著者
矢澤 規祥
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.1150-1152, 2017

<p>新東海製紙株式会社島田工場は,NUKPのパルプ工程を2系統(1Kプラント,3Kプラント)保有し稼働していたが,コスト競争力強化等の理由から,1系統(1Kプラント)を徐々に稼働率を低減し運休転を繰返すようになり,2016年度には停機するに至った。パルプ生産量が減少するなかで,苛性化工程は効率悪化が顕著となり,特に効率悪化が際立っていたグリット排出量と重油使用量の削減に取り組んだ。</p><p>グリット排出量削減については,スレーカー能力がオーバースペックとなっていることに着目し,反応液の前戻しをテスト検証し効果に繋がった。</p><p>一方で,重油使用量削減については,ドラフトファン能力過大に着目し,ファンモーターをインバーター化しキルンのバランス調整を図り重油使用量削減に繋がった。</p><p>いずれもパルプ減産に伴うサイズダウン対応という一見後ろ向きな改善だと捉えられる部分もあるかと思うが,現行設備を小さな投資で大きな改善効果を得られた価値ある事例だと捉えている。今後もさらなる競争力強化に向けて,意識を高め操業改善に努めていく。</p>
出版者
日経BP社
雑誌
日経システム構築 (ISSN:13483196)
巻号頁・発行日
no.153, pp.26-32, 2006-01

Part1では,どんなユーザーでも割と簡単に取り組める節約術を紹介する。例えば,サーバー機やディスク装置といったハード機器の選定。業務の重要度などを考慮してオーバースペックを排し,適切なハード機器を選定するだけで,数百万円の費用が浮かせられることもある。 ハード機器の調達手段も工夫の余地がある。
著者
加藤 陽治 藤田 美香 浅利 宇多子
出版者
弘前大学教育学部
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
no.69, pp.p131-135, 1993-03

市販ゴボウに含まれる貯蔵性多糖イヌリン(フラクトオリゴ糖も含む)の量,ならびに貯蔵および加熱処理におけるイヌリンの変化について調べ,次の結果を得た。1.ゴボウに含まれるイヌリン量とその分子量は購入時期により顕著な差が見られた。5月購入のもののイヌリン含量は可食部の5.4%,イヌリンの分子量分布は高分子(分子量約1800以上):低分子(分子量1800以下)-15:85であった。8月購入のもののそれぞれの値は9.8%,および56:44であった。2.ゴボウ中のイヌリン(分子量1800以上)は,室温一週間放置で約20%が,冷蔵庫(40C)三カ月放置で,約80%が低分子(分子量1800以下のフラクトオリゴ糖)化された。3.ゴボウ中のイヌリンの低分子化には,ゴボウ中のイヌリン分解酵素が関与している。4.ゴボウを加熱するとき,はじめ40Cで10分間前処理した後,沸騰させると,わずかながらもイヌリンの低分子化がみられた。これらの結果より,ゴボウの貯蔵,調理操作の工夫により,ショ糖と同じ性質の甘味を有しながら,ショ糖とは異なった生理作用(難う蝕原性,ビフィズス菌増殖促進作用など)をもつフラクトオリゴ糖をイヌリンより生成させることが可能になると考えた。
著者
内藤 初枝
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.321-326, 1995

