著者
Naoki Takatani Fumiaki Beppu Yumiko Yamano Takashi Maoka Masashi Hosokawa
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.549-558, 2021 (Released:2021-04-02)
参考文献数
29
被引用文献数
1

β-Apocarotenoids are the cleavage products of β-carotene. They are found in plants, carotenoid-containing foods, and animal tissues. However, limited information is available regarding the health benefits of β-apocarotenoids. Here, we prepared seco-type β-apocarotenoids through the chemical oxidation of β-carotene and investigated their anti-inflammatory effects against activated macrophages. Oxidation of β-carotene with potassium permanganate produced seco-β-apo-8’-carotenal, in which one end-group formed an “open” β-ring and the other was cleaved at the C-7’,8’ position. In lipopolysaccharide-stimulated murine macrophage-like RAW264.7 cells, seco-β-apo-8’-carotenal inhibited the secretion and mRNA expression of inflammatory mediators such as nitric oxide, interleukin (IL)-6 and IL-1β, and monocyte chemoattractant protein-1. Furthermore, seco-β-apo-8’-carotenal suppressed phosphorylation of c-Jun N-terminal kinase and the inhibitor of nuclear factor (NF)-κB as well as the nuclear accumulation of NF-κB p65. Notably, since seco-β-apo-8’-carotenal exhibited remarkable anti-inflammatory activity compared with β-apo-8’-carotenal, its anti-inflammatory action could depend on the opened β-ring structure. These results suggest that seco-β-apo-8’-carotenal has high potential for the prevention of inflammation-related diseases.
著者
日下 正一
出版者
心理科学研究会
雑誌
心理科学 (ISSN:03883299)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.1-14, 1983-03-30 (Released:2017-09-10)

J.Piaget's concept of "parallelism" concerning the development of affectivity and intelligence is very important for the evaluation of his psychology as theory of human development. This concept, however, is difficult to understand for many psychologists. The purpose of this article is to contribute to understanding it from the point of view of Piget's developmental psychology. We have three points for understanding of the parallelism. First of all, Piaget's parallelism is based upon the idea of affectivity and intelligence as two aspects of actions ; affectivity is the energetic aspect and intelligence (cognition) is the structural aspect of actions. They are inseparable and complementary, but are of different nature and irreduciable to each other. Secondly, one of the most important concepts in this theory is that of cognitive "structure, " and cognitive development implies the transformation or change of this structure. He insists that affectivity explains the acceleration or retardation, but is not the cause, of structural transformation i.e. intellectual development, nor is intelligence the cause of development of affectivity. According to Piaget's analysis, there is a relation of correspondence, not of causality, between affective and intellectual developments. The developments of affectivity and intelligence, therefore, must be parallel (see Piaget's parallel table of stages of intellectural and affective development). In a sense, it is natural that he should think of this parallelism, because he thinks that actions must always contain both affective and intellectual elements which correspond to each other. Thirdly, another problem, however, remains unsolved ; what is the cause of developments of affectivity and intelligence? The developmental factors for intelligence in Piaget's theory is, as everybody knows, hereditary maturation, experience, social transmission and equilibration. In regard to affectivity, he says that affectivity and intelligence have common factors for their developments ; above-mentioned four factors give rise to the development of affectivity. Consequently affectivity doesn't have to be the cause of cognitive or intellectual development, and vice versa.
著者
塚口 裕康 野間 喜彦 桑島 正道 土井 俊夫 中屋 豊 水野 昭
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

