1 0 0 0 OA 小諸城懐古録

出版者
小諸町
巻号頁・発行日
1923
著者
大柴 弘子
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.181-189, 2003
参考文献数
36

現在、ARTにより出現する多様な「母」たちは「サロゲート・マザー」「ホスト・マザー」「借り腹・貸し腹」「ドナー」などの語で呼ばれ、あるいは呼称がないなど、その存在が瞹昧視あるいは無視されている。このことは、「母」のみならず「母・子」関係そのものが存在しないかのごとく、否定される危険性がある。この新たな「母」たちは、従来の母概念では説明できない存在者である。そこで本論では、まず、新たな概念設定によりARTによる新たな「母」の存在を明らかにする。次に、それに基づきこの多様な「母」たちおよび「親・子」の実態と問題を示す。そして、多様な「母」たちの存在を社会がいかに公認できるかという問題ではなく、問題の根源は「不妊治療」そのものにあることを示す。
著者
西岡 晋
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.26-39, 2017

<p>本稿は政策実施研究に新たな知見を加え,公共政策学の発展に多少なりとも寄与することを意図している。第一に,政策実施を規定する構造的文脈を重視する。従来の政策実施研究が「虫の目」からミクロ過程に注目してきたのに対して,本稿はミクロ過程を規定するマクロ次元の要因を「鳥の目」からとらえる。政策実施研究は,従来見過ごされてきた政策失敗のメカニズムを解明することで,学術的に大きな貢献を果たした。とくに重要な知見は,小さな出来事が政策上の大きな失敗を引き起こすことを明らかにしたことである。しかし,小さな出来事の背景には大きな出来事が隠れているかもしれない。本稿は,後者の重要性を強調する。</p><p>第二に,本稿は政策実施研究と行政管理論との接点を探る。両者の研究はこれまで乖離した状況にあったが,これに対して本稿は,NPM(New Public Management)に着目しつつ,行政管理が政策実施に及ぼす影響を考察し,そのことを通じて両者の理論的接合を図ろうと試みる。その上で,行政改革の負の効果,すなわち行政改革が政策失敗の要因の一つになっている可能性を論じる。</p><p>政策失敗の事例として待機児童問題を扱う。待機児童問題の背景にある保育士不足がNPM型行政改革によって引き起こされているのではないか。それが分析の結果から導かれる結論である。</p>

1 0 0 0 OA 青淵百話

著者
渋沢栄一 著
出版者
同文館
巻号頁・発行日
vol.乾, 1912
著者
川田 殖
出版者
山梨医科大学
雑誌
山梨医科大学紀要 = 山梨医科大学紀要 (ISSN:09105069)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.43-51, 1987

新約聖書の生命観は旧約のそれを前提し、ある点でそれにとって代っている。本稿は新約聖書記者の関係記事を検討して、そこに見られる生命観の特質を明らかにしようとする試みである。イエスの奇蹟物語と譬話の叙述には、生命の創造者・維持者たる神との正ししい関係に人を生かす「神の国」の現実的到来の事実が示されている。また初めからイエスを霊的存在としてとらえたバウロにとって、イエスは救い主・キリストであるとともに、人間生命のいっそう大きな広がりを啓示する存在であった。福音書記者ヨハネにとってイエスは神の子であり、神に至る道であり、復活であり、生命であり、彼を信ずる者は死を味わうことなき「神の国」で永遠の生命を現に受けている。以下この枠組の中で新約聖書の病気観、死生観、復活観が論じられ、キリスト教の信仰・希望・愛の究極的基礎たる終末論的生命観の検討をもって結ばれる
著者
宮 木 孝子
出版者
実践女子短期大学
雑誌
実践女子短期大学紀要 = The bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:13477196)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.(1)141-(15)127, 2014-02-04

北原白秋と鈴木三重吉の大正四年から昭和八年に至る十八年間を、書簡を中心に考察する。彼らは既に定説とされている『赤い鳥』の児童芸術運動の中心人物の二人であるが、北原白秋の晩年の『多磨』における短歌論にも影響を与えたこの時期の関係を再考したい。
著者
金 海峰
出版者
日本財務管理学会
雑誌
年報財務管理研究
巻号頁・発行日
no.22, pp.94-102, 2011

自己株式取得による資本政策の利用が本格化したのは,この平成13年商法改正の自己株式取得全面解禁以降である。この改正により,自己株式の取得・保有,処分,消却は企業の裁量に委ねることとなり,企業の利益重視経営から資本効率化経営へと転換を促し,企業の資本制度に大きな変化をもたらした。本稿では,平成13年改正前の旧商法までの自己株式の取得について原則禁止の理由を理解しつつも,自己株式制度の歴史的変遷を検討するとともに,上場企業全体の平成7年から平成21年までの自己株式の取得実態について考察した。特に,株主総会決議による自己株式取得と取締役会決議による自己株式取得の比較分析によって自己株式制度の変遷に伴い自己株式の活用が有効な資本政策として定着していることを解明したのである。
著者
徳江 義宏 大澤 啓志 今村 史子
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.203-206, 2011-08-31
参考文献数
44
被引用文献数
2

都市域におけるエコロジカルネットワーク計画の生息地の連結性を検討する上では,動物が再移入可能な生息地間の距離に関する知見は重要である。本研究は,計画論的視点から生態特性が類似したグループ毎に移動分散の距離を検討した。体サイズ,移動手段に着目して,哺乳類,鳥類,爬虫類,両生類,昆虫類,クモ類,陸生貝類の各分類群について,生態特性が類似したグループを把握することができた。このグループは,広域,都市域,地区の異なる空間スケールに応じたエコロジカルネットワーク計画の目標種の設定において,有効と考えられる。
著者
Hideki INNAN Takahiro SAKAMOTO
出版者
The Japan Academy
雑誌
Proceedings of the Japan Academy, Series B (ISSN:03862208)
巻号頁・発行日
vol.97, no.3, pp.134-143, 2021-03-11 (Released:2021-03-11)
参考文献数
41
被引用文献数
1

One of the ultimate goals of population genetics is to theoretically describe the behavior of allele frequency. Diffusion theory has been commonly used for this purpose mainly in one-locus one-population models, although it is not easy to handle diffusion theory in models with multiple loci or with multiple populations. This review introduces several successful cases, where multi-dimensional diffusion equations contributed to addressing evolutionary questions, thereby demonstrating its strong potential in population genetics.
著者
大形 里美 Ohgata Satomi
出版者
九州国際大学現代ビジネス学会
雑誌
九州国際大学国際・経済論集 = KIU journal of economics and international studies (ISSN:24339253)
巻号頁・発行日
no.5, pp.21-54, 2020-03

インドネシアにおいて、1980年代に異宗婚(ムスリム〔イスラム教徒〕と非ムスリムの婚姻)を禁止するファトワーが出され、現状 異宗婚が不可能になっていることについて、異宗婚を禁止するファトワーが出されるに至った当時の社会的背景とファトワーに書かれた異宗婚禁止の理由を考察した。また人権擁護の観点から、異宗婚を認めるべきだと主張するリベラル派イスラム勢力による近年の議論と婚姻法改革をめぐる動向を分析した。かつて「1974年婚姻法」が成立するまで、そしてその後2000年頃までは婚姻法のあり方をめぐってイスラム派勢力と世俗派勢力が対立する構図が存在していたが、それ以降は、リベラル派イスラム勢力と世俗派勢力が共闘して保守派イスラム勢力と対峙する構図へと変化している。