著者
奥村 智子
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科文化環境言語基礎論講座
雑誌
デュナミス (ISSN:13438492)
巻号頁・発行日
no.4, pp.125-140, 2000

非公開申請中のため、一時的に公開停止(2018.3.19)
著者
中島 美津子 森山 美知子
出版者
一般社団法人 日本看護管理学会
雑誌
日本看護管理学会誌 (ISSN:13470140)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.22-31, 2009 (Released:2018-12-28)
参考文献数
20

本研究は看護労働環境改善に関する研究の一環として日本の看護労働環境の可視化を試みることで看護職離職問題への示唆を得ることを目的とした.調査対象は5病院の組織全層1193名の看護師とした.米国の看護師をひきつける病院「マグネットホスピタル」の研究で開発された看護労働環境に関する尺度(Nursing Work Index- Revised 以降NWI-R)を使用し,NWIの日本語版として使用した.その際尺度の信頼性と妥当性の検討も実施した.信頼性にはCronbachのα係数を用い,信頼性検討後,構成概念妥当性の検討に職務満足度および蓄積的疲労徴候尺度を用いた.因子分析による下位尺度は日本の看護環境の構成概念を表象化したものである.その結果,全体の信頼性係数α =0.879 であり,下位尺度も0.5以上であった.NWI-Rの下位尺度と職務満足度,蓄積的疲労徴候尺度にも相関が認められ,使用尺度として信頼性と妥当性が得られた.因子分析の結果,日本の看護組織構成概念として①看護管理者のマネジメント能力②専門性を発揮できる看護環境③看護師―医師関係④人員配置⑤キャリア・アップ支援⑥組織内における個人の位置づけの6つが得られた.
著者
八幡 重太郎 増渕 正博
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.5_19-5_26, 2008

入力信号(信号因子)の手動変速機の油温と制御因子(設計変数)の直交表を用いた直積実験で得られた直交多項式の係数の加法性が、低油温,高油温それぞれの油温範囲で成立することから、出力特性が目標曲線を満たす条件式を提案した。提案した条件式を満足する設計変数で確認実験を行い、出力特性が目標曲線を満足していることを確認した。
著者
太田 幸雄
出版者
公益社団法人 大気環境学会
雑誌
大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.A31-A41, 1994-03-10 (Released:2011-11-08)
参考文献数
3
著者
加藤 美智子 椿 和文 久下 高生 青江 誠一郎
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.60-68, 2016 (Released:2016-07-12)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

【目的】大麦には,種々の生理作用が報告されているが,大麦β-グルカン抽出物を配合してβ-グルカン含量を増やした場合に,増量に伴う用量依存性が期待できるのか検証した例はない。そこで,本実験では,大麦β-グルカン抽出物を配合した高脂肪食をマウスに給餌し,耐糖能と腹腔内及び肝臓脂肪蓄積に及ぼす影響を評価した。【方法】6週齢のC57BL/6Jマウスに脂肪エネルギー比率50%の高脂肪食を与えた。各飼料中のβ-グルカン含量は,コントロール(C)群0.0%,全粒大麦(B)群1.2%,β-グルカン抽出物添加大麦(B+G)群3.1%,β-グルカン抽出物(G)群5.0%とした。各飼料と水は12週間自由摂取させた。耐糖能試験,肝臓脂質および血清インスリン,レプチン濃度を測定した。また,腹腔内脂肪細胞の平均サイズをコールターカウンターを用いて計測した。【結果】血清インスリン濃度,血糖値−時間曲線下面積は,β-グルカン含量と用量依存性があり,C群に比べ,すべての試験群において有意に低値を示した。脂肪組織重量,脂肪細胞の平均サイズ,レプチン濃度及び肝臓脂質量は,飼料中のβ-グルカン含量と用量依存性が認められた。【結論】大麦β-グルカン抽出物を添加して飼料中の含量を増加することにより,用量依存的に耐糖能異常が起こりにくくなり,腹腔内及び肝臓脂肪蓄積抑制作用が認められた。
著者
寺田 剛
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.101-122, 2014