背景 近年のヒトゲノム解析の飛躍的な進歩により、家族性ネフローゼの疾患遺伝子が相次いでクローニングされた。その中でもネフリンとポドシンは共に糸球体ポドサイト細胞間隙に形成されるスリット膜に存在し、濾過膜の構造・機能の保持に働いている。ネフリンは免疫グロブリンスーパーファミリーに属する接着因子で、スリット膜の主要構成分子である。一方ポドシンはカベオリン様のヘアピンループ膜貫通構造を持つ、新規糸球体蛋白であるがその機能は不明である。目的 ポドシンは欠損するとネフローゼや糸球体硬化症発症を引き起こすことが、マウスやヒトで示されており、蛋白尿性腎疾患の発症機序を解明する重要な分子である。ポドシンはストマチンファミリーの属するタンパクであるが、病態解明の第一段階としてまずその細胞や組織レベルでの分子動態を明らかにする。方法 正常ラットとネフローゼモデルであるPAN腎症ラットの糸球体ポドサイト超微細構造下におけるタンパク局在を免疫電顕金染色法にて検討した。同時に、マウスL細胞やイヌ尿細管由来の上皮細胞MDCK細胞にポドシンを発現させ細胞接着装置形成に伴うタンパク動態を検討した。結果 PAN腎症ラットで形成される細胞接着装置にポドシンの集積を確認し、ポドシンが足突起形態の維持に重要であることがわかった(新潟大学・腎研構造病理学・山本格、矢尾板永信博士との共同研究)。培養細胞においても、ポドシンの細胞接着面への集積を認め、生体内のタンパク動態と一致した。考察 ポドシンの局在を解析するのに必要な、動物モデルの確立と培養細胞系の樹立を行った。これらの実験系は新しいポドシン結合タンパクの特性解析に役立ち、新規ネフローゼ遺伝子同定に向けた今後の研究発展に貢献する。
著者
阿部 智和
出版者
北海道大学大学院経済学研究科
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.87-113, 2013-06-11

本論文の目的は,1990年代末までに日本で積み重ねられてきたオフィス空間のデザインに関する研究の到達地点を明らかにし,今後の課題を明らかにすることにある。より具体的には,以下の3点を論じていく。すなわち,①1990年末までに取り組まれてきたオフィス空間のデザインに関する研究では,建築学者たちを中心としてオフィス空間内の快適性や機能性の向上に注目を向けてきたこと,②その一方で,経営学のアプローチを用いて,オフィス空間のデザインとモラールや組織内のコミュニケーションに関する実証研究が積み重ねられてきたこと,③しかしながら,これら2つの研究では,ニューオフィス化運動に代表されるホワイト・カラーの生産性向上を目的としたオフィス空間の改革時に注目されてきた,オフィス空間内でのホワイト・カラーの実際の行動やオフィス空間のデザインとパフォーマンスの関係の解明などに対して十分な実証努力が払われなかったという課題が残されていたこと,の3点が示される
著者
広瀬 悠三
出版者
京都大学大学院教育学研究科
雑誌
京都大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13452142)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.67-79, 2011-04-25

This paper examines the new possibilities to think enlightenment through reconsidering Kant’s idea of enlightenment. It is often said that Kant’s enlightenment shows a fundamental paradox of education: enlightenment tries to make one autonomous but at the same time enlightenment itself hinders it because enlightenment is primarily heteronomous. In this context Kant’s enlightenment deals with an issue of abstract and closed individual. However there is another aspect of enlightenment that is includes a relationship with society and others. In order to be autonomous and mature through enlightenment, one should think publicly. That is to say, one should communicate with others and examine his view at the others’position. Kant also says that one should be a member of cosmopolitan society. I try to pick up two kinds of cosmopolitan: (1) cosmopolitan who has interests in truth, world, inner value of human being and humanity, in other words, interests which are irrelevant to his own profits. (2) cosmopolitan who has a pluralistic view point stemmed from geographical thinking. With this pluralistic and geographical view point, cosmopolitan can live actually and seek such idealistic idea. Kant’s enlightenment asks us to be such cosmopolitan and it suggests dynamic movement to be mature.
著者
山村 高淑
出版者
日本経済新聞社
雑誌
日経グローカル (ISSN:13494880)
巻号頁・発行日
no.196, pp.78-79, 2012-05-21

