著者
恩田 匠
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.109, no.3, pp.168-180, 2014 (Released:2018-03-06)
参考文献数
4
被引用文献数
5 8

シャンパンの製造には,ベースのワインをブレンドして各製品に相応しい酒質を造り上げるアサンブラージュが重要なポイントの一つであると言われる。では,実際にはどのようにして毎年ほぼ同じ酒質のノンヴィンテージ・シャンパンが造られるのだろう? アサンブラージュの方法は永く各生産者の秘密とされていたが,シャンパーニュ委員会初の外国人研修生となった筆者に,その秘密を解き明かしていただいた。
出版者
日経BP
雑誌
日経コンストラクション = Nikkei construction (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.718, 2019-08-26

2020年東京五輪・パラリンピックまであと1年となったタイミングで、東京都と国土交通省が会期中に実施する予定の渋滞対策を試行している。建設関係では、工事車両のルート変更や現場への夜間入場、工事の一時休止などを、都や国交省の発注工事で実施する。試…
著者
髙瀬 弘樹 根本 正和
出版者
信州大学人文学部
雑誌
信州大学人文科学論集 (ISSN:13422790)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.53-65, 2021-03-15

本実験は,弓道動作における姿勢の安定性,姿勢と呼吸,動作と呼吸がどのように協調しているのかを検討したものである。熟練者と初心者の弓道動作を比較した結果,発射直前の2000ms間の矢状面方向の身体重心COGᴀᴘ(的と参加者を結ぶ線と垂直方向)の動揺は,熟練者の方が初心者よりも小さく,姿勢の安定性が高いことが示された。また,弓を持つ左手の動揺についても,熟練者の方が初心者よりも小さく,左手の安定性が高いことが示された。熟練者は手の安定性が姿勢の安定性に支えられて実現され得ること,手の動揺は身体各部の補償によって減少させられている可能性が示唆された。呼吸については,"離れ"動作時に,熟練者において呼吸を停止させる比率が高いことが示された。熟練者は呼吸を停止させることによって呼吸によるノイズに抵抗して的中率を上昇させていると考えられた。動作と呼吸の協調的関係は,"大三"動作において熟練者の方が協調的関係の現れる比率が高くなった。"打ち起こし"動作では,熟練者では吸気,初心者では呼気の比率が高くなった。"打ち起こし"動作は前に姿勢が傾くが,熟練者では吸気と協調させることで抑制させていると推測された。本実験の結果から,弓道においては,姿勢の安定性と呼吸による動揺をどのように克服するか,動作と呼吸の協調がどのように組織化されるのかが鍵であり,熟達に大きな影響を及ぼしていることが示唆された。
著者
山口 豊一 松嵜 くみ子 上村 佳代
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学心理学部紀要 (ISSN:24348295)
巻号頁・発行日
no.3, pp.43-53, 2021-03

本研究では,女子大学生における援助要請行動とQOL の関連を検討し,明らかにすることを目的とした。援助要請行動尺度を作成し,因子分析を行った結果,1因子5項目の尺度が作成された。女子大学生139名を対象に,QOL,居場所感,援助要請行動について質問紙調査を行い,測定した。学年差はみられなかったため,学年ごとにデータを分けず相関分析を行った。その結果,QOL,居場所感,援助要請行動の間に十分な相関がみられたため,パス解析を行った。その結果,「援助要請行動」は,「本来感」,「自己有用感」の2つを介して,「精神的健康」「自分」「家族」に影響を与えていた。また,「援助要請行動」は,「自己有用感」を介して,「身体的健康」,「友達」,「学校」に影響を与えていた。以上のように,援助要請行動は居場所感を介してQOL に影響を与えることが明らかとなった。
著者
柳内 桃代 茅野 理恵
出版者
信州大学大学院総合人文社会科学研究科心理教育相談室
雑誌
信州心理臨床紀要 (ISSN:2436326X)
巻号頁・発行日
no.20, pp.179-190, 2021-06-01

本研究ではネガティブ情動への着目の必要性を示すため,開示抵抗感における対他的要因及び対自的要因の強さによる援助要請行動の特徴を明らかにしたうえで,ネガティブ情動への評価が開示抵抗感に及ぼす影響を検討した。その結果,開示抵抗感において対他的要因が高い場合,関係性に影響を与えにくい,且つ状況を説明しやすい相手を選択する傾向が見られた。更にネガティブ情動を抱く自分への嫌悪感が高い場合,相手からの否定的な印象を予期し,ネガティブ情動の開示を悪いことと捉える可能性が示唆された。
著者
串山 寿 三浦 洋子
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済論叢 = CHIBA KEIZAI RONSO (ISSN:21876320)
巻号頁・発行日
no.64, pp.33-45, 2021-06-01

新型コロナウイルスの影響で、大学によっては未だにオンライン授業やオンデマンド授業が中心に行われている。授業はオンラインやオンデマンドで行えたとしても、オンラインテストはどのように実施すればよいのかという課題がある。オンラインテストの場合、カンニングの防止方法や、テスト環境(途中で通信が途切れた場合等)の問題をどのように解決するのかという問題がある。 本稿では、本学学生を対象にMicrosoft Forms(以下、Forms)とMicrosoft Teamsⅱ( 以下、Teams)を利用したオンラインテストの実施方法とその結果を提示し、学生のアンケートデータも加味して、その有用性や課題を分析した。 分析の結果、ユーザー側の学生の意見としては、オンラインテストの方がペーパーテストと比べてやりやすいと回答した学生が多かったので、有用性は認められるが、やりづらいという回答も約3割あり、改善すべき点があることが分かった。出題者側の課題としては、テストを受ける学生の環境を事前に把握し、テスト問題の表示方法を工夫する必要があることが分かった。また、操作性について、スクロールをなるべくしないような設定をする必要があることが分かった。
著者
今野 晃
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.207-223, 2011-09-30 (Released:2013-11-19)
参考文献数
36

1965年の『マルクスのために』『資本論を読む』の出版により, アルチュセールは構造主義の代表として脚光を浴びる. こうした情況の中, アルチュセールは「重層的決定」概念を提起した. この概念は, 一般に「社会は政治, イデオロギーや経済等の諸要素が絡み合って現象する」ことを意味する概念として受容された. しかし, 彼がこの概念で提起した問題は, 通俗的見解に納まらない. 本稿においては, まず彼がこの概念を提起したコンテクストを綿密に追い, その意義を明確にする. ここで重要なのは, この「重層的決定」が社会的現実の多様性をいかにして捉えようとしたかである. この考察によって彼の理論が相矛盾する解釈, 熱烈な評価と同時に激しい批判を引き起こしたか明確にできる. 次に, この重層的決定との関連において, 彼がその後提起した「徴候的読解」を考察する. しかし, この2つの概念にはあるズレがあった. このズレは, その後のアルチュセールの「理論的転回」の本質を明確にするであろう. ただし, ここで明確になるズレは, 彼の理論に固有なものというよりも, すべての社会学的な認識や理論が必然的に直面しなければならないアポリアでもある. アルチュセールの理論的転回を見ることで, 我々はこのアポリアを明確にすることができるだろう.
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.354, pp.148-153, 2000-02-07

自分で録音した学芸会やピアノの発表会の模様、大好きなおじいちゃんおばあちゃんの声、アマチュアバンドを結成して演奏した音楽。実際に聞く機会は少ないかも知れないが、宝物のように保存しているテープをお持ちの方はいるだろう。昔買ったレコードに思い出の音楽が入っているのにCDとして発売されない、とお嘆きの方もいるだろう。