ごぼうの褐変防止方法としての食酢の活用意義を明確にするとともに, より効果的な褐変防止方法を検討し, 以下のような結果を得た。<br>1) 水または3%食酢水浸漬を実施したごぼう中のポリフェノールオキシダーゼ (PPO) は, 生と比較して減少した。また, 酵素活性に適したpHは5.5~6.7であり, この酵素は酸性側で非可逆的に不活性となった。<br>2) 水または3%食酢水浸漬により, 浸漬処理後のごぼう中のポリフェノール (PP) 類含量は, いずれも13%程度減少した。<br>3) 見かけ上, 水浸漬溶液は褐変が濃く, 3%食酢水浸漬溶液ではPP類含量が高かった。<br>4) 各浸漬溶液のpHを6.7に補正し, 新たにPPO (チロシナーゼ) を添加したところ, 3%食酢水浸漬溶液では溶液の褐変が増加し, PP類の測定値が低下し, 水浸漬溶液の結果と同様の傾向を示した。<br>5) ごぼうの表面色は, 浸漬溶液から取り出した後も徐々に着色していった。特に, 3%食酢水浸漬のごぼうでは, 褐変酵素が非可逆的に失活しているにもかかわらず, 更に褐色系着色が進行した。<br>以上の結果から, ごぼうの褐変防止方法としては, 食酢水浸漬より水浸漬のほうが褐変防止効果は大きいという結論を得た。
著者
鹿島理華 佐藤彰洋 谷垣宏一 山足光義
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.465-466, 2014-03-11

業務毎に独立したサブシステムを段階的に構築し大規模で複雑化した社内システムではデータも各システムに分散し個別に管理され有効活用されていない。データベース間でデータ連携まで行う製品適用はシステム規模によってはオーバスペックとなり既存システムへの影響も大きい。そこで、我々の持つスキーママッチング技術や辞書構築技術を適用し、メタデータを一元管理するデータ辞書とメタデータを使ったデータ品質・ガバナンス管理機能からなるデータ管理層を検討した。この検討結果を報告する。
著者
中村賢二
雑誌
JOHNS
巻号頁・発行日
vol.2, pp.21-26, 1986
被引用文献数
1
著者
岡野 浩三 北道 淳司 東野 輝夫 谷口 健一
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.354-363, 1993-07-25
参考文献数
9
被引用文献数
4

本論文では代数的手法による順序機械型プログラムの階層的設計法について提案する.我々の階層的設計法では要求仕様から実現プログラムまで同一の詳細化法に基づいて段階的に順次詳細化していく.各レベルでは,そのレベルでの関数,処理の性質等の要求記述が行われ,そのレベルで閉じた記述になっている.我々は,プログラム設計技法の共通問題として提供された在庫管理問題に対し本手法を適用し,他の文献では見られなかった入出力関係のみを指定した要求記述から,5段階にわたって逐次詳細化し,プログラムを開発した.本論文では記述の概略と共に,要求記述や詳細化の際に一般的に生じる問題点,解決法を述べ,また,他の方法論との比較も行っている.「拡張射影」と呼ばれる単純な枠組で最上位の満たすべき入出力関係を記述できること,記述は完全に階層的であること,各レベルの要求記述はいわゆるオーバスペックにならないように必要なことのみ記述していること,各レベルの要求記述に抜けがないよう記述スタイルを工夫していること,正しさの形式的な証明が可能であったこと,実現プログラムの実行時間はCプログラムのそれのたかだか2倍程度であること,等の結果より,本設計法および処理系の有効性が確かめられた.
著者
戸田 覚 原 如宏 伊藤 朝輝
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.758, pp.38-49, 2016-11-28

iPhone 7 Plusは、デュアルカメラに進化したのも注目ポイントだ。従来と同様の広角レンズのほかに望遠レンズを搭載しており、切り替えて利用できる(図14)。 日本市場だけに提供されるのが、Suicaへの対応だ。
著者
田中 秀治
出版者
日経BP
雑誌
日経エレクトロニクス = Nikkei electronics : sources of innovation (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1230, pp.72-76, 2021-08

米国のスタートアップ企業である米Vesper Technologiesが骨伝導MEMSマイクを発売した。狙いは、骨伝導MEMSマイクを圧電式MEMSマイクと組み合わせ、AirPodsのようなヘッドホンのノイズキャンセリングに使うことだ。東北大学教授の田中秀治氏がこの新しい使い方や将来展望…
出版者
日経BP社
雑誌
日経Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.10, no.12, pp.31-37, 2008-12

