著者
岡 宗由
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.140-145, 1981

針の鎮痛効果が, 中枢神経系におけるエンドルフィン類の生成ならびに作用機序ときわめて密接な関係にあることが最近次々と証明されつつある。この問題について臨床的立場から, 次の諸実験を行った。<br>1) 各種疾病 25例の針麻酔手術を行った。その結果, 鎮痛効果の個体差はモルヒネ剤の術前術中投与により効果的に解消された。<br>2) 25症例について上下口唇2か所のみの刺針通電で針麻酔手術を行った。また口唇ならびにその他の顔面部分 (三叉神経領域) に限り低周波通電し, これを127例の和痛分娩に応用した。いずれも有効な結果を得た。<br>3) 腰痛患者 (93例), 和痛分娩 (25例) にオピエート剤の腰部硬膜外投与を行った。その結果すべて有効な鎮痛効果を得た。<br>これらの知見は, いずれも実験目的に対し積極的に支持を与えるものと考えられる。
著者
船曵 孝彦
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.162-166, 1991 (Released:2011-06-08)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

進行胃癌に対する根治性の高い手術とは,広範な切除,広範リンパ節郭清(R3),袋状網嚢切除から成り立っている.広範な切除としてC領域を含んだ進行癌はすべて全摘を行っているが,本稿で述べるのは最も頻度の多い幽門側亜全摘R3術式である.リンパ節郭清は後腹膜から脾膵尾を遊離したり,肝十二指腸間膜内の脈管にTapingするなどにより,動脈,静脈,胆管などの脈管のみを残すよう剪刀を用いて軟部組織を除去する.1~3群のリンパ節は網嚢を取り巻いて存在することと,後壁漿膜に露出した癌からの剥離脱落した癌細胞による腹腔内播種の対策のため,網嚢を袋状に切除する.第3群リンパ節転移陽性はoverall 17.1%であり,深達度ps(+)となれば31.8%で,ps(+)以上からR3を行うべきである.n3(+)であっても郭清により生存率に差が出てきている.袋状網嚢切除によって後壁ps(+)症例における腹膜再発を予防しえている.
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.208-211, 2006-07

スイッチング電源大手のデンセイ・ラムダは2000年3月期に最終赤字を計上して以後、まずは利益確保に追われていた。非中核事業の売却や希望退職者募集、基幹システム再構築によるシステム費用削減や人員削減などだ。 その後は一進一退が続いた。2002年3月期はIT(情報技術)バブル崩壊のあおりで最終赤字に再転落。
著者
増山 泰智 佐藤 考一
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.61, pp.1257-1262, 2019-10-20 (Released:2019-10-20)
参考文献数
33

This paper is a study on the imports of building materials and components in Japan. The followings are shown by analyzing both domestic statistics and Trade statistics: firstly, changes in the import quantity and rate of eighteen building materials and components from 1971 to 2016 are classified into four types. Second, the import rate of seven materials are higher than 10% nowadays. Third, the increase of the import rate has been basically caused by the globalization from the early 1990s, although the resource nationalism and the growth of Korean industry increased the import rate of same materials in 1980s.
著者
矢野 正
出版者
奈良学園大学人間教育学部
雑誌
人間教育 = Online Journal of Humanistic Education (ISSN:2433779X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.111-114, 2020-05

西日本私立小学校連合会学級経営部会において,長年にわたり大変お世話になった森本幸一先生が,この度ご退職されるにあたって,1つの区切りとしてこれまでの教育実践をご高著としてまとめられた。大阪教育大学教育学部の大先輩でもある森本幸一先生には,学級づくりや学校経営をはじめ,学級経営部会以外でも多くのご指導を受ける機会に,これまでに恵まれてきた。森本先生は,ご勤務の間の多くを児童の指導や教育・研究に没頭され,1988年度には兵庫教育大学大学院教育方法コースにて1年間,杉浦美朗教授より,「豊かな感性を育てるには」というテーマで研究指導を受けられた。また,教科の枠を越えた研究会「新視界クロスオーバー21」や「日韓・アジア教育文化センター」,「学校改造研究会」などの先生方と研究,研修,研鑽を日々重ねられてこられている。近年は高齢社会の中で,何かと老年期や晩年の生き方が話題とされているが,肩ひじを張らずに社会や家庭の中でできることをしていければと考えておられるご様子である。森本幸一先生の素晴らしい教師としての姿やまなざしを私たちは教育現場へと還元し,引き継いでいかなければならないだろう。それが後世に残された私たちの使命であり,このようにご高著としてまとめられた森本先生への恩返しになるのではないだろうか。
著者
栖原 弘和 成相 美紀 可西 泰修 白木 仁
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.171-180, 2021-04-30 (Released:2021-08-19)
参考文献数
25

