著者
長井 桃子 黒木 裕士 飯島 弘貴 伊藤 明良 太治野 純一 中畑 晶博 喜屋武 弥 張 ジュエ 王 天舒 青山 朋樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>近年,様々な疾患に対し多能性幹細胞を用いた臨床試験が行われている。神経再生には神経のミエリン鞘とシュワン細胞の補充が肝要とされ(Zhiwu, 2012),末梢神経損傷動物モデルを用いて,幹細胞やiPS細胞移植による治療効果を検討した報告は多数あり,幹細胞を用いた臨床試験も始まっている。また,conduit(人工神経鞘)を断端部に連結させる手法においても,その中に自家培養細胞を移植する取り組みが行われている。一方,末梢神経損傷に対する介入効果として,運動は神経発芽や再生軸索の成熟を促進し(Sabatier, 2015),電気刺激は神経再生を促す(Gordon, 2010. Wong, 2015)報告もあり,細胞移植後のリハビリテーション介入が神経再生を促す可能性がある。しかし,同疾患患者の再生治療におけるリハビリテーション効果について,現時点でどこまで明らかになっているか不明な点が多い。本研究の目的は,末梢神経損傷患者に対してconduitや幹細胞を用いた治療方法と効果を報告した論文を系統的かつ網羅的に収集することに加え,これらの治療方法とリハビリテーションのかかわりにおける現状を明らかにすることである。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>研究デザインはシステマティックレビューとし,PRISMA声明に準じて実施した。検索式にはhuman,peripheral nerve,stem cell transplantation,nerve regenerationを用い,データベースはPubMed,PEDro,CINAHL,Cochrane libraryを用いた。2016年9月までに報告された,査読のある英語で記載された論文かつ,ヒトを対象に実施された臨床試験(シングルケースを含む)を対象として,conduitと細胞移植に関するものを抽出した。内科疾患や遺伝疾患に関するものは除外した。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>キーワードを用いたデータベースの検索では1220件が抽出された。適合基準に合致するものは16件(全体数比:1.31%,出版年:2000~2016)であり,そのうち,リハビリテーションに言及しているものは7件(適合論文内比:43.7%,出版年:2000~2011)だった。うち6件が手部に関するものであり,その内容は,手術直後から穏やかに手指屈伸運動を長期に行うものや実施の記載のみなど,リハビリテーションプログラムの内容や期間について詳細について記したものはなく,統一した見解は得られなかった。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>末梢神経損傷患者に対する再生治療介入の臨床試験数は少なく,リハビリテーション介入に関しても十分に検証されていない現状が明らかとなった。今後さらに,臨床試験の蓄積と,末梢神経損傷の再生治療におけるリハビリテーション効果に関するエビデンスが求められることが予測される。これらのエビデンスを,基礎的研究を通じて理学療法士が自ら示してくことは,理学療法介入の重要性を示す一助になると考える。</p>
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.581, pp.103-107, 2003-02

「昔,デカラケは初心者用だといってるやつがいた。スイートスポットの狭いラケットを使いこなしてこそ上達するというんだ。そいつらはスイートスポットに当てただけで力を使い果たしてしまう。そうでなければ当てただけで満足してしまう。見ろ,今になってみればプロだってみんなデカラケだ」 水野はデカラケのような感触の乗り味を理想にしていた。
著者
佐藤 英雄 中村 中六 日比谷 京
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.579-584, 1962-06-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
12
被引用文献数
19 21

