著者
佐藤 誠
出版者
National Institute of Technology, Tsuyama College
雑誌
津山工業高等専門学校紀要 = Bulletin of Tsuyama National College of Technology (ISSN:02877066)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.83-87, 2006-02-28

Structure of single bubble is classified into six types. Although bubbles are often seen in everyday life, a couple of types, a water droplet drifting on water surface and an anti-bubble, that is water droplet wrapped with air film, are regarded as unfamiliar phenomena. Mechanism of the air film stability is discussed in comparison with soap film stability. This paper presents a possible mechanism that sliding and rotation of a water droplet stabilize floating droplet and anti-bubble with preventing air films from losing their thickness. Transpoting air by capillary wave on the droplet surface is also a candidate of the stabilization mechanism. Step-by-step decrease of diameter in collapse of a droplet is explained by the concept of capillary wave.
著者
大久保 昌和 築山 能大 小見山 道 和嶋 浩一 今村 佳樹 岩田 幸一
出版者
日本口腔顔面痛学会
雑誌
日本口腔顔面痛学会雑誌 (ISSN:1883308X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-34, 2014

口腔顔面痛に関する国際的な学術団体には,国際学会もあれば国際学会の内部組織もある.これ等の学術団体は互いに機能的に協力し,重要な役割をなしており,日本口腔顔面痛学会はこれらの団体と密接に関連している.国際疼痛学会(IASP)は痛みを扱う団体の中で最も規模が大きく,歴史のある学会である.口腔顔面痛のスペシャルインタレストグループ(SIG)は,IASP の会員で口腔顔面痛に興味のある研究者で構成されたグループである.一方,国際歯科研究学会(IADR)神経科学グループは,歯学研究者でIADR の会員から成るグループで,口腔顔面痛SIGとともに顎関節症の研究的診断基準(RDC/TMD)コンソーシアムを作っている.RDC/TMDコンソーシアムは2014年にTMDの診断基準(DC/TMD)を発表しており,これは現在の顎関節症の標準的診断基準となっている.米国口腔顔面痛学会 (AAOP)は,アジア頭蓋下顎障害学会(AACMD)やその他の関連学会とともに口腔顔面痛と顎関節症に関する国際学会(ICOT)を組織している.2016年には IASP と AACMD の学術大会が横浜で同時開催されることになっており,日本口腔顔面痛学会の会員はこれらの学会に参加して口腔顔面痛の基礎と臨床の最新の話題について学ぶことが強く推奨される.
著者
永井 勇一
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.65-68, 1982
被引用文献数
1

紙加工分科会は, 機械振興会館6階65号・66・号室を会場とし, 10月7日午後1時より, 予定どおり開催されたが, 出席者は約160名を数え盛会であった。<BR>本州製紙・今泉乾次郎氏の司会により, 次記の5講演が行われた。<BR>紙加工は, 不振な紙業界にあって, 紙の付加価値を向上するという観点より脚光を浴びている重要な問題であるにもかかわらず, 製紙会社よりの発表は, 株式会社巴川製紙所よりの一題目だけであった。これは, 紙加工について, 製紙会社が, Know-Howにかかわる問題をもっており, 発表し難ったことにも一因があったのであろう。<BR>従って, その他の発表は, 業界外で紙業界に関係のある会社の人々によって行われるという結果になった。
著者
杉田 正明 西村 明展 加藤 公 福田 亜紀 松田 和道 須藤 啓広
出版者
Society for Science and Technology
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.31-34, 2013