本研究の目的は,相撲で伝統的に行われている腰割りのトレーニング効果を明らかにすることとし,股関節可動域,股関節周囲筋筋力,運動能力,動的バランス能力に与える影響に関して,下肢の代表的なエクササイズであるワイドスタンススクワット(WS-SQ)と比較・検討を行った.エクササイズ介入は8週にわたり実施した.また,それぞれの測定をエクササイズ介入に先立ち実施し,4週後および8週後に再度測定を実施した.8週の介入により,股関節外転可動域,内転・伸展筋力,動的バランス能力に変化が認められた.特に股関節内転筋力に関して,腰割りはWS-SQに比べ有意な差が認められたことから,自体重負荷にて股関節周囲筋筋力の向上を目的とした場合,腰割りはWS-SQに比べ有効である可能性が示唆された.
著者
望月 貴裕 蓼沼 眞 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.118, pp.37-42, 2005-06-09
被引用文献数
2

本稿では, シーンのパターン化とHidden Markov Model (HMM)を用いた, 野球の各シーンのイベントを自動的に識別する手法を提案する.本手法では, 学習処理としてまず, シーンを構成する各ショットをパターン化し, 学習用映像の各シーンをパターンデータの系列で表現する.パターン化データは, 位置情報, 画像特徴および動きベクトルを情報として持つ複数の矩形から構成される.このパターン化処理は, 映像上に配置した点群のブロックマッチングによる移動情報およびそれらの点の近傍領域の画像特徴に基づき行われる.次に, 学習用映像の各シーンを, 各ショットのパターン化データに基づき数値列で表現し, ホームラン, シングルヒット, フォアボールなどの「イベント種」で振り分ける.そして, 各イベント種について数値列の長さで区別して数値列を学習し, HMMのパラメータを設定する.それらの学習済みHMMを用いて未知イベントシーンの識別を行う.識別処理も, 学習処理と同様にショットのパターン化処理に基づき行われる.本手法については, 7試合分の大リーグ野球中継映像を用いた識別実験により評価を行った.
著者
河合 啓一 江口 良友
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
醗酵工學雑誌 (ISSN:03675963)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.128-130, 1976-02-25

Lactobacillus buchneri IFO 3961の無細胞抽出液より, グルコース-6-リン酸脱水素酵素をブルーデキストラン-セファロース4Bを用いたアファニティクロマトグラフィーにより精製した.本酵素は低イオン強度条件下に.ブルーデキストラン-セフィロースに吸着され, 1mM NADPあるいは1M塩化カリウムを含む10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)にてほぼ定量的に溶出された.塩化カリウムを用いる直線的濃度勾配法により溶出したところ, 約80%の収率で比活性約120倍の酵素標品を得ることが出来た.本標品はpH9.4でのポリアクリルアミドゲルデイスク電気泳動により単一のバンドを示した.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1915年02月02日, 1915-02-02

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1926年02月13日, 1926-02-13
著者
山口 豊 Yutaka YAMAGUCHI
出版者
武庫川女子大学大学院文学研究科教育学専攻『教育学研究論集』編集委員会
雑誌
教育学研究論集 (ISSN:21877432)
巻号頁・発行日
no.14, pp.34-40, 2019-03

今では当たり前になっている書き言葉の口語文ではあるが、文語から口語へと移り変わる時代に岩手県で教育を受け、『春と修羅』を出版した宮澤賢治はどのような文法体系を身に付けていたのかということを『春と修羅』に用いられた語彙や表現を中心に考察・確認を行った。そこには口語の要素がいろいろと散見され、文法も口語文法が用いられていた。一方方言による表記もあり、賢治が意図的に方言での効果を狙って用いており、明治以来、標準語教育を進めてきた成果は大正末期・昭和初期の岩手県においてもしっかりと定着していたことが確認できた。