The processes of sex differentiation and sexual maturation of the eel, Anguilla japonica, were examined. In glass eels, the primordial germ cells standing in a line are found in each of the gonads (Pl. I, Fig. 1). The cells gradually increase in number under about 15cm in total length of the bodies, and steadily increase at 18cm or thereabout (Pl. 1, Fig. 2). The sex may differentiate at this stage, and histological structures of gonads become characteristic in both sexes, while ovaries and testes hardly be distinguished by means of their external appearance until the eels come to about 30cm in total length (Pl. I, Fig. 3 and 4). As they grow longer than some 30cm, the discriminative features of ovaries and testes become appreciable. In view of the observations described above, it is suggested that there is neither “phase of precocious feminization” nor “phase of juvenile hermaphroditism” in A. japonica. In testes of eels less than about 40cm, there may be seen many spermatogonia but no spermatocyte (Pl. I, Fig. 5), and the former gradually increase in number accompanying with body growth (Pl. I, Fig. 6). In silver eels having catadromous nature, a number of spermatocytes are found in testes, but spermatids scarcely ever (Pl. II, Fig. 1). In ovaries of eels ranging in total length from 25cm to 40cm, oogonia and primary oocytes are found intermingling (Pl. II, Fig. 3 and 4). As they grow over about 40cm, oocytes increase fast. In catadromous female fish, the cells develop up to the yolk vesicle stage (Pl. II, Fig, 5). It is generally found that the gonadal maturation of eels advance mostly in autumn and somewhat degenerate in winter, though the seasonal fluctuation in maturation are not so obvious.
著者
小倉 健太郎
出版者
日本映像学会
雑誌
映像学 (ISSN:02860279)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.5-26, 2019

【要旨】<br> 1943年に公開された『桃太郎の海鷲』は、海軍省が後援となり真珠湾攻撃をモチーフとして制作された国策アニメーションである。演出は、当時代表的なアニメーターのひとりと見なされていた瀬尾光世が務めた。同じ瀬尾による1945年公開の『桃太郎 海の神兵』は長らく幻の作品とされていたが、1984年に倉庫から発見され話題を呼んだ。近年、この作品の研究が進み、アニメの「ルーツ」として重要な作品と見なされるようになっている。一方、『桃太郎の海鷲』については比較的に研究が進んでいない。しかしながら、『桃太郎 海の神兵』は明らかに『桃太郎の海鷲』の延長線上に作られた作品である。日本アニメーション史において『桃太郎の海鷲』はどう位置づけられるだろうか。<br> 本稿では、瀬尾の「桃太郎」作品が当時の「漫画映画」という概念を拡張しようとする一貫した試みであったと主張する。まず『桃太郎の海鷲』では、「文化映画」の要素が取り入れられた。報道写真やニュース映像などが参考にされ、兵士たちの日常に焦点が合わされ、映画的手法も用いられている。このことは、漫画映画がどのようなものであるべきかという評者それぞれの意見の相違を顕在化させた。さらに『海の神兵』では、漫画の滑稽さとは相反する暴力描写や悲劇が導入されている。瀬尾は、それまでの漫画映画ではほとんど用いられなかった非漫画的な要素を取り入れることで、漫画映画という概念を拡張しようとしたのだ。
出版者
日経BP社
雑誌
D&M日経メカニカル
巻号頁・発行日
no.582, pp.105-109, 2003-03

栃木の加藤博義たちにダメを出された設計陣。もはや落ち込んでいる暇すらない。厚木に帰るや,すぐさま設計の見直しに着手する。 車体の床回りを担当する越川誉章もその一人。「あそこがダメなのか」。彼には,思い当たる部品が幾つかあった。その設計を変更するなら,それこそ一刻の猶予もない。何しろ,発売は半年後なのだから。
著者
郷原 佳以
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

モーリス・ブランショ、ロラン・バルト、ジャック・デリダは、いずれも20世紀フランスにおいて「エクリチュール」を概念化し、根源的な営みとして捉えた批評家であり思想家である。彼らのエクリチュール概念は、それが主体の理性的な統御を免れるものだという点においては共通している。しかし、構造主義が依拠した発話理論の言語学との関係という観点から見ると、彼らのエクリチュール概念はそれぞれに異なっている。本研究は、関連テクストの精査により、エクリチュール概念と発話理論の関係性という見地から彼らの思想の共通性や差異を明らかにし、それを通して、ブランショやデリダと構造主義との距離をも明らかにする。
著者
大島 一郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.11, pp.841-851, 2021-11-01

メタマテリアルの研究開発は実用化のフェーズに入ったといわれている.本論文では,移動通信分野において,基地局アンテナへのメタマテリアル技術の応用と,電波伝搬環境の改善のためのメタサーフェスの応用に着目し,実用化の観点から現時点での応用可能性を検討する.そして,メタマテリアルを応用した基地局アンテナ,メタサーフェス反射板について,筆者らによる実現例を紹介する.
著者
河﨑 寛孝 本村 千春 山田 理恵子 藤田 聡美 飯田 英子 坪川 操 山口 昌夫
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.223-232, 2008-12-31 (Released:2021-01-23)
参考文献数
15