奥(2003)のStathmopoda sp. 1とこれに近縁であると考えられる種について検討し,S. pedella種群を認めた.また,5新種フトオビマイコガ(S. pullicuneata n. sp.),セグロフトオビマイコガ(新称)(S. atridorsalis n. sp.),ネグロマイコガ(新称)(S. dorsioculella n. sp.),スジボソマイコガ(新称)(S. sericicola n. sp.),ヒダナシオオマイコガ(新称)(S. centihasta n. sp.)を含む本種群の日本産7種について記載および再記載を行った.さらに7種について成虫の外見的特徴,翅脈,雌雄交尾器を図示し,比較した.日本産のS. pedella種群は外見的には胸部や前翅の斑紋,後翅の前縁ひだの有無で識別できるが,オオマイコガとヒダナシオオマイコガの雌は外見での識別が困難である.本種群の分布,幼虫の食性に関しては情報が不足しており,さらに調査が必要である.1. Stathmopoda pullicuneata n. sp.フトオビマイコガ 開張7.3-14.2mm.前翅長3.5-6.6mm.胸部および前翅は黄土色であり,中胸前縁,1/4,中央にアーチ状の黒褐色帯が走る.前翅基部,1/3,2/3に黒褐色帯が走り,前翅1/3の帯の前縁付近と中央から黒褐色条が走り,前者は翅頂付近まで達する.雄の腹部第8節背面に毛束がある.雄交尾器の挿入器には短いコルヌツスが6つ程度ある.雌交尾器の交尾嚢に1つのシグヌムがあり,ドゥクツス・セミナリスにはブラが発達する.成虫は6-8月に採集されている.本種は奥(2003)によってフトオビマイコガStathmopoda sp. 1として記録され,寺田・坂巻(2013)においても未同定種として扱われている.中国から記載されたS. neohexatyla Li and Wang,2002に酷似するが,雄交尾器の挿入器にコルヌツスが無い点で異なる.分布:本州,四国,九州.寄主植物:不明.2. Stathmopoda pedella(Linnaeus,1761)キイロオビマイコガ 開張11.1-13.8mm.前翅長5.1-6.5mm.フトオビマイコガに似るが,胸部および前翅は黄色であり,胸部前縁は黒褐色である.前翅1/3と2/3の帯は黒褐色条で繋がる.前翅頂には黒褐色の斑紋がある.雄交尾器の挿入器にはコルヌツスが4つある.雌交尾器の交尾嚢に2つのシグヌムがある.成虫は5月と7-8月に採集されている.ヨーロッパでは幼虫は秋に寄主植物の未熟な果実に潜り,主に種子を摂食し,その後地表に降りて繭をつくることが報告されている.分布:北海道,本州,四国;ヨーロッパ,ロシア南東部,北アメリカ.寄主植物:国内では不明.ヨーロッパではハンノキ属2種(カバノキ科)を寄主とすることが知られる.3. Stathmopoda atridorsalis n. sp.セグロフトオビマイコガ 開張12.7-15.1mm.前翅長5.9-6.9mm.前2種に似るが,胸部は暗褐色であり,中胸後縁は白色である.前翅は明るい黄土色であり,前翅1/3,2/3に暗褐色の斑紋がある.斑紋は暗褐色条によって繋がり,2/3の帯から翅頂にかけて暗褐色条が走るが不明瞭である.雄の腹部第8節背面に三日月状の硬化した構造が1対ある.雄交尾器の挿入器には短いコルヌツスが10以上ある.雌交尾器の交尾嚢に2つのシグヌムがあり,一方が大きい.成虫は7-8月に採集されている.分布:北海道,本州.寄主植物:不明.4. Stathmopoda dorsioculella n. sp.ネグロマイコガ 開張13.5-15.6mm.前翅長7.0-7.5mm.前翅は明るい黄土色であり,前翅基部に黒褐色帯が走り,後縁基部付近からCuP脈の中央にかけて後縁に沿って黒褐色条が走る.前翅基部から褐色条が3本走り,黒褐色条から褐色条が1本走る.雄交尾器の挿入器には短いコルヌツスが7つ以上あり,基部が融合する.雌交尾器の交尾嚢に1つのシグヌムがあり,ドゥクツス・セミナリスにはブラを欠く.成虫は8-9月に採集されており,奄美大島では11月にも採集されている.分布:本州,四国,奄美大島.寄主植物:不明.5. Stathmopoda sericicola n. sp.スジボソマイコガ 開張14.0-17.0mm.前翅長6.5-8.2mm.胸部および前翅は明るい黄土色であり,中胸前縁付近,1/4,中央にアーチ状の黒褐色帯が走る.前翅CuP脈上と後縁基部付近からCuP脈の中央にかけて後縁に沿って黒褐色条が走る.前翅基部,2/5,2/3,翅頂付近に黒褐色の斑紋があり,2/5と2/3の斑紋は黒褐色条によって繋がる.雄の腹部第8節背面に半円状の硬化した構造が1対ある.雄交尾器の挿入器にはコルヌツスが4つある.雌交尾器は前種に似る.成虫は4-5月と7月に採集されている.幼虫は寄主植物のアブラムシの虫こぶで見つかる.分布:本州,四国,九州.寄主植物:シロダモ(クスノキ科).6. Stathmopoda centihasta n. sp.ヒダナシオオマイコガ 開張14.5-15.3mm.前翅長6.4-8.1mm.前種に似るが,中胸中央付近に1対の黒褐色の斑紋がある.前翅基部,1/3,3/5に黒褐色の斑紋があり,3/5の斑紋から翅頂にかけて黒褐色条が走る.雄の腹部第8節背面に棍棒状毛の束がある.雄交尾器の挿入器にはコルヌツスが2-5つある.雌交尾器は前2種に似るが,ドゥクツス・セミナリスの先端付近が太くなる点で異なる.成虫は7-8月と10月に採集されている.分布:本州,九州.寄主植物:不明 7. Stathmopoda stimulata Meyrick,1913オオマイコガ 開張11.5-18.4mm.前翅長5.4-8.7mm.前2種に似るが雄の後翅に大きな前縁ひだを形成する.前種同様雄の腹部第8節に棍棒状毛の束があるが,前種よりも先端が丸い.雄交尾器の挿入器には短いコルヌツスが4つある.雌交尾器の交尾嚢にラメラを持たず,ドゥクツス・セミナリスは短い.成虫は4-9月に採集されており,琉球諸島では2-3月にも採集されている.幼虫は寄主植物の果実を摂食する.分布:北海道,本州,四国,九州,屋久島,奄美大島,沖縄本島,石垣島,西表島,与那国島;中国,韓国,台湾,ベトナム,タイ,マレーシア,ブルネイ,インドネシア,インド,スリランカ.寄主植物:ヤブニッケイ(クスノキ科).
著者
Michael W. Bolt Joseph T. Brady Lawrence O. Whiteley K. Nasir Khan
出版者
The Japanese Society of Toxicology
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.57-68, 2021 (Released:2021-02-02)
参考文献数
57
被引用文献数
1 25

