- 著者
-
川上 梅
- 出版者
- 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
- 雑誌
- 繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.3, pp.229-238, 2018-03-25 (Released:2018-03-25)
- 参考文献数
- 10
2012-13 年に小・中・高生の男女749 名を対象にして,24 形容詞それぞれにふさわしい色を56 色のカラー表の中から2 色選択するという調査を行い,各形容詞がイメージする色をトーン・色相に分けて男女別学年別に集計し度数表を作成した.これらをデータとして小・中・高生の色彩感情と被服色彩嗜好(特に,「好きな」色と「着たい」色)をコレスポンデンス分析およびクラスター分析を使用して検討した.その結果,(1)Pink は,女性的で甘いイメージであり,暗いイメージ,つめたいイメージ,鮮やかなイメージとは対照的なイメージとして定着していること,(2)男女共に「好きな」色のトーンは集中が顕著であること,「好きな」色の年齢による違いは少ないが,「着たい」色は年齢と共に多様化し,特に高校生で大きく変化すること,(3)男子に比べて女子は,好きな色・嫌いな色を色のトーンで判断しており,着たい色の色相が若年から多様化していること 等が明らかになった.