日経グローカル(2012.5.21. No.196) 「観光地点検」掲載記事
著者
細谷 祐子
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.256, 2017

はじめに 鳥取県立総合療育センターでは平成26年度に利用者・職員合わせて9名のノロウイルス陽性者を出した。このことを受けて感染対策委員会では、感染性胃腸炎発症時のマニュアルの作成、手指消毒の徹底、院内ラウンド、研修会の開催等対策の徹底を図った。以後、集団発生はなく、単発発生で終息できている。集団発生の事例から、施設内での標準予防策の不十分さや多職種で感染対策を実施することの難しさを痛感した。平成28年度から多職種を巻き込んだ感染対策のシステム化を図った結果、継続的に成果につながる仕組みの構築につながったので報告する。 感染対策委員会活動の振り返りと課題 1.正しい知識に基づくマニュアルの整理と標準予防策の徹底の不備。 2.院内ラウンドの実施が不定期。3.研修会の開催が計画的でない。 4.医療職だけでなく福祉職もケア提供者となる。感染対策に対する知識に差がある。5.感染対策が定着しない。 活動内容のシステム化 1.標準予防策の徹底等の業務の規定と明文化。2.PDCAサイクルの徹底。3.活動内容毎に多職種からなるチーム編成。4.教育と育成。 考察 標準予防策(個人防護具の装着)についての自施設内の規定を定め明文化することで、職員への周知と業務の徹底を図ることができた。また、PDCAサイクルを意識することで、委員会メンバーで協働し、継続的に改善を図ることができた。活動内容毎にチーム編成したことは、職種が異なっても感染対策に参加している協働意欲の向上につながった。多職種で構成される自施設においての感染に対する知識の差は、わかりやすい研修や可視化できる工夫で改善を図ることができた。それぞれの活動は「院内感染ゼロ」の共通目的に向かって機能させるために有効な方法であった。 まとめ 職種の異なる集団を組織として機能させ、患者によりよい成果をもたらすためには、「共通目的をもつこと」「伝達しあうこと」「協働」が不可欠である。
著者
李 東真
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.385, 2021-09-01 (Released:2021-09-01)

今月号の特集は,「海外学術出版社の研究支援サービスの変化」と題してお届けします。約20年の間,学術コミュニケーションは大きな変革を遂げました。近年でも,研究成果のドラスティックなオープンアクセス(以下,OA)化を求めるPlan Sの発表とcOAlition Sの発足は,学術界,出版業界に大きな衝撃を与えました。また,COVID-19パンデミックにより,研究成果(論文,研究データ,ソースコードなど)のオープン化,迅速な情報共有を目的としたプレプリントサービス,厳密かつ透明性の高い査読(ピアレビュー)などへの関心が以前にも増して高まったといえるでしょう。本特集では,学術コミュニケーションが絶え間なく発展する中で,学術出版社がそれらの動向をどのように捉え事業を展開してきたのかあるいは展開していくのか,当事者の視点からご解説いただきます。総論として,増田豊氏(ユサコ株式会社)に,国際STM出版社協会の活動から学術出版社の近年の動向をご説明いただきます。各論では,大手出版社の方々にOA,アナリティクス事業の拡大,新たな研究出版ソリューション,プレプリントサービスの動向についてご解説いただきます。Liz Ferguson氏およびBen Townsend氏(Wiley社)には,同社が新規OAジャーナルの創刊や既存ジャーナルのフルOA転換などを通じてOA出版へのニーズの高まりに対応してきたことをご紹介いただきつつ,コンソーシアムとの契約を事例に転換契約(Transformative Agreement)の仕組みやその影響力をご説明いただきます。高橋昭治氏(Elsevier社)には,同社がアナリティクス事業に注力することになったきっかけをご紹介いただいた後,研究力分析ツールを含めた同社の製品・技術面での進展,研究評価者などへの利用者の拡大,今後期待される研究支援のDX(デジタルトランスフォーメーション)への貢献の展望についてご解説いただきます。Taylor & Francis社傘下F1000 Research社のLiz Allen氏には,学術出版における最近の変化の要因とその影響,今後の動向をご考察いただいた後,研究・出版などに関わるステークホルダーの連携によって生まれる研究エコシステムおよびそのインパクトを最大化するF1000 Research社の研究出版ソリューションについてご説明いただきます。最後に,野村紀匡氏(Digital Science社)に,文献調査および動向分析によって得られたプレプリントサービスのビジネスモデル,プレプリント投稿数の推移,プレプリントサービス運営における課題などを示していただきます。読者のみなさまが,これからの学術コミュニケーションを展望するうえで,ご参考となれば幸いです。(会誌編集担当委員:李東真(主査),南雲修司,野村紀匡,光森奈美子)
著者
早田 康三 Hayata Kozo
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構特別資料: 環境試験技術報告: 第6回試験技術ワークショップ開催報告 = JAXA Special Publication: Proceedings of the Sixth Workshop on Environmental Testing (ISSN:1349113X)
巻号頁・発行日
no.8, pp.33-46, 2009-02-27

