著者
新田 哲夫 木部 暢子 久保 智之
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究期間を通じて、福岡県宗像市鐘崎から移住し、閉鎖的な社会を保ってきた輪島市海士町の「言語の島」の様子について、海士町のルーツ問題、アスペクト形式「ヨル」、語末母音と助詞の母音融合、アクセント体系、人称詞等について、考察を行った。移住と言語の関係について、ルーツの側の言語がどんどん変化していく一方で、移住先の言語がむしろ古形を保存する興味深い現象が見られた。その一方で能登方言の特徴を取り込みながら、閉鎖的な社会の中で独自の変化を遂げた特徴の存在も明らかになった。
著者
永田 恵輔 沖野 友洋 高野 純一
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.87, no.903, pp.21-00117, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
14

Although the number of accidents at level crossings in Japan has been decreasing annually, there is still possibility of such accidents to occur due to wrong-way entry. Therefore, it is essential to study the crashworthiness of rail vehicles in level-crossing accidents. Given that there are many possible collision scenarios for such accidents, it is useful to perform a comprehensive analysis of these scenarios. To investigate the crushing characteristics of a double-skinned aluminum-alloy car body structure for a conventional railway line, we conducted impact compression tests. The impact condition compresses the overall specimen's end face (overall compression condition) and part of its end face (local compression condition). The results of the impact compression tests were as follows. Buckling was the main cause of failure in the overall compression condition, whereas shear crushing was the main cause of failure in the local compression condition. Finite Element Method (FEM) analysis was also conducted in which several material rupture laws were used and compared with the test results. No appropriate solution could be obtained when the equivalent plastic strain was used as a threshold, whereas the results of analyses using the ESI-Wilkins-Kamoulakos (EWK) model showed good agreement with those of the experiments in both compression conditions.
著者
芹田 保明
出版者
応用物理学会分科会日本光学会
雑誌
光学 (ISSN:03896625)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.550-555, 2004-09-10
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
池田 崇志 結縁 祥治
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.34-48, 2021-11-25

本論文では,並列に実行されるブロック構造を持つプログラムの実行を解析することを目的とした可逆実行環境を示す.並列プログラムを抽象機械のバイトコード列に変換して実行する.順方向の実行時は逆向き実行に必要な情報をスタックに保存し,その実行を逆向きにたどる実行環境を実装する.この実行環境では,順方向の抽象命令を逆方向の抽象命令を逆順とし,ジャンプ命令と変数更新命令を対応する逆方向の命令に変換することで逆向き実行を実現する.筆者らはバイトコードによる実行環境複数の抽象機械でバイトコードを順方向および逆方向の2つのモードで並行実行する実行環境をPythonのmultiprocessingモジュールによって実現した.本論文では,実際的なプログラムの構文要素として,ブロック構造,手続き呼出し,関数呼出しを含むように拡張した.Hoeyらの手法に従って変数のスコープを扱うために,各ブロックに名前を付け,参照情報をパスとして表し,局所変数を実現する.本研究で新たに提案する方法として抽象命令生成時に作成する並列ブロックの開始および終了番地を記録したテーブルを用いて並列ブロックを起動することにより順方向,逆方向ともに並列の入れ子構造を実現する.これらの実現手法によって,ブロック構造を持つプログラミング言語に対して単純な抽象機械の実行メカニズムによって逆方向実行が可能となることを示し,並列プログラムのデバッグのための基盤として提案する.
著者
町田 怜子 石川 一憲 川口 洋一 小嶋 隆治 保戸塚 里香 中森 千佳 福田 奈緒子 Reiko Machida Kazunori Ishikawa Yoichi Kawaguchi Ryuji Kojima Rika Hotozuka Chika Nakamori Naoko Fukuda
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 = Journal of agriculture science, Tokyo University of Agriculture (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.42-48, 2018-06

本研究では,東京農業大学農学分野の教員・技術員と幼稚園教諭とが連携し,野菜や果樹栽培の教育研究を活かした環境教育プログラムを試みた。本研究では,プログラムのねらいに応じて伊勢原農場内で教育素材を選定し,環境教育プログラムを実施した。環境教育プログラムでは,ステビア,レモングラス,コキアを五感で体験し植物の用途や効用を学ぶ環境教育プログラムを実施した。加えて,幼児が日常生活で親しんでいる野菜・果樹としてブドウ,ブルーベリー,ミニトマトの栽培技術や品種の違いを学ぶ環境教育プログラムを実施した。本プログラムの教育効果として,伊勢原農場の多様な果樹・野菜とその栽培技術は幼児たちに身近な野菜や果樹への発見,楽しさ,感動を与え,観察した物事を記録できる観察力や理解力の向上を確認できた。
出版者
日経BP ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.473, pp.28-31, 2021-07

PART1新型コロナウイルスの感染拡大で社会環境が劇的に変化する中、直近1年余りでDX(デジタルトランスフォーメーション)の機運が一気に高まった。なかでも新興企業が急成長中だ。 政府が9月にデジタル庁を新設する見通しで、DXに向けた取り組みが加速している…
著者
鶴田 博文 坪内 佑樹
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.24-31, 2021-11-18

