- 著者
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加藤 信介
伊藤 一秀
村上 周三
- 出版者
- 公益社団法人 空気調和・衛生工学会
- 雑誌
- 空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.78, pp.45-56, 2000-07-25 (Released:2017-09-05)
- 参考文献数
- 9
空気調和・衛生工学会で提案されたHASS 102換気規準では,室内の換気効率(=排気濃度で無次元化された居住域平均濃度,規準化居住域濃度)を加味した換気設計を行うことを推奨している.本研究では,各種換気システムを採用したオフィス空間を対象として,空調吹出空気に含まれるReturn Air(再循環空気)の割合を変化させた場合のこの室内の換気効率,すなわち規準化居住域濃度の構造をVisitation FrequencyおよびPurging Flow Rateの指標を用いて詳細に解析する.本稿においては,筆者らが提案・導入している換気効率指標(Visitation FrequencyおよびPurging Flow Rate)とHASS 102換気規準で定義されている規準化居住域濃度の関係を,室内における循環流とReturn Air(再循環空気,即ち室全体に対する循環流)の相似性から考察する.更に具体的解析事例として一般的オフィス空間を対象として行ったReturn Air(再循環空気)が変化した場合の規準化居住域濃度,Visitation FrequencyおよびPurging Flow Rateの解析結果を示し,3種の異なる換気システムの評価を行うことで,それら換気効率指標の有用性を確認する.