大学
雑誌
神戸女学院大学論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.101-111, 2011-06

本研究は、日本、台湾、米国の大学生のデート暴力の特徴を報告したものである。3カ国の男女大学生に、葛藤解決方略尺度(Conflict Tactics Scale; Straus,1979)を用いて、交際相手に与えた暴力および非暴力的攻撃、交際相手から受けた暴力おやび非暴力的攻撃の回数について回答を求めた。分析は回答者の中から現在あるいは過去に交際相手のいる者あるいはいた者を対象として行い、3カ国の暴力や非暴力的攻撃の実態について検討した。非暴力的攻撃の場合には、生起頻度が50%を超えるものもあり、国や性別による差異もうかがえたが、全体の割合では3カ国を通じて女子の方が男子よりも攻撃の頻度が高く、また米国の女子学生は日本の女子学生よりも攻撃的であった。一方、暴力に関しては、激しい身体的暴力そのものの生起頻度が少なく、性別や国による差異は見られなかった。また、交際相手との暴力が相互的かどうかを検討したところ、3カ国ともに暴力や攻撃のないカップルが多かったが、暴力をふるう回答者のみに注目した場合には、カップルのどちらか一方が暴力をふるう場合よりも、相互に暴力的なカップルのほうが多かった。こうした結果について Straus (2008) の結果と比較検討し、考察を行った。
著者
井ノ崎 敦子 上野 淳子 松並 知子 青野 篤子 赤澤 淳子
出版者
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター
雑誌
学校危機とメンタルケア (ISSN:1883745X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.49-64, 2012-03-31

近年、10代や20代の若者のカップルにおける暴力、すなわちデートDVが深刻な社会問題として注目されている。デートDV予防の重要性が指摘され、様々な実践活動が各地で展開されているが、生起メカニズムに関する研究はほとんどない。デートDVは暴力問題の1つでもあるが、不健全な恋愛関係の1形態でもある。恋愛関係に関しては、愛着理論に基づく研究が進んでいる。それらの中で、不健全な愛着を示す者は、不健全な恋愛関係を形成しやすいことが指摘されている。このことから、デートDVの生起が愛着の不健全さと関連があると考えられる。そこで、本研究では、デートDVの加害及び被害経験の程度と愛着の不健全さとの聞に関連が見られるかを検討することを目的とした。729人の大学生を対象に調査した結果、男女ともデートDV経験と愛着の不健全さとの聞に関連が見られ、男性の場合は、デートDV加害経験と親密性の回避と関連があり、女性の場合、デートDV加害及び被害経験と見捨てられ不安との聞に関連が見られた。また、男女でデートDV経験のリスクの高い愛着スタイノレが「とらわれ型」であったが、男女でデートDV経験の生起に関係する愛着の次元が異なった。以上のことから、性別の違いによって、愛着の不健全さとデートDVの経験の形の関連には違いがあり、デートDV予防にもジェンダーを考慮したプログラムの開発が必要であることが示唆された。
著者
青野 篤子 金子 省子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.135-142, 2008

本研究は,幼稚園・保育園の保護者(父親は少数のため分析から除外された)を対象に子育ての方針や保育環境のあり方についてジェンダーの観点からその意識を探るための調査を行い,今後のジェンダー・フリー保育の指針を得ようとするものである。母親たちは,全体として脱伝統的な女性像・男性像をイメージしており,ジェンダーにとらわれない子育ての方針をもっている。また,身体的な差異に配慮しつつも,幼稚園や保育所の環境はできるだけ男女の区別がない方がよいという意見をもっている。一方,母親がとらえた保育環境には一部ジェンダー・バイアスが存在し,とくに,習慣化・制度化された保育の営みについては,実態が強く認識されているにもかかわらず,一部許容的な態度が示されている。また,母親のジェンダー(・フリー)についての関心は低く,男女共同参画社会における幼稚園・保育園への期待は大きくない。今後,保育者・保護者の一体となったジェンダー(・フリー)についての学習や取り組みが必要である。
著者
青野 篤子 五十嵐 靖博 滑田 明暢
出版者
心理科学研究会
雑誌
心理科学 (ISSN:03883299)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.1-10, 2013

What we should study is affected by the calling of time and society, and is not completely unrelated to political conditions and social policies. For example, although the studies on developmental disorders or on stress have been popular for a long time, those are not only symptomatic therapies but they also reproduce the reality. Also, the eagerness to adhere to the scientific approaches in the psychology world drives us in those studies using micro- or high-tech machines or highly advanced statistics. As a result, the situation of "psychology without society" may be produced. In this special issue, we would like to criticize the mainstream psychologies and discuss how psychology faces the real contemporary society from the view point of critical, feminist, and qualitative psychology.
著者
澤田 忠幸 宇井 美代子 滑田 明暢 青野 篤子
出版者
愛媛県立医療技術大学
雑誌
愛媛県立医療技術大学紀要 (ISSN:18805477)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.23-30, 2015-12-31

本研究では,社会的公正理論に基づき,6因子からなる男女平等の判断基準を測定する尺度を作成し,男女差の有無および性差観,自身の母親観,精神的健康との関連について検討を行った。その結果,性差観には男女差 が認められなかったが,男性よりも女性の方が,男女平等の判断基準として,個人の能力の原理および話し合いによる決定の原理に対して肯定的な認識を有していた。また,個人の能力の原理および二つの手続き的公正の原 理に対して肯定的であるほど,性差観が弱いことが示された。さらに,男女ともに自身の母親観は,男女平等の判断基準や性差観,精神的健康とも関連していたが,男性に比べ女性の方が,母親との関係性が精神的健康ある いは自身の生き方満足感と直接的間接的に関連することが示された。
著者
青野 篤子
出版者
松山東雲女子大学・松山東雲短期大学
雑誌
松山東雲短期大学研究論集 (ISSN:03898768)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.75-84, 1990-12

This first paper of serise to come examines the various ways in which H.F.Harlow's studies have been quoted in psychology textbooks. Although Harlow deals with many types of love(paternal,heterosexual,etc.),almost all of the textbooks keep their focus on love to cloth mother surrogates. During the last ten years, the titles under which his studies have been quoted and had atarted with words like"mortibvation" have changed to expressions like "mother-child relationship", or "attachment", etc. This reflects the latest popurality of deveropmental psychology. The interpretation of his studies o love and social deprivation seems to be affected by the textbook authors' beliefs in the bond of mother and child.
著者
青野 篤子
出版者
福山大学
雑誌
福山大学人間文化学部紀要
巻号頁・発行日
vol.7, pp.65-79, 2007-03

男女共同参画社会の担い手を育成すべき保育者が,男女平等やジェンダーに対してどのような考え方をもっているのか,また,性差や男女の特性をいかにとらえ,どのような保育方針をもっているのかを検討した。その結果,保育者は男女平等のための保育の意義を認めながら,男女の差異や女らしさ・男らしさを尊重した上で,男女を同等に扱うのが望ましいと考えていることが明らかになった。また,ジェンダー(・フリー)の知識がある人はそうでない人より,性差の社会構築性をより強く意識していることもわかった。