著者
大坪 研一
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.393-398, 2002-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
20
被引用文献数
2
著者
恒屋 昌一 臼井 永男
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.30-37, 2006-02-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
16
被引用文献数
8

近年,いわゆる足趾が床面に接地していない「浮き趾」の問題が指摘されている。本研究では,近年の成人期における直立時の足趾接地の実態を明らかにすることを目的に,独自に作成した足趾接地に関する定性的な評価法を作成し,地域に在住する健常成人155名を対象に足趾接地の状態を調査した。その結果,開眼安楽での閉足位すなわち開眼自由閉足位では,両足のいずれかの足趾の接地が十分でないものは,男性では66.0%,女性では76.2%にみられ,男性より女性において足趾接地に問題がある傾向がみられた。とくに第5趾において,「浮き趾」は男性では右足46.0%,左足30.0%に,女性では右足38.7%,左足35.8%に確認された。また,足趾が十分接地するよう努力した開眼努力閉足位では,開眼自由閉足位に比べて浮き趾の出現率はかなり減少したが,それでも不完全な接地を呈するものは男性では22.0%,女性では35.2%いることが判明した。これらの結果から,今日の健常成人において,静的立位では足趾が完全に接地しない人が多く存在することが確認された。
著者
羽生 隆
出版者
長野県工業技術総合センター
巻号頁・発行日
no.7, pp.189-193, 2012 (Released:2013-07-30)

長野県産パン用粉は外国産に比べ香りや製パン性の面でやや劣るといった評価があるので,この点を改良するため検討を行った。香りを補うため酒粕を添加した場合では乾燥物換算で酒粕5%加えた時が官能評価と製パン性のバランスが良いものとなった。酒粕由来の香りについては好みが分かれるものの香りの改善手段の一つとなりうると考えられる。乾燥米麹を添加した場合では製パン性を維持でき、官能評価にも悪い影響がでない添加量を検討した結果は2.5%であった。米麹粉末の添加は生地の粘性が増加する傾向があるので製パン性の向上および作業性の向上にも有効と考えられる。
著者
柴田 真理朗 杉山 純一 蔦 瑞樹 藤田 かおり 杉山 武裕 粉川 美踏 荒木 徹也 鍋谷 浩志 相良 泰行
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.296-303, 2010-07-15 (Released:2010-09-01)
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

すだち(気泡構造)からパンの食感を推定するために,粘弾性と気泡計測パラメータを計測し,それらの関係の定量化を行った.(1) すだちの構造把握に十分な数の気泡を含む大きさを持ち,合わせて試料間にバラツキが確保されるようにサンプリングするために,試料サイズの最適値を決定した.気泡パラメータの変動および実際の計測の安定性を考慮した結果,試料サイズの最適値は1辺20mmの立方体とした.(2) クリープ試験により得られた時間-歪曲線に4要素フォークト粘弾性モデルを適用し,4つの粘弾性係数(瞬間弾性,遅延弾性,遅延粘性および永久粘性)を得た.一方,イメージスキャナにより撮像したデータに,画像処理を利用した既往の研究8) の気泡検出法を適用し,平均気泡面積,平均気泡周囲長,単位面積当たりの気泡数,および気泡面積割合の4つの気泡パラメータを算出した.粘弾性係数および気泡パラメータの変動係数は7.5~49.2%であり,パン試料断面の部位によって不均一であることが明らかになった.(3) 粘弾性係数および気泡パラメータに相関分析を適用した結果,瞬間弾性,遅延弾性および永久粘性と気泡面積割合(画像全体に占める気泡面積の割合)に有意な相関がみられた(r>0.6, p<0.05).本実験で用いた試料においては計測した咀嚼面の気泡面積割合が大きいほど,「かたく」感じられることが示唆された.また,既往の研究と異なる方向の画像解析においても食感を推測できる可能を示せた.
著者
石淵 順也
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.27-51, 2016-03-31 (Released:2020-04-21)
参考文献数
86
被引用文献数
1 1

本研究の目的は,店舗内行動研究の2つの下位分野である動線研究,店舗感情研究の成果を統合した研究枠組みに基づき,快感情が快楽的価値の提供や衝動購買の促進だけでなく創造的購買を促進すること,創造的購買が長期的来店行動を促進すること,その結果として消費者と小売店の長期的関係構築に快感情が寄与することを明らかにすることである。既存研究の検討から,店舗内行動研究の課題を整理し,課題解決のため心理学分野の快感情と創造性に関する研究成果を援用し,4つの仮説を構築した。百貨店の地下食品売場の来店客の調査データを基に仮説検証を行い,快感情が消費者の創造性を高めること,快感情は創造的購買を促進すること,動線長は快感情を考慮した場合,狭義の非計画購買に影響しないこと,創造的購買は消費者の長期的来店行動に正の影響を与えることが確認された。小売企業,メーカーにとって計画購買を高めること,小売企業にとって衝動購買を高めることの重要性はこれまでも指摘されてきたが,快感情を通じて創造的購買を高めることが消費者と小売店の長期的関係構築に有用であることを明らかにした。
著者
舩木 恵子
出版者
日本ピューリタニズム学会
雑誌
ピューリタニズム研究
巻号頁・発行日
no.4, pp.70-80, 2010