OpenWrtには豊富なパッケージが用意してあるため,さまざまなサーバーを手軽に構築できる。しかし,ネックになるのがストレージの不足だ。そこでSDカード・スロットを増設し,SDカードを内蔵フラッシュの代わりに利用する方法を紹介する。 OpenWrtの特徴の一つが,パッケージ管理システムの完備と充実したパッケージを提供する点だ。
著者
藤本 東 小川 徹 山本 和慶 松井 勇佑 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 41.05 マルチメディアストレージ/コンシューマエレクトロニクス/ヒューマンインフォメーション/メディア工学/映像表現&コンピューターグラフィックス (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.35-40, 2017 (Released:2021-05-12)
参考文献数
6

我々は Manga109という 109冊分の漫画画像を収めた学術利用可能なデータセットを構築した.このデータセットは高品質かつ多様な漫画画像を含んでいるが,メタデータを持たないため機械学習や手法間の比較等の用途にそのまま使うことができなかった.本研究では「コマ」「テキスト」「キャラクター」の 3つの要素についてメタデータを構築する.さらにこのメタデータについての解析を行い,著者やジャンル等について特徴を抽出できる可能性があることを示す.
著者
Nami Takada Mitsuyoshi Hirokawa Chiho Ohbayashi Takeshi Nishikawa Tomoo Itoh Naoko Imagawa Tetsunari Oyama Tadashi Handa Tadashi Hasegawa Shintaro Sugita Akiko Murata Akira Miyauchi
出版者
The Japan Endocrine Society
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.239-244, 2018 (Released:2018-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
6 18

Hyalinizing trabecular tumour (HTT) immunohistochemically shows cell membranous immunoreactivity for MIB-1. This aberrant immunoreactivity is an important factor for the diagnosis of HTT. However, fully automated stainers frequently fail to confirm the immunoreactivity. The aim of this study is to investigate the cause of false negative cell membranous immunoreactivity for MIB-1 in HTT using fully automated stainers, to determine potential reasons for the problem, and to establish methods confirming cell membranous immunoreactivity for MIB-1 in HTT. Six participating institutions examined immunoreactivity for MIB-1 in 10 HTT cases using two approaches: fully automated and semi-automated methods. In the latter, antigen retrieval was carried out using manual methods adopted for routine assays at each institute. The autostainers used included the BOND-MAX, BOND-III, Benchmark XT, and Omnis systems. Using fully automated methods, institute E showed cell membranous MIB-1 positivity in all HTT cases. In contrast, at institute D, all HTT cases were negative. The positive rates of the remaining four institutes ranged from 10% to 20%. The incidence of positive cases using semi-automated methods was 100%, 90%, 90%, 30%, 80%, and 100% at institutes A, B, C, D, E, and F, respectively. We assert that antigen retrieval should be conducted manually for diagnosis of HTT; furthermore, definitively diagnosed HTT should be prepared as the external positive control.
著者
丸山 哲夫 内田 浩 升田 博隆 小野 政徳 BULUN Serdar SCIARRA John J.
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、子宮内膜症および子宮腺筋症の発生・進展における幹細胞の役割を明らかにするために、ヒト内膜細胞を用いた腹膜内膜症モデルマウスの開発を行い、磁性体により内膜症様病変をマウス壁側腹膜の任意の位置に局在させ得る戦略が可能で有ることを示した。同時に、新たに幹細胞標識追跡法を開発することで、組織(病変)再構成過程における幹細胞の振る舞いを検証できるin vivoシステムを構築し得た。さらに、子宮腺筋症の類縁疾患である子宮平滑筋腫の病因メカニズムに幹細胞とWNT/β-Catenin経路が関与することを明らかにした。
著者
桜井 武
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

