著者
尾崎 航成 向井 宏明 松井 くにお
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.621-622, 2020-02-20

幅広い世代へのインターネット普及に伴い,SNS(ソーシャルネットワークサービス)が広く利用されている.反面,SNS上の人権侵害が増加しており,これに伴いインターネット監視団体の負担も増加している.今後もSNSの利用者が増加し,SNS投稿数も増加が予想されるため,不適切投稿の監視自動化が求められる.本研究では,機械学習を用いて不適切投稿を自動検知する手法を検討し評価を行った.人権侵害に該当するニュアンスの投稿を不適切投稿としてラベル付し学習モデルを作成し教師あり学習による不適切投稿の検知を評価したので報告する.
著者
宮田 佳美 禹 在勇
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.70, 2015 (Released:2015-06-11)

本研究は大学と地域の関係性と地域振興について明らかにするものである。かつて「信州の学海」と呼ばれた、長野県小県郡塩田町の大学誘致の事例を取り上げる。塩田町は戦後復興のため、地域文化を活かしたコイの養殖を行い、これを町の主産業とすることに成功した。しかしながら、それまで行ってきた農業や観光に対する先行きの見えない不安は大きく、移住する住民も多かった。そこで、「東信学園都市構想」の先駆けとして、大学誘致による、農業と観光の再興を目指すこととなる。この大学誘致と地域の関係性について時代背景と共に研究し、今後の地域振興について考える。
著者
八木孝夫
出版者
東京学芸大学英語合同研究室
雑誌
英學論考 (ISSN:03889769)
巻号頁・発行日
no.42, pp.65-83, 2013-12-01

名詞を後位修飾する英語の不定詞節において、もしその節が関係節であれば存在するはずの前置詞が消えている現象が、被修飾名詞がいわゆるbare NP adverbの用法を許す名詞でない場合でもかなり広く見られることを実証し、その構造や出現の由来を明らかにすることを目指す。本前編では、当該の現象の体系内での位置づけを探る一環として、bare NP adverbsの分布について再吟味し、特に名詞placeの分布に拡張の仕組みが働いていることを示す。
著者
植村 信保
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2018, no.643, pp.643_139-643_154, 2018-12-31 (Released:2020-03-26)
参考文献数
5

かつての保険行政は生命保険会社の健全性確保に際し,純保険料式責任準備金の積み立てと株式含み益に大きく依存し,銀行と同様の切り口で保険会社の監督に当たった結果,ロックイン方式の弱点を見過ごした。このことが後の生保危機を増幅してしまったと考えられる。リスクベースの新たな健全性指標として導入されたソルベンシー・マージン比率も生保危機の局面では十分機能しなかった。その後の健全性規制の動向を確認すると,ソルベンシー・マージン比率の見直しを段階的に進める方針を打ち出したものの,中期的に進めるとした経済価値ベースのソルベンシー規制の導入は未だ目途が立っていない。他方で自己規律の活用という新たな健全性確保の枠組みが台頭し,本来は自らの企業価値向上のために取り組む ERMを,監督当局が健全性規制の一環として活用するようになった。ただし,自己規律の活用には利点だけではなく,限界があることも見えてきた。
著者
武井 貢彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.261-268, 1997-06-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

慢性関節リウマチにおいて上位頚椎病変を合併することは少なくなく, 上位頚椎の亜脱臼による延髄及び脊髄の圧迫で急速な死の転帰をとることがある.突然死の原因として近年睡眠時無呼吸症候群 (Sleep apnea syndrome; 以下SAS) が注目されているが, RAにおけるSASの合併に関する報告は少ない.本研究では上位頚椎病変を有するRA患者に睡眠ポリグラフィー, 頚椎単純X線撮影及びMRIを施行し画像診断上の特徴よりSAS出現の危険因子を明らかにした.対象はRA患者7例で男性1例女性6例, 年齢は42歳から60歳, stage III: 5例, stageIV: 2例, class2: 1例, class3: 6例であった.1時間あたりの無呼吸回数 (apnea index) が5以上のものをSASとした.画像診断としてはatlanto-dental interva1 (ADI) , 残余脊柱管前後径 (space available for the cord; 以下SAC) , Perpendicular distance; 以下PD) , Redlund-Johnell値及rama1-height値を計測, MRIでは特に延髄腹側の状態を観察した.SASと診断された症例は3例で前方亜脱臼, 及び前方亜脱臼と垂直脱臼の合併が各1例ずつでいずれもMRIで延髄下部腹側の圧迫が認められた.また1例は顎関節破壊による2次性の小顎症を呈していた.延髄下部腹側の圧迫の認められない症例ではslee papneaは出現していなかった.前方亜脱臼を呈する患者ではSACが13mm以下, 垂直亜脱臼を呈する患者ではPDが7mm以下となり, MRI画像で肉芽などによる延髄下部, 上位頚髄の特に腹側の圧迫像が見られる場合にはSASを起こしている可能性が高かった.延髄下部腹側には呼吸リズム産生機構があることが示唆され, 亜脱臼の方向にかかわらずMRIでの延髄下部腹側の圧迫像の存在はSAS発症の危険因子と考えられた.
著者
山本 鈴子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.75-80, 1957-05-31 (Released:2010-03-09)
参考文献数
2