In this paper, I propose a strong contribution of the nineteenth century Unitarian feminists upon the twentieth century's crusade for women's rights. Numerous studies have been performed concerning the Women's Suffrage movement of the twentieth century and the history of women's political thought from the early eighteenth century to the present. On the contrary, there have been few investigations focusing on the Unitarian feminist movement; therefore, I present this research, based upon Autobiography by Harriet Martineau, who was an influential Unitarian writer of the Victorian era. Reference will also be made to reports published in The English Woman's Journal that relate to Unitarian society.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.631, 2016-01-11

関連キーワード建設技能労働者の不足/報奨金/マイスター制度のない企業の現場は人手不足の恐れも 日本建設業連合会(日建連)によれば、2011年以降、建設技能労働者の不足が続いている。今後、20年の東京五輪関連の工事などが控え、厳しい状況は続きそうだ。…
著者
Timothy J LANG Ana P BARROS
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.829-844, 2004 (Released:2004-09-27)
参考文献数
28
被引用文献数
134 186

Based on observations from a hydrometeorological network on the eastern slopes of the Annapurna Range, nearly all the annual precipitation at low elevations ( 3000 m MSL) can receive up to 40% of their annual precipitation as snowfall during the winter, with the highest altitude stations (∼4000 m MSL and above) having the most total winter precipitation (which can exceed 100 cm). Significant snowstorms are associated with terrain-locked low-pressure systems that form when an upper-level disturbance passes over the notch formed by the Himalayas and Hindu Kush mountains (the so-called Western Disturbances), causing upper-level SW flow over central Nepal and orographically forced precipitation. Based on these results, a 30-year (1973-2002) climatology of these notch depressions is developed and reveals that significant interannual variability in central Himalayan winter storms exists. Weak but statistically significant correlation between notch depressions and the Polar/Eurasia teleconnection pattern was found, suggesting that the strength of the circumpolar vortex may affect the number of depressions passing through the Himalayan region. A typical snow event (11 February 2000) was the subject of an observational and modeling case study. Local precipitation (snow and rain) and other meteorological observations, as well as satellite (Meteosat-5 and TRMM) and NCEP/NCAR Reanalysis data were used, along with a cloud-resolving model with realistic topography. This study shows that significant wintertime precipitation only occurs in the central Himalayas when the large-scale flow evolves to a favorable geometry with respect to the mountains.
著者
宮原 均
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.85-101, 2014-12-20

本稿においては、先例拘束の国とされるアメリカにおいても、先例変更がかなり行なわれている点に着目し、その問題点を検討した。まず、先例変更がもたらすメリット・デメリットを指摘し、次に、先例拘束を根拠づける理論がいかに形成されてきたかに関して歴史的にフォローした。「法宣言説」や「議会沈黙論」に触れた後に、社会等の変化に対応するために先例変更も認められるようになってきたが、先例を信頼した当事者に対する不意打ちを避ける必要があることが強く認識されるようになった。そこで、「区別」等による先例への漸進的浸食の意義と将来効判決の必要性を指摘した。
著者
辻 かおる 小澤 理香 高林 純示
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、(1)花形質の雌雄差の解明の研究を雌雄異株植物ヒサカキを用いて行い、匂いと蜜成分について新知見を得た。また、(2)送粉者の観察と行動実験から、送粉者の反応が雌雄の花で異なることが明らかになった。具体的には、匂いの主成分のイオン強度(匂いの強さ)に有意な雌雄差はなかったが、微量成分は雄花で多く放出されていた。一方、花蜜に含まれる糖の主成分の濃度は雌花で有意に高かった。さらに、送粉者を用いた行動実験では、送粉者の花での滞在時間は雄花より雌花で長くなっていた。これらの結果から、花の雌雄差とそれに対応する送粉者の行動が新たに明らかになった。
著者
土井 教史 佐藤 眞直 陰地 宏
出版者
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
雑誌
SPring-8/SACLA利用研究成果集 (ISSN:21876886)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.97-99, 2017-01-31 (Released:2021-01-15)
参考文献数
3

加圧水型原子力発電プラントの一次冷却系構造材として主に使用されるオーステナイト系ステンレス鋼やNi基合金においては、一次冷却水系へ溶出するNiを低減することが急務となっている。最近、耐Ni溶出低減対策として、いくつかの表面処理法を見出しつつあるが、そのNi溶出抑制メカニズムに関しては不明な点が多い。今回は、表面処理を行っていない初期材において、その初期状態皮膜成分の金属元素の深さ分布や存在状態への理解を深めるため、HAXPESを用いた非破壊分析を実施した。