レム睡眠中には、大脳辺縁系が強く賦活しており、その意義と機構を理解するためにレム睡眠の制御系を含む睡眠醒制御系と大脳辺縁系の関係を解明する必要がある。今年度、ウィルスベクターによるトレーシング技術と光遺伝学を用いて大脳辺縁系と睡眠覚醒制御系との構造的および機能的な相互関係を明らかにすべく研究を進めた。レム睡眠中には大脳辺縁系が強く賦活しているが、同時に運動野もふくめ賦活された脳から運動系への出力を解除するために、全身の抗重力筋の筋緊張が大きく低下していることが知られており、これは脳幹からα運動ニューロンが局在する脊髄前角に投射するグリシンとGABAを介した強力な抑制性経路によってなされている。一方、オレキシンニューロンが欠損したナルコレプシー患者では、覚醒時、情動が発動している時にこの筋弛緩メカニズムが働いてしまい、カタプレキシー(情動脱力発作)と呼ばれる筋緊張の低下をともなう発作を来す。これらのことから大脳辺縁系の活動と、本来レム睡眠中に見られるべき筋緊張低下のメカニズムに深い関係があり、ここにオレキシン系が介在して覚醒時には筋緊張機構を制御していると考えられる。しかしこの三者がどのような神経接続をもって相互に機能しているのか、明らかになっていない。そこで大脳辺縁系と睡眠覚醒の制御系の相互関係を解明するためにcTRIO法をもちいて 脊髄前角に投射する延髄腹側のグリシン作動性ニューロンの上流を明らかにした。この経路はオレキシン欠損マウスにおけるカタプレキシーの発現にも関与していた。一方、ナルコレプシーマウスのカタプレキシー時の扁桃体におけるドーパミンの動態をGRABセンサ ーとファイバーフォトメトリーを用いて明らかにした。扁桃体のドーパミン線維の光遺伝学的操作によりカタプレキシー時のドーパミン動態を模倣するとカタプレキシー様の発作を惹起できることが明らかになった。
著者
新里 祐教
出版者
日経BP社
雑誌
日経network (ISSN:1345482X)
巻号頁・発行日
no.233, pp.20-35, 2019-09

通信の仕組みを学ぶために、無味乾燥な教科書を読むだけでは頭に入りにくい。実は、身近な通信機器がどうやって通信しているのかを調べるのが理解の近道だ。米アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods」、米アマゾン・ドット・コムのIoTデバイス「AWS IoT エンタープライズボタン」、ネットワークインターフェースカード(NIC)などを例に、どんな仕組みで通信しているのかを見ていこう。
著者
那須 実千代
出版者
聖路加看護大学
雑誌
聖路加看護学会誌 (ISSN:13441922)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-10, 2005-06-20

本研究は,看護職が音楽療法の要素をふまえたケアを生活の場の日常的な状況のなかで行いたいと考え,とれを「音楽体験を話題にしたケア」として入院患者を対象に試み,その看護ケアとしての可能性を探ることが目的である。音楽体験を話題にしたケアは,「患者と看護者の間で相互作用が築かれ,音楽体験を話題とした会話でのやりとりをする働きかけで,患者にイメージが想起されて気持ちが動き,喜びや満足感,安心感を伴う経験となり,個人のよりよく生きる活力と連関するもの」とした。具体的には,患者にとって「嬉しい」「楽しい」「好きである」音楽は何であるか,また「落ち着く」「穏やかになる」「安らぐ」音楽は何であるかを話題に自由なやりとりを行った。研究方法は,入院患者10名を対象に音楽体験を話題にしたケアを試み,その状況記述から横軸に経過時間,縦軸には会話のやりとりの関係性,気持ちを表す言葉,音楽行動,Visual Analogue Scaleを示すケア経過図を作成し,ケアの実際を検討した。音楽体験を話題にしたケアは,実施する場所や時間帯を選ばず,音楽を話題とした会話から,患者はイメージを想起している。話題となる音楽は,演歌,童謡,クラシックなどさまざまで,歌う,聴くなどの音楽行動が伴う。患者の話すエピソードは,幼少時から最近までのあらゆる体験からなり,患者にとっては人生の一時期や日常生活の振り返りの場となる。現在の身体状況よりも音楽の話題に関心が向き,快のほうへ気持ちが変化して,生きる活力を強める可能性をもつ。また,看護者は,患者の話すエピソードに共感し,心に寄り添えることから,このケアは看護実践の可能性をもつと示唆された。