高地で行われるスポーツ競技会に対し、平地と同様のパフォーマンスが発揮できるよう「高地順化」が求められる。しかし、高地にまとまった期間、滞在しトレーニングを行うには経済的、時間的にも負担が大きく、さらに高地でのトレーニングではトレーニングの強度や量の低下が心配される。2010年に開催されたワールドカップ南アフリカ大会のサッカー男子日本代表は、事前に平地(国内)で安静時に低酸素を吸入し、高地順化を促進する取り組みを行い、ある一定の成果を収めることができたとされている。しかし、特殊なツールを用いた安静時での低酸素吸入に関しては、不明な部分も多く、トレーニングの順序性を考える上で、安静時の低酸素吸入がその直後に行うトレーニングへ悪影響を及ぼす可能性が危惧されるところである。そこで、本研究の目的は、低酸素吸入後にオールアウトまでの運動を行い、通常環境(常酸素)で行った運動と比較して、生体への負担度や運動能力に影響が生じないかどうかを検討することである。8名の健常な男性を対象とし、安静時に低酸素吸入ツールを用いて低酸素吸入(SpO2 88~92 %;1時間のプログラム)をさせ、安静(常酸素)30分後にハンドエルゴメーターを用いて多段階漸増負荷法でトレーニングをさせた。また、低酸素吸入をしない環境(常酸素)でも同様のことを行わせた。各負荷での心拍数、血中乳酸濃度および主観的運動強度(RPE)の値は負荷が上がることに上昇したが、各測定項目の最大値も含めて低酸素吸入の有無による差は認められず、運動継続時間についても有意な差は認められなかった。本研究の結果より、平地で安静時に低酸素吸入をさせても、30分後の平地での通常の運動トレーニングには悪影響を及ぼさないと考えられた。
著者
Seitetsu L. Lee Masao Daimon Takayuki Kawata Takahide Kohro Koichi Kimura Tomoko Nakao Daisuke Koide Masafumi Watanabe Tsutomu Yamazaki Issei Komuro
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.962-966, 2014 (Released:2014-03-25)
参考文献数
15
被引用文献数
10 12

Background: Right atrial pressure (RAP) is commonly estimated using inferior vena cava (IVC) diameter and its respirophasic variations. Although a guideline has been provided for estimation of RAP due to variation in IVC dimensions based on studies in Western subjects, echocardiographic values in Asian subjects are unknown. Methods and Results: We studied 369 patients who underwent IVC ultrasound within 24h of right heart catheterization (RHC). The maximum and minimum IVC diameter during a respiratory cycle and the percent collapse after a sniff test were measured. These IVC parameters were compared with mean RAP measured on RHC. Receiver operating characteristic curves were generated for each IVC parameter to determine the optimal cut-off to detect RAP >10mmHg. The IVC maximum diameter cut-off for detecting RAP >10mmHg was 19mm (sensitivity, 75%; specificity, 78%) and the percent collapse cut-off was 30% (sensitivity, 75%; specificity, 83%). Both cut-offs were smaller than those previously reported in patients from Western countries. When the cut-off values from the existing guideline were applied to the present cohort, the sensitivity and specificity for normal RAP (0–5mmHg) were 38.6% and 74.2%, respectively, and 60.0% and 92.0% for elevated RAP (>10mmHg). Conclusions: The optimal IVC maximum diameter and percent collapse cut-offs to detect elevated RAP were smaller in Asian subjects than in a previously reported Western cohort.  (Circ J 2014; 78: 962–966)
著者
Noriya Nakao Kazuaki Tobari Tomohiro Sugino Yoshiki Ito Mitsuhiro Mishima Daisuke Maeda
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
IEEJ Journal of Industry Applications (ISSN:21871094)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.497-505, 2021-07-01 (Released:2021-07-01)
参考文献数
9
被引用文献数
10

This paper presents a control scheme for smooth torque production in permanent-magnet synchronous motor drives. The proposed control scheme consists of two techniques: a feedforward compensation for torque ripple minimization and an online parameter estimation technique for harmonic fluxes. The feedforward compensation is constructed on a position-sensorless vector control system and generates voltage commands to suppress torque ripples. The command calculation process requires the parameters of the harmonic fluxes; therefore, the proposed control scheme includes their estimator and calculates them from detected current information. These techniques are simpler than existing ones and can be implemented on a computational device with a small amount of calculation load. The proposed control scheme is verified by performing simulations and experiments.
著者
吉原 晋太郎 清野 宏
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.635-642, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
33