1. きうりやだいこんなどの浅漬では漬物を出してからのビタミンCの損失は、漬物の種類をとわずすべて時間の経過とともに減少していく。従つて出したてを食べる方がよい。2.だいこんでは糠味噌漬と塩漬ではそれ程の差は認められないがきうりの糠味噌漬は塩漬に比し出しておくと色も味も悪くなりまたビタミンCの損失の割合も大きい、3.長時間漬けておいたもの程出してからのビタミンCの減り方は大きい。4.漬物の形から見ると丸漬より半月漬の方が出してからのビタミンCの損失が大きい。5.生野菜を庖丁して5時間位おいてもビタミンCはあまり減らなかつた。6.水分の減少。7~8月頃のような気温の高い折には5時間後に生野菜でも漬物でも15%前後目方が失われる。7.野菜のビタミンCは長く漬ける程損失が多いようだ。詳細については目下研究中である。
著者
中川 真紀子 嘉名 光市 蕭 閎偉 Supagtra Suthasupa
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.105-112, 2021-04-25 (Released:2021-04-25)
参考文献数
14

グローバルツーリズムの時代において、観光地化は、経済の発展や雇用機会を創出する一方、外部資本の流入や雑多な事業の介入を招きかねない。そこで、既存の生業や地域空間を保全活用することは持続可能な観光開発にとって重要であると考える。タイ・バンコクは近年の観光地化が著しく、特に、Rattanakosin島は、政府による歴史的建造物の保全や観光開発が行われ、バンコクの主要な観光地として位置づけられている。本研究は、Rattanakosin島の歴史ある2つのコミュニティに着目し、地価や土地利用などの空間的側面と、住民や政府、コミュニティ組織、事業者といった地域関係者の意識と関係性から観光地化の実態を解明した。
著者
宗像 恒次
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
no.29, pp.57-63, 2001

患者さん自らの価値観や人生の目的に照らし、本人自身で適切な治療法を選択するよう支援するには健康相談法とは異なるヘルスカウンセリング法が必要となる。患者さんが本当は何をしたいのかに気づき自己決定するには、ミラーリング効果と共感効果をもてる面接法によって、本人の隠れた本当の気持ちや要求に気づけるよう支援することである。また本人が必要とするセルフケア行動を促すには、その行動を妨げる無力感や見放される怖さや罰意識さなど過去のトラウマ感情をもつイメージの存在を気づかせ、そして変容させ、本人の自信の回復するイメージに変換することである。構造化連想法を用いた本ヘルスカウンセリング法はそれらを構造化された方法で簡便にクイックに実現しうるだろう。
著者
丹羽 寛文
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.1615-1638, 2007-07-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
48
被引用文献数
1

胃カメラのアイディアは,1889年にEinhornが発表したが,当時の技術では,その実現は不可能であった.食道カメラは,Oebermannが1890年,ついでKellingが1997年に試みている.一方胃カメラに関しては,1898年のSchaafの胃カメラは一枚の写真が得られるのみで実用性は無かった、同年のLange&Meltzingの胃カメラは,50年後の日本の胃カメラと原理,構造,扱い方は,全く同じであったが,感光材料の未発達から感度が低く,粒子が粗く赤色域に感光性が無かった.またX線発見以前で生体に於ける胃の位置,形態に関する知識が皆無で,さらに彼らの研究を継いだ人がおらず,その後の発展が無く見捨てられた.1929年のPorgesand Heilpernの針穴式胃カメラは,実用性に問題があり,1931年のHenningの胃カメラも試みのみに終わった.1950年の宇治らの胃カメラは,良好な写真が得にくく,あまりにも故障が多く,殆ど見捨てられた.しかし1953年以降崎田ら東大田坂内科8研グループが,この機器を取り上げ機器に改良を加え,撮影手技を確立し,実用化が可能となり普及を見る様になった.昭和39年には,診断は胃カメラ,ファイバースコープはファインダーという考えでファイバースコープ付き胃カメラが作られた.その後改良が加えられ,胃カメラ,ファイバースコープ,生検機構が一体化した. 以上の経過から,胃カメラの本当の発明者はLangeらで,宇治らはその改良機を作ったというのが公平な見方であろう.さらにこの不完全な機器を取り上げ,改良を重ね,撮影手技を確立し実用価値のあるものに育て上げた崎田ら当時の東大田坂内科8研グループの功績は極めて大きく,その意義は最初の開発以上と考えられる.

1 0 0 0 OA 武士道の華

著者
箕作元八 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1941