Web サービスを構成する分散システムは,利用者からの多様な要求に応えるために,システム構成が複雑化している.また,システムへの変更頻度が高くなっており,システム構成の変化が速くなっている.これらの要因により,システムに性能異常が起きた際に,システム管理者が原因の診断に要する時間が増大するため,迅速な原因診断手法が必要である.先行手法として,システムの性能を示す時系列データであるメトリックに機械学習モデルを適用する手法がある.しかし,モデルとして学習に長い時間を要する深層学習が用いられているため,迅速に診断を行うには事前にモデルを学習する必要がある.モデルへの入力となるメトリックの系列数は固定であるため,システム構成が変更されて系列数が増減する場合,新たなモデルを学習しなければならない.これにより,システム構成の変更に迅速に追従した原因診断が難しい.解決方法として,高速に学習できる軽量な機械学習モデルを用いて,異常検知後に学習を行う方法が挙げられる.しかし,軽量な機械学習モデルは一般に深層学習よりも表現力が低いため,それに伴い診断精度が低くなる可能性がある.一方,機械学習モデルの予測の解釈性に関する研究が現在盛んに行われており,これらが原因診断にも有用であることが示されている.本論文では,異常検知後に軽量な機械学習モデルを学習し,解釈手法として注目されているシャープレイ値を用いて原因診断を行う手法を提案する.提案手法は,異常検知後の学習により,システム構成が頻繁に変更される場合でも常に現状の構成を反映した診断ができる.また,シャープレイ値が診断精度を高められるか検討する.実験から,提案手法は原因のメトリックの系列を 44.8% の精度で上位 1 位,82.3% の精度で上位 3 位以内に特定することを示した.

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著者
中江篤助 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1917
著者
末松 大貴
出版者
言語文化教育研究学会:ALCE
雑誌
言語文化教育研究
巻号頁・発行日
vol.18, pp.161-181, 2020

近年,SNSで自律的に日本語を学ぼうとする「新しい日本語学習者」が注目されている。しかしこれまで「新しい日本語学習者」の学習支援者に注目した研究は見られない。本研究では,「新しい日本語学習者」とその学習支援者が参加するFacebook上のあるコミュニティにおいて,「学習支援者が,その「コミュニティ」と「学習支援者という立場」についてどのように意識しているのか」という点について,比喩生成課題を用いて分析を試みた。その結果,コミュニティの他の学習支援者について,技術面・知識面の向上や新たな教育観の獲得という面と,学習支援者同士の曖昧な関係という2点を意識しているという特徴が見られた。そして,オンライン上の学習コミュニティにおいて学習支援者の関係性の構築のために,①.コミュニティ内での活動を通した日本語教育に関する「〇〇とは何か」というテーマの発見,②.「〇〇とは何か」というテーマを自身が考える従来のコミュニティとの比較,③.①と②を経て得た気づきを他の学習支援者と交換すること,以上3点が必要ではないかということを述べる。
著者
加藤 大弥 砂原 秀樹
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.17-23, 2021-11-18

昨今のオンライン化の影響により本研究科の学生が学業で利用するサービス (以下,学内サービス) が増加した.これらを活用するために認証認可機能が必要となったが,サービス毎に認証認可機能を導入しているため,保持しているデジタルアイデンティティが増加した.これにより本研究科内のサービス毎においてアイデンティティマネジメントの運用コストおよびリスクが増えるという課題が発生した.そこで本研究では,研究科内の学内サービスで利用するデジタルアイデンティティを統一化するために学内 IdP を導入し運用するための方法について検討する.
著者
今村 洋一
出版者
日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.817-822, 2009-10-25
参考文献数
8
被引用文献数
6 1

本研究は、戦災都市指定を受けた師団設置8都市を考察対象として、戦災復興計画における旧軍用地の位置づけや、旧軍用地で実施された公園・緑地整備について、各都市の実態を考察したものである。旧軍用地を都市計画緑地として決定するという戦災復興院の方針を受け、7都市において、当初計画では19箇所の旧軍用地が公園として決定された。計画面積の大きさ、計画された箇所数、計画された各公園の規模、さらに整備された各公園の規模や位置から、戦災復興公園計画における旧軍用地の役割を明らかにしている。また、他用途への転用による計画変更、残存建物との関係、戦前計画との関係についても明らかにしている。
著者
今村 洋一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.727-732, 2012

戦前の公園緑地計画における軍用地の位置づけを整理したうえで、戦災復興緑地計画において、旧軍用地にどのような位置づけが与えられたのかについて、戦前の公園緑地計画での位置づけとの関連も含めて考察するとともに、その後の見直し状況にも触れ、戦災復興期における東京の公園緑地計画に対する旧軍用地の影響を明らかにすることを目的とする。戦前は、使用中の軍用地も公園緑地系統の中に組み込もうとしていた点、戦災復興緑地計画では旧軍用地が積極的に緑地として決定されたが、戦前計画の影響が大きい点、1度の見直しを経てもなお、戦前計画を継承したものは大規模な公園としての位置づけが保持された点が指摘できる。