広大な面積を有する気道粘膜や消化管粘膜は,微生物を含む無数の有益,および有害な抗原に継続的に曝露されている。多種多様な外来抗原に対して粘膜面では,上皮-間葉系細胞,免疫細胞,および共生微生物叢などから構成される粘膜マルチエコシステムが,互いにコミュニケーションを取りながら,調和のとれた生態系を形成し,「共生と排除」という相反する生体応答を巧みに誘導・制御していることが近年の研究から明らかとなってきている。鼻咽頭および腸管に位置する二次リンパ組織である粘膜関連リンパ組織(MALT)は,抗原特異的免疫応答の開始地点となる重要な構造であり,抗原特異的T細胞およびB細胞の誘導のために必要な管腔側からの抗原補足,処理および提示機能を備えている。抗原提示により活性化されたリンパ球は,各種遠隔粘膜面への選択的な移行のため粘膜指向性分子(CCR9やα4β7など)を獲得し,それぞれの粘膜面で抗原特異的分泌型IgA(SIgA)抗体産生などに携わる。つまり,経鼻および経口免疫により,全身免疫誘導とともに,呼吸器,消化器,生殖器などの粘膜部位での抗原特異的な免疫応答を誘導する。これらの基礎的知見を基盤とし,我々はカチオン化コレステリル基含有プルラン(cCHP)Nanogelを使用した新規経鼻ワクチンシステムを開発している。cCHP Nanogelに組み込まれたワクチン抗原は,嗅球を介した中枢神経への移行がなく,強力な抗原特異的粘膜および全身性免疫応答を誘導することを明らかにしてきた。cCHPベースのNanogelは,安全で効果的な経鼻ワクチンデリバリーシステムと考えられ,呼吸器感染症に対する次世代型粘膜ワクチンとして今後の開発が期待される。
著者
佳田 英信
出版者
財団法人 日本消化器病学会
雑誌
消化器病学
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.703-708, 1940

54歳の女子に發生せる直腸絨毛腫の1例につきその経過・治療法な報告せり.
著者
奈良教育大学附属図書館
出版者
奈良教育大学附属図書館
雑誌
書想 : 図書館報附録
巻号頁・発行日
no.90, 1993-02

『キャッツ』をめぐって 上村盛人/回想の三十年 北弘志/構内の石仏と供花 岩本廣美/図書についての連想 松村竹子/吉備真備の故郷を訪ねて 新居敏男/『書想』と共に 赤井達郎/少年期の活動的な世界を広げるために―ズッコケ三人組シリーズのおもしろさ 船越勝
著者
寺尾 聰
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.327-331, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
30
被引用文献数
1

ケモカインは白血球などの遊走を促して炎症形成に関与するサイトカイン群で,その一つRANTES(別名CCL5)は一般的にはT細胞・血小板・マクロファージ・内皮細胞などから分泌され,受容体CCR1, CCR3, CCR5を介してT細胞・単球などの遊走を促す.脳梗塞巣内では炎症性メディエーターの刺激でastrocyteやmicrogliaからもRANTESが産生され,炎症細胞の活性化や遊走に寄与する.また血管内では放出されたRANTESは血管内皮上のグリコサミノグリカンに沈着し,組織内へ炎症細胞を動員する「道しるべ」として機能する.一方で梗塞巣辺縁ではCCR3, CCR5を介してRANTESが神経保護的に作用するとの報告もあり,RANTESには神経障害的にも神経保護的にも働く多面性があると考えられる.その機能の解明が脳梗塞の新たな治療へつながると期待される.
著者
大見 頼一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.47, pp.H-22-H-22, 2020

<p> 「ACL再建術後のスポーツ復帰は良好だけど,怪我をする前に何かできることはないのでしょうか?」我々のACL損傷予防の取り組みは,あるトレーナーさんからのこの一言によって始まった。調査すると欧米ではACL損傷を予防するために様々な予防プログラムが考案されていることを知り,「是非日本でもこれをやってみたい」と考えた。そこで「スポーツ現場での予防プログラムの普及と研究の実践」をコンセプトに有志PTで「スポーツ傷害予防チーム」を作り,予防活動を始めた。開始当初は,欧米のプログラムを真似して行ってみたが様々な問題があり,独自のプログラムを考案することが必要であった。膝関節は特に体幹・股関節の肢位から影響を受けるため,股関節に着目した予防プログラムであるHip-focused Injury Prevention program(HIP program)を考案した。HIP programはジャンプ着地,股関節・体幹筋力強化,バランスの3要素から構成され,この介入によって,高リスク種目である女性バスケットボール選手の非接触型損傷発生率は有意に減少した(Omi AJSM2018)。</p><p> 近年,初発のACL損傷以外に問題となっているのが,ACL再建術後の再損傷である。再損傷は再建靭帯が損傷する再断裂と対側損傷に分けられ,若年スポーツ選手の発生率は再断裂11%,対側損傷12%と報告されている。再断裂は術後1年以内に発生することが多く,理学療法によって減少できる可能性がある。我々は,2011年からこのHIP programをACL再建術後のリハビリプロトコルに組み込み,再断裂予防リハプロトコルを作成した。再断裂予防リハ導入後では,その発生率は約半減した。このような予防活動の実践と効果検証を行ってきたが,すべては予防チームの理学療法士と当院理学療法士のチーム力によるものである。この度はスポーツ現場と臨床での実際と効果検証について紹介する。</p>