著者
高村 明
出版者
独立行政法人 国立高等専門学校機構豊田工業高等専門学校
雑誌
豊田工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:02862603)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.53-13, 2020 (Released:2021-02-04)

実数の拡張として分解型複素数[1] と呼ばれる数がある.複素数は体であるが,この分解型複素数は体で はなく環である.このノートでは,双曲線版のオイラーの公式を使って,分解型複素数を定義する.そして, 分解型複素数平面における距離を行列ノルム[2] を使って定義し,分解型複素数を変数にもつべき乗の極限 limn→∞ zn は,円ではなく正方形を収束領域に持つことを示す.さらに,分解型複素数を変数に持つ関数 の微分可能条件からコーシー・リーマンの関係式に類似した関係式を導く.最後に,複素関数のコーシー・ リーマンの関係式と違って,分解型複素数を変数とする関数の微分可能条件は,微分する方向によらないと いう条件から導かれるコーシー・リーマンの類似関係式よりも強いことを示す.
著者
永井 朝子 久米 和興
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.4_61-4_73, 2004-09-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
56

本研究は,精神科病棟における保護室の看護技術をカテゴリー化し,保護室の看護技術に関する臨床看護師の認識を明らかにすることを目的とした。保護室の看護技術について【安全管理・集中治療】,【患者説明・患者教育】,【処遇改善・サービス向上】の3つのカテゴリーに関する項目からなる質問紙を作成し,Y県内の精神科病棟を有する12施設に従事する看護職員を対象とした質問紙調査を行い,596の有効回答を分析した。その結果,各カテゴリーの看護技術項目において,属性(性別,職階,精神科看護臨床経験年数)によって重視度が異なる項目がみられた。また,3つのカテゴリー間の看護技術項目に対する重視度の違いを検討した結果,【安全管理・集中治療】は【患者説明・患者教育】及び【処遇改善・サービス向上】と比較して,重視されている項目数の割合が高かった。これらの結果は,実際に提供されるケアに影響を与えている可能性がある。
著者
中沢 伸弘
出版者
国学院大学出版部
雑誌
国学院雑誌 (ISSN:02882051)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.p44-71, 1987-01
著者
Kamiyama Noriaki Hosokawa Yutaro
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
IEICE Communications Express
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.318-322, 2019

<p>Using virtualized CDN such as Amazon CloudFront in which cache servers are provided on virtual machines, content providers can flexibly select the regions of using cache servers according to the geographical demand pattern of their users, so they can expect to reduce the cost of using CDN. However, to maximize the profit of content providers, they need to carefully select the locations of cache servers which affect the quality perceived by users as well as the total cost. We propose a method of optimally selecting the geographical regions to use cache servers maximizing the profit of content providers.</p>
著者
酒井 明
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.20, no.8, pp.554-562, 1999-08-10 (Released:2009-08-07)
参考文献数
43
被引用文献数
2 2

When the contact size becomes comparable to electron Fermi wavelength, the electron transport through such a small point contact shows various quantum phenomena. Quantization of conductance is a marked example of such quantum effects. In the case of metal contacts, one has to fabricate atom-sized contacts for observing the quantized conductance. However, thanks to recent developments in nanotechnology, it is now possible to investigate experimentally some properties of quantized conductance in various metallic nanocontacts. In this article, I will give a brief survey of previous studies of quantized conductance in metal nanocontacts. Since this field is relatively new, many aspects of quantized conductance still remain to be identified.
出版者
日経BP
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.995, pp.6-8, 2019-07-25

2019年7月4日午後、都内で緊急記者会見を開いたセブン・ペイの小林強社長は、QRコード決済サービス「7pay」で発生した不正利用について陳謝し、深々と頭を下げた。 セブン&アイ・ホールディングスは7月11日午後5時時点で不正利用の被害者の数を1574人、被害額を…
著者
田中和幸 河原好孝 古市昌一
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.555-556, 2014-03-11

2011年に発生した東日本大震災では,津波による被害者の数が膨大であった.災害時,多くの避難民はどこに避難すれば良いのか判断することが困難である.そこで,本研究では地震や災害発生時に避難民が効率良く逃げることのできるような方法を,地方自治体等の担当者が検討するために用いるツールとして,災害シミュレーションシステム(Agent for Disaster Simulation System,以下ADSSと称す)の構築を提案する.ADSSでは避難民をエージェントとして再現し,国土地理院の数値地図25000を用いるとともに,既存のハザードマップを入力として用い,各条件の違いによる避難民の被害度の違いを結果として得ることができる.
著者
水草 貴久 細川 嘉彦 中川 宗大 大野 泰良 川崎 浩伸 高橋 日出美 右納 隆 塚本 達夫 日江井 邦彦
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.621-624, 2001

中国人労働者によるオオシロカラカサタケの集団毒キノコ中毒の症例をもとに, 猛毒といわれるアマニタトキシン群の毒キノコとの相違や, 今後いかにして毒キノコ中毒の発生を減少させるかなどについて検討した。本症例のオオシロカラカサタケは急性胃腸炎様の消化器症状を呈するのみで致死例は報告されていないが, 摂食したキノコを直ちに特定することは一般的に非常に困難である。従って致死率の高い, いわゆる猛毒キノコを摂取した可能性を考慮し, 医療機関は対応に難渋させられることが多い。オオシロカラカサタケは外見上, 最も毒性が高いといわれているアマニタトキシン群のキノコ (シロタマゴテングダケやドクツルタケ) と似ているが, 発症までの潜伏期間が根本的に異なる。また, 毒キノコ中毒による被害者の数が減少しない原因として, 一つには毒キノコの判別法として古くからの「言い伝え」的鑑別方法が未だに存在しており, 明確で判りやすい鑑別方法が社会的に確立されていないことがあげられる。
著者
沓掛 展之
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、真社会性ハダカデバネズミを対象に、群れ生活の維持に重要な役割を果たす集団的意思決定(個体が協調して複数の選択肢からひとつの選択肢を選ぶ意思決定)を研究する。同種は、複数個体が協調した労働行動によって地下トンネル内に複数の部屋を形成し、それぞれの部屋をネストや巣材溜め場に使い分ける。本研究では、この決定過程における決定個体、労働コストとの関連、個体間コミュニケーションを実験的に検証する。また、シミュレーションを用い、個体の行動ルールと集団的意思決定の関係を検証する。理論と実証の併用により、カースト制という複雑な社会的特徴を持つ真社会性哺乳類における集団的意思決定の理解を進める。