【目的】摂食・嚥下障害患者の咽頭残留に対しては,窒息・肺炎等のリスクを軽減する為,さまざまな除去法を用いるがその効果を確認した報告は少ない.今回,市販の嚥下困難者用ゼリー(エンゲリード®アップルゼリー)を用いた交互嚥下を嚥下造影検査時に実施し,咽頭残留の除去効果について検討した.【対象と方法】対象は,粘度の異なる3種類の模擬食品(ハチミツ状,ヨーグルト状.液状)のうち,1種類以上で咽頭残留を認め,本ゼリーを摂取し交互嚥下を行った摂食・嚥下障害患者とした.咽頭残留除去効果は,模擬食品毎に,本ゼリー摂取前後の喉頭蓋谷,梨状窩残留の程度を,4段階スコア(多量残留,少量残留,付着残留,なし)にて,評価した.【結果】試験を実施した症例は28例であった(平均年齢:73.2歳,原因疾患:脳梗塞15例,脳出血7例,誤嚥性肺炎4例,その他2例). 模擬食品が大量残留し,梨状窩からの誤嚥が続いたため,試験を中止した症例が1例あった.本ゼリー摂取後,全ての模擬食品にて,喉頭蓋谷残留に対しては,60%~72%,梨状窩残留に対しては,75%~100%の症例で残留スコアの改善が得られ,統計学的有意差が認められた(Wilcoxon signed-rank test). 本ゼリーが原因と考えられる,むせ・湿性嗄声・酸素飽和度低下・発熱などの有害事象は発現せず,臨床上問題となる事例はなかった.【考察】本ゼリーを用いた交互嚥下は,粘度の異なる3種の模擬食品すべてにおいて,喉頭蓋谷および梨状窩残留の除去に高い効果を示した.このことから,本ゼリーを用いた交互嚥下は,多様な粘度をもつ嚥下調整食品の経口摂取によって生じる,咽頭残留の危険性を軽減する方法として有用であることが示唆された.
著者
Kiyohiko INAI Keita KITAGAWA Mami MURAKAMI Toshiroh IWASAKI
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.36-39, 2022 (Released:2022-01-07)
参考文献数
10
被引用文献数
1

A 13-year-old spayed female Cavalier King Charles Spaniel presented with chronic swelling and pruritus on the palmar aspect of the left forepaw and on the tail. Cutaneous epitheliotropic lymphoma (CEL) was diagnosed by histopathology and immunocytochemistry. Prednisolone was initially used alone as an alternative treatment for CEL. Despite long-term corticosteroid therapy, the patient’s physiological (pruritus) and dermatological signs (alopecia, erythema, erosion, and ulceration with crust) progressed and showed no evidence of improvement. To address the worsening condition of pruritus, lokivetmab was started in combination with prednisolone. Once on lokivetmab, the pruritus steadily improved and was effective in resolving and maintaining remission. Further investigation on the critical role of IL-31 in the pruritus pathway of dogs with CEL is required.

1 0 0 0 OA 清水組略史

出版者
清水組
巻号頁・発行日
1936
著者
北道 淳司 森岡 澄夫 東野 輝夫 谷口 健一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.123-124, 1993-09-27

ハードウェア記述言語では,複数の動作の並列実行を自然に記述できるものが多い.しかし,複数の動作が同じレジスタ,バス,端子等に異なるデータを転送する(データ代入の衝突)かどうかを判断することは難しい.高信頼という観点からは,データ代入の衝突が起きないことを保証し,その記述から高位合成することが望ましい.本論文では,2.において,同期式順序回路を対象とし,複数動作が実行される順序回路の一モデルを示し,そのモデル上でのデータ代入の衝突を定義する,3.において,衝突が起きないことを検証するアルゴリズムを与える.
著者
菊田 幸一
出版者
明治大学法律研究所
雑誌
法律論叢 (ISSN:03895947)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.p149-168, 1982-09
著者
赤木 昭夫
出版者
中央公論社
雑誌
自然 (ISSN:03870014)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.p69-71, 1980-09