The number of gene therapies in development continues to increase, as they represent a novel method to treat, and potentially cure, many diseases. Gene therapies can be conducted with an in vivo or ex vivo approach, to cause gene augmentation, gene suppression, or genomic editing. Adeno-associated viruses are commonly used to deliver gene therapies, but their use is associated with several manufacturing, nonclinical and clinical challenges. As these challenges emerge, regulatory agency expectations continue to evolve. Following administration of rAAV-based gene therapies, nonclinical toxicities may occur, which includes immunogenicity, hepatotoxicity, neurotoxicity, and the potential risks for insertional mutagenesis and subsequent tumorgenicity. The mechanism for these findings and translation into the clinical setting are unclear at this time but have influenced the nonclinical studies that regulatory agencies are increasingly requesting to support clinical trials and marketing authorizations. These evolving regulatory expectations and toxicities, as well as future nonclinical considerations, are discussed herein.
著者
井ノ崎 敦子 大辻 隆夫 大辻 隆夫 OTSUJI Takao
出版者
京都女子大学発達教育学部
雑誌
京都女子大学発達教育学部紀要 (ISSN:13495992)
巻号頁・発行日
no.6, pp.61-71, 2010-02

本研究は, DV被害女性のためのサポートグループの開発とその効果について検討することを目的とした。研究1では, DV被害女性のためのサポートグループの効果に関する仮説を提示することを目的として, サポートグループに参加した7名のDV被害女性のプロセス分析を行った。その結果, 1.DV被害への囚われ, 2. DV被害の客観的理解, 3.過去のトラウマ体験への直面, 4.自己肯定感の表明, 5.現在最も深刻な被害への直面, 6.現実的対処の提案という6つの段階を経て心理的自立を促進させるという仮説が見出された。続く研究2では, 研究1で提示されたサポートグループの効果に関する仮説を検証するために, 別のグループに参加した3人のDV被害女性のプロセス分析を行った。その結果, 5の段階を除く, 5つの段階(1~4, 及び6)が妥当なものとして確認された。これにより, サポートグループの効果に関する仮説はほぼ支持されたと言える。
著者
金子 奈美
出版者
日本イスパニヤ学会
雑誌
HISPANICA / HISPÁNICA (ISSN:09107789)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.59, pp.61-83, 2015

スペイン・バスク地方の作家ベルナルド・アチャガが2003年にバスク語で発表し、2004年に彼自身によるスペイン語訳が刊行された長篇小説『アコーディオン弾きの息子』は、その複雑な構造を大きな特徴とする。本稿では、作中に二人の作者及び語り手が存在すること、すなわち小説全体が主人公ダビの回想録を彼の友人ヨシェバが書き直した本と設定されている点に着目して、作品の複雑な構造を捉え直すとともに、ヨシェバの書き直しがダビの自伝的語りに対しどのような機能を担っているかを考察する。とくに分析の対象とするのは、 ダビが回想録を執筆することで向き合おうとしたいくつかのトラウマ的出来事が、作中のどのセクションで、ダビとヨシェバのどちらによって、どのように 語られるかという点である。分析の結果、ダビの過去のトラウマをめぐる語りが作品構造の一つの軸を成していること、そしてそれぞれのトラウマ的経験の異なる語られ方とそこにおけるヨシェバの介入の効果が明らかになる。