第6回試験技術ワークショップ(平成20年11月21日. 宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター)MELCO静止衛星標準バス(DS2000)をベースとする商用衛星では、システム機械環境試験の衛星コンフィギュレーションをダミー推薬非搭載としている。この理由は、脱イオン水充填時、乾燥作業時のコンタミ混入リスクが回避できることや、擬似推薬搭載・排出作業の省略により工程短縮が図れることにある。一方で、推薬質量は衛星打上げ時質量の約半分を占めるため、剛性、強度面での衛星構造のフライト品質をどのように検証するか筋道を準備しておく必要がある。ここでは、実際に海外ロケットによる打上げまで至った実績のある検証方法を紹介する。形態: カラー図版あり資料番号: AA0064240003レポート番号: JAXA-SP-08-011
著者
谷中 かおる 東泉 裕子 松本 輝樹 竹林 純 卓 興鋼 山田 和彦 石見 佳子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
榮養學雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.234-241, 2010-06-01
参考文献数
13
被引用文献数
2

大豆中のイソフラボンは構造的にエストロゲンと類似しており,弱いエストロゲン様作用を発揮する.2006年に,内閣府食品安全員会は特定保健用食品から摂取する大豆イソフラボンの上限量を,通常の食事に上乗せして30mg/日と設定した.しかしながら,大豆イソフラボンや大豆たんぱく質が含まれている,いわゆる健康食品には イソフラボンの許容上限量が設定されなかった.そこで我々は,大豆が原料となっている加工食品,特定保健用食品を5品目含む健康食品10品目について,大豆たんぱく質と大豆イソフラボン含有量をそれぞれ酵素免疫測定法(ELISA)と高速液体クロマトグラフ(HPLC)法で測定した。8品目における大豆たんぱく質量は表示の90-118%が確認され,ジュニア選手用のプロテインパウダー2品目においては表示の約半分量が定量された.大豆たんぱく質を含む特定保健用食品中には表示の90-122%の大豆イソフラボンが検出された。一方,表示のない大豆たんぱく質強化食品2品目には一回摂取目安量当たり30mgを超える大豆イソフラボンが検出された。このような食品をジュニア選手が過剰に摂取しないよう注意する必要があると考えられた。<br>(オンラインのみ掲載)
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1580, pp.35-37, 2011-02-28

財務省のある官僚は、今回の法人税引き下げに関わる一連の動きをこんなふうに表現する。 表向き、菅直人首相の肝いりで始まった法人税引き下げも、裏に回れば昨年9月の民主党代表選挙の多数派工作に行き着く。労組出身で日本経済団体連合会とも近い直嶋正行・経済産業相(当時)が法人税引き下げに熱心だったからだ。

1 0 0 0 学会名鑑

著者
日本学術協力財団編
出版者
日本学術協力財団
巻号頁・発行日
2001